ポジティブフィードバックの効果や行う際のポイントとは【人事向け】
フィードバックを行う際、ついつい叱ってしまったり感情的になってしまっていませんか?叱って伸びるパターンのみの人はいませんので、基本は褒めることをすると自らやる気を出して自発的に動くようになります。それを実現するポジティブフィードバックについて詳しく解説していきます。
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アイデアの提案や発表をしなければならないときや業務において自身の行動を上司や他の先輩社員からの評価にさらされるとき、受けるだろう指摘や評価に恐縮してしまい、思うように伸び伸びと発表や業務に取り組めない人がいます。
そのような自体を回避し、聞き手も発表者側も安心して前向きに発表に取り組める画期的な仕組みがあります。それがポジティブフィードバックです。今回はこちらを詳しく解説していきます。

今回は、ポジティブフィードバックに関する内容ですね!

どういう内容でしょうか?

ポジティブフィードバックの効果や導入ポイントなどについて詳しく説明していきますよ!

お願いします!
目次
- ポジティブフィードバックとは
- ポジティブフィードバックを職場で取り入れるメリット
- ポジティブフィードバックのやり方
- ポジティブフィードバックの効果
- ポジティブフィードバックのポイント
- ポジティブフィードバックのNG例
ポジティブフィードバックとは?
当たり前のことですが、ポジティブフィードバックを社内へ導入するにはポジティブフィードバックの概要、さらに普段のフィードバックとどのような点で異なるのかを知らなければなりません。ポジティブフィードバックのルールを知り、社内へ導入するためのヒントにしましょう。
ポジティブフィードバックの定義
業務における評価対象の社員の行動、会議やプレゼンなどで、評価対象である相手に対して否定的な言葉を一切使わずひたすら相手を褒めて前向きな気持ちにさせるフィードバックのことをポジティブフィードバックといいます。
普通のフィードバックとの違い
フィードバックとは、業務における行動に対する評価を行動した本人または会社に対して返すことをいいます。
しかしポジティブフィードバックの場合、フィードバックの最中に使用できる言葉は前向きでかつポジティブな言葉のみ使用するという限定が付いてきます。
ポジティブフィードバックを職場で取り入れるメリット
ポジティブフィードバックを導入することには様々なメリットが存在します。これらのメリットを生かして社員育成に役立てましょう。
フィードバックを行う側がしっかりと評価対象者を見てくれる
相手の良いところや長所を探すのは意外にも大変です。ポジティブなワードのみしか発してはいけないため、フィードバックを行う側も真剣にフィードバック対象者を評価しようとします。
そのため適当に当たり障りのないフィードバックを行い、時間と労力を無駄にするということが無くなります。
聞き手も話し手も前向きになれる
ポジティブな発言に限定すれば、フィードバックを行う側も評価される側もネガティブな気持ちにはなりませんし、フィードバックに対してマイナスなイメージを持たなくなります。
評価される側はフィードバックで教えてもらった長所を伸ばすことに積極的になりキャリア目標を自分で立てやすくなります。
評価対象の人に自信を持たせることができる
業務や会議において、良かった点はその先も長く継続してほしいものです。評価対象者にフィードバックで改めて良い点を伝えることで、互いが認識しその先も継続しやすくなります。
話し合いがスムーズに進む
会議中にポジティブフィードバックを取り入れたとします。会議が停滞する主な原因は、意見やアイデアに対する批判です。ポジティブフィードバックは批判をしてはいけません。
もしも相手の意見に賛同できない場合は非常に良い考えであることを述べてから、このようにすればもっと良くなる、という言い方をすることで会議の雰囲気が明るくなり無駄な話し合いも少なくなります。
個々の長所を生かした業務配置および社内戦略を立てることができる
評価対象者のフィードバックは上司だけでなく社内全体で共有できるようにしましょう。評価対象者が自身でキャリア設計を立てられるようになっていることに加えて個々の長所を理解していれば、業務における人材の配置や経営戦略も立てやすくなります。
評価対象者が業務や物事に対する興味を抱くようになる
漠然と業務をこなしているだけでは取り組んでいる業務に対するモチベーションや意義が損なわれやすくなってしまいます。フィードバックを通じて業務におけるアドバイスと長所が理解できれば、取り組んでいる業務がより身近に感じられるはずです。
ポジティブフィードバックのやり方
ポジティブフィードバックの概要について理解したところで、ポジティブフィードバックはどのように行うのでしょうか?
一般的な方法を下記にてご紹介します。企業でこれらをアレンジして特別な人材育成プロジェクトを立ち上げてもいいかもしれませんね。
評価対象者と話し合いの場を設ける
評価対象者と日時の調節をしましょう。評価対象者はできるだけ自身の評価を周りの人に聞かれたくないものですから、場所はできるだけ人目につかない小さな会議室が望ましいです。
初回ならばまずは目標立てから
初めての人をフィードバックする際は、まず初めに目標を立てることから始めましょう。現在の相手の心情等を聞き、それらに見合った目標を立てます。
ポイントは立てる目標が次回のフィードバック時までに何とか達成できそうな項目に設定することです。難しすぎてもモチベーションは上がりませんし、易しすぎてもあまり成長にはつながりません。
2回目以降ならば目標に対するフィードバックを行う
すでに目標を立てた上でのフィードバックならば、目標に対し達成率はどれほどなのかを具体的に話しましょう。またこのときに目標に対して評価対象者が行った行動における長所も合わせて話せると良いでしょう。
