母集団形成を行う上でのポイントや有効な手法を徹底解説【人事向け】

母集団形成とは、採用候補となる人人材を集めるための各施策のことを言います。人材の売り手市場と呼ばれるこの環境下で何の対策もせず従来通りの戦略しか取らないのであればこれから先生き残っていくのは厳しいと言わざるを得ません。今回は自社にマッチした人材を確保する母集団形成について詳しく解説していきます。

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現在、日本の有効求人倍率はここ数十年の間で考えられなかったほどの高水準を維持しています。2019年5月時点の有効求人倍率は1.62。単純に計算すると100人分の求人に対して求職者は162人いる状態であり、どう考えても需要と供給のバランスがとれていません。

いわゆる売り手市場と呼ばれるこの環境ですから、人手不足で倒産してしまう会社も決して少なくないのです。また少子高齢化の影響もあり日本では労働人口が年々減少しています。企業が生き残るために採用戦略はこれまで以上に重要なものとなるでしょう。

何の対策もせず従来通りの戦略しか取らないのであればこれから先生き残っていくのは厳しいと言わざるを得ません。現状を踏まえた上で効果的な戦略を練る必要があります。

そこで今回ご紹介するのは母集団形成という考え方。母集団形成とはそもそも何か、具体的にどう進めていくのかなどについて解説していきます。

 

なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

 

大石ゆかり

今回は、母集団形成に関する内容ですね!

田島悠介

どういう内容でしょうか?

大石ゆかり

自社に合った人材の採用活動を円滑に進める方法について詳しく説明していきますよ!

田島悠介

お願いします!

 

目次

 

母集団形成とは

ここで言う母集団とは、採用候補となる人材の集まりを意味します。つまり母集団形成とはこうした人材を集めるための各施策のこと。具体的には「当社では採用候補者を探しています」と世間に広くアピールしたり、求職者にとって魅力を感じられる情報を発信したりといった活動が挙げられます。

ただ、これは決して採用候補者の量を確保すれば良いという話ではありません。もちろん少なすぎるよりは多すぎる方がまだマシと言えるでしょう。しかし採用候補者が多くなりすぎると選考する段階で本当に採用するべき人材なのか確認するための手間や時間がかかるといった問題が発生します。

母集団形成は採用したい人数に合わせた方法で進めていく必要があり、企業毎にやり方は変わってくるのです。

母集団形成という考え方は新卒者を採用する際によく使われる考え方です。しかし今は雇用形態に関わらずどんどん働き手が減っている状況。新卒社員であろうと中途採用であろうと優秀な人材を確保するためにはこの考え方が欠かせません。もちろんアルバイトを雇う場合でも同じことが言えます。

 

母集団形成~採用の流れ

大まかな流れは以下の通り。順番に説明していきます。

  1. 採用計画の立案
  2. 企業の魅力をアピール
  3. 求職者の募集
  4. 採用選考

 

採用計画の立案

ここで決めるのは採用する人数だけではありません。営業や開発、総務などすべての部署にヒアリングを行い、それぞれどんな人材をどれくらい必要としているのか、採用する人材に何を求めているのかを誰が見ても分かるよう綿密に計画に反映していきます。

ただし他部署の人間からすれば人を雇うのは人事の仕事だろと考えてしまうのも仕方ないこと。もしそうした人が社内にいるのであれば採用の難しさ、重要さを説明するところから始めなくてはいけません。採用活動には企業の命運がかかっていることをなんとか説得しましょう。

 

企業の魅力をアピール

採用に関わる人の間で採用候補者のイメージが明確に定まれば、次に待っているのは求職者へ向けたアピールです。求めている人材のイメージが明確になれば彼らの求めている情報も明確になるでしょう。例えば経験豊富で新たな技術の習得にも果敢に挑む技術者を求めているのであれば、自社の開発環境や従業員の声に耳を傾けて商品開発を進める風土などをアピールするのが効果的と考えられます。

 

求職者の募集・採用選考

求職者の募集については後ほどどのようなものがあるのかを説明しますが、どれも一長一短でなかなか万能な方法というものはありません。それぞれの長所や短所、特徴を理解した上で募集を進めていきましょう。

選考についても採用戦略に欠かせない重要なプロセスではありますが、今回は母集団形成に焦点をあてて解説するのでここでは割愛します。

 

母集団形成の課題と解決策

母集団形成はメリットがある一方でもちろんデメリットもあります。それはどういったことでしょうか?詳しく解説していきます。

 

