薬剤師を続けながら別の仕事にも挑戦してみたいと考えテックアカデミーの「はじめての副業コース」(8週間コース)を受講した卒業生に、テックアカデミーを受講した理由や、これまでの働き方、日々の勉強方法、実力判定テストに合格するためのコツなどについてお話を伺いました。(※)
(※)記事に記載している内容は2022年9月時点の情報です。
1分でわかる記事要約
・ テックアカデミーを受講するまでの働き方 :大学を卒業後、薬剤師としてメーカーに就職し、ドラッグインフォメーション(DI業務)に携わる。(20代前半、4〜5年)→調剤薬局に転職し、現在に至る(30代後半、約10年)
・ 受講した理由 :在宅勤務が広まったことをきっかけに自身の働き方や、薬剤師の働き先に対して不安を感じるようになる。薬剤師以外の仕事もできるようになるため、副業で新たにスキルを身につけたいと考える。はじめての副業コースを受講。
・ テックアカデミーでの勉強方法 :休日を中心に学習を進め、仕事がある日は帰宅してから数時間学習するスタイル。カリキュラムで気になったところはブックマーク機能を活用し、仕事の休憩時間などにスマートフォンで読み直すことを習慣化。
・ 実力判定テストに合格するためのコツ :カリキュラムの最終課題提出の際にメンターから指摘されたことを、実力判定テストの課題提出前に必ず見直す。
・ テックアカデミーワークスの活用について :4件ほどWebサイト周りのお仕事をこなし約10万円を獲得。
・ 新しい働き方に興味がある方へのアドバイス :副業やITスキルに関連する勉強を始めるという手段はスモールステップになると考えており、転職よりハードルが低いのでおすすめしたい。
話してくれた人
A.Tさん(37歳)
京都府出身。現役の薬剤師。大学を卒業後、メーカーに就職し、医薬品情報の問い合わせに対応するドラッグインフォメーション(DI業務)に携わる。その後、転職し現在に至るまで調剤薬局にて勤務。在宅でできる副業に興味を持ち、はじめての副業コースを受講。
10年以上薬剤師として働いていたが、同じ業界に居続けることで視野が狭くなってしまうと感じた
――これまでのご経歴について教えてください。
4〜5年ほどメーカーで医薬品情報の問い合わせに対応するドラッグインフォメーション(DI業務)に携わり、その後転職し10年以上調剤薬局で働いています。現在は非常勤のため週4日間調剤薬局で働いています。
――1日の業務はどのような流れですか。
ヘルプなどで他の店舗に行く日もあり、勤務時間も日によって異なりますが、 基本的に長時間立ち仕事 になります。午前中は外来対応、処方箋を持ってこられた患者さんに対応してお薬を用意して、説明した後に、患者さんのお薬の記録をパソコンで打ち込む薬歴入力作業があります。午後は在宅患者さん(高齢の方、家で介護を受けている方、病院に行けない方)のご自宅まで訪問します。忙しい店舗だと閉店後に薬歴をひたすら入力したり、夜にやっているクリニックの場合は再び夕方から外来対応をしたりするのでたまに20時くらいまで残業することもあります。
――今まで10年以上薬剤師としてお仕事を続けられて、働き方についての悩みなどはありましたか。
コロナ禍までは仕事や収入に対する大きな不満はありませんでした 。立ち仕事や外に出ていくこと自体も苦ではないのですが、 コロナ禍で周りの知り合いが在宅勤務をしている中で、私の業種にはそういうのがない ということに気がつきました。オンラインでの服薬指導の場合でも、私たち薬剤師は薬局で、薬局のシステムを使って行います。そのため 自分が新型コロナウイルスに感染して外に出れないという状態になったときに働けなくなってしまうのではないか、という不安を感じるように なりました。
もうひとつ、これから薬剤師の需要が足りており人手が余るようになると言われているのです。なんだかんだ人手が足りていないので仕事はあるのですが、いずれにしても ずっと薬剤師の世界しか知らないと自分の視野が狭くなってしまう、というどこか物足りない気持ち があったのです。ニュースやテレビで見る世の中の流れと自分がずっといる場所のずれを感じました。薬剤師の仕事はかなり前からアナログの状態で、コロナの集計の時も未だにFAXを使うことが多いのですが、そのような理由からデジタル化が進んでいるIT業界に興味を持ちました。
――そこで他の業界やお仕事に目を向けられたのですね。
