戦略人事とは?導入メリットやポイントを徹底解説【人事向け】

戦略人事とは人事担当者も経営戦略や事業戦略に積極的に関わることを意味します。人事が経営や現場に出ることで、より最適な人材配置や人材採用ができるようになり、企業の成長を促進することができるようになります。そんな戦略人事について詳しく解説していきます。

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ベテランがどんどん退職しているのに新人は全然入社してこない。人手不足が深刻する現代において、こうした悩みを抱えている企業は決して少なくありません。これから先の時代を生き抜くためには人材をいかに獲得するかが企業の命運を大きく分けるのです。もはやライバル企業と争うのは利益だけではありません。

どれだけ設備が整っていようと、どれだけ資金があろうと働き手がいなければ経営が立ち行かなくなるのはどんな業種でも同じ。人事担当者の責任は年々重くなっているといっても良いでしょう。そんな状況の中、これまでの人事に大きな変化を呼び込む採用戦略が続々と登場しています。あなたの会社でも、これまでのやり方では通用しない、新しい人事戦略が必要だという話が出始めているのではないでしょうか?

そこで今回紹介するのが戦略人事という考え方。すでに世界中の有名企業が取り入れており、実績も十分といえる手法です。戦略人事とは何か、導入することでどんなメリットがあるかなどについて解説します。

 

なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

 

大石ゆかり

今回は、戦略人事に関する内容ですね!

田島悠介

どういう内容でしょうか?

大石ゆかり

メリットやリファラル採用ができるサービスについて詳しく説明していきますよ!

田島悠介

お願いします!

 

目次

 

戦略人事とは

ご存知の通り、人事とはもともと社内の人材を管理するための部署。しかし戦略人事では人事担当者も経営戦略や事業戦略に積極的に関わるべきであると考えます。この考え方は1990年代、アメリカの経済学者であるデイブ・ウルリッチによって提案されました。

なぜ人事の仕事は人材管理だけではいけなくなるのでしょうか?これは現代になってからビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化しているためです。

すべての業界がそうであるとはいいませんが、それでもほとんどの企業は自分たちに関係する環境が激変していると感じているはず。去年まで通用していた戦略が今年になってからイマイチ通用しなくなってしまった、という経験をしている方も多いでしょう。そんな状況で従来のように人事担当者が人材管理の仕事しかしていなければ対応が後手に回ってしまいます。

現場の従業員たちは人事担当者へその時々に合わせた最適な人事配置をしてほしいと願っているに違いありません。しかし肝心の人事担当者がこれまでと同じでいい、マニュアルどおりにやればいいと思っていてはそんな対応は不可能。そのため人事担当者は従来の人事の枠を超え、経営戦略と連動した行動をとらなくてはいけないのです。

とはいえ戦略人事は決して人事だけの問題ではありません。企業全体に大きな変化を求められる考え方です。

 

戦略人事を行うメリット

戦略人事という考え方が注目されているのには理由があります。なぜ注目されているのか、具体的にどんなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

 

スピード感のある人材配置が可能になる

人材採用に課長や部長、社長など必要以上にたくさんの決裁が必要であったり、内容の精査をするためたくさんの会議が必要なんてことになっていてはもう手遅れ。各部署から昨年度と違う人材がほしいと希望された場合にスピーディーな対応ができません。今年は難しいからまた来年に考えよう、なんてことになりかねません。来年は今年の希望が通ったとしても、来年は来年で別の要望が出されるはずです。

これに対し戦略人事では経営戦略と人材管理を融合しているため即座に柔軟な対応が可能。他社がもたついている時でも先んじて行動し、求めている人材を獲得するため素早く動き始められます。

 

自社の企業目標や経営戦略をより明確化できる

戦略人事を導入することになれば、人事の仕事は人材管理だけではなくなります。企業の目標や経営層の考えているビジョンを正しく理解するのも大事な仕事になりますし、全従業員とこれまで以上に関わっていく必要が出てくるでしょう。

人事担当が経営層と従業員の仲介役となることで両者を隔てていた壁が崩れ、これにより全社一丸となって一つの目標へ進んでいけるようになります。

 