採用候補者のイメージを明確にする

とにかく人手が足りない状況であっても「誰でもいいから採用します!」とはなりませんよね。例えば研究職を採用しようと思っているのに、これまでバリバリ営業をこなしてきた人を採用していては会社の成長につながりません。いくら営業としての成績が良くても研究職として活躍できるかどうかは別問題です。

今挙げたのは非常に分かりやすい例でしたが、もっと細かいところで似たようなミスをしてしまうことは往々にしてあります。ミスマッチが起きると会社としても採用した人にしても得になりません。思っていた環境と違ったからと辞められてしまってはそれまでの手間や時間が水の泡になってしまいます。

先ほど説明したことと少し重なる部分がありますが、母集団形成で重要になるのは適切な能力を持った人材を適切な人数集めることです。そのためにはやはりどんな人材を求めているのかを全社一丸となって入念に打ち合わせしなくてはいけません。

 

自社にあった手法を活用する

ここ数年で採用を巡る環境が激変したこともあり、これまでになかった採用手法が生み出されたり海外の手法を日本に輸入してきたりといった様子が各方面で見受けられます。

新たな手法を取り入れるのが無意味だとは言いません。しかし企業を取り巻く環境は千差万別で、どうしても合う合わないという問題があるものです。ライバル企業では成果を挙げている手法だったとしても、それが自社でも同じように効果を発揮するとは限りません。

もちろん大きな成果が得られるかもしれないなら検討する価値は十分にあるでしょうが、それぞれの手法にはどんな特徴があるのか、メリットやデメリットとしてどのようなことが挙げられるのかなどをよく理解した上で適切な手法を選びましょう。

 

毎年その時々にあった戦略を練る

就活市場、転職市場は今この時も刻々と変化を続けています。特に最近は変化が激しいため、去年と同じ方法が今年も同じように効果を発揮するとは限りません。

去年は上手くいったのに今年は全然ダメだったなんてこともあるでしょう。もちろん従来どおりのやり方で成功することもあるでしょうが、確たる根拠がないならそれはあくまでたまたま上手くいったと考えるべきです。

当然、昨年度の反省をすることは重要です。しかし環境に合わせてやり方を変えていくことも同じくらい重要なこと。求職者の情報は定期的に収集し、常に最新のデータを採用戦略に反映してください。

 

母集団形成のポイント

採用候補となる人物を採用人数以上確保できていれば準備は万端と思うかもしれませんが、それは少し違います。母集団形成において重要なのは集まった人材の質。その人材が優秀かどうかではなく、入社した後に会社へ貢献してくれるかが注目するべきポイントになります。

ここで欠かせないのが人材の質とは何か?という点。これは母集団形成を始める前の段階、つまり採用計画を立案する段階で決めることになります。

例えばあなたの会社ではこれから東南アジア圏にビジネスの領域を広げていく計画だとします。となると欲しい人材は英語力があったり現地の言葉や文化に詳しい人だと考えられますよね。またそのレベルも日常会話をこなせるレベルであればいいのか?読み書きできるレベルで構わないのか?といったことが考えられます。有名大学を卒業しているといった優秀さはここで定義した質の高さには必ずしもつながらないというわけです。

採用候補者に何を求めるかが明確になれば母集団形成が容易になりますし、選考の段階でもどこに着目すればいいかが明確になりミスマッチが減ることでしょう。

 

母集団形成の手法

では実際に採用するにあたって母集団形成をする方法について詳しく解説していきます。

 

自社サイト

求人募集用のサイトを立ち上げ、それぞれの部署がどんな仕事をしているのか、どんな人を求めているのかを求職者に向けて発信します。

コンテンツを充実させれば検索エンジン経由で継続的に集客できる点がメリットですが、自社サイト単体ではなかなか人を集めるまでに時間がかかります。基本的には後述するSNSの手法と連携させるのがおすすめです。

 

SNS

TwitterやFacebookなどのSNSを利用した手法。最近はWantedlyやLinkedinといったビジネス向けのSNSも登場しているため、こちらの利用を検討するのも良いでしょう。拡散力があり多くの人に認知されやすく、コストもあまりかからないのがこの手法の利点です。

しかし長期的に続けないと効果がでないこと、中途半端な運営だとむしろ企業のイメージを悪くしてしまうことがデメリットとして挙げられます。広告を出稿することもできるのでこちらの利用も一考の価値があります。

 

転職サイト

現状は最もメジャーな手法といえるでしょう。転職を考えている人のほとんどはまず転職サイトに登録するため、求職者とマッチングする可能性が高いです。インターネットのおかげで全国の求職者とつながりを持てるだけでなく、情報を多く掲載できるのも転職サイトのメリット。

