労働契約書・雇用契約書とは!違いや書き方を詳しく解説【人事向け】

人事・労務担当者向けに労働契約書、雇用契約書とは何か解説しています。それぞれの書類の違いや書き方について説明しているので、参考にしてみてください。労働条件通知書についても紹介しているので、人材採用を行う企業は要必見です。

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労働契約書・雇用契約書について解説しています。

労働契約書と雇用契約書の違いや書類の書き方を説明しているので、契約においてミスがないようにチェックしておきましょう。

人事や労務に関わる人は事前に理解しておきたい内容です。

 

なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

 

今回は、労働契約書に関する内容ですね!

どういう内容でしょうか?

労働契約書と雇用契約書の違いや書き方について詳しく説明していきますよ!

お願いします!

 

目次

 

労働契約書とは

労働に関する基本的な取り決めをまとめた法律として、労働契約法があります。

労働契約法は、適切な労働条件の決定・変更が円滑に行われるよう、使用者・労働者間の契約に関わる様々を取りまとめ、労働関係の安定化・労働者の保護を行うものです。

労働契約書は、この労働契約法に則った契約として以下の合意形成を行います。

  • 労働者が使用者に使用されて労働すること
  • 使用者が労働者に対して賃金を支払うこと

これらについて双方の合意があって初めて、労働契約が法的に認められます。

 

労働契約書なしで労働をさせたらどうなるのか

労働契約書で合意を取れという内容の法律はありません。ですので労働契約書なしで労働者を使用することも出来なくはありませんが、その場合あとになって様々なトラブルを抱える可能性があります。

口頭などでの簡単な約束で労働を行った場合では、あとになって「見合った額の報酬が支払われない」「約束したはずの仕事をしてくれない」などの問題が発生した場合の保証となるものがありません。

「ここからここまでは仕事をする」「これ以降は自分の責任ではない」「これらの労働には額として〇〇円の報酬が支払われる」といった約束を紙面上に残し、かつそれについて合意の証明を契約書という形で締結することは、使用者・労働者双方の利益を守るために必要な行為です。

 

このように労働契約書は、労働契約法に則った合意形成のためにあるものであり、使用者と労働者を守るための手続きとして極めて大切なものです。

万が一トラブルが発生した場合にも、労働契約書があれば法律に則ってこれに対処することが出来ます。

 

雇用契約書とは

労働契約書が労働契約法に則った手続きである一方で、雇用契約書は民法に則った手続きとしての契約です。

雇用契約書では次のことを契約します。

  • 雇用された側が労働に従事すること
  • 雇用する側が労働に対する報酬を与えること

これを満たさない場合、雇用は成立していないとみなされ、「労働させる」「報酬を支払わせる」といった強制力は生じません。

 

労働契約書と雇用契約書の違いとは

労働契約書と雇用契約書は極めて似た事項の契約について扱っています。

比較のためにもう一度両者を見比べてみましょう。

労働契約書

「労働者が使用者に使用されて労働すること」と「使用者が労働者に対して賃金を支払うこと」を契約する。

 

雇用契約書

「雇用された側が労働に従事すること」「雇用する側が労働に対する報酬を与えること」を契約する

 

こうして比較しても意味合いとしてはほぼ同じのように取れるかもしれませんが、厳密にはこれらは異なる意味を持ちます。

具体的には、両者の間には「対象となる範囲の違い」があります。

 

労働契約書と雇用契約書の対象範囲

両契約書は、対象となる範囲についての違いがあります。

これは双方の名前の通り、労働契約書はあくまで「労働」の話を、雇用契約書は「雇用」の話をしているということです。

法律上の詳細な説明は省きますが「雇用」は「労働」の一形態です。

雇用の他には「請負」や「委任」がその他の労働の形態にあたります。

そのため、状況によっては「これは労働契約の適用範囲内だが、雇用契約の適用範囲外である」という状態も存在します。

 

労働契約書と雇用契約書、結局どちらが必要なの?

労働契約書と雇用契約書は、厳密には異なる意味合いであるとはいえ、結局のところ両方の書類を発効することは基本的にはありません。

ほとんどの場合には、単なる所属会社と社員との間には【雇用契約書】が交わされます。

これは、雇用契約書による「労働」と「報酬」の契約が、労働契約書で締結する内容を兼ねることができるためです。

ですので意味合いに僅かな差異があるとはいえ、結論としては雇用契約書ひとつを用意すれば、労働契約法と民法の双方の条件を満たすことが出来るのです。

 

雇用契約書では適用できない契約

前述の通り、労働には「雇用」の他に「請負」や「委任」などが存在します。

労働の形態としてこれら雇用以外の形態をとるビジネスを行う会社の場合、雇用契約書のみの契約では、法律違反となる場合があります。

また「準委任」という委任に類似した形態もあり、代表的なところだと、IT業界におけるSES事業(他社にエンジニアの能力・労働を提供する事業)などがこれに当てはまります。

 

