Kotlinのenum class（列挙型クラス）の使い方【初心者向け】

Kotlinのenum class（列挙型クラス）の使い方について解説します。

 

本記事はTechAcademyのAndroidアプリ開発オンラインブートキャンプの内容をもとに解説しています。

 

 

enumとは

enumとは列挙型とも呼ばれ、予め用意しておいた値の中から選択できるようにしたデータ型です。例えば色を「RED、BLUE、GREEN」の3色から選ぶ場合を考えてみましょう。enumを使わない場合、数値や文字列で指定する方法が考えられます。

val color1 = "RED"
val color2 = "RFD"
if(color1 == color2) println("色はREDです")

上記の場合、color2を “RFD” と誤ってしまっています。このように数値や文字列で指定する場合、値の誤りや範囲外の値を指定されてしまう可能性があります。このような場合に便利なのが enum です。

 

Kotlinのenum class（列挙型クラス）とは

Kotlinのenum classとは、他のプログラミング言語と同様に、型が保証された値を選択できるようにしたデータ型です。また Kotlin の enum class は値を選択できるだけではなく、付随する情報を追加する機能などが用意されています。詳細は公式ドキュメントを参考にしてください。

https://kotlinlang.org/docs/reference/enum-classes.html

 

[PR] Androidアプリの開発で挫折しない学習方法を動画で公開中

enum class（列挙型クラス）の使い方

enum class の使い方は以下の通りです。

enum class クラス名 {
  値1, 値2, ...
}

上記のクラスから値を選択するには以下のように記述します。数値や文字列と違い、存在しない値を記述するとコードがエラーになりますので、型が保証された値を選択することができます。

クラス名.値1

 

実際に書いてみよう

今回のサンプルプログラムでは、enum class の使い方の例をいくつか確認します。実行は Kotlin の公式サイトの Playground を利用します。なお、 Playgroundでは、fun main() { … } の中にプログラムを記述します。またクラスの定義はその外側で記述します。

https://play.kotlinlang.org/

 

基本の書き方

// enum class を定義する
enum class Color {
  RED, BLUE, GREEN
}

fun main() {
  // enumから値 RED を取得する
  val v = Color.RED
  println(v)
}

実行結果は以下の通りです。

RED

 

付随する情報を追加する書き方

次に、それぞれの色にrgbという値を追加してみましょう。Kotlin の enum class では以下のように記述することで、付随する情報を追加できます。情報は複数の指定が可能です。

// enum class を定義する
enum class Color(val rgb: Int) {
  RED(0xFF0000),
  BLUE(0x0000FF),
  GREEN(0x00FF00)
}

fun main() {
  // REDのrgb値を取得する
  val rgb = Color.RED.rgb
  // Int型の値rgbを文字列に変換する
  println(rgb.toString(16))
}

実行結果は以下の通りです。なお、toStringは数値を文字列に変換するメソッドです。引数に16を指定することで16進数文字列に変換することができます。

ff0000

 

この記事を監修してくれた方 太田和樹（おおたかずき） ITベンチャー企業のPM兼エンジニア 普段は主に、Web系アプリケーション開発のプロジェクトマネージャーとプログラミング講師を行っている。守備範囲はフロントエンド、モバイル、サーバサイド、データサイエンティストと幅広い。その幅広い知見を生かして、複数の領域を組み合わせた新しい提案をするのが得意。 開発実績：画像認識技術を活用した駐車場混雑状況把握（実証実験）、音声認識を活用したヘルプデスク支援システム、Pepperを遠隔操作するアプリの開発、大規模基幹系システムの開発・導入マネジメント 地方在住。仕事のほとんどをリモートオフィスで行う。通勤で消耗する代わりに趣味のDIYや家庭菜園、家族との時間を楽しんでいる。

 

他にもAndroidアプリ開発の教科書 なんちゃって開発者にならないための実践ハンズオンの書籍レビュー記事も合わせてご覧ください。

TechAcademyでは、初心者でもオリジナルアプリが作れるAndroidアプリ開発講座(オンラインブートキャンプ)を開催しています。

現役エンジニアがパーソナルメンターとして受講生に1人ずつつき、マンツーマンのメンタリングで学習をサポートし、最短4週間でオリジナルアプリを開発することが可能です。