タレントプールとは!採用方法やおすすめシステムを紹介【人事向け】
採用活動中に優秀な人材が複数人見つかったが、枠が足りない。そんな場合仕方なく切ってしまい関係を終わりにしていませんか?しかしそれではまた人が足りなくなった時に1から候補者探しをすることになります。それを解決する方法がタレントプールという仕組みです。詳しく解説していきます。
採用選考において誰かを選ぶということは、同時に他の誰かを選ばないということでもあります。選ばない・選べない理由も状況によってさまざま。単純に自社とは合わないから選ばなかったということもあるでしょうが、採用人数の都合などから選ぶことができなかったという場合もあるでしょう。
とはいえ今はどの業界でも人手不足といわれる時代。たまたまこちらの都合が合わなかったからといって、応募者との関係をそこで終わりにするのはもったいないと言わざるを得ません。
そこで今回ご紹介するのがタレントプールという考え方。タレントプールとは何なのか、そのメリットや活用方法についてご紹介します。
目次
タレントプールとは
タレントには才能、プールには貯める場所という意味があります。つまりタレントプールは直訳すると才能を貯めておく場所という意味。正確には、今後自社で採用する可能性がある人材のデータベースを意味します。
人手不足のこのご時世、こちらの都合がたまたま合わなかったからといって、そこで応募者との縁を切ってしまうのは賢い方法ではありません。
例えば内定辞退をした人であっても、後になってから「やっぱり辞退しなければ良かった」と思う可能性があります。また、スキルが一歩及ばず採用しなかった人であっても、今後スキルに磨きをかけて優秀な人材となる可能性もあるでしょう。このように将来的に採用するかもしれない人とつながりを保ち続けるのは今後の採用活動を進める上で非常に重要な戦略です。
もしかするとあなたは今、「うちの会社は十分応募者が集まっているし、わざわざ新しい考えなんて取り入れなくて構わないのではないか?」と思っているかもしれません。しかしその状況がいつまでも続くものと考えるのは危険です。
日本の人材不足は年々深刻化しているのはすでにご存知でしょう。特にIT人材についてはこの傾向が非常に顕著。経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、調査を行った2016年時点で不足しているIT人材は17万人。
これが2030年になると最低でも41万人、多い場合では79万人に達すると考えられています。いざ人が少なくなってから対策を始めても時すでに遅し。少しでも余裕のある今のうちに新しい対策を打ち出していく必要があるのです。
タレントプールを活用した採用方法
タレントプールで優秀な人材を確保するといっても、当然ながら自社に招き入れるまでは他社で働いています。いざ人手が足りなくなったからといって都合よく呼びつけるわけにはいきません。そのためタレントプールを活用するイメージがイマイチ沸かないという方もいるでしょう。
具体的なイメージを持っていただくため、タレントプールを活用した採用方法について具体的な流れをご説明します。
自社に合う人材とのつながりを保つ・作る
タレントプールを活用する上では一度生まれたつながりを保つことが肝心です。採用しなかったから不採用通知を送って終わらせる、内定辞退をされたから「残念です」と終わらせるのではなく、自社のメディアやSNSアカウントを紹介することで自社との関係を持ち続けてもらいます。
またプールできる人材は応募してきた人だけではありません。SNS等を通してこちらからメッセージを送る、フォローするといった方法もあります。FacebookやLinkedInなど無料で使えるツールも少なくないため、最初はこうした気軽に使えるツールから初めてみても良いでしょう。
定期的に連絡をとる
優秀な人材には他社からもたくさんの声がかかります。また本人も取得する情報を厳選する傾向にあるため、あなたの会社とつながっておくメリットがないと思われると、やがては疎遠になります。そこで必要なのが有益な情報の発信、イベントや勉強会の開催などを定期的に行うこと。自社とつながりを持つ価値を提供することで関係の維持を図ります。
とはいえタレントプール全体へ向けたメッセージばかりではなかなか自分事として捉えてくれません。そのためこちらから「よかったらイベントに参加しませんか?」といったメッセージも積極的に送っていきましょう。
期待をされていると感じて嫌な気持ちになる人はいません。定期的な連絡により友好的な関係を築くことで、転職を考えたときにあなたの会社を検討してくれる可能性が上がります。
採用する
そろそろ人を採用しなければならないなと思ったら、タレントプールの人材へ機を見ながら勧誘しましょう。もちろん転職は簡単に決断できるものではありません。相手の事情を考慮し、スケジュールに余裕を持った対応を心がけましょう。
タレントプール3つのメリット
ここまでタレントプールの役割について確認できました。では実際に取り組むメリットは何でしょうか?詳しく解説していきます。
求人コストを削減できる
求人募集には何かとコストがかかりますよね。転職サイトや人材紹介会社を経由すると必ずかかるのが掲載費などの仲介料。大手の転職サイトであれば1ヵ月で数十万円から数百万円もの掲載費がかかります。費用を投資しているからといって必ず成果が出ると限らないのも採用担当者の頭を悩ませる問題でしょう。
しかしタレントプールは企業と候補者と直接つながる仕組み。仲介料が発生しないためコストを大幅に削減することが可能です。
ミスマッチを防ぐ
採用活動を行う上で絶対に避けたいのがミスマッチ。どんなに良い人材を採用できたとしても、入社してあまりに短い期間で退職されてしまうと採用活動が成功したとはいえません。それどころか費やした手間やコストが無駄になることを考えると大失敗とすらいえるでしょう。
