新人社員研修講師とは?仕事内容や新入社員研修を効率よく進める方法
「今度新人社員研修講師を頼まれたけど、どんなことをすればいいの?」「新人社員研修を効率よく進める方法が知りたい」と悩む人も多いでしょう。本記事では、新人社員研修講師について、3つの仕事内容や新人社員研修を効率よく進める方法を紹介します。
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「今度新人社員研修の講師をすることになった」という人は、新人社員研修講師は何をすべきか、効率よく研修を進めるためにはどうしたらよいかを日々考えていることでしょう。
新人社員研修講師には、社内から適任と判断された人材や、外部から依頼するタイプがあります。ただ、どちらの場合でも基本的な仕事内容や、研修の進め方は同様です。
本記事では、新人社員研修講師について、大切な3つの仕事内容や新人社員研修を効率よく進める方法を紹介します。
目次
新入社員研修講師とは
新人社員研修講師とは、その名の通り、新人社員研修を行う講師のことです。新人社員研修の講師は、これから社員が業務を行う上で必要になる知識やスキルを教える大切な役割で、社内で適任とされる人材を講師とする社内講師と、外部から招聘する外部講師があります。
3つの仕事内容
新人社員研修講師の仕事内容は大きく分けて3つです。1つめは「準備」、2つめは「実施」、3つめは「検証」となります。事前に研修のために準備を行い、実際に研修を実施する、そして研修後に検証を行うまでが、新人社員研修講師が行う仕事です。どれも新人社員研修を円滑に進めるために大切な仕事で、研修前の下準備から研修終了後のアンケート用紙の作成まで多岐に渡ります。
ここでは、それぞれの仕事内容について詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。
準備
新人社員研修講師の仕事内容「準備」では、これから研修を行うために大切な研修目的の設定や、研修ニーズの把握などを行っていきます。
その他にも、研修会場の選定・決定や研修で配布する書類の印刷、名簿・座席表の作成など円滑に研修当日を迎えるための準備を行います。
実施
新人社員研修講師の仕事内容「実施」では、参加者へ知識を提供し、スキルや気づきを習得してもらうためにティーチングやコーチングを行います。
ティーチングとは、講師として参加者へ知識を教える役割のことで、コーチングとは「なぜ?」と参加者へ問いを投げたり、議論を進行させたりする役割のことです。
この他にも、さまざまな研修の講師として活躍している人々は、ファシリテーションと呼ばれるスキルを用いて、研修や会議を円滑に進められるよう努力しています。
ファシリテーションとは、教育や学習などあらゆる知識や気づき、学びを取得する活動に対して、支援を行い、円滑に進むよう進めるスキルや役割のことです。
検証
新人社員研修講師の仕事内容「検証」では、研修終了後にアンケートやインタビューを実施して研修の成果を可視化させます。
また、アンケートやインタビューを行い、研修成果を検証することを「研修効果測定」とも呼び、社員はもちろん企業の成長にも繋げられる大切な仕事内容です。
新入社員研修講師になるために必要なスキルは?