はい。 転職は考えていなかったので「まず、副業をしよう」 と。とりあえずクラウドソーシングのサービスに登録してどんな仕事があるのかを見た時に、 プログラミング関係、コーディングやサイト作成などの仕事が多い ことを知りました。興味を持ってIT系のサイトを調べて、独学でProgateやドットインストールなどを触ってはみたのですが、 どこまで学習したら仕事になるのかが分からなかった のですね。案件をどうやってとるのか具体的なイメージがわかず、その点について詳しそうなスクールを探しました。
――副業としてエンジニア以外に、ライターなど他の業種については検討されましたか。
文章を書くことは嫌いではないのですが、専門的な内容や人に読ませるものについてはハードルが高く、自分ができそうなライターの仕事はあまり見当たらないなと感じました。一方で プログラミングについては、詳しく知らなかったからこそ思い切って飛び込むことができた のかもしれません。
――テックアカデミーのはじめての副業コースを知ったきっかけについて教えてください。他のスクールなどは検討されましたか。
はい。スクールの比較、レビューをしているサイトを何件か見て、ピンときたところについて調べていたところテックアカデミーを知りました。料金がとても高いところや長期でやるところより、 ある程度の勉強量はありつつも数ヶ月で完結、という形の方がいい なと考えました。そこでテックアカデミーの無料メンター相談で、現役エンジニアのメンターに「はじめての副業コースは完結するまでに実際どれぐらいの時間がかかりますか?」という質問をしました。「仕事しながらだと頑張ったら2ヶ月でもいける」ということを教えていただいたため、8週間のコースにしました。
テックアカデミーはまずオンラインでできるという点に魅力を感じました。コースもたくさんあり、その中でも副業に繋がるということが分かりやすい「はじめての副業コース」に興味を持ちました。受講前に一度、無料体験をしたのですが、 カリキュラムと課題とメンタリングの3つの組み合わせで学習ができるということで、これなら自分でもいけそうという予感がしました。
仕事の合間もカリキュラムに目を通し、実力判定テストに1発で合格
――テックアカデミーでの受講の感想をお願いします。
週2回のメンタリングでは、必ず最後に「次は何章まで読んでください」とか「この課題をクリアしておいてください」といった宿題があり、その宿題に取り組んだことを前提に次回のメンタリングでフィードバックや相談に乗っていただく 形で進めてもらいました。 いつまでにこれを理解しよう、課題を終わらせようというメリハリがついてよかった です。また カリキュラムにブックマークをつける機能を活用して仕事の合間や移動中などに読み返す ことも日常的に行いました。カリキュラム自体ボリュームがあったのですが、任意かつ 好きなタイミングで振り返ることができるのがよかった です。
――どのような時間に学習を進めていましたか。
本業の方の休みの日を週1日増やしていたので 休みの日をしっかり使って学習し、仕事がある日は自宅に帰ってから勉強 していました。当時は仕事の方がそこまで忙しくなかったので、 定時に帰ってから4時間ぐらい課題に向けて手を動かして、夜寝る前にカリキュラムを読んで、気になったところは日中に読み直す ということをしていました。
――土日は何時間ぐらい学習されていましたか。
9時から17時までがっつり勉強して、そこから2~3時間ほど空けてまた夜に数時間勉強していました。
――かなり長時間学習されていますね。ほぼ毎日カリキュラムには目を通されていらっしゃいましたか。
はい。 カリキュラムをスマートフォンで読むことができる 点がよかったです。動画での学習も人気ですが、動画のペースに合わせて学んでいくことになるので、私は正直遅いと感じてしまい苦手です。 テキストベースだと自分のペースで学んだり、わからないところはすぐ読み直したりすることができるので、自身の学習方法として向いている と感じました。
スマートフォンでの学習画面イメージ
――大変だったことは何でしたか。
カリキュラムの後半ではAdobe XDやPhotoshopのツールを扱いながら課題に取り組むのですが、扱ったことがないツールだったため苦戦しました。
――カリキュラム前半はスムーズでしたか。
