採用マーケティングとは?事例・本・セミナーも紹介【エンジニア採用】
採用マーケティングを活用してエンジニアを採用する方法を解説しています。採用とマーケティングの関係やメリットもわかりやすくに説明!今日から採用の生産性を上げたい初心者人事の方は必見です。
TechAcademy HRマガジンは、TechAcademyが運営するIT業界で働く人事向けのWebメディアです。人材採用支援のTechAcademyキャリアやオンラインで学べるIT・プログラミング研修も提供しています。
今やエンジニアの就職市場は新卒・中途を問わず空前の売り手市場となっています。
経済産業省の調査によると2015年におけるエンジニアの人材不足の規模は約17万人。
2030年には約59万人にまでなると推定されています。
それほどまでに人手不足の状態が続くIT業界では、求人広告さえ出せばエンジニアが集まる時代は終わりを迎えていると言えるでしょう。
そのため、優秀な人材を確保し、会社を存続・成長させていくには新時代の採用戦略が必要になるのです。
各社が優秀な人材を懸命に確保しようとする中、どうすれば自社へ優秀なエンジニアを集めることができるのか?
そこで有効なのが今回ご紹介する「採用マーケティング」という戦略です。
もしかすると「人事を始めたばかりで、採用マーケティングなんて敷居が高い」と思うかもしれません。
そのような採用担当の方のために、本記事では「今日から採用マーケティングを実践できるハウツー」を解説しています。
なお本記事は、TechAcademyキャリアの実績をもとに紹介しています。

今回は、採用マーケティングに関する内容ですね!

どういう内容でしょうか?

重要性やポイント、事例や本、セミナーについて詳しく説明していきますよ!

