Pythonでcopyを使う方法【初心者向け】

Pythonでcopyを使う方法について解説します。

そもそもPythonについてよく分からないという方は、Pythonとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。

 

なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプPython講座の内容をもとに紹介しています。

 

 

copyとは

copyを説明する前に、まずは変数同士で代入を行った際の挙動について確認しましょう。

以下のプログラムでは、int型の変数 val1 を定義し val2 に代入した後、 val1 の値を0に変更しています。この場合、 val2 の値はどうなっているでしょうか？

val1 = 100
val2 = val1
val1 = 0
print(val2)

実行結果は以下のようになります。

100

では次に、list型の変数 list1 を定義し list2 に代入した後、 list1 の1つ目の要素の値を100に変更しています。この場合の list2 の値はどうなるでしょうか？

list1 = [1, 2, 3]
list2 = list1
list1[0] = 100
print(list2)

実行結果は以下のようになります。 list1 の要素の値を変更したのに list2 にも影響してしまいました。

[100, 2, 3]

これは、 Python の変数がオブジェクトであることに起因しています。Python の変数には、オブジェクトのメモリ上の場所を指し示す値が記録されています。そのため、変数同士で値を代入すると、同じオブジェクトを参照するようになります。 list1 の要素の値を変更したのに list2 にも影響したのは、同じオブジェクトを参照しているからです。

なお、1つ目の例で、 val1 と val2 の値が異なったのは、 val1 に 0 を代入した時点で、 val1 が新しいオブジェクトである 0 を参照するようになったためです。

このように、同じオブジェクトを参照する値の渡し方を参照渡しといいます。逆に別のオブジェクトとして値を渡す方法を値渡しといいます。値渡しをする際に用いるメソッドが copy メソッドです。

 

値渡しと参照渡しの書き方

上記でも出てきましたが、単純に変数同士で値を代入したり、変数を引数に指定したりすると参照渡しになります。

list2 = list1

値渡しを行うには、copyメソッドを使用します。

list2 = list1.copy()

 

[PR] Pythonで挫折しない学習方法を動画で公開中

実際に書いてみよう

今回のプログラムでは、copyメソッドを利用して、値渡しが行われていることを確認します。

list1 = [1, 2, 3]
list2 = list1
list3 = list1.copy()

# list1の1つ目の要素に100を代入する
list1[0] = 100

# それぞれの変数の内容を表示する
print("list1:", list1)
print("list2:", list2)
print("list3:", list3)

実行結果は以下のようになります。list3は値渡しのため、list1の要素の値の変更に影響を受けないことがわかります。

list1: [100, 2, 3]
list2: [100, 2, 3]
list3: [1, 2, 3]

なお、多次元配列など、オブジェクトの中にさらにオブジェクトが含まれる場合は copy メソッドだけでは値渡しになりません。そのような場合には copy ライブラリの deepcopy メソッドを使用します。

# 必要なライブラリのインポート
import copy

list1 = [[1, 2, 3], [4, 5, 6] ]
list2 = list1.copy()
list3 = copy.deepcopy(list1)

# list1の要素の値を変更する
list1[0][0] = 100

# それぞれの変数の内容を表示する
print("list1:", list1)
print("list2:", list2)
print("list3:", list3)

実行結果は以下のようになります。

list1: [[100, 2, 3], [4, 5, 6]]
list2: [[100, 2, 3], [4, 5, 6]]
list3: [[1, 2, 3], [4, 5, 6]]

 

この記事を監修してくれた方 太田和樹（おおたかずき） ITベンチャー企業のPM兼エンジニア 普段は主に、Web系アプリケーション開発のプロジェクトマネージャーとプログラミング講師を行っている。守備範囲はフロントエンド、モバイル、サーバサイド、データサイエンティストと幅広い。その幅広い知見を生かして、複数の領域を組み合わせた新しい提案をするのが得意。 開発実績：画像認識技術を活用した駐車場混雑状況把握（実証実験）、音声認識を活用したヘルプデスク支援システム、Pepperを遠隔操作するアプリの開発、大規模基幹系システムの開発・導入マネジメント 地方在住。仕事のほとんどをリモートオフィスで行う。通勤で消耗する代わりに趣味のDIYや家庭菜園、家族との時間を楽しんでいる。

 

 

TechAcademyでは、初心者でもPythonを使った人工知能（AI）や機械学習の基礎を習得できるオンラインブートキャンプPython講座を開催しています。

挫折しない学習方法を知れる説明動画や、現役エンジニアとのビデオ通話とチャットサポート、学習用カリキュラムを体験できる無料体験も実施しているので、ぜひ参加してみてください。