コンピテンシー面接とは!実施フロー・ポイントについて解説【人事向け】

人事・採用担当者向けにコンピテンシー面接とは何か詳しく解説しています。面接を行う上で一番重要なのが応募者の見極めです。コミュニケーションを取る中で会社に合う人材なのか判断する必要がありますが、より正しい判断をするために適切な手法を紹介しています。

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今やどの業界も人手不足に陥っており、採用に困っていないという会社を見つける方が難しい状況です。おそらくあなたの会社においても採用活動を改善するためさまざまな取り組みを行っていることでしょう。

人手が足りない状況ではどれほど多くの応募者が集まったか、どれくらいの人材を採用できたかという点ばかりに目が行きがちですが、採用活動においては応募者が本当に自社の求めている人材か見極めることも重要です。

では一体どうすれば応募者を正確に見極めることができるのか?そこで実施したいのがコンピテンシー面接です。

今回は、採用担当の方向けにコンピテンシー面接とは何か詳しく解説しています。

 

なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

 

大石ゆかり

今回は、コンピテンシー面接に関する内容ですね!

田島悠介

どういう内容でしょうか?

大石ゆかり

コンピテンシー面接とは何か、どういう手順で行うのかについて詳しく説明していきますよ!

田島悠介

お願いします!

 

コンピテンシー面接とは

コンピテンシーとは、ある職務や役割に就いたときに発揮する行動特性のことを意味します。この説明だけでは分かりにくいと思いますので、次に示す簡単な例からイメージをつかんでください。

例えばあなたの会社では新プロジェクトの立ち上げを企画しており、そのプロジェクトのメンバーとなる人材を探しているとします。

となれば、採用するべき人材はどのような人物でなければいけないでしょうか?必要な要素はいろいろと考えられますが、一番重視したいのは行動力の有無ではないかと思います。新しいことを始めるのであれば、多少分からないことがあっても勇気を持って動き出す必要がありますよね。

この例でいうと、採用したい人材に求めるコンピテンシーは「新しい環境に投げ込まれても自ら考え行動できる行動特性」ということになります。そしてこのコンピテンシーを見極めるために必要となるのがコンピテンシー面接なのです。

 

コンピテンシー面接が従来の面接と違う点

コンピテンシー面接において重視されるのは応募者がこれまでに行ってきた行動です。面接官の印象やその場の受け答えではなく、あくまで客観的に判断できる要素にフォーカスを当てて応募者を評価します。

従来の面接では志望動機や自己PR、質問に対する受け答えの様子など、さまざまな角度から応募者を評価していました。明確な評価基準が設けられているというわけではなく、採用可否はあくまで面接官の印象によって決められます。

この面接方法は幅広く応募者の情報を探れるメリットがある反面、一つ一つの要素を十分に掘り下げることはできません。そのため応募者の表面的な部分しか評価することができず、採用してからミスマッチが起きてしまう原因になってしまいがちでした。

また、面接官によって応募者の評価がバラバラになってしまうのも従来の面接が抱える問題点。面接官がそれぞれ感じる印象は主観的なものでしかなく、会社として統一した採用基準を定めることはできません。

 

一方でコンピテンシー面接においては1つのエピソードについて深く掘り下げていきます。「一側面から見た情報だけでは判断材料が不足するのでは?」と感じるかもしれませんが、特定のエピソードだけでも質問を繰り返していけば応募者の行動パターンや思考パターンを掘り起こすことが可能です。

広く浅く探る従来の面接よりも応募者の本質を引き出しやすい面接方法といえるでしょう。また、コンピテンシー面接であれば面接官の主観によらない客観的な採用基準を設定できます。

例えば「新しい環境で自主的に行動した経験があるか?」「知識がないと感じたとき、問題を解決するため自ら学ぼうとした経験はあるか?」という基準は誰もがYESかNOの2パターンで判断できますよね。

このような違いがあることから従来通りの面接は能力主義、コンピテンシー面接は成果主義の面接方法といわれることがあります。

 

コンピテンシー面接の流れ

コンピテンシー面接では大まかに以下の3つの段階を踏みます。

  1. 取り組みを聞く
  2. 具体的な行動や成果を聞く
  3. 達成までのプロセスを掘り下げていく

このプロセスを実際の面接ではどのように進めていくのか?中途採用で応募してきた人を想定し、具体的なコンピテンシー面接の例をご紹介します。

 

