新人がすぐ辞める原因は?早期離職が多い職場の特徴と定着率向上のヒント

新人がすぐに辞めてしまうことに悩んでいる人事担当者も多いです。新人がすぐに辞めてしまうことで、社内にさまざまな影響が及ぶため、早めの対策が求められます。短期離職を防ぐためには、まずは原因を知り、適切な対策を講じましょう。

中長期にわたる採用計画を練り、プロセスを経て入社した新人がすぐに辞めてしまうことに悩んでいる人事担当者も多いです。新人がすぐに辞めてしまうことで、社内にさまざまな影響が及ぶため、早めの対策が求められます。

短期離職を防ぐためには、まずは原因を知ることからはじめましょう。この記事で紹介する原因の中に自社に該当するものがあれば注意が必要です。改善に向けた具体的な対策も解説していますので参考にしてください。

目次

 

新卒の離職率は約30%で推移している

退職届の封筒と書面、ペンがそれぞれ並んでいる様子

厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の就職後3年以内離職率」によると、大卒者の離職率は31.5%と依然高い水準にあります。同資料は平成31年度のデータ基準にしていますが、1995年から約30年にかけて数値に大きな変動はありません。

新入社員の一定割合が短期離職する流れは、一般化しつつあるといえます。企業としては入社した社員をいかに離職させないか対策を立てるのが重要です。離職を最小限に抑えつつ、自社の生産性が高まる戦略を検討しましょう。

 

新人・新入社員がすぐ辞める理由

広い講義室で多数の社員を前にホワイトボードを用いて解説している男性の様子

新人・新入社員の離職理由はいくつかあります。明確な理由なしに離職するケースは少なく、企業は離職の原因を突き止める必要があるともいえるでしょう。職場の人間関係や研修環境などに原因が隠れていないか状況整理が必要です。ここでは新人・新入社員がすぐ辞める理由を解説します。

理想と現実にギャップがある

採用面接や企業説明会で聞いた情報やイメージと、実際の職場環境・業務内容にギャップを感じる場合があります。入社後からすぐに活躍できると考えていた一方、想定と異なる業務を任されたと感じる社員は少なくありません。

新人が「やりたいことをできない」という状況に陥らないためにも、事前に丁寧なヒアリングを実施しましょう。面接や研修を通じて、希望や目標をヒアリングすることがおすすめです。スムーズに業務を開始してもらうためにも、新人とのコミュニケーションを図りましょう。

社内の風通しや人間関係に問題がある

職場の居心地が悪いと、やりがいや成長意欲を喪失します。コミュニケーションに関するトラブルやハラスメントなどがある場合は、新人もストレスを抱えるためです。早期の改善が必要だと考えられます。

具体的な改善案としては、上司によるヒアリングがあげられます。現状抱えている不満や懸念点などを詳細に聞き出すことが重要です。問題を放置するほど新人は離職する可能性が高いという危機意識を持ってヒアリングしましょう。

十分な研修や育成環境が整っていない

企業に育成環境が整っていないと新人は何からはじめていいのか分からず、戸惑いや混乱を招く恐れがあります。次第に居心地の悪さや不安を感じ、早期に退職を申し出る社員も出てくるでしょう。

業務内容に即した教育体制の整備やOJTを通じて、新人のスキルを伸ばすことが重要です。その前段階である仕事の進め方や会社のルールといった基本的な内容は、早い段階で知ってもらう必要があります。

 

新人がすぐ辞めることで生じる問題

パソコンの画面を見ながら話し合いを進める若手の様子

新人は自社における未来の主戦力として大切に育てる必要があります。早期退職されてしまうと、人材リソースの面で大きなトラブルを招くでしょう。社内で業務に関する知見が蓄積されず、企業の成長スピードにも悪影響が及ぶためです。ここでは新人がすぐ辞めることで生じる問題を紹介します。