お願いします!
目次
- 採用マーケティングとは
- エンジニア採用におけるマーケティングの重要性
- 採用マーケティング2つのポイント
- 採用マーケティングの事例3選
- 採用マーケティングのおすすめ本2選
- 採用マーケティングセミナー検索サイト3選
採用マーケティングとは
採用マーケティングとは、一般的なマーケティングの視点を採用活動に取り入れた戦略のこと。
マーケティングというと商品を販売するための広告活動というイメージがあるかもしれません。
ですが、商品を売るまでのプロセスを検証すると採用活動にも共通する点があることに気付くはずです。
例えば、商品を購入してもらいたいと考えたとき、まずは世間に広く認知してもらう必要がありますよね。
次に興味を持ってもらい、欲しいと思ってもらい、最終的に購入してもらうのがマーケティングを行う目的です。
採用活動においてもスタートは自社の存在を知ってもらうこと。
まずはどのような人材を獲得したいか決め、ターゲットとなる人物像にどうアピールすれば興味を持ってもらえるか考えながら情報を発信します。
最終的に入社したいと思ってもらい、応募に至るまでが大まかな採用マーケティングの流れ。
似たような構造を持っていることから、マーケティングに関する知識も採用活動に役立てることができるのです。
まずは、マーケティングの基礎的な知識を活用しながら、ゴールを【購買】から【応募】ないしは【入社】に設定し、狙った層に届くようなアクションをしていきましょう。
エンジニア採用におけるマーケティングの重要性
採用マーケティングが必要な理由は大きく2点あります。
- 転職潜在層のエンジニアにリーチする
- 長期的に自社の情報を提供し認知度を高める
それぞれ解説していきます。
1.転職潜在層のエンジニアにリーチする
ご存知の通り、今や多くのIT企業がエンジニアの人手不足に苦しんでいます。
「採用したくても人がいない」「優秀な人材に出会えない」と嘆く人事担当者も少なくありません。
冒頭でも説明した通り、求人広告さえ出せばエンジニアが集まるという時代ではないのです。
ただ人を集めるだけではなく、優秀な人材を確保するためにも採用マーケティングは必要不可欠。
いくら人手が足りないからといって集まりさえすれば誰でもいいというわけではありませんよね。
とはいえ優秀なエンジニアは各方面から引っ張りだこ。
採用活動に力を入れていない企業がこのような人材を誘い込むのは至難の技です。
なぜなら優秀な人材は転職を考える前にも他社から多くのアプローチを受けている場合がほとんどだから。
特に優秀なエンジニアは常日頃から今後のキャリアについて真剣に考えていることが多いため、転職サイトや人材紹介会社に登録することなく転職してしまうケースが多いのです。
つまり、優秀なエンジニアを誘い込むためには転職顕在層だけでなく転職潜在層も視野に入れて採用活動を行う必要があります。
採用マーケティングは、その転職潜在層にアプローチできる手法の1つなのです。
そのため、自社の情報をしっかり打ち出し、露出させることは潜在層にリーチし、彼らが活動を開始するときの候補として選ばれるきっかけを作れるのです。
2.中長期的に自社の情報を提供し認知度を高める
従来の戦略では自社の魅力を十分に伝えきることができない企業も多いでしょう。
すでに十分な経済成長を遂げた日本において、働くモチベーションは給料や年間休日日数といった数字で分かるものだけではありません。
仕事を通した自己成長ややりがい、入社した場合に配属されるチームの雰囲気、開発環境など、数値化できない情報を根拠に転職先を選ぶ人が増加しています。
当然ながら肌感覚的な自社の魅力を短い時間で説明するのは難しいですよね。
しかし、積極的に転職を考えている転職顕在層の人材は限られた時間の中で転職先候補を選びます。
求人を出している会社が無数にある中、自社に注目してもらうのはかなり難しいことなのです。
では転職を考えている人に自社へ注目してもらうためにはどうすれば良いのか?
そこで必要なのが採用マーケティングです。
まだ転職を考えていない段階からビジョンやバリューなどの情報を提供しておくことで、いざ転職を考えたときに自社の存在を思い出してもらうことが可能になります。
それは、一過性の情報ではなく積み重なった情報で信ぴょう性を訴えることが非常に重要。
これは結果的に、求職者の自社理解を深めるため、採用母集団の質の向上や採用後のミスマッチの防止に繋がります。
採用マーケティング2つのポイント
採用マーケティングといっても、具体的に何から始めればいいのか分からないという方も多いでしょう。
採用マーケティングは通常のマーケティングと異なり、自社が商品です。
そのため、商品の情報や魅力が整っていないまま活動を開始しても失敗してしまうと言えるでしょう。
そこで採用マーケティングを進めるにあたって必ず押さえておきたい2つのポイントを簡単にご紹介します。
- 魅力ある組織づくり
- 採用活動の見える化
それぞれ解説していきます。
1.魅力ある組織づくり
採用マーケティングを行うためには、まずは商品に当たる自社の魅力や訴求点がはっきりしている必要があります。
そのため、情報発信される自社が「入社したい」と思われる環境である必要があります。
商品を販売するマーケティングにおいても、肝心の商品の質が悪ければ優れたマーケティング戦略を行っても販売数を伸ばすことはできませんよね。
働きがいがあると宣伝しつつ、実際のところただ忙しいだけといった環境では応募者が集まりません。
さらに、このように情報と現実の乖離があれば、仮に優秀なエンジニアが入社してもすぐに辞めてしまうでしょう。
また、嘘をついていることにより、既に自社で働いているメンバーの士気も下がる可能性もあり大変危険です。
採用マーケティングを駆使して採用を成功させるために、まずは今働いている社員が満足できる環境を整えましょう。
そのためにはアンケートによって従業員満足度や自社に対する要望を調査する、評価方法を明確にするといった施策を進めていく必要があります。
魅力ある組織づくりに取り組むことは採用活動以外にも大いに役立ちます。
離職率の低下、既存メンバーのモチベーション向上によって企業全体の生産性が向上することにも影響します。
2.採用活動の見える化
どんな採用戦略であっても、まずは始めてみることが肝心です。
しかし、どんなことでもがむしゃらに取り組んでいけば良いわけではありません。
マーケティングは数値に基づく改善やアクションをするものです。
アクションの効果が薄い戦略に注力していては時間やコストが無駄。
それぞれの施策を進める前に、どんなアクションがあり、どんな数値があるのか、KGIは何か、KPIはどこに置くべきか、採用活動そのものの見える化を蓄積していきましょう。
各フェーズの数値が見えることで一定期間ごとに集めたデータを分析し、リソースの再配分を行うことで採用マーケティングの質を高めていきます。
データ分析というと難しそうな印象があるかもしれません。
といっても自社メディアであればGoogleアナリティックスなど無料のツールを使うことができますし、TwitterなどのSNSにおいてもインプレッション数やコンバージョン率を測定するのは容易です。