1、取り組みを聞く

面接官「あなたは以前の職場でもさまざまな業務に取り組んできたことと思います。その中でも特にあなたが組織に貢献できたと思えるエピソードは何かありますか?」

応募者「私は以前の職場で経理を担当していました。その業務の1つとして内部監査に関する仕事があります。私はこの業務を進める中で、従来のやり方を見直し効率化を進めることに成功しました」

 

2、具体的な行動や成果を聞く

面接官「効率化というと具体的にどのようなことを行ったのでしょうか?」

応募者「監査を進める前には事前準備として各部署のデータを集める必要があります。効率化を進める前、データを集めるのはすべて手作業で非常に効率の悪いものでした。私はこれをデータベースで管理させることによって作業時間を大幅に短縮させました」

面接官「具体的にはもともとどれくらいかかっていた時間がどのくらいまでに短縮されたのですか?」

応募者「もともとデータを集めるためには2人がかりで3日から4日程度かかっていました。しかし効率化を行った後は1人でも数分で終わるようになりました」

 

3、達成までのプロセスを掘り下げていく

面接官「それはかなり短縮されましたね。そこまで短縮できた要因は一体なんなのでしょうか?」

応募者「これまで時間がかかっていた要因はやはりすべて手作業だったことです。以前までデータはすべてエクセルで管理されていたのですが、各部署によってフォーマットはバラバラでした。そのためデータを1つにまとめるには実際に目で見て入力していく必要がありました。効率化を行った後はデータを全て同じフォーマットに統一しています。入力したデータは逐一データベースに送るようシステムにも変更を加えました。これによって人間が行っていた作業をコンピュータに任せることができ、大幅な時間短縮になりました」

面接官「ということは、経理だけでなく全部署を巻き込んで改革を行ったということですよね。以前までと違うやり方に変えることへ何かしら反対があったのではありませんか?」

応募者「確かにいくつか反対の声が出ました。実際のところ効率化を進める上で各部署を説得するのが一番苦労した点です」

面接官「どのようにして彼らを説得することに成功したのですか?」

応募者「フォーマットを統一するのは経理のメリットになるだけでなく、各部署にとってもメリットがあります。このことを各部署の担当者に伝え、具体的にどれくらい生産性が上がるかアピールしました」

このように1つのエピソードに対し質問を繰り返していくことで内容を具体的なものとしていき、応募者のコンピテンシーを見極めます。

 

コンピテンシー面接のポイント

具体的な情報を引き出す

コンピテンシー面接において何よりも重要となるのが客観性と具体性。面接の中では、社内の誰が見ても「この応募者は採用して大丈夫だな」と思える情報を引き出す必要があります。

面接官の「この応募者は良さそう」「能力が高そう」という印象だけで採用可否を決めるのであればコンピテンシー面接を行う意味がありません。行動特性を知ることができる具体的なエピソードや成果が確認できる数値など、客観的に評価できる情報を引き出さなくてはいけません。

 

コンピテンシーモデルを明確にする

たくさんの応募者と面接をしていると、この応募者は優秀な人材だと感じることが多々あるはず。採用しないのはもったいないと感じることもあるでしょうが、そんなときほど一歩立ち止まって考える必要があります。なぜなら、ある側面では優秀だとしても、それが必ずしも自社の求めている人材だとは限らないからです。

例えば応募者から英語力を発揮して問題を解決した、というエピソードを披露されたとします。しかしあなたの会社が国内のみで営業している企業であれば、その能力は自社にとってあまり大きな意味を持ちません。

もちろん今はグローバル化の時代ですから、将来的に大きな活躍をしてくれる可能性はあるでしょう。とはいえ、その人を採用すれば採用人数の枠は1つ減ります。この結果、今本当に求めている人材を逃してしまうことにもなりかねないのです。

 

コンピテンシー面接のメリット

候補者を客観的に評価できる

どの企業においてもリーダシップがある、行動力がある人材を採用したいと思うのは当然でしょう。しかし従来の面接ではこれらの能力があるか判断するのはあくまで面接官の主観。人によって応募者の評価はバラバラになってしまいます。また各部署と人事の間で認識のズレが発生してしまうのも見逃せない問題です。

一方でコンピテンシー面接では先ほども説明した通り具体性と客観性を重視します。誰が見ても納得できる共通の基準を用意することになりますので、面接官の主観に振り回されず冷静に応募者を採用するかどうか判断できるのです。