人材すべてのレベルアップを図ることができる

戦略人事の実行において、人事の責任者には人材管理だけでなく経営についても深い知識が求められます。もちろんこの重責に耐えることは簡単ではないでしょうが、この経験を通すことでこの責任者は大きく成長するに違いありません。

また適切な人材マネジメントが実施できれば従業員一人ひとりの力を伸ばすことにもつながります。

 

顧客からの信用を獲得できる

そもそも企業はなんのために経営しているのか?利益を出して社員の生活を支える、株主に利益を還元するというのももちろん重要な役割ですが、社会に貢献することも大きな存在意義です。戦略人事の実施により従業員のスキルが上がれば顧客に今以上のメリットを与えられるでしょう。

質の良い商品・サービスを提供できるようになれば顧客はこれを提供している企業を信用することにつながります。また信用を獲得できれば巡り巡って利益にもつながるでしょう。

 

人事部の孤立を防ぐ

人事部は開発や営業とやや毛色が異なり、会社の利益に直接貢献する部署ではありません。こういった理由から人事は他の部署とはなんとなく違うと感じている方も多いでしょう。こうした雰囲気が企業に蔓延すると人事部が孤立してしまうことにつながります。マニュアルや前例を重視する、望まれない人事異動を行うといった仕事ぶりから他の部署から嫌われることも少なくないでしょう。一度できた溝はどんどん深まってしまいます。

しかし戦略人事を導入し、人事も経営へ積極的に関わるようになればすべてマニュアル通り、前例通りといった働き方はできません。すべての部署と連携を強める必要もあることから誰からもパートナーと思われる存在になることもあるでしょう。

 

戦略人事に必要な4つの機能

発案者であるデイブ・ウルリッチによると、戦略人事には4つの機能が欠かせないといいます。その4つの機能というのが以下。

  • HRビジネスパートナー
  • センター・オブ・エクセレンス
  • オペレーション部門
  • 組織開発&人材開発

それぞれ解説します。

 

HRビジネスパートナー

HRビジネスパートナーは経営層を人事の面からサポートするポジション。人事に詳しい経営アドバイザーのような立ち位置と考えれば分かりやすいかと思います。

人材管理全般の知識が求められるのは当然ながら、経営戦略にも十分な理解がなければとても務まりません。既存の役職でいうなら人事部長が一番近いといえますが、単に人事部長という名前をHRビジネスパートナーに変えただけではまったくの無意味。名前が変わっただけで実態は何も変わっていないなんてことになりかねないため注意が必要です。

HRビジネスパートナーの適正があるのは人事経験者だけではありません。優秀な人であれば経営や人事に関係ないところから引き抜くことも珍しくないのです。固定観念にとらわれない柔軟な人選を行いましょう。

 

センター・オブ・エクセレンス

センター・オブ・エクセレンスは人事部門を統括する役割を持ちます。具体的には人事に関する制度づくりやポリシーの策定など。全体を統括するだけあり、4つの部門の中でも最も人事の知識が求められるでしょう。

HRビジネスパートナーの補助を担う役割も期待されます。

 

オペレーション部門

オペレーション部門は戦略人事の実行部隊といえます。従来の人事が行っていた従業員の給与や人事システムの管理、入社や退職の管理などの仕事をこなすのはもちろん、その他の部署と直接関わることも重要な仕事です。

これまで人事部にいた従業員の大半がこのオペレーション部門に配置されることになりますが、その責任は決して軽いものではありません。

 

組織開発&人材開発

組織開発&人材開発に求められるのは、その名の通り組織や従業員を成長させること。研修や実習といった具体的な計画を策定し、実行する役割を担います。企業理念を従業員に浸透させ、経営戦略をスムーズに実行できる体制を作り上げるのも組織開発&人材開発に求められる役割です。

一人ひとりの従業員に向き合いつつも組織全体としての成長も考える必要があり、4つの機能の中でも繊細な業務を実行することになります。

 

