エンゲージメント採用とは!メリットや手法を紹介【エンジニア採用】

エンゲージメント採用とは、いかに企業に対して信頼感と愛着を持ち、企業に貢献してくれる従業員を採用し教育していくかを念頭に置いた採用方針です。この採用を取り入れることで、入社意欲の高い候補者を集めることができる・将来離職する確率の低い人材を獲得できるなどといったメリットがあります。詳しく解説していきます。

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採用でたくさんの人を雇用したとしてもすぐに会社を辞めてしまう、と頭を抱えている担当者も多いのではないでしょうか?

現在の求職者の特徴にあげられるのは、そもそも転職やキャリアアップを前提に会社を選んでいるという人がほとんどです。昔のように1社で安泰とは考えていません。なので仕事が合わなかったり、条件が良いところを見つければそちらに動いていきます。

ですので、採用段階でどれだけ自社にマッチしながく働いてくれるかを見極めるのが重要になってきます。そこで今回はそれに最適な選考法である「エンゲージメント採用」について詳しく解説していきます。

 

なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

 

目次

 

エンゲージメント採用とは

「エンゲージメント採用」とは、自社と本質的にマッチングした人材を採用するための新しい採用手法です。特に人材獲得が難しくなっているIT業界における打開策として、株式会社フィードフォースが実施し成功させたことにより注目を集めています。

そもそもエンゲージメントとは「約束」や「契約」を意味する言葉で、人事においては企業と従業員の間の信頼関係のことを指します。より簡単に言えば、従業員が企業に対して持つ愛着心と言うこともできるでしょう。

エンゲージメント採用においては、よりエンゲージメントの高い従業員を増やすために採用活動をしていきます。つまり、「いかに企業に対して信頼感と愛着を持ち、企業に貢献してくれる従業員を採用し教育していくか」が課題となります。そのためエンゲージメント採用の選考においては、「どれだけ自社の理念、カルチャーに共感してくれるか」が一つ大きなポイントとなるのです。

 

エンゲージメント採用の特徴

ではここでエンゲージメント採用の特徴を詳しく解説していきます。

 

従来の新卒一括採用とはまったく別の採用方法

エンゲージメント採用は今までの新卒採用とはまったく別の採用方法だということです。

新卒一括採用では企業の間で人材獲得競争が激しく、結果的にいい人材を確保することが難しくなります。しかしエンゲージメント採用では新卒の枠組みに縛られずに採用活動を行うことができるため、いい人材に巡り合う可能性を高めることができます。

 

スキル重視の選考も行わない

さらに、エンゲージメント採用ではスキル重視の選考も行いません。

重視するのは飽くまで自社のカルチャーとのマッチング度合い、そしてポテンシャルです。すでにスキルや経歴を持った人材を採用するのではなく、入社後に成長する可能性を持った人材を採用するのがエンゲージメント採用なのです。

このように、従来の新卒採用や、キャリアやスキル重視の中途採用とはまったく違う、新しい採用手法がエンゲージメント採用なのです。

 

エンゲージメント採用によって得られる5つのメリット

ではエンゲージメント採用に切り替えることでどのようなメリットを得られるのでしょうか?詳しく解説していきます。

 

1.採用のPDCAが早く回せる

仕事の改善・効率化にはPDCAサイクルが不可欠ですが、採用活動においてもそれは例外ではありません。ところが新卒一括採用では、PDCAサイクルがうまく機能しません。新卒一括採用では採用までにおおむね次のようなステップが必要です。

  1. 自社に興味・関心を持ってくれる人を増やす
  2. 会社説明会を開く
  3. 書類選考、面接を通して選考する
  4. 内定を出し、内定者をフォロー(内定辞退などを予防)する

このすべてのステップを終えるまでに一年かかります。つまり一年がかりでPDCAサイクルを回していくわけですが、これだと実行から得た改善点を次の採用活動に反映するまでに時間がかかりすぎてしまいます。さらに変化の激しいIT業界では採用市場は一年あれば大きく状況が変わってしまうため、せっかくの反省点を活かそうにも活かすことができません。

ところがエンゲージメント採用では1、2ヶ月単位でPDCAサイクルを回すことが可能になります。エンゲージメント採用では通年で採用活動を行うため、自社とマッチした人材を見つけ次第、選考に入ることができるからです。

 

2.激戦化しているエンジニア採用市場をブルーオーシャンで戦える

新卒一括採用よりエンゲージメント採用が優れている点として挙げられるのは、PDCAサイクルが早く回せることだけではありません。新卒採用は採用市場の中でも激戦区になり、その中でいい人材を確保することは困難です。ところがエンゲージメント採用では新卒という枠組みにこだわらずに採用するため、激戦区から外れて採用活動をすることが可能なのです。

また特にIT業界におけるエンジニア採用市場が激化している背景として、スキルを重視して採用する企業が多いことが挙げられます。しかしエンゲージメント採用では「今どんなスキルを持っているか」ではなく、「入社後に仕事をしていく中で成長するポテンシャルを持っているか」に注目して採用活動をしていきます。

このように「新卒」や「スキル重視」といった従来の枠とは違うところで採用活動が行え、採用市場をブルーオーシャンで戦うことができるのです。

 

3.入社意欲の高い候補者を集めることができる

エンゲージメント採用を実施していく際、最初に課題を設定します。たとえばエンジニア採用で言えば、知識のない状態から取り組めるようなプログラミングの基礎学習講座の受講が課題として適切です。この課題をクリアした人がエントリーできるという形を取ります。

そうすると候補者が課題によってふるいにかけられるため、結果的に入社意欲の高い候補者ばかりを集めて選考をすることができ、採用活動をよりスムーズに進めることができるのです。

 

