Photoshopで画像の背景を透明(透過)にする方法【初心者向け】
Photoshop(フォトショップ)で【画像を透明(透過)にする方法】を初心者向けに解説した記事です。人物写真を透過にする方法と、背景が一色の画像を透明にする方法、手描きのイラストの背景を透明にする(線画抽出する)の3つの方法を紹介しています。
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Photoshopの使い方を初心者向けに解説した記事です。
画像を合成する際、不要な部分を「透過」の状態(何も描画されていない、透明の状態)にしなければいけない場合があります。
Photoshopの機能を使うと簡単に、綺麗に透明(透過)の処理を行うことができます。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインPhotoshop講座のカリキュラムをもとに執筆しています。
(※今回の作業はすべてAdobe PhotoShop CCのバージョンで行っています)

今回は透過について勉強するよ。画像合成には欠かせない要素なので必ず覚えておこう。

田島メンター!!透過っていうのは何ですか~?

レイヤーの中で、該当のピクセルに何も描かれていない状態のことを言うんだ。透過の部分にはその下のレイヤーの情報が適用されるよ。

なるほど、透明な部分ってことですね!
目次
今回の記事では下記の3つの画像を透明(透過)にしていきます。
人物写真の背景を透明にする
まずは人物写真を使って、基本的な透過の方法を解説します。
今回はこちらの画像を使用していきます。
まず、画像のレイヤーが「背景」の場合は、通常のレイヤーに変換する必要があります。
レイヤーを右クリックし、「背景からレイヤーへ」を選択します。
左のメニューから選択ツールアイコンを右クリックして「クイック選択ツール」を選びます。
人物の形に沿ってドラッグしていきます。
この際、Alt+ドラッグで選択範囲の消去、Shift+ドラッグで複数の選択範囲を作成することができます。
だいたい全体を選択した状態です。髪などの細かい部分が選択できていないので調整していきます。
上メニューから「境界線を調整」を選択し、「表示モード」を「白黒」にします。
「エッジの検出」内の「スマート半径」を選択し、半径の長さを調整します。
髪の修正したい所を塗りつぶすようにドラッグします。
細かい部分が選択された状態になります。
「境界線を調整」ウィンドウを閉じます。これで背景以外の部分が選択された状態になりました。
画像の選択が完了したら、上のメニューの「選択範囲」→「選択範囲を反転」をクリックします。
今度は逆に、人物以外の背景の部分が全て選択された状態になりました。
メニューの「編集」から「消去」を選択します。
先ほど選択されていた部分が消されて「透過」の状態になりました。
下にレイヤーを作成し、それを緑で塗りつぶした状態です。
透過の部分には下のレイヤーの状態が反映されます。
基本的な透過の方法は以上です。

選択範囲を作成して、それ以外の部分を「消去」する方法だよ。消去された部分は透過の状態になるんだ。

この白とグレーの格子になっているのが透過なんですね。

そうだね。「消去」以外では消しゴムツールで消された部分なんかも透過になるよ。なので背景が一色だったりした場合はもっと簡単な方法があるんだ。

へー!どんなのですか?
背景が一色の画像を透明にする
記号や文字列などのはっきりした画像で、背景が一色の場合はもっと簡単です。
今回はこの画像を例にします。
左のメニューから消しゴムツールのアイコンを右クリックし、「マジック消しゴムツール」を選択します。
上の設定項目の「隣接」にチェックが入っていることを確認します。
背景にしたい部分の中の適当なところをクリックします。
すると、クリックした部分と同じ色の所がその場で透過状態に切り替わります。
また、この時「隣接」にチェックが入っていないと処理が少し変わってきます。試しに「隣接」のチェックを外してみましょう。
先ほどとは違って、中の「f」の文字内まで透過になっているのがわかります。
下に青色で塗りつぶしたレイヤーがある場合の違いです。特に文字列の背景を透過にしたい時は、「隣接」のチェックを外しておくと便利です。
手描きのイラストの背景を透明にする(線画抽出する)
スキャンによって取り込んだ紙に描いたイラストなどを、加工しやすくするために背景を透明にする(線画を抽出する)方法です。
ここではチャンネルを使用した方法と、クイックマスクを使用した方法のふたつを解説します。
線画を抽出する前の共通の手順です。
スキャンした画像をPhotoshopで開きます。
まず最初に、スキャン時に入った大きな汚れなどをブラシツールで白く塗りゴミ取りをします。
次に、「イメージ」から「色調補正」→「明るさ・コントラスト」を選択します。
「明るさ」の部分を右に移動して画像を明るくすることで細かい汚れを消すことができます。
画像が背景レイヤーになっている場合は、右クリックして「背景からレイヤーへ」を選択します。
チャンネルを使用した方法
レイヤーの一覧が表示されているメニューから「チャンネル」タブを選択します。(「チャンネル」タブが表示されていない場合は上メニューの「ウィンドウ」から「チャンネル」を選択します)
以下のアイコン「チャンネルを選択範囲として読み込む」をクリックします。
線画以外の部分が選択されました。
上メニューの「選択範囲」から「選択範囲を反転」をクリックします。
線画の部分のみが選択された状態になりました。
「レイヤー」タブに戻り、新規レイヤーを作成して元のレイヤー(下のレイヤー)を非表示にします。
線画の色として使用したい色を選びます。今回は黒としています。(カラーのメニューが表示されていない場合は「ウィンドウ」から「カラー」を選択します)
上メニュー「編集」から「塗りつぶし」を選択します。
線画以外の部分が透過の状態になり、線画抽出が完了しました。
クイックマスクモードを使用した方法
線画を抽出する画像を開き、上メニュー「選択範囲」から「すべてを選択」をクリックします。
上メニュー「編集」から「コピー」を選択します。
レイヤーメニューから新規レイヤーを作成し、そのレイヤーを選択した状態にします。元のレイヤー(下のレイヤー)は非表示にします。
左メニューから「クイックマスクモードで編集」をクリックします。
上メニュー「編集」から「ペースト」を選択します。
画面ではこのようになります。
左メニューから先ほどと同じアイコンをクリックします。(今度は「画像描画モードで編集」となっています)
線画以外の部分が選択されました。
上メニューの「選択範囲」から「選択範囲を反転」をクリックします。
線画の部分のみが選択された状態になりました。
先ほどと同じように線画として使用したい色を選択し、上メニュー「編集」から「塗りつぶし」を行います。今回は暗めの赤色にしています。
線画以外の部分が透過の状態になり、線画抽出が完了しました。
線画の色は好きな色に設定することができます。スキャンした際にグレースケールなどで読み込んでいた場合は「イメージ」→「モード」「RGBカラー」などに変更することでカラーでの抽出が可能になります。
いかがでしたか?

最後に、スキャンした線画だけを残して他を透過にする方法を紹介したよ。

クイックマスクモードというのは、こういうこともできるんですね。

透過はレイヤーをうまく活用するためにも不可欠な機能なので、しっかり覚えておこう。

そうですね。ありがとうございます!
背景が透明にできたら、Photoshopで画像の合成にもチャレンジしてみてください。
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