ソーシャルリクルーティングとは!活用すべき5つのメリット【人事必見】
人事・採用担当者向けに「ソーシャルリクルーティング」とは何か解説しています。採用活動にSNSを使う企業は増えてきていますが、具体的にどういったメリットがあるのか、行う上で何に気をつけるべきなのか説明しています。ぜひご覧ください。
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人手不足の深刻さが叫ばれている現代の日本社会。あまりの人手不足で仕事が回らない、人員が割けなかったせいでビジネスチャンスを逃してしまったという声も耳にしたことがあるのではないでしょうか。この程度の問題で済むならまだしも、人手不足のせいで会社が倒産してしまうというケースも増えてきています。
これまで通りのやり方ではやがて立ち行かなくなってしまうとはいえ、具体的にどのような採用戦略を立てていけば良いのか分からないという人事担当者も多いでしょう。
そこで今回紹介するのが「ソーシャルリクルーティング」という採用手法です。
なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。
目次
ソーシャルリクルーティングとは
ソーシャルリクルーティングとはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用した採用活動のこと。
SNSといえばTwitterやFacebookが有名ですよね。これ以外にもYouTubeやLinkedInが活用されています。
従来の採用活動との違い
ソーシャルリクルーティングが従来の採用活動と違うのは、企業側から有望な人材へアプローチをかけたり応募者から気軽に質疑応答を受け付けられるという点。企業から応募者、応募者から企業というように双方向のコミュニケーションが実現できることで注目を集めています。
もし「SNSなんて趣味や暇つぶしで利用するもの」と考えているのであれば、まずはその認識を改める必要があります。
ソーシャルリクルーティングは既に海外では一般的な採用戦略。アメリカで人材紹介などを行っているjobvite社の調査によると、2013年の時点で94%もの企業がソーシャルリクルーティングを実施しています。
事例は後ほど紹介しますが、日本においてもソーシャルリクルーティングの活用は広がっています。実施するかどうかはともかく、今後の採用戦略を考えるのであればソーシャルリクルーティングという手法を知らないわけにはいきません。
ソーシャルリクルーティングの5つのメリット
会社への好感度が上がる
もしあなたが転職するとしたらどのような会社を選ぶでしょうか。
当然ながら給料や勤務時間、福利厚生などはチェックするかと思います。とはいえ会社の魅力は数字に表れるものだけではありません。
入社した後に人間関係をうまく築いていけそうかどうか、採用されたらどのような業務を行うのかという点も気になるところ。できれば社内の雰囲気がよく分かる会社、入社後のイメージをしやすい会社を選びたいと思うでしょう。
最終的に2つの会社を選ぶとなったとき、簡単な求人広告しか出していない会社とSNSで積極的に情報を発信している会社の2つがあったらどちらを選ぶでしょうか?当然後者を選びますよね。
実際に働いている人の声や社内で実施したイベントの写真などがSNSに投稿されていれば、応募者へ会社の風土について理解を深めてもらうことができます。SNSから直接採用することにはならなかったとしても、求人広告を見てから応募するまでの心理的なハードルが下がり、結果的に応募者の増加につながるでしょう。
活動や内面を知れる
従来の採用活動において応募者の採用可否を決める判断材料は履歴書と面接だけでした。とはいえ、履歴書・面接だけでは情報量があまりに少なく、的確な判断を下せている自信はないというのが正直なところではないでしょうか。
応募者は内定を勝ち取るため、本来持っている以上の能力があるように振る舞いがち。すべてを真に受けてしまうと応募者を過大評価してしまいます。反対に、本当は高い能力を持っているのに面接ではそれを見抜くことができず、応募者を過小評価してしまうこともあるでしょう。
ソーシャルリクルーティングであれば、応募者のSNSアカウントを見ることによって個人的な活動や日常から見える性格などを伺い知ることができます。判断材料が増えることで自社の風土にマッチする人材かどうかを判断しやすくなるのです。
ミスマッチの防止
必要な人員を確保できたからこれで安心、というわけにはいきません。企業と社員の間でミスマッチがあるとせっかくの採用活動も水の泡。
「思っていた仕事じゃなかった」「社内の雰囲気が合わなかった」といった理由でせっかく入社した会社を辞めてしまうケースが相次いでいます。採用コストを考えるとマイナスの結果になってしまったという事態に陥ることも少なくないでしょう。
一方で企業の立場からもミスマッチだと感じることがあります。面接の印象は良かったものの、いざ採用してみると期待していたスキルを持っていなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。もちろん印象と違ったからといって簡単に解雇するわけにはいきません。
ソーシャルリクルーティングを実施していれば応募者は会社を詳しく知ることができ、企業もまた応募者の内面を詳しく知ることができるため、お互いにミスマッチを減らすことができます。
双方向のコミュニケーションが可能
従来の採用活動では、情報の流れが企業から就活者へと一方的なものがほとんどでした。このような状況では、会社は就活者がどのような情報を求めているか分からず、就活者も欲しい情報が得られず応募を躊躇してしまいます。メールや電話で問い合わせることが不可能でないとはいえ、他にもたくさん求人がある中わざわざ問い合わせる人はかなり稀でしょう。
一方SNSを通じたつながりであれば、お互い気軽にコミュニケーションがとれます。オープンな場所で質問に答えれば、たった一度の手間で応募を考えている人全員に情報を伝えられるのもSNSならではのメリット。企業側から気になる人へ積極的にアプローチをかけることも可能です。
タレントプールできる
人の出会いは一期一会というように、採用する・しないに関わらず応募してくれた人へ感謝の気持ちを忘れてはいけません。とはいえ採用予定人数の都合で採用できなかった、内定を出したものの辞退されてしまったということもあるでしょう。通常であれば企業と応募者の関係はそこで終わり。今後入社することにはまずならないでしょう。
