オンラインブートキャンプを受講された岩崎裕介さんにお話を伺いました。外資系企業に勤めている岩崎さん。世界各地にオフィスを持つ国際企業向けの社内BnBサービスを開発されました。
プロフィール:岩崎裕介
現在47歳。東京都在住。Webアプリケーションコース(Ruby on Rails)を8週間受講し、「Ourbnb」というWebサービスを開発。
——今はどんなお仕事をされているのでしょうか?
ソフトウェアの会社でプロジェクトマネージャーをしています。元々ソフトウェア開発に非常に興味があり、縁に恵まれてこの仕事をさせて頂いてます。
——今回Webアプリケーションコースを受講したきっかけは何ですか?
仕事上、プログラミングもできたほうが良い事とプログラミング自体に非常に興味があったので、その両方の理由で受講しました。
——プログラミングに興味をもったきっかけはありますか?
元々、アップル製品が好きで、iPhoneの発売当初に「アプリを作る」という一種のブームがあり、そこで興味を持ったのが一番最初です。
また基本情報技術者試験を取ったときにJavaのプログラミングをやりました。
その時プログラミングを学ぶのが本当に初めてだったので非常に苦労はしたのですが、ソート等のアルゴリズムを学んだ時に「アルゴリズムを組み立ててコンピューターにタスクを実行させる」という事が面白く感じ、また実際にコードを書くことで物が動くという事にも面白みを感じましたね。
グローバルな会社だからこその発想
——今回作っていただいたサービスを教えていただけますか?
一言で言うとグローバルに世界各地にオフィスを構えている企業が社内の社員同士でAirbnbのように宿を提供しあうような仕組みを作ってはどうかと思い作成しました。サービス名は「Ourbnb」といいます。
——作られた背景やきっかけ等はありますか?
今、私自身が本社がアメリカのシアトルにある会社で働いており、シアトルに出張する機会が年に数回あります。
私は今も昔もバックパッカーでして、国内外を旅するときにホステルに泊まるのが好きだったんですが、会社だとどうしても中級や高級ホテルとなってしまってホテルに泊まること自体が、正直楽しくなかったんです。
それにホテル代が非常に高いので出張コスト的にも馬鹿にならないと思っていました。
そこで、社内の社員同士で自宅を民宿のように提供し合い、会社がホストやゲストに一種の出張手当を支給することによって、会社も経費の節減にもなりますし、社員には若干の臨時手当がもらえる上に社員同士の交流になって良いなと思ったのがきっかけでした。
——Airbnbは参考にされたんですか?
そうですね。まずはAirbnb事業を研究しました。
また、どのようなサイトマップになっているのか等を調べてワイヤーフレームをそれに基づいて作り、具体的なイメージを作成していきました。
——サービスを作る上に苦労した点とかはありますか?
今回、Ruby on Railsを初めて学んで目からウロコのようなレベルですごく色々な事にびっくりしました。
これまで学んだプログラミングとはまったく違った物で非常に新鮮な驚きがありました。
今は一通り学んでみてRailsというものがWebサービスを非常に高速で作れるフレームワークだというのは理解していますが、最初はまずそれ自体が難しかったですね。
あとは、現時点で出来ているものは非常に基本的な動きしかまだ出来てないのですが、サイトを作る上で比較的シンプルなサイトであってもバリデーションなど多くのことを気をつけた上で作り込まなければならないとサービス全体を通して感じました。
——今後サービスの中で作りたい機能などはありますか?
あれば面白いと考えていることは「社内的なベネフィット(ギフトカードや社内で使えるポイント等)」があれば面白いと思っています。最終的には会社の経理のシステムと繋がると面白いとも思いますね。
8週間のオンラインブートキャンプを経て感じる変化
——Ruby on Railsをサービスが形になるまで二ヶ月間学習されて、学習される前と今とで意識や考えの変化などはありますか?
まず、Webサイトを見る目が付きますね。
Railsを使っているサイトの見分けが付くようになり、そこがまず面白い変化だと思いました。
あと抽象的な言い方になるかもしれませんが、一つのフレームワークを学ぶことで、自分の考え方に新たな「考え方の回路」が加わったように思います。
たとえばデータベースの連結であったり等、そういった所にプログラミング上の意識がフォーカスされるようになったというのは自分的には上流のアルゴリズムや物の作り方に集中できるという感じがしました。
——今後、勉強していきたい言語などありますか?
しばらくは、Railsを学習したいかなと感じます。
DemoDay後の懇親会の時に「今後はこれに専念する」とおっしゃっていた方がいたんですが、これまで色々な言語をかじっている形になってしまっていて、どれも集中してやってきたわけじゃないので、やはり何かに集中した方がいいと改めて感じて今回Ruby on Railsをやってみて非常に体質に合うと感じました。
——これまで色々な言語を学んできて、なぜ一つに絞ろうと思ったんですか?
今回、Ruby on Railsをやってみて、これをもうちょっと身につければアイデアを形にし易いと感じたからです。
たとえばPHPですと、やはり作りこみの部分の手数が増えたり、手作業でデザインを作りこまないといけないと思います。
そういう意味で言うとRuby on RailsはBootstrapも使いやすいですし、形にするのが非常にしやすいと感じたところです。
黒い画面でカタカタするだけがプログラミングじゃない
——これからプログラミングを勉強したい方やサービスを作りたいという方に勉強方法やアドバイスをいただけますか?
やはりプログラミングを楽しむことその物が大事かなと思います。
例えば行き詰った時に問題が解決して動くようになった時の快感など、そういった事を楽しむことが大切だと思います。
プログラミングを学ぶきっかけは色々あると思うんですが、作りたいものを作る為にプログラミングをやるという方もいらっしゃるでしょうし。
ただ基本的にはプログラミング自体、そのものが楽しいと感じられるかどうかが大事だと思います。
——プログラミングの楽しみに行く着くまでに挫折する方が多いと思いますが、そういうときはどうすればいいでしょうか?
最近では子供向けのプログラミング学習サービスやおもちゃのようなガジェットで学ぶ機会が結構あると思うんですけれど、大人もそういったものから入ってのもいいのではないでしょうか。
やっぱりプログラミングを学ぼうとするとPCの画面でコーディングをするという所から入った人が多いと思うんですが、それで目的意識が持てるといいんですけれど、そうでない人であれば「そもそもプログラミングとはどういう物なのか」というのを「モノ」で使って理解するのもいいのではないかと思います。
(インタビュアー:小嶋大貴)