そもそもミスマッチはなぜ起きるのでしょうか?最も大きな原因は入社前と入社後にギャップがあることです。しかしタレントプールを活用した採用戦略では、候補者と長期にわたって関係を維持することが可能です。自社の雰囲気や企業風土を十分伝えきることができるため、ミスマッチによる退職者を減らすことができるのです。
採用の熱意を伝え続けられる
「我が社にはあなたが必要なんです」とメッセージを送っても、本気でそう受け止めてくれるかは疑問です。人によっては「人手不足だから誰でもいいと思っているんだろう」と考えることもあるでしょう。しかし何度も声がかかるとなると話は別。
三顧の礼という言葉もあるように採用担当者の熱意が候補者に伝わり、この会社なら自分の能力を引き出してくれそうだと思ってくれる可能性が出てきます。タレントプールの考え方を活用すればこのように中長期にわたって採用の可能性が残るのです。
今こそタレントプールの活用を始めるべき理由
先ほど日本でタレントプールの活用にはまだあまり前例がないと説明しました。しかし、だからといって必要がないと考えるのはあまりに早計です。先ほども紹介した株式会社scoutyのアンケートの中には「あなたの会社の現状の採用課題を答えてください」という質問もありました。
この結果によると採用課題の
- 求めているスキルの人材を見つけ出せない:51.6%。
- 充分な候補者数が集まらない:42.4%。
- 採用費用の増大:26.0%
となっています。人事担当者であればこの結果を見て共感するところがあるのではないでしょうか。
ところがタレントプールを活用すればこれらの課題を解決できる可能性が出てきます。
例えば「求めているスキルの人材を見つけ出せない」という問題について考えてみましょう。この課題が生まれる原因の1つとして、今の採用活動は転職顕在層にしかアプローチできていない可能性が考えられます。
しつこいようですが今の日本はどこの業界も人手不足。優秀な人材はまだ転職をする気がない時点で他社から声がかかっている時代です。そのため彼らは就職市場に現れる前に転職してしまうことが多く、従来通りの採用方法で見つけることが非常に難しくなっているのです。
ですがタレントプールを活用していれば今は転職を考えない人にも自社をアピールすることが可能。候補者が集まらないという問題についても自分からSNSを通じてアプローチをしていくことで解決できるかもしれませんし、採用費用の増大を解決できるというのは先ほどメリットでも述べた通りです。
タレントプール活用事例2選
タレントプールのメリットや取り組むべき理由などは理解できたと思います。では実際に導入している企業の事例を確認していきましょう。
ミシュラン
言わずと知れた大手タイヤメーカーであるミシュラン。同社では採用のために立ち上げた専用のwebサイトを用意しています。このwebサイトの中ではミシュランの従業員がどのような業務を行っているのか、職場の雰囲気はどのようなものかを動画とともに分かりやすく紹介しています。
ページ下ではSNSアカウントのフォローを促しているとともに、ミシュランで導入しているTaleoというタレントプールシステムへの誘導も行っています。Taleoでは経歴やスキルなどを登録でき、ユーザーは登録した後も情報を編集することが可能です。
情報を最新の状態に保たせることで必要なときに必要な人材を確保できる体制を整えています。
DELL
アメリカ初のパソコンメーカーであるDELLでは、タレントプールに加えてリファラル、ソーシャルリクルーティングを組み合わせた採用活動を行っています。
具体的にはタレントプールのシステムにSNSアカウントを連携させるというもの。これにより採用ページを目にしたユーザーから他のユーザーへDELLの採用情報を紹介しやすくなっており、情報が広く拡散しやすくなっているのです。
おすすめタレントプールシステム3選
最後にタレントプールを採用活動に導入する際に使うべきシステムを紹介していきます。
日本でも広く普及した実名制のSNSであるFacebook。日本でも既に採用活動に活用している企業が少なくありません。代表的なところでいうとソフトバンクや伊藤忠商事が挙げられます。
利用者が多いこと、無料で使えるということから始めるまでのハードルが低いツールといえるでしょう。
LinkedInはビジネス特化型のSNS。IT系の仕事に就いているなど情報感度の高いユーザー、キャリア志向の強いユーザーが集まっています。ビジネス特化型であるだけに登録できる情報も経歴やスキル、勤務先といった情報が多め。LinkedInを活用すればより転職に前向きな人材を探すことができるでしょう。
TalentCloud
先ほどミシュランの例を紹介したとき、Taleoというタレントプールシステムについて取り上げました。日本においてもタレントプールを活用するシステムの開発は進んでおり、その1つが今回紹介するTalentCloud。採用ページの作成やブログ記事の作成、イベントや採用候補者の管理など、タレントプールを活用する上で便利な機能が詰まっています。
TaletCloudでは複数のプランが用意されており、無料から月額10万円のプランまでが用意されています。本格的に運用するにはいくらか費用がかかってしまうものの、従来までの採用活動にかかっていた費用をグッと抑えられることに変わりはありません。
まとめ
人手不足が加速していく日本では、より効率的に自社にマッチした優秀な人材を確保するかどうかで企業の生き残りがかかってきます。そのうえで本格採用前から求職見込み者にアプローチできるタレントプールというシステムは、非常に今後の日本の採用活動に相性がよいものです。
ぜひこの機会に導入を検討して見てください。
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