オンラインブートキャンプを受講された川上剛弘さんにお話を伺いました。世界中の誰もが使えるサービスを作りたいという想いから、楽譜や楽器を使わずに口笛や鼻歌だけで、誰もがオリジナルソングを作って楽しめるSNSを開発しました。
プロフィール:川上 剛弘
1979年生まれ。福岡県出身。起業準備中にオンライブートキャンプを受講。オンラインブートキャンプでは、誰もがオリジナルソングを作って楽しめるSNSを開発し、DemoDayでは見事グランプリを受賞した。
アイディアを形にできるプログラミングに惹かれた
――今までのご経歴を教えてください。
3DCGの専門学校を卒業してから、ずっとWeb関連の会社で働いてきました。28歳の時に起業して、昨年までWeb制作会社を運営していましたが、元々はWebサービスを作りたかったので、一度会社をたたんで、現在は再び起業するための準備中です。
――プログラミングのご経験はありますか?
24歳の時に働いていた会社で、初めてCGIプログラミングを触りました。アイディアを形にするのが好きでしたし、デザインと違ってプログラミングは公式があって答えがあるので、その時にアイディアを形にできるプログラミングいいな、と思いました。
――今回受講した動機を教えてください。
ずっとプログラミングは独学でやってきたので、人から教えてもらうとどんな感じなのかを知りたかったからです。あとは、Rubyを学びたかった。PythonとRubyで悩んだんですけど、クックパッドや、GitHubにも使われていて実績に申し分ないので、今後を考えてRubyかなと。あとは、メンターがいるところですね。独学でやる自信もあったし、受講前からやりたいサービスは決まっていたけど、開発を進める中で相談できる人が欲しかったんです。
世界中の誰もがオリジナルソングを作れるサービス
――今回開発したオリジナルサービスを教えてください。
世界中の誰もがオリジナルソングを作って楽しめるSNSサービスです。楽譜や楽器を使わずに「音」だけでオリジナルソングが作れます。また、楽譜化して記録・再生できる機能もつけました。
――これが受講前からやりたいと思っていたサービスですね。
世界中の誰もが使えるシンプルな作曲サービスを作ろうと思っていました。楽譜は読めない、楽器は弾けない、でも音楽をつくってみたいって人は多いと思うんです。口笛や鼻歌なら、音楽を感覚的に作れるので誰でも使える。音楽って言葉が解らなくても、聴いて良い悪いはある程度解るじゃないですか。僕たちって自己表現する手段として言葉を選んでるけど、そこに音楽っていう自己表現の仕方があったら、また違った世界が生まれるのかな?という発想から今回のオリジナルサービスがうまれました。
――開発で工夫したところはどこですか?
モノとして、音として記録するんじゃなくて、楽譜化して再生する機能をつけたところです。楽譜をオンラインで作るサービスはありますが、楽譜が書けない素人は使えません。でも、音を出すだけで楽譜化できれば、素人でも他の人と共有して、例えば「この音を変えてみました」とかコラボできますよね。もしかしたら、お風呂場で歌った鼻歌がコラボされて有名な歌手に歌ってもらえるとかもあり得る話じゃないですか。
――どうやって音を認識しているんですか?
Web Audio APIを使っているのですが、それだけではなかなか音が認識されないので、音の値をとって、配列を20ぐらい入れてその平均から音を認識するようにしています。ただ音程をとるのが難しかったですね。本当は、鼻歌で音程をとれるようにしたかったのですが波系で音が震えてしまうので、なかなか音程がとれませんでした。なので、今は口笛であれば音程をとれるようにしています。
開発したオリジナルサービス「オトグラム(仮)」
音程認識の技術力をあげていきたい
――オリジナルサービスを今後どのようにしていきたいですか?
音痴の人でもこのサービスが使えるようになったらいいですよね。音痴の人が表現したい見えない音の部分をどうするかが問題ですが、これに関しては人工知能の部分なので、ある程度技術が進めば汲み取れるようになっていくと思います。とりあえずは、今のサービスで1曲作れるぐらいまでに音程認識の技術力を上げていきたいです。それが作れたら今後もっとサービスに広がりができるのではないのかなと。一歩一歩少しずつやっていきたいですね。
――受講後の感想を教えてください。
大満足です。気軽にすぐ相談できるし、僕の知らない知識をメンターから教えてもらえました。特に、データの作り方ですね。データーベースにどうやって入れてどうやって活用するのかが大事だと思うんですけど、Rubyを使ってどうやって実装していくのかが身につきました。
――他に身についたことはありますか?
カリキュラムのTwitterクローン(ログイン、ログアウト)とメッセージボードはオリジナルサービスを作るベースとして役立ちました。独学だと、ログイン作るのでさえ大変だったんですけど、今回教えてもらって、こんなすぐに作れるんだと驚きました。
DemoDayで発表する川上さん
――受講を検討している方にメッセージをお願いします。
作りたいサービスがあるのならぜひチャレンジしてみることをお勧めします。受講する上で大事なのは、カリキュラムを何回も繰り返すこと。理解してると思ってても、実は理解できていないところもあるはずですし、繰り返すことでより理解が深まります。Twitterクローンさえできれば、欲しい機能を使ってサービスを作ることができますよ。
(インタビュアー:横内優子)