多少覚えることがあるとはいえ、実践を重ねていけば使いこなせるようになるでしょう。
また優秀なエンジニアを獲得するためにはマーケティングの結果応募してきた選考者の見極め精度も上げていく必要があります。
雇った後は担当部署に任せきりで、詳細なデータ分析を行うことはしていなかったという方も多いでしょう。
採用の目的が会社を成長させることであるなら、「この人材を採用するのが本当にベストだったのだろうか?」と振り返るのは絶対に必要な分析です。
面接の質問も何となくその場で考えたようなものではいけません。
すべて後から振り返ることができるよう管理しておく必要があります。
採用マーケティングの事例3選
1.メルカリ
フリーマーケットアプリが大ヒットし、今や知らない人はいないと思われるほど成長を遂げた株式会社メルカリ。
サービス内容が革新的であることももちろんなのですが、メルカリでは採用活動においても優れた戦略を打ち出しています。
メルカリの採用戦略を語る上ではずせないのが「メルカリのはたらくを伝える」をコンセプトに立ち上げたmercan(メルカン)という自社メディア。
社員へのインタビュー記事や活動報告記事など、メルカリ社内の雰囲気がよく分かる記事を多数公開しています。
FASTGROWのインタビューによると、実際メルカリへ採用応募してくる人のほとんどはこのmercanの記事を読んでいるとのこと。
企業理念やビジョンに共感できる人を効率的に集められており、採用マーケティングの成功例といえるでしょう。
2.エイチーム
スマホ向けのアプリやウェブサービス等を手がけるエイチームでは、転職潜在層と転職顕在層などターゲットごとにメディアを使い分けるクロスメディア戦略を採用マーケティングに取り入れています。
ダイレクト・ソーシング ジャーナルのインタビューによると、あえてメディアを複数に分けることで詳細なデータを蓄積できるとのこと。
ここから生まれたノウハウを活用することで的確なリソース配分を実現し、効率的な採用活動を行っています。
3.メドレー
オンライン医療辞典「MEDLEY(メドレー)」やオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」など、医療× ITの分野で活躍する株式会社メドレー。
同社ではWantedlyなどのSNSを活用した採用マーケティングを行っています。
Wantedlyに投稿されている「私がメドレーに入社した理由」シリーズでは、メドレーがどういった会社なのか、どんな価値観を持った人が集まっているのかという情報が一般社員の目線から語られています。
FASTGROWのインタビューによると、メルカリのmercan同様、応募者はWantedlyに投稿された記事を見ている場合がほとんどとのこと。
面接の直前キャンセル件数が減るなど、数字で分かる部分においても効果が確認されているようです。
採用マーケティングのおすすめ本2選
これから採用マーケティングを始めようという企業では、当然ながらデータも経験も不足しているはず。
手をつけようにも何から始めたらいいか分からないと途方にくれてしまう方もいるかもしれません。
まずは実践することが大事と言いたいところではありますが、事前に多少の基礎知識があるかどうかは重要です。
基礎知識については本記事で解説しましたが、より発展的な内容を学びたいということであれば書籍から学ぶのがおすすめ。
ここでは採用マーケティング初心者が読むべき2冊の本をご紹介します。
1.『マーケティング発想による人財採用戦略 ~人を惹きつける企業とはなにか』
この本の著者はビジネスコンサルティングを手がけるゼータコンサルティング株式会社の社長、杉田秀樹。
2006年に日本経済新聞大阪本社で行われたセミナーの内容をもとに出版されました。
採用のターゲットを深掘りする重要性、情報公開を積極的に行う意義など、採用マーケティングを行う上で欠かせない基礎知識が詰まっています。
2.『この1冊ですべてわかるマーケティングの基本』
タイトル通りマーケティングの基本を広く学べる一冊。
難しい専門書と違い、とりあえずマーケティングの全体像を把握したい初心者向けの内容となっています。
内容は一般的なマーケティングに関するものですが、先ほども説明したように採用マーケティングはマーケティングの考え方を応用したもの。
人事向けではないからといって読まないのはもったいないでしょう。
採用マーケティングセミナー検索サイト3選
「本から学ぶのはちょっと大変」「できれば誰かに質問できる環境で学びたい」という方もいるでしょう。
そんな方にはセミナーを受講するという方法がおすすめです。
1.宣伝会議
宣伝会議は宣伝や広告などの雑誌、書籍を発行する出版社。
採用やマーケティング以外にも、メディア運営をする上で欠かせないライティングや編集をテーマにしたセミナーも開催しています。
北は北海道、南は沖縄と全国の広い範囲で開催されているのが魅力です。
2.採用サロン
採用サロンは人材採用やその活躍支援を行っている株式会社クイックが運営するwebサイト。
東京、大阪、名古屋を中心に、採用のノウハウや最新情報を提供するセミナーを随時開催しています。
3.日本の人事部
セミナーの内容は人事担当へ向けたものがほとんどで、採用以外にも社員向けの研修、人事考課などをテーマにしたセミナーを積極的に開催しています。
採用マーケティングのセミナーを受講するのはもちろんのこと、他のセミナーについてもどのようなものがあるか覗いてみてはいかがでしょうか。
今回は、IT業界の初心者人事担当者へ向けて、採用マーケティングに関して解説しました。
まとめると、
- 採用マーケティングとは、一般的なマーケティングの視点を採用活動に取り入れた戦略のことで、転職潜在層へアプローチできる。
- 採用マーケティングの成功ポイントは、「魅力ある組織づくり」と「採用活動の見える化」。
となります。
本記事を参考にして、今日から採用マーケティングを実践してみてはいかがでしょうか。
監修してくれた方
山﨑 健太
キラメックス株式会社 HR事業部アカウントマネージャー 外食業界、IT業界に特化した人材紹介業界、システム開発会社を経験し現在に至る。 これまで営業として人事担当の要望をヒアリングし企業の採用改題を解決する傍ら、自身も人事担当として新卒/中途の採用に従事。 現在はTechAcademyキャリアにてキャリアコンサルタントとして活動。求職者のニーズに耳を傾けながら就/転職活動の支援を行なっている。 |

内容分かりやすくて良かったです!

田島君も、今日から実践して組織づくりに役立てましょう!

分かりました。ありがとうございます!
TechAcademyでは、短期間で実務レベルのスキルを身につけた若手IT人材をご紹介、ダイレクト・リクルーティングできる「TechAcademyキャリア」を展開しています。
能動的にITスキルを習得し、成長意欲が非常に高いことが特徴です。
他の求人サービスでは出会えない、スキルの高い人材を有した独自のデータベースを通して、人事採用担当者のお悩みを解決します。
お気軽にご相談をくださいませ。