社内にノウハウが蓄積されない

新人が知識やスキルを身につけて活躍すれば、業務におけるノウハウの蓄積が可能です。しかしすぐに辞めてしまうと、社内に知見を残せなくなるリスクが考えられます。

社員が短期間で入れ替わればチームの一体感が損なわれ、業務の遅延やミスが増加します。結果的に業務の効率化や改善が実現しなくなる恐れもあります。入社後のフォローアップや定期的なキャリアアップの機会を提供することが重要です。

仕事量が増えた社員が成長の機会を失う

新人がすぐに辞めてしまうと、他の誰かがその仕事を引き継がなければなりません。ワンステップ上の業務を担っていた社員が新人の仕事を担当することで、自己の成長機会が失われる可能性もでてきます。

急な引き継ぎ作業によってミスが生じるリスクや、既存社員にストレスや疲労が蓄積されることで生産性が低下する可能性も高まるでしょう。新人の早期離職を防止することは、生産性の向上や他の社員の成長・スキルアップにも関係する重要な課題であるといえます。

企業の成長スピードが遅くなる

新人がすぐに辞めてしまうと、企業の成長スピードが鈍化します。新人は将来を担う人材であるため、短期間で退職すると企業全体の生産性低下を招きかねません。

採用コストや育成コスト面でもロスが生じます。新人を採用するには、採用活動や面接、研修などのコストが必要になるためです。企業の予算も有限であることを考えると、経済的な負担を最小限に抑える意識が欠かせません。新人の定着率を高めるためにも、十分なサポートを提供し、仕事に対するやりがいを感じてもらうことが重要です。

人材が集まりにくくなる

新人の離職率が高いと企業のイメージに影響を与え、人材の獲得競争力が低下すると考えられます。離職率が高いと「この企業は何か問題があるのでは」と求職者に思われてしまうためです。

また、新人がすぐに辞めてしまうと既存社員の離職率も高くなる傾向にあり、結果的に企業全体の人材が不足して優秀な人材の確保も難航すると予想されます。企業は新人を長期的に雇用することを目標に掲げる必要があります。退職の防止策として、適切な研修や教育プログラム、ワークライフバランスの改善など、働きやすい・成長が望める環境の整備が大切です。

 

新人がすぐに・どんどん辞める職場の特徴

パソコンと資料を参考に仕事を進める男性

新人の離職は、職場状況に原因が隠れている場合もあります。具体的には過酷な労働条件や単調な仕事の押しつけなどです。離職を防ぐためにも、新人のモチベーションが高まる取り組みを意識する必要があるでしょう。ここでは新人がすぐに・どんどん辞める職場の特徴を紹介します。

過酷な労働を課している

新人が辞めやすい職場では、過酷な労働を課している場合があります。多くの業務を任せたいと考えていても、仕事を与えすぎるのは問題です。経験のある社員が対処できる仕事量でも、新人にとっては大きな負担になる場合が多いと考えられます。

新入社員では分からないことも多く、上司からの指導やアドバイスが必要です。サポートが不十分だと、業務がスムーズに進行せず、退職へつながるリスクも高まります。定期的なフィードバックやアドバイスを送るようにしましょう。

裁量の少ない仕事ばかり任せている

裁量の少ない仕事や単純作業ばかりを任せていると、モチベーションの低下を招きます。成長する機会も得られないような職場環境では、視座高く仕事に向き合ったり、スキルアップのために意欲的に取り組んだりすることが難しくなるためです。

新人に「自分のスキルや能力を生かせていない」と感じさせてしまうことは、離職の原因になりえます。裁量の少ない仕事を任せるのも必要な一方、バランスを考えて適度に調整を行います。

社内で連携を取りづらい関係がある

新人が辞めやすい職場では、連携を取りづらい人間関係が構築されている可能性もあります。上司や先輩社員が忙しそうだと質問をためらい、質問しても十分な回答が得られないなど新人を不安にさせているかもしれません。

コミュニケーションが活発に交わされない職場は健全といえません。業務のパフォーマンスに影響が及ぶため、社内環境の整備を心がけましょう。

採用フローを見直さない

採用フローが原因で、新人が短期間で辞めてしまうこともあります。採用フローを見直さない企業は採用競争力が低下する恐れがあります。

新人に求める条件や採用プロセスを見直し、継続的に優秀な人材を採用できるよう努めることが重要です。例えば選考における質問内容やスケジュールの見直しがあげられます。応募者の負担にならない採用フローにするなど、調整しましょう。