新人社員研修講師になるために、必ず必要な資格というものはありません。ただ、実際に研修講師として活躍する人々は「ファシリティスキル」や「コミニケーションスキル」「インタラクションスキル」などを学んでいる人が多いです。
ここでは、それぞれのスキルについて詳しく解説していきます。
ファシリテーションスキル
ファシリテーションスキルは、教育や学習などあらゆる知識や気づき、学びを取得する活動に対して支援を行い、円滑にプロジェクトやミーティングを進めるスキルや役割のことです。
新人社員研修講師は、研修を円滑に進めながら、研修に参加している社員たちに対して新たな知識やスキルを教える役割を持っています。
この働きとファシリテーションスキルは同様の働きを行うもので、新人社員研修講師にとっては必須スキルといえるでしょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、相手との情報共有や意思疎通を円滑に行うために必要なスキルです。新人社員研修講師は、セミナーとは違い、研修に参加している社員と情報や認識を共有させながら進める必要があります。
双方の意思疎通を円滑に進めるためにも、コミュニケーションスキルはぜひ取得しておきたいスキルです。
また、元々コミュニケーションスキルに自信がない人は、事前にコミュニケーションセミナーや研修へ参加することでコミュニケーションスキルを学べますし、講師の仕事内容をじっくり観察できるでしょう。
インタラクションスキル
インタラクションスキルとは、組織の目標を達成するために、新人社員や企業で働く従業員各自のリーダーシップを強化・育成するスキルです。
インタラクションスキルによって、新人社員や従業員各自の役割を理解させることで、研修や今後の業務に関して期待以上の成果を上げられます。
また、これらをプログラム化することをインタラクションマネジメントと呼びます。
新入社員研修を効率よく進める方法
新人社員研修は、新人社員にとって膨大な量の知識を長期間学ぶ研修です。そのため、研修へ参加する社員のモチベーション維持や、学習の定着について講師がしっかりと計画を立てておく必要があります。
ここでは新人社員研修を効率よく進める方法を紹介します。
研修目的に合った講師を選ぶ
新人社員研修講師には「社内講師」「外部講師」の2つのパターンがあります。
例えば、自社の社内業務やルール、企業のビジョンに関して新入社員に学んでほしい場合、社内講師として研修を進めていきます。
一方、ビジネス知識や他社にはないノウハウ、トレンドなどを研修目的として設定したい場合は、社外講師としての活躍がおすすめです。
自社または他社が行いたい研修目的や、自身の持つスキルがどちらの講師として活躍できるかによって選べば、効率よく研修を進められます。
研修参加者のレベルを把握する
研修の効果を高めるには、研修に参加する社員それぞれの学習レベルの把握が大切です。社員全員が同レベルの学習進捗というわけではないので、レベルに合った学習を提供できないまま研修が進んでいくと、学習理解度の低下や、モチベーション低下に繋がります。
これらの低下リスクを防ぐためには、社員それぞれに合った研修内容を組むなど効率よく人材の成長をサポートできる対策が必要でしょう。
研修目的と最終的なゴールを事前に設定する
新人社員研修での研修目的を考える際、最終的なゴールの設定をしましょう。効率よく研修を進めるためには目的も大切ですが、最終的に「社員がどのように成長して欲しいのか」「どのようになって欲しいのか」というゴールの設定も必要です。
ゴールがなければ、モチベーションの低下や学習意欲の低下に繋がります。また、ゴールは組織の方向性でもあります。明確にゴールを設定することで企業のこれからをイメージする材料にできるでしょう。
実践的な学びを得られる研修内容を意識する
どれだけ知識やスキルを学べても、実際に活かせる場所がなければ意味がありません。そのため、研修内容に業務で活用できる実践的な学びの組み込みが大切です。
研修に参加した社員たちが「研修で学んだことを活かしてみたい」と思う内容を組むことで、集中力やモチベーション維持、研修後の自発行動に繋げられます。
話し方や態度には気をつけること
実際に研修の場で講師として話をする際、話し方や態度にも工夫する必要があります。例えば、自身は講師だからと高圧的に話をする講師と、研修に参加した社員と同じ目線で研修を進めていく講師ならば、後者の講師が行う研修へ参加したいと考えるはずです。
話し方や態度の工夫方法としては、以下の3つを参考にしてみましょう。
