人材採用において欠かせない!採用戦略とは【人事必見】

人事や採用担当者向けに採用戦略を立てるにあたって重要なポイントや流れを紹介しています。会社としてどういう人材を採用したら良いのか固まっていない、方向性が固まっていないと感じる方はぜひ戦略を立てるところから始めてみましょう。

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中途採用を行うにせよ新卒採用を行うにせよ採用活動を行う上でまず戦略を立てなければなりません。

この記事では、採用戦略を立てるにあたって重要なポイントや流れを紹介しています。会社としてどういう人材を採用したら良いのか固まっていない、方向性が固まっていないと感じる方はぜひ戦略を立てるところから始めてみましょう。

 

なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

 

目次

 

採用戦略とは

企業にとって優秀な人材の獲得は重要事項です。

ですが、昨今の人材状況は決して明るい物ではなく、特にIT事業にとっては度重なる技術革新・若者のパソコン離れなどによって優秀な人材の獲得が難しくなってきています。

その為、企業側はやみくもに採用業務を行うのではなく、自社に適した優秀な人材を獲得する為に戦略を練らなければいけません。

この様な優秀な人材獲得の為の戦略のことを「採用戦略」と言います。

 

採用戦略の4つのポイント

上記した通り、企業が優秀な人材を獲得する為には綿密な採用戦略を練る必要があります。

そして、その採用戦略には必ず押さえておきたい重要なポイントが4つあり、このポイントを抑える事によってより良い採用戦略を作り上げる事が出来ます。

 

1. 経営トップを巻き込む

採用戦略は決して人事担当のみで作るべきではありません。

今後どの様な人材を採用していくかによって企業の行く末に大きく影響してしまうため、企業の舵取りを行う経営トップとの協力体制はとても重要な物となります。

経営トップが望む将来像や社員に求める物をしっかりと把握し、必要であれば意見を述べながら採用戦略を練って行きましょう。

ポイントまとめ

  • 採用活動は企業の経営戦略にも大きく関わってくる
  • 採用活動は人事本部だけでなく会社全体として行う必要がある

 

2. 全社員を巻き込む

採用後に一緒に仕事をしていく事になる社員達の意見を聞くこともとても重要です。

今の企業にとって必要なスキル・素養などは現場の人間でなければ分からない事も多く、社員へのアンケートやヒアリングによって人事担当や経営陣では気付けない発見がある事もあります。

一方しか見ていない戦略は穴がある事が多く、採用後に人材のミスマッチによる時間的・費用的なロスを招く事も考えられる為、多くの人との協力によって多角的な視点を持つ採用戦略を練って行きましょう。

特にIT企業はその専門性も高く、求められるスキルも開発技術や納期感覚、コミュニケーション能力や最新技術へのアンテナなど様々です。

実際に現場で働いている社員から、現場での不都合やどういった社員を求めているかを確認し、最大限の業務効率向上を計る必要があります。

ポイントまとめ

  • 必要な人材は現場の人間でなければ分からない事もある
  • 多くの人の協力体制の基、多角的な視野を持つ戦略を作る必要がある
  • IT企業はその専門性も高く、求められるスキルも様々

 

3. 人材戦略と一貫性を持たせる

採用戦略は人材を探し出し、採用する事だけを考えて作るべきではありません。

当然の事ながら人材は採用して終わりではなく、その後に企業が求める人材へと成長させ、企業を大きく成長させる為の戦力へと成ってもらう事も重要事項です。

その為に採用戦略は、企業がどの様な人材を求め、どのような人材育成を行っていくかの戦略『人材戦略』と方向性が違わないように一貫性を持たせる必要があります。

尚、採用戦略には内定・入社後のフォロー体制の構築も含まれている為、その段階では必ず人材戦略との整合性を保つ必要になってきます。

ポイントまとめ

  • 採用戦略は企業が持つその他の戦略と密接な関わりを持つ
  • 採用戦略は人材戦略などの他戦略と方向性が違わないように一貫性を持たせる必要がある

 

4. PDCAを積み重ねる

戦略とは最初の試行から完璧な物へと仕上がる事はありません。

そこには必ず試行錯誤によって、より良い戦略へと成長させる為の仕組みが必要となります。

この試行錯誤の為の仕組みをPDCAサイクルと呼び、『プラン(Plan)』『実行(Do)』『検証(Check)』『改善(Action)』のサイクルを回し続ける事によって効率的に戦略をより良い物へと昇華させることが出来ます。