しかし、どこも人手不足なこの世の中、たまたま縁がなかったからといって関係を終わりにしてしまうのは非常にもったいないことです。そこで必要なのがタレントプールという考え方。タレントプールとは、今後も関わりがあるかもしれない人材とつながりを維持しておくことを意味します。
SNSアカウント経由で定期的にコミュニケーションを取っておけば、お互いのタイミングが合うところで応募を促すなど、機会損失を減らすことが可能になります。
ソーシャルリクルーティングのデメリット
ここまで説明してきた通り、ソーシャルリクルーティングにはさまざまなメリットがあります。ですが、もちろんデメリットがまったくないわけではありません。
一番のデメリットは労力がかかるということ。
ソーシャルリクルーティングを効果的なものとしたいのであれば情報をこまめに更新する必要があります。なぜならSNSでは最新の情報が優先的に表示されるから。SNSではどんなに良い情報であっても時が経つにつれ人目に触れにくくなってしまいます。
また、先ほどメリットでも述べた通りSNSの強みは双方向のコミュニケーションが可能だということ。一方的な情報提供をするだけではこれまでの求人広告とあまり変わりません。これまで以上の成果を挙げようと思うのであれば、採用候補者と積極的に関わっていく手間が必要になります。
ソーシャルリクルーティングを行う上で大事な4つのポイント
採用したい候補者像を正確に定義する
採用活動は一人だけで行うものではありませんよね。採用したい人材について「こんなスキルを持っていてほしい」「こんな性格だと嬉しい」といったイメージを持っているかもしれませんが、そのイメージが人事に関わる人全員に共通しているものとは限りません。
それぞれの認識がバラバラだと、採用候補者へ向けて一貫した対応が取れなくなってしまいます。せっかく応募しようと考えていた人も「この会社は自分に向いてなさそう」と考え、応募を諦めてしまうこともあるでしょう。
ソーシャルリクルーティングに取り組む前には、まず大まかな候補者像を定義し、人事に関わる従業員の中で統一しておくと良いでしょう。イメージが具体的に決まれば決まるほど、応募者に響きやすい効果的な情報を提供できます。
とにかく継続する
SNSで優先されるのは新しい情報です。せっかく発信してもすぐさま新しい情報に押し流されてしまうでしょう。そのため多くの注目を集めたいのであればこまめに投稿する必要があります。
また、SNSで広く認知されるまでには時間がかかるため、1ヶ月や2ヶ月で成果が表れると期待してはいけません。最低でも半年から1年はかかるつもりで取り組む必要があります。
PDCAサイクルを回す
とにかく継続することが大事とはいえ、漫然と続けるだけではあまり効果的とはいえません。
どのような投稿が注目を集めたのか?その要因は一体何なのか?というように、閲覧数やフォロワーの増加率など具体的なデータを元に改善を進めていきましょう。
インフルエンサーと関係を築く
既にSNSアカウントを持っており、多くの注目を集めているということであればソーシャルリクルーティングにおいて有利なスタートを切れるでしょう。といっても、これまでSNSを運用したことがなく、ゼロから始めるという企業も多いはず。
ソーシャルリクルーティングは比較的新しい手法であるとはいえ、既に活用を進めている企業はたくさんあります。一歩先を行くライバルたちに同じ方法で戦いを挑んでも、それ以上に注目を集めるのはなかなか難しいでしょう。
そこで実践したいのがインフルエンサーと関係を築くという方法です。インフルエンサーとはSNS上で世間に大きな影響力を持つ人物のこと。インフルエンサーに自社の情報を取り上げてもらうことができれば、短期間で大きな注目を集めることも夢ではありません。
ソーシャルリクルーティングの事例4選
アイティメディア株式会社
アイティメディア株式会社では、2011年から採用戦略をソーシャルリクルーティングに絞りました。具体的な方法としては、まずTwitterで「就活」や「IT」などのキーワードをチェックし、これから就活を始める学生のリストを作成します。
次にこれらの学生と積極的に交流を行うなど企業側から積極的にアプローチをかけるというもの。結果として企業に対し理解度の高い社員を確保することができました。この結果から、同社はソーシャルリクルーティングを効率の良い採用戦略だと評価しています。
スターバックス
FacebookやTwitter、YouTubeなどさまざまなSNSを活用するのがスターバックスの戦略。幅広く情報発信するとともに、実際に働いてる人の様子を動画公開するなどの取り組みを行っています。
これらの取り組みのおかげか、スターバックスではファンが従業員として働き始めるというケースが多く見られます。
ニトリホールディングス
ニトリホールディングスではFacebookを利用した採用戦略を展開しています。
写真を多く投稿して社内の雰囲気を分かりやすく説明したり、充実したコンテンツを高い頻度で更新したりといった戦略で注目を集めました。オンラインセミナーや質問会を実施しているのも同社のソーシャルリクルーティングの特徴。双方向のコミュニケーションを積極的に行い成功した例といえるでしょう。
ライオン株式会社
ライオン株式会社ではFacebookを利用したソーシャルリクルーティングを行いました。投稿されたのは一問一答形式のインタビュー。人事以外の社員にも協力してもらいやすい形式にしたことが成功の要因といえそうです。
まとめ
すでに世界中で活用が進んでいるソーシャルリクルーティング。日本においても活用を進める企業が増えており、人事担当がこの状況を呆然と眺めているわけにはいきません。手間や時間はかかるもののSNSアカウントの開設は無料。せっかく使えるものがあるのに活用しない手はないでしょう。
SNSは特に若手層の利用者が多いサービス。少子化で減少する若い労働力を確保するためにソーシャルリクルーティングは非常に効果的です。この機会にあなたの会社でもソーシャルリクルーティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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