中途採用で活用すべき「面談」とは?面接との違いを解説【IT企業人事向け】
面談について解説するハウツー記事です。ダイレクトリクルーティングで活用される面談ですが、エンジニア採用ではどのようなメリットや注意点があるのでしょうか。実施する前に知っておきたい情報をお伝えします。
エンジニア採用において「面談」と「面接」どちらを行ったらいいのか迷っている採用者はいませんか?
最近増えているダイレクトリクルーティングで求職者にアプローチをした後、求職者を見極める一環として「面談」や「面接」があります。
そんな採用者のためにエンジニアの採用において「面談」と「面接」の違いを解説していきます。
なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。
目次
面談と面接の違いとは
面談とは一体なんでしょう?
ここではよく混同される面接と比較して説明していきます。
大きく分けて面談と面接の違いは2つあります。
1. 自由度の違い
面談
面談は、比較的くだけた雰囲気の中でお互いの意見交換をするのがメインです。
この会社で良いのか、この求職者で良いのかをお互いに確認する場所となり、面接に比べてざっくばらんにお互いの良さを知ることができる点が魅力となっています。
面談の場合は会社以外にもカフェや昼食を食べながら、場合によっては社内イベントや交流会等の非常にフランクな状況も考えられるでしょう。
面接
面接は企業が相手を評価するのが一般的です。
「一般面接」や「集団面接」などで求職者は企業側が用意した質問に淡々と答えていき、一方の求職者は企業に採用してもらおうと積極的にアピールします。
2. 評価されるのか、するのか
面談
面談の場合はお互いが評価し合う形式となります。
したがってボールは会社と求職者が共に持っているので、企業はしっかりと目の前の求職者と向き合う必要があります。
繰り返しになりますが、面談の目的はお互いに評価し合う情報の「交換」であって、一方的な評価を下す「選考」ではありません。
面接
面接の場合は、ボールは常に企業側が持っており、求職者は評価をされる、という形が一般的です。
ダイレクトリクルーティングで面談を活用する2つのメリット
エンジニア採用において、フラットな場で話ができる面談は非常に効果が高い採用プロセスです。
その中で、従来の採用方法のように求人を出した後に求職者からのアクションを待つのではなく、自分からターゲットを見つけて採用するダイレクトリクルーティングという採用方法を取る企業が増えてきています。
エンジニア採用で、ダイレクトリクルーティングをする際には「面接」より「面談」がよく活用されます。
いったいなぜ有効なのでしょうか?
2点挙げて説明します。
1.面談は、面接に比べてハードルが低い
求職者にとって企業の情報が少ない状態で選考を受けることはハードルが高く、志望度が非常に高くない限り敬遠されがちなもの。
強い興味がない場合は断られてしまうことも少なくありません。
結果、企業にとっては機会損失につながってしまいます。
しかし、面談であれば、「あなたに興味がある。まずはお茶でも飲みながら話をしませんか?」というコンタクトの取り方になり、求職者にとっても心のハードルはぐっと下がるはずです。
まずは求職者に興味を示すことが大切であり、結果的に出向いてもらえる可能性も高くなります。
特にエンジニアの場合、パソコンスキルが高いのにも関わらず、公の場では緊張してしまって自分をうまく表現することができない応募者も少なくありません。
この点において、面談という比較的落ち着いた雰囲気の中で、応募者の本音を引き出すことができます。
2.企業自らが応募者にアプローチできる
応募者を取りたいと思った時に、直接コンタクトを取ることができるのが面談の大きな特徴です。
宣伝広告を貼ったり、人材紹介会社を通す際は、そこである程度のスクリーニングがなされる場合があるので、あなたの企業の大小や有名度に多少なりとも左右されてしまいます。
また、企業の人が自ら対応をするので、万が一この人は私たち企業とは合わないかもしれないと思ったら、その時点でコンタクトを止めることも可能です。
自社に必要な人材を自社のコントロールの下で慎重に行うこともできるわけです。
採用を進めていくと、失敗や成功のノウハウが企業内にどんどん蓄積されていきます。
したがって要因の分析がしやすく、長期的に見て採用率を上げることが期待できます。
ダイレクトリクルーティングで面談を活用する際の2つの注意点
上記のようなメリットがある一方で、企業側が注意しなければならない点も存在します。
1.企業の受け入れ態勢を整える
今までであれば自社のPRや紹介を人材紹介会社に任せていたものを、これからは自社で行うということはそれ相応のコストや労力、またノウハウが必要になることは容易に理解できます。
ダイレクトリクルーティングを活用し、面談を軸とした採用の手法を取り入れるときには長期的に見て生産性があるのか、「自社の欲しい人材像」は明確かを組織として議論する必要があるでしょう。
また、人事や採用担当者は日頃の業務に加えて面談に関わる業務が追加されるため、負担が増えるケースも考えられます。
もしこれから導入を検討する場合であれば、面談はもちろん、ダイレクトリクルーティングに割けるリソースが会社全体としてあるのかということを今一度確認してください。
場合によっては人事採用コンサルと一緒にチームを組み、ノウハウや成功事例を重ねていく必要があります。
2.様々な面談環境を整える
自社で働いて欲しい求職者に出会った時に、面談環境を整えることは非常に重要です。
なぜならその求職者は別の会社で働いていて、すでに忙しい場合が多いからです。
Webデザイナー等は先方のデザインの修正がたて込むケースがあり、時間を取るのが比較的容易ではありません。
働きながらとなると求職者側の負担も少なくありません。
企業側からのプッシュが強めになった結果、諦められてしまっては元も子もありませんよね?