特にIT業界は、技術革新や人材状況の変化が激しく、そういった移り変わる環境へと即時対応していく為には必須事項と言えます。

ポイントまとめ

  • PDCAを一本道として考えず、改善(Action)の次は再度プラン(Plan)に戻り、改善サイクルを回し続ける必要がある
  • PDCAサイクルにより計画の問題点を発見及び改善が出来る
  • PDCAサイクルによりより効率的な計画へと作り上げる事が出来る
  • 状況の変化が激しいIT業界にとってはPDCAによる改善・対応サイクルが最適に働く

 

採用戦略を立てるフロー

ここまでで、採用戦略の必要性、そして採用戦略を構築する際に抑えておくべきポイントを説明しました。

次に、実際に採用戦略を立てる際のフローを紹介します。

それぞれのフローを確認し、抜けの無い採用戦略を構築して行きましょう。

 

1. 求める人物像の策定

まず最初に行うべきは、求める人材の人物像を設定する事です。

必要人材の見極めが甘いと、採用後に重大なミスマッチが起きてしまい、想定していた成果が得られないなどの問題が発生し時間的・費用的なロスを招きかねません。

この様な採用後のミスマッチを防ぐためにも、業界のリサーチ、社員へのアンケートやヒヤリング、人材戦略などとのすり合わせ、そして後に説明する4つのフレームワークを活用し、求める人物像をしっかりと設定していく必要があります。

そしてもう一つ重要なポイントは『長期的な視野を持つ』ことです。

1人の優秀な人材が企業に及ぼす影響は大きい為、目先の問題にばかり注目して人物像を設定せず、長期的な視野で企業に大きく貢献してくれる社員像を設定する必要があります。

ポイントまとめ

  • 採用活動において求める人物像の設定は最も重要
  • 求める人物像の設定が甘いと、採用後のミスマッチから大きな問題が発生する
  • 目先の事だけに囚われず、長期的な視野を持つ

 

2. 定量的な採用計画の設定

計画を立てる時に注意すべき事は『抽象的な計画』にならない事です。

具体性を意識して採用目標を決めていく必要があります。

各種スケジュールは勿論の事、採用人数などは経営戦略や現場状況や業界の変化などを加味して決定していかなければなりません。

この際、職種別の離職率なども利用してシミュレーションを作っておくと、より現実的な採用人数の設定が行えます。

ポイントまとめ

  • 計画には具体性を持たせる
  • スケジュール管理は勿論、目標採用人数は各種状況やデータを元に設定する必要がある

 

3. 求人手法の選定

求める人材の設定と採用計画の設定が出来ましたら、次に行うべきは適切な求人手法の選定です。

ここで気を付けるべきなのが、『より多くの応募者が集まる手法』ではなく『求める人材が集まる手法』を選択するという事です。

ハローワークや求人媒体、人材紹介から人材派遣まで多種多様な求人手法の中で、1で設定した人物像に基づいた手法を選定する必要があります。

他にも競合他社がどの様な求人活動を行っているのかなどを調査する事も有効な手段となります。

ポイントまとめ

  • 求人手法は求める人物像を基に設定する必要がある
  • 競合他社がどのような求人活動を行っているかを調査する事も大切

 

4. 面接官の育成

面接官の育成も重要課題の一つです。

面接官は先入観や偏見を排除し、短い面接時間の中で応募者を見極めなくてはいけません。

その為には必要人材像に基づいた評価シートの作成や、質問表の作成、面接内での段取りなどしっかりと準備をしておく必要があります。

他にも応募者の緊張を解く為のフリートークの事前準備や、担当面接官が複数人いる場合は面接官の間で採用に対する認識齟齬が起きていないかの確認もしておく必要もあります。

 

それともう一つ重要なのが『面接官=企業イメージ』になるという事を周知徹底しておく事です。

面接官の対応一つが応募者に対して企業イメージとして定着する為、採用する立場だからと言って横柄な態度で接してしまえば企業に悪いイメージが付きかねません。

その為、面接官にはその事をしっかり理解する必要があります。

ポイントまとめ

  • 面接官が担う責任は大きい
  • 面接前の準備は怠らない
  • 『面接官=企業イメージ』という事を理解してもらい、誠意をもって応募者に対応してもらう必要がある

