デザインはセンスじゃない!Photoshop/Illustratorの講師が語るWebデザインのポイントとは?

TechAcademyの講師を担当する鈴木拓郎氏のインタビューです。以前に所属していた楽天では講師として3年連続で賞を受賞しています。これまでのご経験と、発注者が意識すべきWebデザインのポイントについてインタビューを行いました。

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TechAcademyのはじめてのPhotoshop講座とはじめてのIllustrator講座の講師を担当する鈴木拓郎氏にインタビューを行いました。

鈴木氏は、以前に楽天株式会社に所属しており、楽天市場の出店者向けに講座を行う楽天大学の「画像処理講座」に兼務で参加されていました。その講師の結果として、社内で初となる3年連続で講師オブザイヤーという賞を受賞されています。

そんな鈴木氏にこれまでのご経験と、発注者が意識すべきWebデザインのポイントについてインタビューしました。

 

お話を伺った方

鈴木 拓郎氏

鈴木拓郎フリーペーパー発行、ネットショップの運営などの経験を経て2006年に楽天株式会社に入社。

楽天市場の店舗出店をサポートする部署に所属し、店舗サイトデザインのアドバイスなどを行う。また、出店者向けに講座を行う楽天大学の「画像処理講座」に兼務で参加。社内で初となる3年連続で講師オブザイヤーを受賞。

その後、Google日本法人でソリューション営業を経て、小売業とコンサルティング業をしながら、月に一回のFMラジオでECネタでコーナーを展開している。

 

 

Photoshop/Illustrator講座講師インタビュー

ここからはインタビューをお届けします。

 

–鈴木さんがもともとPhotoshopやIllustratorを使うようになったのはいつごろからですか?

 

もともと私は個人でアパレルのお店を運営していたのですが、そのお店のオリジナル商品としてTシャツのデザインを作るために使い始めました。使い方は独学で学びました。

その後、2000年あたりに同じ業界の近所のお店どうしでフリーペーパーを発行することになったのですが、フリーペーパーを制作できる人がいなかったので私が作ることになりました。タイピングやロゴ作成などの少し難しい作業もここで習得しましたね。

このような経験をしていく中でよかったのは、お店に出入りしているスタイリストの方やバイヤーの方との付き合いから、一線で活躍しているプロのデザイナーやイラストレーターにアドバイスをもらえるようになったことです。プロの方に相談していくと、「こういう使い方があったんだ」という独学では学べない知識がついていきました。

商業的に使えるような技術はこの頃に身につきましたし、ビジュアルのデザインを見た時にどうしたら同じものが作れるのかということもわかるようになりました。

 

 

–楽天に入社されてから楽天大学の講師を担当されるようになったきっかけはなんですか?

 

小売やネットショップの運営経験があるということは、楽天市場加盟店のサポートがより深い所でできるのではないかという部分で楽天市場に入社することができたと思います。楽天では楽天市場の店舗さんのネットショップ構築をサポートする部署に所属していました。

 

その当時、楽天大学(楽天市場の出店店舗向けにネットショップの構築から、インターネットでの販売方法を考えて学んでいく学校)の画像処理とHTMLの講座があり、先輩の推薦で登壇させてもらえることになりました。

当時、講座には受講者の満足度を図るシステムがあって、この2つの講座はどの人が講師を務めても満足度が低く、問題視されていた講座だったように記憶しています。なので、『我こそは!』と、勇んで挑戦した気持ちもありましたね(笑)。

しかし、初登壇の講座では満足度がものすごく低く、平均にも満たない程。さすがに落ち込みました。落ち込みすぎて、当時の上司に慰めてもらったほどです。勇んでいって玉砕して、落ち込む・・・情けない話です・・・(笑)

 

それでも当時の上司が再度チャンスをくれたんです。

その上司の気持ちに応えたい気持ちもあって発想を変えて臨んだ次の講座では、なんと満足度が5点満点の平均で4.6くらいまでに一気に上がったんです。その時は、素直に嬉しかったですね。

結果として、その講座全体でも、過去にないくらいの高い満足度だったので、月間MVPを受賞することもできました。その後も、通常業務と兼務で、月にだいたい2本の講座の講師を務めるようになりました。

鈴木拓郎

 

 –なぜ、満足度が改善されたのですか?

 

初登壇の時は何回も練習して、テキストを読み返したり時間配分をコントロールしたりして、内容を全て頭に入れてました。他には声の大きさや、話すスピード、元気の良さ、なんかも気にしていました。

しかし結果(満足度)はというと、低かった。受講者のレビューを見ても原因が分からない。と言うことは次回も同じ結果ではないか?って思ったんです。

PDCAサイクル(仮説→実行→検証→改善)という言葉がありますが、(当時の僕の勉強不足もあるかもしれませんが)改善が見えなかったんです。

 

なので、改善ではなくて転換しようと思いました。練習してきた事以外に、今までこの講座をやってきた先輩講師がして来なかった内容が必要なんじゃないかと、

ネットショップを運営する方が、この講座で本当に必要なのは、デザインを覚える事ではない、その先にあるお店の運営とデザインを結びつけることじゃないかって考えたんです。