このように労働の形態には様々なものがあります。

労働・使用関係を締結する場合には、この契約がどういった形態の労働にあたるかを留意して、適切な契約を結びましょう。

 

労働契約書・雇用契約書の書き方

労働契約書と雇用契約書は、共に書き方に規定が存在しません。

労働契約法・民法で規定された契約時の合意形成を証明出来る内容であれば、実際に書く内容は自由とされています。

例として、両契約書は以下のような項目を記載し、これについての同意を行う形式が一般的です。

  • 雇用期間
  • 就業場所
  • 仕事内容
  • 休憩時間
  • 退職に関する事項
  • 給与
  • 社会保障

 

労働契約書・雇用契約書は労働条件通知書と兼ねることもある

労働契約書・雇用契約書に記す内容は、後述の「労働条件通知書」の役割を兼ねる場合もあります。

この場合、後述する法律で定められた事項について明記する必要があります。

労働条件の通知もまた、怠ると会社側がペネルティを被り得る事項です。

労働条件通知書として通知するか、あるいは労働契約書・雇用契約書で労働条件の通知を兼ねるかのどちらかを怠らないようにしましょう。

 

労働条件通知書とは

また、労働契約書や雇用契約書の他に、労働条件通知書というものがあります。

労働契約書は労働契約法、雇用契約法は民法で規定された法律に則ったものでしたが、労働条件通知書は労働基準法に則ったものです。

労働基準法には、労働契約の締結に際して以下のルールが定められています。

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

このルールを満たすために、会社側は労働条件通知書による通知の必要があります。

 

労働条件通知書の役割

労働条件通知書は、労働契約書や雇用契約書と異なりあくまでも通知書としてのものです。

法律で定められた事項について会社側が労働者に通知するためのものであり、契約書のような労働者に対する強制力は存在しません。

ただし「通知しなければならない」というルールは法律で定められていることである以上、会社側がこれを怠ると法律違反としてペナルティを受ける可能性が出てしまいます。

また、この通知書の内容が実際の労働の内容と異なる場合、労働者は以下の権利を有します。

  • 即時に労働契約を解除する権利
  • 就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合に必要な旅費を使用者に負担させる権利

このほか、使用者が労働者を使用するに際して、労働通知書で通知した内容に即さない労働をさせることは禁止されています。

 

労働条件通知書で必ず通知する内容

この労働条件通知書ですが、通知書内で明示的に記載しなければならない内容は次の通りです。

  • 労働契約の期間
  • 就業の場所
  • 従事すべき業務
  • 始業および終業の時刻
  • 所定労働時間を越える労働の有無
  • 休憩時間、休日、休暇、就業時転換
  • 賃金に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

これらは絶対的明示条件と呼ばれ、これらについては必ず定め、必ず明示する必要があります。

これを怠ると法律違反となってしまうので、労働条件通知書の発行の際には気を付けましょう。

 

労働条件通知書で通知が推奨される内容

以下の事項は絶対的明示条件とは異なりますが、事前に通知することによって後々のトラブルが減る項目です。

  • 昇給の有無と条件
  • 退職金の有無と金額の算出方法
  • 産休・育休の有無

これらの項目は通知せずとも法律上問題にはなりませんが、なるべく通知すると良いでしょう。

 

通知した労働条件を逸脱して労働者を使用した場合

通知した労働条件を逸脱して、労働者を使用した場合、最大30万円の罰金が課せられます。

会社の信用にも傷が付きますので、通知する労働条件には漏れがないよう気をつけましょう。

 

労働条件通知書の電子化

労働条件通知書といえばこれまでは書面として交付するというイメージがあったかと思われますが、昨今、2019年4月1日施行の労働基準法施行規則により、これを書面ではなくメールなどの方法によって交付することが認められるようになりました。

基本的には以下の条件を満たすことで、メールなどの方法で労働条件通知書を交付することができます。

  • 交付される側(当該労働者)が指定の交付方法を希望している
  • 交付される側が用いられたメール等の電気通信手段で印刷できること(書面を作成することができる)

これらの条件を満たした場合にはじめて、メール等での労働条件通知書の交付が可能となります。

法的にはメール以外のSNS上のメッセージツールでも、上記条件を満たせば労働条件通知書の交付が可能です。

ただし、一定期間で情報が失われてしまうメッセージツールもあるので、現状のところではメールによる電子交付が適切でしょう。

 

監修してくれた方

田上 敏光

キラメックス株式会社 ビジネス事業部
TechAcademyキャリア/法人向けIT研修 セールスマネージャー

人材系企業で採用支援・人材育成事業・toB向けクラウドサービス事業に従事。

その後、「弁護士ドットコム株式会社」にて新規事業の企画立案・運用に携わる。

現在は、キラメックス株式会社にてプログラミング教育を通して「個の選択肢、可能性を広げること」「新たなキャリアに伴走すること」をミッションとし法人向けに「IT人材採用支援」および「IT研修」を担当している。

 

内容分かりやすくて良かったです!

ぜひ今日から実践して役立てましょう!

分かりました。ありがとうございます!

 

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