戦略人事を成功に導くポイント

これまで当たり前だったものを変えるのは簡単なことではありません。戦略人事もこれまで日本にはあまり浸透していなかった新しい戦略。どんな企業が導入に成功しているのか、どういった点に成功の秘訣があるのかについて確認しておきましょう。

 

経営戦略とビジョンの理解と組織への浸透

繰り返しになりますが、戦略人事がこれまでの人事と違うのは経営戦略に深く関わること。人事部内のマネジメントだけでは不十分で、開発や営業、その他の部門すべてを含めた従業員たちと連携を取っていく必要があります。

そこで求められるのは経営者や人事担当者が持つ強いリーダーシップ。日本でも戦略人事を導入する企業が増えていますが、成功したといえる企業のほとんどは創業に関わった人物、もしくは改革のため招かれた敏腕経営者が積極的に戦略人事の導入を進めています。従業員の間に協力的な雰囲気を醸成させるのも成功の秘訣。無理に改革を進めるのではなく、従業員それぞれの気持ちに寄り添った姿勢を示すことも重要です。

 

社員一人ひとりのリーダーシップの育成

ただでさえ人材獲得競争が激化している現代ですが、人手不足は今後もさらに深刻を極めていく見込みとなっています。そんな中、従業員に求められるのは一人ひとりが自分で考えて行動する力、マニュアルや前例に頼らず自分で判断する力です。もはや組織にたった一人のリーダーで通用する時代ではありません。ルールで縛る、制度に従わせればいいと考えるのではなく、ある程度従業員一人ひとりに自由を与えることも必要になるでしょう。

 

戦略人事に関する書籍

最後にこれから戦略人事に取り組まれる方の参考となる書籍を3つ紹介します。

戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ

 

長年さまざまな企業の人事部門に携わってきた八木洋介氏、組織行動研究の分野で活躍する金井壽宏氏がタッグを組んで出版されたのがこちらの本。そもそも人事とは何かという基本的なところから、従業員のモチベーションを効果的に引き出す方法、組織開発の手法など戦略人事の考え方を広く深く学べます。

戦略人事だけでなく、従来の人事について学び直すためにも役立つ一冊です。

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MBAの人材戦略

 

戦略人事という考え方を提唱したデイブ・ウルリッチによる一冊。1997年に出版されたかなり古い本ではありますが、この本で書かれている内容の本質は現代の人事にも十分通用します。新しく人事担当者になる方が一から人事について学ぶためにも効果的ですので、まだ読んでいなかった方はぜひ目を通しておくと良いでしょう。

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人事こそ最強の経営戦略

人事の仕事の中でもグローバル人事に焦点をあてて解説された一冊となっています。グローバル人事とはそもそも何かというところから、適切な人材配置方法、グローバルリーダーの育て方を学ぶのにうってつけです。

日本の人事スタイルに合わせた解説も本書の特徴で、パナソニックやオムロンなどで実施された実例も取り上げながら解説が進みます。豊富な実例はきっとあなたの理解を助けてくれることでしょう。

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NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

 

動画のストリーミング配信サービスで一躍有名になったNETFLIX。今や時価総額が1,500億ドルを超える大企業となりましたが、その躍進の裏には日本の常識では考えられない人事戦略がありました。本書はそんなNETFLIXの裏側を明らかにした一冊。

日本の中小企業であってもこれから先を生き抜くための知恵を学び取れるでしょう。

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監修してくれた方

田上 敏光

キラメックス株式会社 ビジネス事業部
TechAcademyキャリア/法人向けIT研修 セールスマネージャー

人材系企業で採用支援・人材育成事業・toB向けクラウドサービス事業に従事。その後、「弁護士ドットコム株式会社」にて新規事業の企画立案・運用に携わる。現在は、キラメックス株式会社にてプログラミング教育を通して「個の選択肢、可能性を広げること」「新たなキャリアに伴走すること」をミッションとし法人向けに「IT人材採用支援」および「IT研修」を担当している。

 

田島悠介

内容分かりやすくて良かったです!

大石ゆかり

田島君も、今日から戦略人事を活用していきましょう!

田島悠介

分かりました。ありがとうございます!

 

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