 

新人の定着率を高める方法

白いスーツを着た上司と思われる女性の話に耳を傾ける男性

新人の職場定着率は、複数の要因によって決定すると考えられます。教育環境の充実度やフィードバックの質、仕事の難易度などが絡むと予想できるためです。すぐ辞める新人を増やさないためにも対策のポイントを確認し、自社の採用・育成戦略の参考にしてください。

ギャップになりそうなポイントを事前に伝える

新人の職場定着率を高める方法のひとつは、ギャップになりそうなポイントを事前に伝えることです。例えば長時間残業が必要になることや、担当する業務の難易度が高いことなどです。ネガティブな内容も率直に伝えることで、入社後のイメージを具体的につかんでもらいます。

企業としての考え方に共感できるかどうかを判断してもらうために、自社の文化や価値観も前もって伝えることも重要です。安心して業務に取り組んでもらうためには、情報を積極的に共有しましょう。

研修の充実など教育・育成環境を整える

新人の定着率を高めるには、社員の教育・育成の環境整備が必要です。研修の充実化や教育制度の整備は、新人が会社のビジョンや文化を理解するうえで欠かせない要素といえます。

特に入社して間もない期間は、業務内容や職場のルールに不慣れな状態です。必要な知識やスキルを習得してもらうために、積極的に研修を実施していきましょう。社員のキャリアアップ支援制度を設けることや、コーチングやメンタリングなどの個別指導プログラムの導入も効果があります。

教育環境を整えることは、社員のモチベーション向上やスキルアップ促進につながり、結果的に定着率の向上も期待できるようになるでしょう。

社内のコミュニケーション機会を増やす

社員同士の交流が活発になれば、仕事上のやり取りがスムーズになります。仕事を進めるためには、良好な人間関係が不可欠です。友好関係が築けていれば、業務に対するモチベーションを刺激する要素にもなりえるため、社内のコミュニケーションには重要な意味があるといえます。

新人の職場定着率の向上を目指すのならば、社内の連携強化や職場の雰囲気改善への意識は欠かせません。

難易度の高い仕事を任せる

新人であっても適切な段階・時期には難易度の高い仕事を任せてみることも検討しましょう。慣れない間は簡単な仕事を任せ、徐々に難易度を上げていきます。達成できることが増えていくと新人は自信をつけていけるためです。

新人が失敗してしまった際は、丁寧なサポートを心がけましょう。ストレスや不安を抱えている新人に、次回の仕事に生かせるようなアドバイスができれば、新人の成長にも寄与します。

ポジティブフィードバックを増やす

新人が仕事で成果を上げたときや組織に貢献する働きを見せてくれたときは、ポジティブなフィードバックを送りましょう。例え小さなことであっても声掛けができると「結果を出せれば評価してくれる」「しっかりと見てくれている」と新人が捉えて、意欲的に業務に取り組んでくれます。

指摘や改善点を伝えるときも少しポジティブなフィードバックを交えることで、新人の受け取り方も変わるでしょう。言い方や言葉選びに注意しながら、良い点は積極的に伝えることが大切です。

 

まとめ

黒いビジネスバックと茶封筒を持ってエスカレーターに乗っている女性

直近30年の新卒の離職率は約30%で推移しています。新人がすぐに辞めてしまうのは、理想と現実のギャップ、社内の風通しが悪いことや教育環境の不十分さが原因です。それらをひとつずつクリアにすることで、新人が前向きに働きやすい職場環境になるでしょう。

新人の定着率を高める方法としては、社内交流の活発化やポジティブフィードバックを送ること、そしてスキルアップのための研修を設けるなどの育成強化があります。企業の人事担当者としては、将来の自社の主力となる人材に育ってもらうために、適切なタイミングで丁寧なサポートを心がけたいです。

 

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