メンター制度とは?導入のメリットからフロー、ツール3選まで【IT業界人事対象】
メンター制度について解説するハウツー記事です。定義・目的・メリット・注意点・フロー・おすすめツールを分かりやすくお伝えしています。特に若手の活躍を促進したい人事の方は必見です。
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若手メンバーや新たなメンバーが業務上の問題を1人で抱え込んでしまったり、人間関係の悩みを抱えたり、モチベーションが低かったりして、離職してしまったりといったお悩みはよくあります。
そのような企業にこそオススメなのが、メンター制度と呼ばれる人事制度です。
今回は、メンター制度の概要・目的・メリット・デメリット・導入フローについて解説します。
なお本記事は、TechAcademyの法人向けIT研修での実績をもとに紹介しています。

今回は、メンター制度に関する内容ですね!

どういう内容でしょうか?

目的やメリット、フローやおすすめツールについて詳しく説明していきますよ!

お願いします!
目次
メンター制度とは
メンター制度とは、リーダー・課長・部長等の組織構成上の上司や先輩ではなく、年齢やキャリアが近い先輩社員が若手メンバーや新メンバーのサポートをする制度のことです。
サポートを行う指導者のことをメンター、サポートを受けるメンバーをメンティーと言います。
サポートの範囲は業務遂行上の課題のみに留まらず、打ち明けにくい人間関係やキャリア設計や精神的な悩みまでサポートすることもあります。
メンティーのスキルやキャリアの成長、従来の会社組織では解決できない問題を改善できるケースが実証され、メンター制度の導入を検討する企業は増加傾向にあります。
メンター制度の目的
メンター制度の目的はたくさんありますが、最大の目的は若手メンバーや新メンバーの離職を防ぐことです。
せっかく希望を持って入社してきたにもかかわらず離職してしまうのは、メンバーにも企業にも双方デメリットしかありませんし、経営的にも大きなマイナスです。
若手メンバーや新メンバーが離職に至るまでには、
「人間関係などの精神的な悩みを抱えている」
「仕事のやり方がわからなくて意欲が低下する」
「会社で自分のキャリアが成長するビジョンが見えない
など、さまざまな原因が積み重なって離職に至ります。
厳しい上司の命令やアドバイスではなく、自分に近しい経験を持って共感できるメンターが悩みの解消に寄り添うことで、上記のような問題の解決が期待できるのが、メンター制度が注目されている理由です。
メンター制度2つのメリット
メンター制度はいくつかの特徴的なメリットを持っています。
ここでは、
- 社内のコミュニケーションの活性化
- メンターの成長も促す
の2つを紹介します。
1.社内のコミュニケーションの活性化
メンター制度は社内のコミュニケーションを活性化させる効果があります。
一般的な会社組織では、上下関係やポジションなどにより、若手メンバーや新メンバーは発言しづらいシーンがどうしても増えます。
ですが、共感と信頼関係で結ばれたメンターには、気軽に仕事に関する問題や精神的な悩みを相談できます。
結果として若手メンバーや新メンバーの不安やストレスの解消といったメンタル面の改善に繋がり、会社の環境に早く馴染むことで仕事に集中出来たり、若手からの思わぬ課題解決のアイディアが上がってくることもあります。
メンターとメンティーのマッチングの際には、可能であれば違う部署同士のマッチングも検討すれば、部署間のコミュニケーションもさらに活性化する効果が期待できます。
2.メンターの成長も促す
メンター制度は、メンティーだけではなく、メンターの成長も促す効果があります。
会社から後輩のサポート行うメンターに任命された先輩メンバーは、自身の実力を会社に認めてもらえたという自信がつきます。
また、自身の経験を活用して後輩の様々な問題を解決することはメンターの今までのスキルの棚卸しに繋がり、メンターのキャリアを再考するチャンスでもあります。
メンターとの人事面談の際には、ぜひメンター制度の状況も踏まえたうえでキャリア面談を行うと良いでしょう。
メンター制度2つの注意点
メンター制度の効果を引き出すためには、注意しなければならない点があります。
ここでは、
- 適切なマッチングを探す
- メンターの業務負荷の増加
の2つを紹介します。
1.適切なマッチングを探す