僕もネットショップ運営者でしたので、自分事として講座の内容を考えなおしました。結果、テキストには載っていない伝えるべきことが沢山あることに気づきました。

テキストに印刷もされていない内容なので、ホワイトボードに図を書いたり、絵を書いたりして説明しました。字が汚くても、ノウハウを受講者全員に理解できるように伝えることだけを考えました。

そんな気持ちで挑んだ2回目は初回よりも緊張して変な汗はかくし、熱くなってスールのジャケットは脱ぐし、シャツの袖は捲る。

そんな熱血(というよりも必死さ)が伝わったのかもしれないですね。(笑)

 

 

–講師オブザイヤーというのは、講師陣の中でその年もっとも評価された講師に贈られるものだとおもいます。 その中で3年も連続で受賞できた理由は何だと思いますか?

 

先ほどの問いの答えと重なりますが、自分でネットショップを運営していた経験をもとに、カリキュラムにないことを積極的に話すようにしたことと、「全受講生が共感すること」を意識したことがよかったのだと思います。

ノウハウや事例を聞いたって、全てが使えるわけではないですが、ネットショップを運営する中でビジュアルが1つ作れるだけで表現の幅がものすごく広がることは実感していたので、絶対にこれだけは伝えたいと思っていました。

また、ネットショップのオーナー側に立って、外注ばかりに頼っているとコストがかかってしまうことなども伝えていたので、 そこが店舗さんの共感をよんだんじゃないでしょうか?

 

 

–楽天大学の講座を実際に講座を受けられた方の反応はいかがでしたか?

 

講座のアンケートを毎回取っていたのですが、 コメント欄に名指して「鈴木さんありがとうございました」といったことをたくさん書いていただきました。アンケートの担当者の話では、感想で講師を名指しで評価される事は珍しいと言ってました。

他には、まったく同じ内容の講座なのに2回目を受けてくれる方もいて嬉しかったですね。

 

 

–今回なぜTechAcademyの講師を引き受けてくれることになったのでしょうか?

 

今まで右も左もわからなかった方が受講したことによって、一歩を踏み出せるような背中を押してあげられる講座であればやりたいなと感じたからでしょうか。

受講された方の可能性を広げたいという気持ちもありました。それは楽天大学で講師をしていた時と同じですね。

あとはメインの理由ではありませんが、都度アンケートを取ることができるので、今のニーズを知ったり、講師としてレベルアップできるのではないかとも思いました。

 

 

–TechAcademyではPhotoshopとIllustratorを担当されていますが、どんなことを意識して講座を行なっていますか?

 

できるだけ悩みや先入観を取り払ってあげることを意識しています。

私が伝えたいだけではなく、受講者様のニーズにマッチしなくてはいけない。講座の最初には受講生様ごとの課題を聞いて、書き出す。課題を講座の終了までに全て解決します。

また、TechAcademyの場合はFacebookグループで受講生の方とコミュニケーションがとれるようになっているので、Facebookの場で質疑応答を行うなどの交流も図っています。

あとは途中からついていけなくなってしまう方がでないように注意していますね。

鈴木拓郎

TechAcademyで鈴木氏が講座を行う様子

 

 

–TechAcademyの講座に参加されているような発注者の方がデザインに対してどんなことを意識すべきだと思いますか?

 

受講する理由はさまざまかと思いますが・・・ 相手に伝えたいことを丁寧に、わかりやすい形で表現することがこれからは必要だと思っています。

技術的なデザインの話の前に、このデザインをみた人がどんな気持ちになるだろうと考えることがまずは大切なのではないでしょうか。

 

 

–具体的にはどのようなアクションしていくことがよいのでしょうか?

 

いろいろなもの観察することから始めるといいと思います。 なんでこのレイアウトなんだろう?なんでこの配色なんだろう?そしてそのデザインを観た相手がどう感じるのか考えます。

デザインを見てワクワクしたり、なんか気持ちが暗くなったり・・・

テレビCMなんかで、気になるCMが流れたりすると、(なんで僕は今、このCMが気になってるんだろう? 色彩か?音楽か?タレントさんか?)とか考えます。

デザインと聞くと、どうしてもセンスが必要という先入観を持つ方が多いですが、良いデザインはちゃんと計算されているんです。その狙いは何なのか?考えて意識していくのが良いのではないでしょうか。

 

 

–最後に、今後鈴木さんの講座を受ける方に伝えておきたいことはありますか?

 

PhotoshopとIllustratorがわかるようになると、本当に可能性が広がると思うんですよね。印刷にしてもWebサイトの画像にしても表現の手段が広がります。

それは小売をやっていた私が、PhotoshopとIllustratorを覚えたことでネットショップをオープンできたことにもつながると思うんです。

自分の表現方法を広げるきっかけとして、この講座はきっと最初の一歩になると思います。

 

 

インタビューは以上です。

鈴木さんありがとうございました!

 

(取材・文・撮影/伏田雅輝 取材場所/帝国ホテル)

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