- ジェスチャーを入れつつ、明るく大きな声ではっきりと話す
- 語尾は言い切る
- 問いかけや質問を入れる
研修参加者との会話のキャッチボールを意識する
新人社員研修講師の中には、一方的に説明するだけの人がいます。ただ、これでは研修に参加している社員の学習意欲や成長を阻害してしまうので注意が必要です。
特に、一方的に講師が説明するだけで、何か質問があっても機会がないという状態は、大切な研修の時間を無駄にしかねません。
新人社員研修中は、研修に参加する社員との会話のキャッチボールを意識しながら進めていくよう意識してみてください。
オンライン研修の導入
オンライン研修は、近年外的要因でリモートワークを導入している企業におすすめです。場所や時間を問わず、新人社員研修を進められることや、進捗管理機能や動画録音・録画機能など、学習に対する便利なツールを利用できます。
オンライン研修ツールには、
- 多様なコンテンツを受講できる汎用性が高いタイプ
- 自社の研修教材のオンライン化に適した教材育成・管理機能が優れているタイプ
- 必須研修の受講に適したタイプ
の3つのタイプがあります。これらの中から、自社の研修目的に合ったタイプのオンライン研修ツールを選びましょう。
研修後は「振り返り」を行う
研修後に振り返りを設けることは、研修で学んだ知識やスキルを定着させ、今後の業務でどう活かせるかを考える機会になります。また、研修中に感じた問題点を自身で振り返り改善することで、さらなる成長を促進する効果も期待できるでしょう。
振り返りの方法としては、グループディスカッションやアンケート、インタビューがおすすめです。その内容を言語化して組織で共有し、課題を明確にして今後へのフィードバックとしましょう。
研修後のアフタフォロー制度も導入する
新人社員研修は、膨大な量の知識を学ぶので研修が終了した後も、一定期間アフタフォロー制度を導入することで、研修へ参加した社員の成長を促進する効果が期待できます。
アフタフォロー制度の一環として、多くの企業ではフォローアップ研修が行われています。フォローアップ研修とは、研修終了から一定期間経過した都に振り返りの場を設け、学習内容の再確認や問題の改善、今後の具体的な目標設定を行う研修のことです。
フォローアップ研修により、改めて目標を達成するために必要な知識やスキルを身に着けられるので研修効果を高められます。
新入社員研修講師として研修を行う際の注意点
次は、新人社員研修講師として研修を行う際に注意したい3つのポイントを紹介します。
- 講師が一方的に話すのはNG
- 教えたいことをすべて詰め込まない
- 研修参加者の集中力やモチベーションを維持させる対策を講じる
講師が一方的に話す研修はNG
新人社員研修を行う際、講師が一方的に説明するだけの研修は、参加する社員のモチベーションを低下させるのでNGです。特に、質問の機会を設けずに永遠と講師が説明して研修が終了してしまう場合、研修内容に対して疑問や不満が残る可能性があります。
新人社員研修は、自主的に参加する人が多いセミナーとは異なり、そこまで研修内容に興味がない社員も参加している可能性があるので、関心を削ぐような行為は控えましょう。
教えたいことをすべて詰め込まない
初めて新人社員研修講師として研修を行う人にありがちなミスは、教えたいことをすべて詰め込んでしまうことです。新人社員研修は特に覚える知識やスキルが多いので、期間が決められた研修の中にすべての情報を詰め込むと、学習の定着率が低下する可能性があります。
新人社員研修では、しっかりと定着させたい学習内容をメインにして、その他の知識やスキルに関しては研修終了後のアフターフォローなどで補いましょう。
研修参加者の集中力やモチベーションを維持させる対策を講じる
研修効果を高めるためには、研修後のグループディスカッションや、研修の合間に休憩をはさむなど、研修へ参加する社員の集中力やモチベーションを維持する対策が必要です。
集中力やモチベーションが低下した状態で研修を行うことは、学習の定着率を低下させてしまい逆効果になります。そのため、座学だけではなくOJT研修やOff-JT研修を取り入れるなど、参加者がイキイキと研修を受けることができる環境を整えることも新人社員研修講師としての役割です。
まとめ
新人社員研修を効率よく進めるにはいくつかのポイントがあります。初めて新人社員研修講師を務める際は、本記事を参考にして実りのある研修にできるよう事前準備をしっかりと行いましょう。また、これから新人社員研修を行おうと考えている企業の方は、自社の研修目的に合った講師を選んで有意義な新人社員研修を心掛けるとよいでしょう。