母集団形成に大きな効果が期待できますが、ライバルが多い、似たような企業が多いと見つけられにくいといったデメリットがあります。広告を掲載するために料金がかかるのも負担になるでしょう。

 

人材紹介サービス

人材紹介サービスに登録している求職者を紹介してもらうという方法がこちら。人材紹介サービスの担当者が仲介してくれることによって選考にかかる手間や時間を節約できるのが他の手法にはないメリットです。

知名度のない企業でも人材を見つけやすいというのもメリットですが、採用コストは高くなってしまうので注意しましょう。採用の手間を代行してもらう分、採用ノウハウの蓄積が難しいのもデメリットです。

 

合同説明会

かなり昔からある手法ではありますが、今でも十分効果が期待できる手法です。最大のメリットは求職者と直接顔を合わせながら自社の魅力をアピールできる点。たまたまその説明会で出会ったことがきっかけで採用につながったということは決して珍しいことではありません。また他社のブースを見て採用手法を学べるのも見逃せないメリットといえるでしょう。

とはいえやはり人気をさらっていくのは大手企業のブース。認知度が低い企業ではいかにして人目を引くかという課題があります。大手企業がいない小規模な説明会に参加するという手もありますが、そうした説明家はそもそも来場者の人数が少なくなってしまうので一長一短です。

 

学内セミナー

新卒採用で使われる手法です。大学に出向き就活生に自社をアピールする小規模な説明会と考えてください。参加する大学のOBをブースに配置すれば親近感を抱いてもらうことができ、親密さを感じさせることができるでしょう。

コストが前述の合同説明会よりも低くて済むのも学内セミナーならではのメリットです。

 

Web説明会

その名の通りインターネットを利用してWeb上で説明会を行う手法。全国にいる求職者に対して一斉に説明できるため交通費などのコスト、移動時間にかかる時間も節約できます。

デメリットは説明会に参加した人が途中退出しやすい点。最後まで話を聞いてもらえるよう興味を持ってもらう工夫が必要不可欠です。

 

テレビCM、動画広告

多くの人に認知され、これまでまったく接点がなかった人にも伝えられるのがこの手法のメリット。しかし大きなコストがかかるというデメリットがあるため、実際にこの手法を取り入れるのはなかなか難しいことと言えます。

動画広告の場合はテレビCMと比べればかなりコストダウンになりますが、それでもハードルはかなり高いと言えるでしょう。

 

【エンジニア特化】母集団形成のポイント

ただでさえどの企業も人手不足に陥っているわけですが、エンジニアの不足はさらに深刻。優秀なエンジニアを採用するには他の企業と差をつける一工夫が必要です。

おすすめは入社して成長できる、より面白いプロジェクトに挑戦できるとアピールすること。単に〇〇な能力を持つ人がほしい、年収はこれくらいとアピールするより、好奇心旺盛で学習意欲の高いエンジニアを採用するにはどんな経験ができるかをウリにする方が魅力的に映ります。

どうしても人が集まらないのであれば未経験者を採用するのも悪い手ではありません。いわゆるポテンシャル採用と言われる手法ですが、人材を育てる環境さえ確立できれば人材市場のエンジニア不足に左右されず安定してエンジニアを確保できます。

評価するポイントはスキルを磨くための度量を続けているか、適切なコミュニケーション能力があるかの2点。この2つはエンジニアに必須な素養となるため、今はエンジニアのスキルがなくても将来的に活躍してくれる可能性は十分高いといえるでしょう。

いずれにせよ母集団形成で重要なのは求職者たちの気持ちを汲み、彼らが魅力を感じられるよう自社をアピールすることです。

 

監修してくれた方

田上 敏光

キラメックス株式会社 ビジネス事業部
TechAcademyキャリア/法人向けIT研修 セールスマネージャー

人材系企業で採用支援・人材育成事業・toB向けクラウドサービス事業に従事。その後、「弁護士ドットコム株式会社」にて新規事業の企画立案・運用に携わる。現在は、キラメックス株式会社にてプログラミング教育を通して「個の選択肢、可能性を広げること」「新たなキャリアに伴走すること」をミッションとし法人向けに「IT人材採用支援」および「IT研修」を担当している。

 

田島悠介

内容分かりやすくて良かったです!

大石ゆかり

田島君も、今日から採用活動に取り入れていきましょう!

田島悠介

分かりました。ありがとうございます!

 

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