面接官のトレーニング方法をまとめた記事も合わせてご覧ください。

 

5. 内定・入社後のフォロー体制を確立

採用後のフォロー体制を整えておくことも重要です。

内定者の中には認識とのミスマッチや内定のブッキングなどにより内定辞退を行う方も多くいます。

採用活動は多くの時間と費用が掛かる為、こういった内定辞退が極力起きないようにする為に内定・入社後のフォロー体制を確立しておく必要があります。

フォロー体制の具体例としては、

  • 内定者との懇親会
  • 社内又は社外でのセミナー教育
  • 社員間での協力体制の確立

などがあります。

内定後の入社前の段階は『お客様ではないが社員でもない』という微妙な段階であり、この期間でどのようなフォローを行えるかが内定辞退や早期離職の防止、そして企業イメージの向上に大きな影響を与えます。

その為、採用戦略は採用するまでではなく、採用後フォローの計画もしっかりと立てる必要があります。

ポイントまとめ

  • 採用活動では内定辞退などを防ぐ為にフォロー体制も必要
  • しっかりとしたフォロー体制は内定辞退の防止だけではなく、企業イメージの向上や早期離職率を抑える為にも有効

 

採用戦略に活用できるフレームワーク

採用戦略を組み立てる上で是非活用したいフレームワークがあります。

フレームワークとは直訳で『枠組み』という意味で、問題定義や状況分析などの際に、どのような方法・手順で分析をすれば良いのかを分かりやすくまとめた物のとなっており、これらを活用する事によって多角的な視点で抜けの無い戦略を効率的に組み立てることが可能となります。

 

SWOT分析

SWOT分析とは企業の『強み(Strength)』『弱み(Weakness)』『機会(Opportunity)』『脅威(Threat)』を分析・組み合わせにより、自社の市場機会や事業課題を発見する為のフレームワークです。

SWOT分析を使い自社が活かすべき強みと課題を把握する事が出来れば、より精密な必要人材像を設定する事が可能となります。

フレームワーク詳細URL:
https://cyber-synapse.com/dictionary/en-all/swot-analysis.html

 

3C分析

3C分析とは、『Customer(市場・顧客)』『Competitor(競合)』『Company(自社)』の3つの要素により、マーケティング環境分析を行う為のフレームワークです。

このフレームワークはとてもシンプルで分かりやすく、業界を取り巻く環境を把握するには有効なフレームワークとなっています。

フレームワーク詳細URL:
https://cyber-synapse.com/dictionary/en-all/3c-analysis.html

 

4C

4Cとは、『Customer value(顧客価値)』『Cost(顧客コスト)』『Convenience(利便性)』『Communication(コミュニケーション)』の要素から顧客側の視点で商品・サービスをチェックするフレームワークです。

各種戦略を立てる際、どうしても売り手側からの視点に寄り過ぎて物事を見がちなため、このフレームワークを活用する事によってパランスの良い戦略を組み立てる事が可能となります。

フレームワーク詳細URL:
https://www.marketingbank.jp/special/cat07/96.php

 

採用マーケティング

採用マーケティングとは、厳密に言うとフレームワークではなく『マーケティング手法を取り入れた採用活動』のことを指します。

従来の採用活動は多くの応募者を集める事や、集まった応募者の中から自社にとって最適な人材を選定する事が重要視されていました。

ですが、近年の人材不足による採用競争の激化、そしてそれに伴う買い手市場から売り手市場への移り変わりによって、より戦略的な採用活動が求められる様になって来ました。

マーケティング手法は、多角的な視点により問題定義や状況分析を行う事が出来、その手法を取り入れる事によってより効率的な採用活動を行う事が出来ます。

 

ペルソナ設計

ペルソナ設計とは、架空の人物像を作り上げて相手の詳細分析を行う手法です。

自社にとって最も理想的な社員像を作り上げる事によって、その対象はどういった募集要項に惹かれるか、何処で募集を掛ければ対象の目に留まる事が出来るかなどを考えやすくなります。

フレームワーク詳細URL:
https://co-nectar.jp/persona/

 

まとめ

採用戦略の立て方について解説しました。

フレームワークはよく経営コンサルタントが用いるものですが、採用活動において他社との差別化や自社の強みを理解する上でやっておくと良いでしょう。

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