新人はなぜ挨拶が苦手?挨拶指導の重要性と指導方法のポイントを解説
企業の人事や育成担当者の中には、社員の挨拶に課題があると感じている人も多いです。特に新人の挨拶には関心を寄せているでしょう。企業には新人に配慮しながら適切な指導を実施することが求められます。挨拶の重要性を確認してから挨拶指導ポイントについても触れます。
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企業の人事や育成担当者の中には、社員の挨拶に課題があると感じている人も少なくありません。特に入社したての新人の挨拶には関心を寄せているでしょう。挨拶はコミュニケーションの基本であるためクリアしてもらいたいですが、苦手意識を持っている新人も多いです。
入社したての新人は、環境が大きく変化したタイミングで緊張しながら日々不安を抱えています。そのため、企業としてはそのような事情に配慮しながら適切な指導を実施することが求められます。この記事では、挨拶の重要性を確認してから挨拶指導ポイントについても触れます。なぜ新人は挨拶が苦手なのかを知ることでよりよい指導が実施できるでしょう。
目次
新人はなぜ挨拶が苦手?
なぜ挨拶が苦手な新人が多いのでしょうか。企業の人事や指導担当者は、まずその理由を知ることからはじめましょう。理由を知らずして「なぜ挨拶ができないのだ」と叱咤してしまうと新人は委縮してしまい、ますますコミュニケーションの壁ができてしまいます。そうならないために、ここでは新人が挨拶に苦手意識を持っている理由を解説します。
挨拶の重要性がわからない
新人が挨拶を苦手と考える理由のひとつに、重要性を理解していないことがあげられます。理由がわからないことを自ら積極的に取り組むことが難しいのは、新人に限らず多くの人が実体験として持ち合わせているでしょう。
納得感を持って挨拶ができるようになるためには、まずは「なぜ挨拶が重要なのか」を理解する必要があります。そのため新人への挨拶指導は、挨拶の意味や重要性を伝えることからはじめます。
どのような挨拶が適切なのかわからない
相手に対する敬意を示すためにも正しい挨拶が不可欠ですが、どのような挨拶が適切なのか理解していない新人も多いです。
一般的なマナーである挨拶ですが、求められる挨拶は企業ごとに異なることもあるでしょう。例えばエネルギッシュな人材が集まる企業と、伝統を重んじる企業とでは、そこで求められる立ち振る舞いは同じでしょうか。企業文化にもつながる部分であるため、自社ではどのような挨拶が適切なのかを新人に理解してもらうことも大切です。
挨拶の仕方がわからない
挨拶の仕方がわからないという新人もいます。特に学校を卒業したての新卒人材は、SNSなどインターネットを介したコミュニケーションが活発な世代です。相手との関係性構築のベースをテキストで行ってきたことが多く、顔を合わせたときにどのように挨拶をすればいいのかわからず悩んでいる人もいるでしょう。
新人の挨拶指導では声の大きさや表情、話すスピードなど、具体的に伝授することが必要です。
すべては挨拶から!新人への挨拶指導の重要性
新人が挨拶を習慣化するためには、まずはなぜ挨拶が大切なのかを心得る必要があります。その重要性がわからないまま指導を受けた人と、しっかり理解できたうえで指導された人とでは、効果に大きな差がうまれるでしょう。
新人への挨拶指導を怠った場合のリスクを解説するので、企業の担当者も挨拶指導の重要性を再確認してください。
挨拶はコミュニケーションの基本
挨拶はすべてのコミュニケーションの基本であり人間関係のスタートになります。挨拶は日々繰り返し行われる慣習ですが、ビジネスシーンはもちろんプライベートにおいても不可欠です。気持ちの良い挨拶ができれば相手に好印象を与えられ、信頼関係の構築につながります。
挨拶は社内外問わずに評価される要素のひとつです。挨拶の重要性を理解し、適切な挨拶の仕方を知ることで、スムーズなコミュニケーションのきっかけづくりができるようになります。
新人への挨拶指導の重要性
新人が職場になじむため、または円滑なコミュニケーション・報連相を行える関係性を築くためには適切な挨拶が求められます。そのため、挨拶が持つ意味や挨拶の仕方がわからない新人には初期段階で挨拶指導を実施することがおすすめです。
日頃からコミュニケーションが取れていれば適切なタイミングで報告をもらい、問題が大きくなる前に対処ができることもあるでしょう。丁寧は挨拶指導を行うことが、新人にとっても企業にとっても大切になります。
新人への挨拶指導を怠った場合のリスク
挨拶が苦手な新人をそのままにしておくと、社員同士の関係性が悪くなるだけでなく、仕事をなかなか覚えられない、失敗を恐れて主体的に動けない社員になる危険性があります。「たかが挨拶」と思われてしまうかもしれませんが、風通しのよい職場をつくるためには挨拶は重要です。
専門的な知識や能力はあってもコミュニケーションが取れないと、会社の主戦力としては期待が難しいでしょう。将来自社の戦力になってほしいと願うのであれば、挨拶指導に積極的に取り組みましょう。
新人への挨拶指導で意識したいこと
新人に挨拶指導する際には、いくつか意識したいことがあります。具体的には丁寧な指導を心がけることや、会社全体を巻き込むことなどです。指導のポイントを押さえることで、効果のある指導に近づきます。挨拶ができる新人の育成のために、挨拶指導のポイントを確認しましょう。
