成功者共通のグリットとは!社員のグリットを鍛える方法も紹介【人事向け】

大きな成功を納める人は才能や能力が優れていると思われていますが、実際はそうではありません。大事なのはやり切る力です。これをGRIT(グリット)と言います。これを社員にもつけることができたら、会社も大きく成長するでしょう。今回はグリットについて詳しく解説していきます。

日々企業で働いていると、目の前の仕事をこなすことや評価を上げることに集中力が奪われてしまい、入社当初に思い描いていた「この会社で成し遂げたかったこと」を達成するほどの情熱を忘れてしまいがちです。

世界規模の講演会「TED」でより注目された「GRIT(グリット)」という能力は、サラリーマンが、長期的ビジョンを持った情熱的な仕事をするために重要なものであるに違いありません。

また、日本には「努力」や「地道」という言葉に惹かれる風土があり、この価値観を肯定してあげることができる日本にフィットした能力であるともいえます。以下に、事例を交えながら解説していきます。

 

なお本記事は、TechAcademyの法人向けIT・プログラミング研修での実績をもとに紹介しています。

 

目次

 

グリットとは

まずはグリッドの意味とこの力が注目される背景について理解していきましょう。

 

グリットの定義、意味

グリットとは、アンジェラ・リー・ダックワークス氏(ペンシルバニア大学心理学教授)が「難しい課題に挑戦する大人や子供」を研究する中で特に着目した力で、情熱・粘り強さ・根性・忍耐などで構成された「物事をやり抜く力」のことを言います。

アンジェラ氏は、経営コンサルタントとして企業で働いていましたが、その後、教師に転向。教育現場の中で子どもたちを観察していると、生まれ持った能力やIQの高さと、実際の成績の間に乖離が見られたことから、教育環境に疑問を持ち、「能力と成功」の相関関係をあきらかにする心理学者となりました。

 

グリットが注目されている背景

アメリカにおいて、成功者の共通点について度々議論がされていました。

世の中の論調として、「生まれ持った才能」や「生まれ持った運動能力」など、先天的なものを持つ人が結局成功をおさめるという声が多く聞こえる中、アンジェラ氏は「才能などの先天的な力だけでは成功はできない。むしろそういった力よりもやり抜く力の方が成功するために重要である」と研究結果を踏まえながら主張し、アメリカのみならず、日本においても話題となり、注目されました。

 

グリットは成功者共通の力なの?

アンジェラ氏の研究によると、成功者にはある共通点がありました。それは、学歴でもなければ知能の高さでもなく、身体的な能力でもない。共通点として挙げられたものがやり抜く力である「グリット」だったのです。

先天的に高い能力がなくても、一つ目標設定をしたらひたすら目標達成のために継続的に努力し続けるグリットが、成功への鍵であるとしました。

 

グリットと才能、努力との関連性

アンジェラ氏の研究は以下の4つの手法で行われました。

  1. 軍事教育学校において、厳しい軍事トレーニングに耐えられる入隊者であるか、耐え切れずに中退していく入隊者であるかの予測
  2. スペリング大会で勝ち残る生徒の調査
  3. 過酷な教育現場で働く教師を調査し、「その教育現場に残ることが出来る教師」と「生徒の学力を引き出して結果に結びつけることができる教師」の研究
  4. 企業において、「どのセールスマンがセールスマンとして生き残ることができるか」「どのセールスマンがトップセールスを記録するか」

これらの研究から、生まれ持った才能や知能があれば成功するというわけではないという結果が得られました。そういった才能を持つ人よりも何年間も継続的に情熱的に努力をした人の方が結果的に成功するということが分かったのです。

社員の意識の中の、「自分には才能がないからいい結果は残せないだろう」というイメージは一刻も早く払拭したいですね。

また、「とにかく継続的な努力をして成果を得よう」という野心を持った仕事への向き合い方に導くことができれば、会社自体の力強さに繋がっていくことでしょう。

 

社員のグリットを鍛える方法

ここからは具体的なグリッドを鍛える方法を解説していきます。

グリッドスケールの指標を利用する

アンジェラ氏は、「やり抜く力」をはかるために、グリットスケールという指標を用いました。グリットスケールでは、

  1. 新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう
  2. 私は挫折をしてもめげない。簡単にはあきらめない
  3. 目標を設定しても、すぐ別の目標に乗り換えることが多い
  4. 私は努力家だ
  5. 達成まで何ヶ月もかかることに、ずっと集中して取り組むことがなかなかできない
  6. 一度始めたことは、必ずやり遂げる
  7. 興味の対象が毎年のように変わる
  8. 私は勤勉だ。絶対にあきらめない
  9. アイデアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある
  10. 重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。

