トランジションの意味とは?方法とメリットも解説【IT業界人事対象】

人材にとってキャリアの転換期は非常に重要です。本記事はその転換期を意味するトランジションについて解説するハウツー記事です。定義、トランジションデザインの方法やメリットを説明します。

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人事部等の人材を扱う領域で、近年多くの企業が注目しつつある「トランジション」についてご存知ですか?

簡単にご説明しますと、企業の変化に伴う人事領域の変化のことで、企業で働く人材及び企業双方の成長のために、ノウハウの研究や開発も行われています。

今回はトランジションの基礎的な概念から、具体的な方法論、実施により得られるメリット等について解説していきます。

 

なお本記事は、TechAcademyの法人向けIT研修での実績をもとに紹介しています。

 

目次

 

トランジションとは

トランジションとは、直訳すると「移行」「変化」「変遷期」などの意味を持つワードです。

企業の人事においては、キャリアデザインの過程で人材の入社や退社、昇進や昇格、異動や転勤等による、現状から次のステージへ変革する状況や変化をもたらす転換期を示す意味でよく利用されます。

変化や進化の激しいIT業界において、人事部門におけるトランジションをいかに上手く乗り越えるかが、企業成長や業績を左右する重要なポイントです。

 

トランジションをデザインする3つの方法

新規事業の立ち上げや事業規模の拡大や組織再編成といったトランジションが発生するシーンにおいて、社員をただ配置するだけではトランジションは上手くいきません。

人事に携わる部門が積極的にトランジションをデザインして、好ましい変化を意図的に起こす必要があります。

そのための方法を以下に紹介します。

1.無駄を徹底的に省く

最初に考えるべき事は、変化に伴って不要になった古いビジネスプロセスやノウハウなどの、業務上の無駄を省くことです。

トランジションが発生するシーンにおいてはリソースの増加が発生します。

無駄を省くことでリソースを開放して、スムーズに変化に対応できるだけの余力を持つことがまず重要です。

そのためには、本人が今まで得意とし、意識してきた行動も抑える必要が出てきます。「何をやらないべきか」を入念に検討しましょう。

 

2.トランジションに意味を持たせる

変化の多い職場環境において、マネジメントとプロフェッショナルの往来や、本人の専門以外の領域も習得してもらう場面が発生します。

今までのように組織図の上に向かって昇進していく時代ではありません。

本人の希望や特性に対して、マネジメント職や各専門職のどのポイントが本人にメリットをもたらすのか。

個人に役職を与えるのではなく、あくまでトランジションがその人を職業人として成長させる変化であることを伝えなければなりません。

また、会社の持続的な成長戦略を推進するうえで重要な変化である事も認識してもらうことで、人材のモチベーションを高めることができます。

 

3.短期間でトランジションを実施できる体制づくり

人材ポジションの転換やキャリアアップなどのトランジションは、なるべく時間をかけずに実施することも重要なポイント。

企業の成長や組織の活性化などプラスの結果を期待するためにトランジションを行うのに、人材が成長する期間が長すぎたり、不適合を起こしたりするのでは本末転倒です。

人材の適性を精査して配置を検討したり、人材育成をスムーズに行えるノウハウを活用したり、本人の周囲にも呼び掛けて積極的にサポートを行うことでスピーディーにトランジションを実施できる状況を整えることは必要不可欠です。

 

トランジションをデザインする2つのメリット

勢いでトランジションを行って失敗する事例は後を絶ちません。
「トランジションはデザインするもの」という概念を企業の人事部が持つだけでも結果は大きく違ってくるでしょう。

ここでは、トランジションをデザインするメリットについて紹介します。

 

1.役割転換不全を防ぎ、早期に戦力化する

無計画にトランジションを実施すると、上位の役割に転換した人材がパフォーマンスを発揮できなかったり、脱落者が発生したりといったマイナスの結果に繋がってしまいます。

入念なプランニングによるトランジションを実施することで、このようなリスクを回避して、人材もストレスなくスムーズに活躍できる確率が高くなります。

結果として人材が早期に戦力化して、企業にとって好ましい変化をもたらしてくれるでしょう。

 

2.人事の求める能力とメンバーの発揮する能力のミスマッチを防ぐ

無計画にトランジションを実施すると、人事部が求める能力と人材が発揮する能力に齟齬が発生します。

ほとんどのケースではマイナスの結果に傾きますので、人事部や経営陣が期待した結果を得られないことになります。

こうなってしまっては、トランジションは失敗です。

事前に精査してリスクヘッジを十分に行うことで、ミスマッチを減らすことができるのもトランジションをデザインするメリットです。

 

まとめ

いかがでしたか。

トランジションはどこの企業にも必ず発生する重要な課題です。

いかにスムーズに変革を起こせるかどうかが人事部の腕の見せ所であるとも言えます。

トランジションデザインのテクニックを駆使して、人材にも企業にも好ましい結果が得られるトランジションを目指してみてください。

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