新人は「将来の戦力」として丁寧に指導する
挨拶ができないまま時間が経過してしまうと、将来的に問題が生じるリスクも高まります。具体的には、人間関係でトラブルが起きたり、コミュニケーション不足による連携ミスや顧客のクレームを受けたりするケースです。挨拶という毎日の小さな積み重ねが大きな影響を及ぼします。
「新人」と呼ばれる間は社会人としての基盤形成期間でもあります。新人を「将来の戦力」と見据える場合は、初期段階で挨拶がしっかりできる人材に成長してもらうために、指導を丁寧に実施することが大切です。
会社全体を巻き込む
新人への挨拶指導においては、指導担当者だけでなく、部内のメンバーや上層部も巻き込む意識を持ちましょう。取り組みを通じて全社員が挨拶を意識するようになり、会社の雰囲気が変わる可能性もあるためです。
活発な挨拶習慣は、日々の業務やコミュニケーションにおいて好循環を生み出す源泉です。上層部が率先して挨拶をすることで新人にとっても挨拶の重要性が増し、意識付けにもなります。社員全員が挨拶を交わすようになれば情報共有もスムーズに行われ、業務の効率化につながります。新人への挨拶指導は純粋なマナー教育にとどまらず、企業文化の浸透や業務改善にも役立つといえるでしょう。
新人への具体的な挨拶の指導方法・ポイント
新人に挨拶指導を実施する際には、ポイントを絞って伝える必要があります。自社での挨拶指導が難しい場合などは、プロの指導者に研修をしてもらうことも選択肢に入れておきましょう。ここでは新人への具体的な挨拶の指導方法を解説します。
「良い挨拶」を知る
新人にどのような挨拶が「良い挨拶」なのか知ってもらうことは、挨拶指導において非常に重要です。良い挨拶とは、相手に対する敬意を表し、好印象を与える挨拶を指します。具体的には明るく爽やかに挨拶することや丁寧な言葉選び・適切な敬称を用いることなどです。
挨拶という行為には相手と友好関係を築きたいという意思があるため、まずは自分から挨拶を行うことを意識します。相手が挨拶をしてくれないからとって、自分もしなくていい理由にはなりません。指導する立場の先輩社員や上司が良いお手本となれるように、積極的に新人に挨拶をしていきましょう。
声・表情・スピード
挨拶のときの声・表情・スピードにも注意します。声は大きすぎず小さすぎず、明確に聞き取れる程度の音量が適切です。可能な範囲で優しく、明るめのトーンで話しかけることが大切です。
無表情で挨拶をしてしまうと相手に不信感を与えかねないため、基本は笑顔で挨拶をします。初対面の相手であっても、笑顔で挨拶をすることで好印象を与えやすくなります。目を見て話せるようになれば、より自然な状態で相手とコミュニケーションができます。
スピードに関しては、早すぎず遅すぎず、適切なテンポで話す意識を持ちましょう。相手の反応を見ながら、最適なスピードを推し測りましょう。挨拶はただするだけでは効果的ではないため、声・表情・スピードを意識した指導をすることがおすすめです。
体のしぐさ
良い挨拶をするためには、言葉だけでなく体のしぐさも重要です。挨拶は相手に対して向き合い、軽く会釈をすることからはじまります。お辞儀の深さはシーンや相手との関係性によって変わりますが、一般的には腰をやや曲げる程度が適切です。
手を体の横につけたり手を振ったりするなど、挨拶にはさまざまなしぐさがあります。言葉と体のしぐさを一致させることで、相手に良い印象を与えられるでしょう。声・表情・スピードに加えて体のしぐさにも言及した挨拶指導が望ましいです。
一言を添える
新人への挨拶指導では、挨拶に一言を添えるように伝えましょう。相手の名前を呼ぶ・話題を振るなど挨拶以外で短い会話を交えると、相手からの印象にも差が出ます。朝の挨拶のシーンで、「おはようございます」と声をかける場合と、「〇〇さん、おはようございます」と名前を呼んでから挨拶する場合では、受け取る側の心証が異なります。
次に新人が社内ではじめて同僚や上司と出会った場合です。「こんにちは、営業課の〇〇と申しますが、〇〇さんはご在席でしょうか?」と言葉を添えるだけで好印象です。名前を呼ぶことや適切な一言付け加えるだけで、今後のコミュニケーションにも影響が出ます。まずは名前を呼ぶことから意識してもらいましょう。
プロの指導者に頼る
新人への挨拶指導の重要性はわかっていても、指導に費やす時間を捻出できないケース、どのように指導をすれば良いのかわからないケースや自社に指導者として適切な人材がいないなどのケースもあるでしょう。
そのような場合は、プロの指導者や研修企業に依頼する選択肢もあります。指導スタッフが専門的な知識や技術を持っているため、適切な指導の実現が期待できます。研修・指導後は結果のフィードバックもあるため、新人がより高いレベルの挨拶を交わせるようになるでしょう。新人という大切な育成期間に、プロの指導者による指導環境を提供することは有意義です。
まとめ
新人が挨拶を苦手とする原因には、挨拶の重要性を理解していないことや、どのような挨拶が適切なのかわかっていないことがあげられます。まずはそれらを説明してから具体的な挨拶指導を進めましょう。
挨拶指導を怠ると業務がスムーズに行えない、将来の戦力となる人材が育たないなどのリスクもあるため、企業も挨拶指導には注力が必要です。社内で挨拶指導をするための環境を提供できない場合や、より効果を求める場合などは、研修企業かプロの指導者に頼ることも有益です。