そういったケースはなるべく避けたいでしょう。
なのでまずはランチやお茶に誘う、メールをするにしても相手がOKしやすそうな軽い内容で送ることを意識しましょう。
もし相手が忙しければ、ビデオ面談や電話面談をするのも1つの手法です。相手が時間を調整しやすく、交通費等の負担も減らすことができます。
面談は面接とは違いますので、あくまで求職者の目線にあったアプローチを一貫して行うことを意識してください。
面談の流れ
改めてここで面談の目的と意図を確認しておくと、面談とは「お互いのことを知り、継続的な関係を構築すること」です。
求職者との面談をデートだと考えてみてください。
やっとの事でこじつけた初デートで開口一番「俺のどこが好きなの?」と聞く人はいません。
まずやゆっくりと時間をかけて相手のことを知ることに徹しましょう。
求職者は会社が自分に興味を持ってくれていると感じ、
「もっと話してもいいのでは?」
という気持ちになり、結果的に会社が知りたい求職者の本音や、本人の長所を引き出すことができます。
求職者を知るための質問としては以下の4つが考えられます。
1.転職の動機は?
2.現在の職場環境は?
3.転職活動はいつからいつまでを考えている?
4.他社の選考状況
相手のことを知るとは言っても自分のことを全く話さないのは、面談としては失敗です。
自分の会社のこと、求職者の求めるポジションのこと、そして相手が知りたがっているであろうことを中心にどんどん自分の会社を売り込んでいきましょう。
人材会社では理解しきれない、自社の人間であるあなただからこそ話せることもたくさんあると思います。
それは面談を軸としたダイレクトリクルーティングの醍醐味です。
また先ほどもお伝えしたように面談は、面接のような堅苦しい雰囲気ではありません。
リクルーター自身の企業で働く思いや、中途採用の方であれば、前職との違いなども伝えてあげてください。
求職者はあなたの会社をより具体的に理解することができるでしょう。
エンジニアはパソコンでの業務が中心となり、営業やマーケティングなどの形態とは異なることもある、ということを採用者は頭に入れておく必要があります。
まとめると、面談においてリクルーターが話すべき内容としては
- 自社サービスについて
- 会社の実績
- 特筆すべき企業風土
- マーケットにおける自社の立ち位置
- あなた自身がどういう思いでその企業で働いているのか
- (中途採用であれば)前職との違い
が考えられます。
ただの「お話」や「雑談」ではなく、しっかりと目的を外さず、しかし硬くなりすぎず、お互いに情報交換ができるよう意識をしてみてください。
また、忘れてはならない重要なポイント「終わり方」も押さえておきましょう。
「せっかく面談の中身は良かったのに終わり方を考えていなかった」
そんなもったいないことにならないようにするためにも、求職者に次のステップを案内してあげることが大切です。
自社が今どういう状況なのか、あなたの会社にとって採用可能性があるのか?
そういったことを知らせてあげることで、求職者を安心させることができ、結果として継続的な関係になります。
まとめ
この記事ではエンジニア採用向けの面談と面接の違い、そして面談を軸としたダイレクトリクルーティングについて書いてきました。
ダイレクトリクルーティングは、企業が主体的に採用活動を行える反面、しっかりしたノウハウで行わないと結果双方にとって満足のいかない採用結果になることがあります。
これからダイレクトリクルーティングを行う採用担当者は、ぜひこれらの点を参考にしてみてください。
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