4.将来離職する確率の低い人材を獲得できる

近年、離職率が高まっている背景として年功序列から成果主義への移行が挙げられます。スキルや経歴を重視して採用活動を行えば、すでに高い能力を持った人材を獲得できるかもしれませんが、そういった優秀な人材は自分により高い報酬を出す会社が見つかれば転職してしまうかもしれません。成果によって報酬を決める企業が増えている今、スキルや経歴のみで採用を行うことは人材流出のリスクを高めることになりかねません。

そこで重要になるのが社員のエンゲージメント(会社に対する信頼・愛着)です。エンゲージメントの高い社員は、仕事へのモチベーションと会社への帰属意識が高まるため、離職率が低くなる傾向にあります。

このようにエンゲージメント採用は、採用活動そのものを効率化できるだけでなく、将来離職する確率の低い人材を獲得することもできるという利点もあるのです。

 

5.長期的にはコスト削減も見込める

基本的に新卒採用にかかる資金は、採用人数を増やそうとすればするほど高くなっていきます。より多くの就活生から自社に興味を持ってもらうには、積極的に採用イベントに出ることが重要ですが、そのためにはイベントに出るお金が必要になります。当然イベントには人員も時間も割かなければならないので、多くのコストを払わなければなりません。

ところがエンゲージメント採用において重要なのは、「とにかく多くの候補者を集めること」ではなく「自社のカルチャーとマッチしたポテンシャルの高い候補者を集めること」になります。そのためエンゲージメント採用のための仕組みづくりに初期投資は必要ですが、長期的にはコスト削減にもつながる採用の手法なのです。

 

エンゲージメント採用選考時のポイント

エンゲージメント採用において特に重要になるのは、「ポテンシャル」と「カルチャーマッチ」です。

これまで述べてきた通り、エンゲージメント採用の選考ではスキルや経歴を重視しません。その代わりとなるのがポテンシャルです。ではどのようにその人材の成長の可能性を見ればよいのでしょうか。

 

ポテンシャルの見極め方

エンゲージメント採用では、候補者にまず課題を受けてもらいます。この課題を最後までやり遂げられるかどうかが、ポテンシャルをはかる最初の指標になります。この課題については下記「エンゲージメント採用実施方法」でよりくわしく解説していきます。

またポテンシャルを見極める際には、「カルチャーマッチ」を見ることも重要です。自社のカルチャー(文化や価値観)にマッチしている人材は、社内のメンバーもうまく教育していくことができます。それだけでなく、自社のカルチャーにマッチすればするほどエンゲージメントも高くなってきます。

そしてエンゲージメントが高ければ高いほど仕事に対するモチベーションも上がるため、成長するスピードも速くなるのです。もちろんそういった人材は、事業や仕事が変わった時もすぐに対応できる適応力を持っている場合が多いと言えます。すなわち自社にカルチャーマッチしていればしている分だけ、ポテンシャルのある人材だと言うことができるわけです。

 

カルチャーマッチの見極め方

カルチャーマッチ重視した採用をする上で重要なのは、まず候補者の「人柄」と「行動特性」をよく見ることです。また、候補者にあらかじめ自社の理念や価値観、カルチャーを知ってもらうことも重要になります。

 

エンゲージメント採用実施方法

エンジニアのエンゲージメント採用においてまず必要なのは、ポテンシャルの高い人材を見極めるための「課題」の設定です。課題と言ってもスキルや知識のない状態から始められるものでなければなりません。そのためプログラミングの基礎講座の受講などを課題とするのが一般的なようです。

エンゲージメント採用の実例として有名な株式会社フィードフォースでは、完全に自社オリジナルの学習プログラムを課題としています。しかしこれは特殊な例で、なかなか他の企業が真似できるようなことではありません。

そこで役に立つのが下記にも挙げるTechAcademyのような既存の企業向けのオンラインプログラミング教育サービスです。このような既存のサービスの受講を課題として設定することで、スキルがなくともモチベーションやポテンシャルの高い人材を見極めることが可能になります。

では具体的にどのように採用を実施すればいいのでしょうか?3つの手順で解説していきます。

 

1.課題を受ける希望者は通年で募集する

そうすることで、採用市場が激化する時期を避けて人材を見つけることができます。時期を問わずに常時採用活動が行えることもエンゲージメント採用の大きなメリットの一つです。

 

2.課題は希望者のポテンシャルを見極めるのにふさわしいものを用意

ここで参考になるのは株式会社フィードフォースが実施している課題です。フィードフォースでは学習プログラムの受講後、希望者に「日程調整アプリをRailsで作る」という課題を出しているそうです。

この二つ目の課題によってその候補者がどれだけ学習プログラムで学ぶことができたのか、つまりポテンシャルを見ることができるのです。

 

3.ポテンシャルがあると見込まれた候補者の中で、希望する者に対し選考を行う

ここから先は面接になりますが、ここでも一番重視するべきはカルチャーマッチになります。ここまで来た候補者はすでに二つの課題をクリアしてきているため、プログラミングに対する適正は十分にあると考えて問題ありません。そのため面接ではカルチャーマッチやモチベーションなど、総じてエンゲージメントに関わる項目のみに重点を置いて進めていきます。

 

実はこのような方法で採用活動を実施していくと、面接後の採用率が非常に高くなるようです。というのも、自社に対して興味を持っていて、かつ課題を最後までやり遂げる能力のある人材だけが残るため、必然的に入社への意欲が高い候補者だけが選考に進むことになるのです。

一つ懸念として残るのは、時期を問わず採用をするため新入社員の入社時期がバラバラになってしまうという点です。ただそこに関しては年に二回入社時期を設けてその時期に入社してもらう、もしくは少数の採用ならその都度研修を行うなどの解決策が考えられます。

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