目標達成率に合わせ、新しい目標を定めるのか、あるいは目標達成できていない場合に次のフィードバックまでもうひとがん張りするのかも話し合っておきましょう。
本人に対し、目標とは異なる長所を伝える
目標に対するフィードバックの後には、目標とは異なる点で評価対象者の長所を述べましょう。そこから業務における新しい可能性や得意分野が見えてくることがあります。
今後はどのように業務に取り組むべきかを伝える
前項の目標とは異なる視点の長所を踏まえ、今後はどのように業務に取り組んでほしいか、企業の経営戦略に踏み込んだ話をします。
新人に対し、その人の現場における単価を伝えない人が多いのですが、あえてここではっきりと伝えて、いつまでにいくら単価を上げてほしいのかを話の中に盛り込んでみましょう。このような話題を出すことで、新人でも主体性を持って自身の単価を上げることで企業の利益に貢献できるという気持ちが生まれます。
ポジティブフィードバックにおけるポイント
ポジティブフィードバックを導入する際にはいくつか注意点があります。これらの注意点を疎かにすることでポジティブフィードバックの強みや利点を生かすことができなくなってしまいます。
フィードバックを行っただけで終わりにしないこと
話し合いの場を設けただけで満足してしまうことがありますが、これでは意味がありません。フィードバックはあくまでも出発地点をどこにするかを決めているに過ぎませんから、フィードバック後のケアも必要になってきます。
相手がいつでも相談しやすいような環境を整える必要があります。最低でもお互いの連絡先は交換する、会社の集まりにはできるだけ顔を出すということを心がけましょう。
立てた目標はできるだけ多くの社員と共有する
立てた目標を評価対象者のみ知っていたとしても、目標に対する客観的なアドバイスや評価を行うことはできません。望ましいのは社内のネットワーク内などに目標を記載したファイルを保管し、社員ならばだれでも閲覧し共有できることです。
自分たちのために立てる目標ではありますが、自分以外にも多くの先輩や上司に共有されることで複数の方向からポジティブフィードバックを受けることができます。
業務に全く関係が無いと思われる箇所は褒めない
ポジティブフィードバックの利点を生かすためにはいかに相手の長所や良い点を探して褒めることにあるのですが、闇雲に褒めていいわけではありません。
たとえば足が速いことに自信を持っている人がいたとしても足の速さを褒めたところで、それが業務につながるとは考えにくいですよね?相手の話し方や言葉遣い、態度や業務における過程で良い点を探してみましょう。
立てる目標のレベルは的確に
相手の技量や性格から判断し、過剰な目標を立てることは避けましょう。現実的でない目標を立てても、達成することは困難ですし、相手に達成感を与えることができません。初めは「1週間必ず提示で帰宅すること」等の簡単な目標から定め、徐々にレベルを上げていくような目標立てをしましょう。
どんなに単純な目標だとしても評価対象者に達成感を与えることが重要です。そのためには初めから過剰に難しい目標は設定せず確実に達成できると思われる目標を設定しましょう。
この先期待していることを教える
現状までの過程だけではなく、この先において相手に対しどのようなことを期待しているかを伝えましょう。企業にとって必要な存在であり、かつ企業に貢献するためにはどのような考え方をもって行動すればよいかを教えることで、評価対象者にとって強みにもなります。また企業の経営戦略を他人事ではなく自分のこととして受け止めてくれるようになります。
ポジティブフィードバックのNG例
ポジティブフィードバックは行う側も受け手も有意義な時間である必要があります。以下で紹介するのはポジティブフィードバックのNG例です。
感情的または主観的な意見のみを述べる
否定的な意見と少し似ているところがありますが、ポジティブフィードバックは本来評価対象者が企業に対して貢献する人材になるにはどのようにすべきか、本人が業務を踏まえて成長していくにはどのようにすべきかを共に考え話し合う場です。
ここで、評価を行う側の独断と偏見のみを述べてしまうと、その発言に説得力や信頼性が損なわれてしまいます。あくまで企業として先輩社員として客観的な視点から評価を行うことが重要です。
複数人×一人でフィードバックを行う
フィードバックは必ずマンツーマンで行いましょう。評価側あるいは評価対象者が複数人いる状態で行うフィードバックはあまり意味がありません。
評価対象者が複数人いた場合、一人が相談を始めてしまえば他の評価対象者に割ける時間が短くなってしまうということが起こりえます。評価対象者が恐縮せず落ち着いて相談できる環境を提供するためにはマンツーマンで行うことを徹底するべきです。
まとめ
ポジティブフィードバックは、評価対象者に対して前向きな発言のみ使用できるという特殊な制限を設けたフィードバックのことです。フィードバックを受ける側もする側も良い気分で実施することができ、主体性を持った人材の育成に役立てることができるため非常に画期的な人材育成方法であるといえます。
しかしポジティブフィードバックの利点を生かすためには継続と日頃の相手のケアが重要です。ストレスフリーなフィードバックを導入しましょう。
監修してくれた方
田上 敏光
キラメックス株式会社 ビジネス事業部 人材系企業で採用支援・人材育成事業・toB向けクラウドサービス事業に従事。その後、「弁護士ドットコム株式会社」にて新規事業の企画立案・運用に携わる。現在は、キラメックス株式会社にてプログラミング教育を通して「個の選択肢、可能性を広げること」「新たなキャリアに伴走すること」をミッションとし法人向けに「IT人材採用支援」および「IT研修」を担当している。 |

内容分かりやすくて良かったです!

田島君も、今日から活用していきましょう!

分かりました。ありがとうございます!
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