 

本当に優秀な人材か見極めやすい

従来の面接における質問はあくまで広く浅くと表面的な内容を聞くまでに留まります。「どのような成果を残したか?」という質問をする場合でも評価の対象となるのは主にその内容についてでした。

とはいえ、たとえ成果が出ていたとしてもその応募者がいたからこそ達成できた成果なのか?となると疑問が残ります。なぜなら成功の要因は周囲の環境や運など外部の要因による影響が大きいからです。

反対にコンピテンシー面接であれば評価の対象となるのはあくまで個人の行動。周囲の環境などその他の要素に関係なく、自社でも十分に成果を出してくれる人材なのか判断できるようになります。

 

矛盾を発見することが容易になる

応募者は本人が意図している・していないに関わらず、面接に受かるため嘘をついたり表現を誇張したりする傾向にあります。従来の面接で行われる表面的な質問だけでは応募者が事前に考えていた嘘をなかなか見抜けない場合もあるのです。

しかしコンピテンシー面接は特定のエピソードを深く掘り下げていく面接方法。面接官が納得できるエピソードをその場で作り上げるのはかなり難しくなります。無理に嘘をつくと矛盾が発生してしまうため、コンピテンシー面接では応募者が本当のことを言っているかどうか見極めやすくなる効果もあるのです。

 

コンピテンシー面接のデメリット

準備に手間がかかる

面接官の印象で採用可否を決めるのであれば事前に特別な準備をする必要はありません。しかしコンピテンシー面接を実施したいのであれば、面接を行う前に採用したい具体的な人物像を定義する必要があります。

また、定義した人物像は採用に関わる人全員へ周知・了解を得る必要があるなど、準備をするまでの手間を惜しむことはできません。

 

細かな調整が必要

企業によって求める人材が違うのは当然ですが、同じ企業であっても部署や業務によって必要な人材は変わりますよね。例えば営業担当者を採用する場合と技術者を採用する場合では評価基準が大幅に変わるはず。

営業であれば契約を勝ち取る交渉力が求められますし、技術者であれば商品やサービスの質を上げるために必要な知識の方が重視されます。従来の面接であれば各部署の部長や課長に面接官となってもらい、直感で採用を決めてもらえば良かったのですが、コンピテンシー面接では採用面接を行うたびに細かな調整が必要になります。

 

コンピテンシー面接を導入する前に読むべき本

コンピテンシー面接についてはまだまだ学ぶことが多く、分からないことや疑問に感じることがあったかもしれません。もう少しコンピテンシー面接について詳しく学びたいという方は本を読んで理解を深めると良いでしょう。

以下におすすめの本を2冊ご紹介します。

 

できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない

採用活動に力を入れているものの納得できる人材を採用できていないという企業へ向け、面接のやり方を改善しなくてはならないと問題提起しているこの一冊。従来型の面接の対案としてコンピテンシー面接について取り上げています。

なぜ従来通りの面接ではダメなのか?なぜコンピテンシー面接が有効なのか?という疑問に対し納得できる答えを得られるでしょう。

 

コンピテンシー面接マニュアル

『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』の出版後、全国の読者からより実践的なコンピテンシー面接のマニュアルを望む声が上がりました。これに応えるべく出版されたのがこちらの本。

コンピテンシーとは何かという基本的なところから、面接の進め方や応用方法、実際の成功例をまとめた内容となっています。

 

以上、コンピテンシー面接について詳しく解説しました。

より優秀な人材を採用するために面接の手法の一つとしてぜひ覚えておきましょう。

 

監修してくれた方

田上 敏光

キラメックス株式会社 ビジネス事業部
TechAcademyキャリア/法人向けIT研修 セールスマネージャー

人材系企業で採用支援・人材育成事業・toB向けクラウドサービス事業に従事。

その後、「弁護士ドットコム株式会社」にて新規事業の企画立案・運用に携わる。

現在は、キラメックス株式会社にてプログラミング教育を通して「個の選択肢、可能性を広げること」「新たなキャリアに伴走すること」をミッションとし法人向けに「IT人材採用支援」および「IT研修」を担当している。

 

田島悠介

内容分かりやすくて良かったです!

大石ゆかり

田島君も、今日から実践して組織づくりに役立てましょう!

田島悠介

分かりました。ありがとうございます!

 

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