注意点としては、メンター制度は人と人が信頼関係を構築してこそ成果が得られる制度ですので、メンターとメンティーのマッチングについてはよく検討しないと逆効果になってしまいます。
比較的どのような人材でもマッチするのは、傾聴力の高いメンターです。
メンティーの話を親身に聞き、共感や理解を示すことで、メンティーがメンターに気軽に相談できるように配慮することができるため、メンター制度の効果を最大限に発揮できます。
2.メンターの業務負荷の増加
自分の業務もこなしながら細やかなサポートを行うためのメンターのリソースに配慮しなければ、気軽に相談に乗ることは難しいでしょう。
また、メンターの業務負荷が増加していることに何の対策もしていないと、メンターのモチベーションが低下したり、日常の業務に支障が出る恐れがあります。
メンティーとの面談ができるように、メンターが所属する部署の上長にメンター制度の話をしておくこと、 そして人事評価においてメンター制度での成果を評価に組み込むなどの工夫が必要です。
3STEP!メンター制度の導入フロー
メンター制度導入の一連のフローをご紹介します。
最初からあまり細かい部分までこだわらず、大まかな全体像を把握することがまずは大切です。
1.メンターとメンティーの選定
誰がメンターを担当して誰をメンティーとして育成したいのかを決めます。
このプロセスでメンター制度成否が決まるほどの重要なプロセスです。
個人の適性や性格などをヒアリングしたりアンケートを実施したりして精査してから決めることがポイントです。
2.メンター制度についてのレクチャーの実施
メンター・メンティー双方に、メンター制度実施の目的や概要、スキルやルールなどをレクチャーします。
あまり業務的にやってしまうとメンター制度の趣旨からそれますので、研修というよりカジュアルな雰囲気でレクチャーするのがポイントです。
3.メンター制度の実施
いよいよメンター制度の実施です。
最初から上手くやろうとせずに、徐々に信頼関係を構築しながら、小さな課題解決から取り組むのが成功のポイント。
定期的に状況を見直し、PDCAを回しながら進めてゆくことも重要です。
メンター制度運用ツール3選
すべて人力運用でメンター制度を導入するのは大変です。そこでオススメなのがITツールの活用。
メンター制度の一般化に伴い、便利な社内向けコミュニケーションツールが多数リリースされています。
オススメのツール3選を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.Talknote
Talknoteは、社内の情報の共有や、やり取りをスムーズにし、情報の管理を分かりやすくするサービス。
メンバーのメンタル面のフォローにも活用できます。
2.TUNAG
TUNAGは、社内コミュニケーション活性化を実現して企業の生産性向上をサポートするサービス。
人事制度や状況を管理する機能が搭載されており、メンター制度の活性化にも活用できます。
3.Sharin
Sharinは、コミュニケーション活性化等の人事業務の効率化のためのクラウドサービスです。
人事業務に関するさまざまな機能が搭載されており、メンター制度の促進にも活用することができます。
安価で利用できるのもポイントですね。
まとめ
いかがでしたか。
メンター制度についての基本的な知識を紹介してきました。
メンター制度を導入するにあたって、さまざまな課題を乗り越える必要がありますが、上手く導入して離職を減らしたり、社内の雰囲気が良くなったりといった成功事例はたくさんあります。
本記事を参考にして、ぜひ何かアクションを起こしてみてください。
監修してくれた方
田上 敏光
キラメックス株式会社 ビジネス事業部 人材系企業で採用支援・人材育成事業・toB向けクラウドサービス事業に従事。 その後、「弁護士ドットコム株式会社」にて新規事業の企画立案・運用に携わる。 現在は、キラメックス株式会社にてプログラミング教育を通して「個の選択肢、可能性を広げること」「新たなキャリアに伴走すること」をミッションとし法人向けに「IT人材採用支援」および「IT研修」を担当している。 |

内容分かりやすくて良かったです!

田島君も、今日から実践して組織づくりに役立てましょう!

分かりました。ありがとうございます!
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