という項目をそれぞれ5段階で評価していき、グリットスコアをはかります。高ければ高いほどグリットが高いということになります。

 

粘り強く物事に取り組んだ経験を思い返す機会を与える

社員自身が、グリットを発揮した経験を思い出させてあげる機会を作ることは重要です。

  1. どんなことを粘り強く頑張ったか?
  2. そのとき何を考えていたか?
  3. なぜ継続的な意志を持つことができたのか?

を自分自身で思い出す機会に出会うことで、自分にもグリットと成功するための資質があると感じることができますし、じゃあ仕事でどう発揮しようかというイメージを持つことにつながります。

 

目標の設定を促す

研修の機会などで、社員それぞれが目標設定を行うよう促しましょう。粘り強く継続的に目標を遂行することがグリットの精神です。

また、グリットは、数週間、数ヶ月という単位ではなく、数年間かけて目標を追い続けるほどの熱意、根気のことをいうため、簡単には達成できない目標を設定してもらいます。

「自分にとって、この会社で何年間もかけて達成したいことはなんだろう」と考える時間を作ることに繋がりますし、自分の意志で決めた目標に向かって貪欲に行動することで社員のグリットは鍛えられます。

 

課外活動を推奨する

グリットを鍛えるためには、大変なことを成し遂げるまで粘り強く取り組むことが有用です。

「大変なのに楽しめること」に日々情熱を傾けることができれば、ポジティブな気持ちでグリットを鍛えることができるでしょう。大変なのに楽しむことで、熱意を持って打ち込む力を身に付けるためには、課外活動をすべきだと言われています。

バレーボールやジョギングのようなスポーツでもいいし、英語を極めるということでもいい。大変だけど興味が持てるものに打ち込み、成功を目指す過程でグリットを鍛えることができます。課外活動で得た困難に立ち向かう精神は仕事にも活かされるので、職場に戻っても良い影響を与えるに違いありません。

 

グリットの心身への影響

グリットを鍛えると、成功を掴みやすくなるだけではなく、幸福感を得られるともいわれています。

アンジェラ氏は、「やり抜く力」が強くなって、さらに大きな成功を掴んだら、幸せでなくなってしまうのではないかという疑問に対する答えを得るために、アメリカの成人2,000人を対象にアンケート調査を実施しました。

人生への満足度を問うアンケート調査などから得た結果をスコアにしてグラフ化するものです。この研究では、ポジティブな感情(興奮)やネガティブな感情(恥)をどの程度感じているかについても調査されたそうです。

結果としては、「やり抜く力」が強い人ほど、精神的に健康な生活を送っており、幸福感を感じながら生活をしていることが分かりました。

また、一つのことをやり抜く力を持っている人は、他のことに対してもやり抜く力が強くなることが分かっているため、健康な体作りに関心を持てば、身体的にも健康な生活を送ることは容易になるでしょう。

グリットを鍛えると心身にとてもいい影響があることがわかります。

 

注意:悪いグリットもある

ここまでグリッドの良い面ばかり伝えてきたので、最後に研修などの利用時の注意点を紹介していきます。

 

周りが見えなくなってしまうケース

グリットを発揮し、目標に向かって行動すればするほど熱中していきます。熱中して自分の世界に没頭するあまり、周囲の人からのアドバイスや注意に耳を貸さなくなってしまう恐れがあります。

そのような状態になってしまうと、さらにいい方法があるのに他者の声を聞かなかったばかりに最適な方法を選べなかったり、周囲に迷惑をかけてしまう可能性があります。

周囲から意見される機会があれば、目標に向かって無我夢中になっていたとしても耳を傾けてみることは、成功や目標達成までの時間短縮に繋がるでしょう。

 

間違った努力

目標へ根気強く熱中して突き進むあまり、間違った努力を続けてしまうケースも悪いグリットです。間違った努力を熱意を持って続けてしまうと、多大な時間と体力を無駄遣いしてしまいます。

目標から逆算する機会を多く作ることで必要な要素を再確認し、時には修正をすることも必要です。
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