そうですね。テックアカデミーを受講する前に無料のプログラミング学習サービスを利用していたので、Hello worldから始まり、文字を出してみよう、色を変えてみようみたいなところは順調に進みました。事前設定で扱うAWSなどもあまり知らなかったのですが、カリキュラムに記載されている通りに進めたら問題なくできました。
――メンターとのコミュニケーションはいかがでしたか。
受講前までは、「メンターとは課題やカリキュラムで分からなかった話をするんだろうな」と思っていましたが、実際にはそれ以上のお話をすることができました。具体的には 現役のエンジニアとして仕事をされているメンターの方が、カリキュラムに載っていない業界の話をほぼ毎回してくださって、それがとても面白かった です。「僕も未経験だったんです」という 実体験のお話を交えてくださり、リアルな内容が多かったです。テックアカデミーの受講後、副業として自身で仕事を獲得していく際に注意した方がいいことなどといった実務的なtipsも教えていただきました 。
――受講が終わってからすぐにテックアカデミーワークスの実力判定テスト(※)を受けられていらっしゃいますが、それまでどのように学習をされましたか。
実力判定テストに受からないとテックアカデミーワークスで仕事がもらえないということで、 最後のメンタリング2回はテスト対策として活用しました 。
カリキュラムから離れて、 メンターから模写サイトを紹介してもらい、それを作ってみて添削してもらったり、制作に何時間かかったかを報告したりしました。模写サイトはWebサイト制作をする上でかなり勉強になりましたし、実力判定テストに対する心理的なハードルが下がりました 。時期が年末〜年明けのことだったので、本当に受験生みたいな気持ちでしたね。緊張しましたが テストは1回で合格することができました 。実力判定テストの課題提出前は、自身で作ったWebサイトを家族に見てもらい、意見を言ってもらったり細かいチェックまでしてもらっていたので、合格したときは嬉しかったです。
(※)Webページを作成する確認テストです。合格した方はテックアカデミーワークスを無料でご利用いただけます。カリキュラムの内容を理解していれば合格できるレベルのもので、2回まで受験できます。
――実力判定テストのことを考えて先回りしてスケジュールを組まれていらっしゃったのですね。合格の自信はありましたか。
はい。 正直カリキュラム内の最終課題の方が大変だった ように感じました。
実は 最終課題を提出する際にメンターから指摘されたことを、実力判定テストの課題提出前に見直した んですね。具体的には私のパソコン画面だときれいに端まで表示されているのに、メンターが見ると右に余白があるとか、そういった細かい部分を実力判定テストの時にも重点的にチェックしました。
今振り返れば、 カリキュラムの最終課題で色々なご指摘をいただいた分、何度もやり直したり、テストの際にチェックされる可能性がある点について理解することができたことが合格につながった のだと感じています。当時年末でクリスマスも勉強で大変でしたが、合格することができ本当によかったです。
テックアカデミーワークスで現場の感覚を掴む
――テックアカデミーワークスではどのようなお仕事(案件)を受けられましたか。
1番目に受けた案件は単純作業で、企業サイトにHTML修正を流し込みするものでした。トータルで1000件ほどあったので、何人かで手分けして実践しました。
2つ目はEコマース、靴屋さんのサイトの案件でした。納期が迫っている急ぎの案件でした。テストをしてくれる人がいないという状態で、そのチェックをする対応をしました。具体的には、使ってみて不具合があれば返す。修正されたら、それをまたチェックする。画像が表示されていない、リンク切れが起きているなどをひたすらチェックする仕事でした。それは大きなプロジェクトの仕事の1つで、 規模の大きい案件の空気感が味わえたのでとてもよかったです。
3件目はリゾートサイトの制作案件で、当初一番イメージしていたWeb制作のお仕事内容に近いものでした。「WordPressのWebサイトでHTMLとCSSを作ってください」という依頼内容でした。HTMLとCSSはテックアカデミーのはじめての副業コースで学習していたため理解はしていましたが、知らない内容の作業もいくつかあったため、 とりあえず手を動かしてやってみて、分からないところはすぐメンターに聞く ようにしました。
私含め、テックアカデミーの受講生やメンターの4人で手分けしてコードの作業をしたのですが、デザインはできているけども運用や記述がバラバラになってしまい、統一させるために途中でルールが変わることもありました。実際の業務の中では状況に合わせて臨機応変に
対応することもあるものなんだなと勉強になりました。
――本業と並行しながら副業を2週間というのは大変だったかと思いますが、実際にやってみていかがでしたか。
他の方も本業と並行してこの仕事をやっていることを知り、私だけじゃないんだなと思いました 。なので特に苦に感じることはなかったですね。テックアカデミーワークスでの仕事は受講時の学習と同じ曜日や時間に取り組んでいました。
――実際に案件を受けてみて、想像とのギャップなどはありましたか。
WordPressに関する保守管理などの仕事がとても多いなと感じました。なのでWordPressやPHPの勉強もした方が、もっと色々な種類の案件に取り組める のだろうなと思いました。テックアカデミーで勉強したことがもちろん全てではないので、まだどんな案件でも受けれるわけではないという、ギャップというよりは課題が見えた形です。
――テックアカデミーワークスでの報酬はどのぐらいですか。
テックアカデミーワークスで受けた3〜4件を合わせると、10万円ぐらいになります。
――今後受けてみたい案件などはありますか。
学んだことをそのまま仕事に活かすならWebページ制作 かなと思います。テックアカデミーワークスだとメンターに質問できるという安心感があるので、もし WordPressの案件があったら今独学で勉強もしているので挑戦してみたい です。
クラウドソーシングのサービスの案件も見ていますが、そちらは倍率が高いですね。他のエントリーされている方のレベルも、フリーランスでバリバリ働いている方などいらっしゃるので。その点、 テックアカデミーワークスだと、自身と近いスキルの受講生のみになるのでハードルは低い のかなと思います。
現在は書籍でWordPressについて学習中
副業は転職の足がかりになる、最初は楽しんでやる気持ちで
――今後の目標について教えてください。
副業とは言わず、最終的には本業レベルまでWebサイト制作周りのスキルを身につけて、二足のわらじのような形になれば と思います。今本業のペースを落としているので、割り振りは増やしていける状態です。薬剤師の中にもまれに社労士を取ったりダブルライセンスの人もいるのですが、そのハードルは高いなと思いました。かといって薬関係のことばかりやっているのもな・・・と考えた時に、 自分にもうひとつ新しいスキル、新しい能力があると良い ですよね。
これからはカリキュラム内の課題やテックアカデミーワークスでやったことだけでなく、自身の模写サイトのレベルを上げて、「このWebページのレベルなら何日程度で制作できる」ということを感覚を掴めればと思います。それで継続的に安定して収入を得られるようになるのが理想です。
――他に薬剤師の方でIT系のお仕事をされている方はいますか。
ブログやYouTubeで発信している方はいらっしゃいます。あと医療業界にもDXの波が来てはいるので、オンライン服薬指導のソフトを展開するベンチャーの会社に行ったりしている人もいますね。
――今までのご経歴とITを関連させるようなことは考えられますか。
現時点では具体的な構想はまだなく、薬剤師を続けたいと思っています。ただ知り合いのエンジニア職の人がいて最近こういうことを勉強しているという話をした時に、「WordPressで自分のWebサイトを作るとよい」と教えてもらいました。 WordPressの勉強にもなるし、そこで薬関係の情報を発信していくというのもある とおすすめされたので、その道も模索しています。
――これから副業を始めてみようかと考えられている方へアドバイスをお願いします。
いきなり別業界に転職するということを考えるとハードルは高い と思います。ただ 副業やITスキルに関連する勉強を始めるという手段はスモールステップになる と考えていて、ハードルが低いのでおすすめしたいです。 働いていると勉強をする時間がない、など考えてしまうかもしれないですが、それはゲーム感覚で楽しんでやってみると良い と思います。ニュースや新聞で入ってくる情報について興味の幅が広がります。スキルを身につけるとか仕事とか、最初はあまり深く考え過ぎずに楽しんで始めてみてください。