オンラインブートキャンプを受講された中島領介さんにお話を伺いました。普段はプログラミングとは関係なく営業の業務をされている中島さん。いろんな人が集まって一つの音楽を作っていくCo-Writingサービスを開発されました。

プロフィール:中島領介
1986年生まれ。横浜市在住。Webアプリケーションコース(Ruby on Rails)を8週間受講し、「FREEJAM(フリージャム)」というWebサービスを開発。

独学での学習は限界を感じた

――今はどんなお仕事をされているのでしょうか?
普通のサラリーマンをしています。プログラミングとは関係なく営業の業務についています。

――プログラミングをされるようになったきっかけはありますか?
2012年の10月ごろにふと思い付いた事があったんです。
実は学生の頃からずっとギターやドラム等の音楽をやっていまして、自分で歌を作るのが好きだったんです。
ただ、曲は作れるんですが歌詞をつけるのが難しくて、曲ばっかりを作っていたんですよ。

あるとき、この曲に誰か詩をつけてくれないかなと思って、そういうサービスを探したんですが無くて。
その時に「じゃあ自分で開発してみよう」って思ったんですね。
当時はプログラミングも何も知らなかったので、本屋に行ってHTMLやJavaScriptの本など流行っているものを独学で勉強し始めました。

——今回ブートキャンプを受講したきっかけは何だったんですか?
独学でやることの限界を感じたからですね。
Ruby on Railsというフレームワークなら自分の思ってるサービスを作れそうということを知って、そこから独学でRailsチュートリアルをずっとやりました。
ただ、壁にぶち当たってその都度Googleで調べたりしてたんですが、あっという間に2015年になってしまって全然進まなかったんです。「これは誰かに教えてもらったほうが早いな」と思っていた時にオンラインブートキャンプの存在を知って受講したという経緯ですね。

誰でも自分の発想を音楽に

——今回作っていただいたサービスを教えていただけますか?
FREEJAM(フリージャム)というサービスを作りました。
作曲出来る人や作詞が出来る人がその場で集まって案を出し合いながら音楽を作っていくというサービスです。
一人で作詞、作曲、編曲、演奏、歌とか全部出来なくても、自分が出来るものだけを提供して1つの曲にできるといったCo-Writingサービスですね。

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——そのサービスはどうやって使うのでしょうか?
鼻歌でも何でも良いんですが、メロディをアップロードして、「そのAメロに対してこのBメロを繋げてはどうですか?」とか「サビはこういうのはどうですか?」「こういった歌詞をつけてはどうですか?」という風に議論や提案し合って曲が出来上がるという仕組みです。

——サービスを作る点で苦労された所はありますか?
まだまだ未完成なので今後の課題でもあるんですが、即時的にやり取りできるようにユーザーインターフェイスの改良や歌詞と音を連動して表示されるようにしたいと思っています。

——サービス自体はどれぐらいの期間で作られましたか?
柱になっている部分は8週間の受講期間中に出来ました。そこから味付けしたり、デザインしたり工夫しています。
自分が最初のユーザーとして使ってみると、細かいおかしなところが結構あるんですよね。
そういう細かい部分を修正して、ようやく人に出せるかなと思ったのが、発表終わってから2ヶ月後くらいです。

——今後このサービスで目指しているものなどはありますか?
SoundCloudやCREOFUGAなど、音楽が出来る人たちが発表出来る場はあるんですが、全部は出来ないけど何かに参加したいという人達が協力出来る場というのは無かったんです。なので、Co-Writing専門の場として広がっていけば良いなと思っています。

どんな素人でも自分の発想や思いが作品となる喜びを感じてほしいなと思っているんです。「1フレーズしか分からない」とか「この言葉しか俺は出来ない」とかでも良くて、Co-Writingをすれば素晴らしい音楽が生まれると思っています。

元々、音楽は誰が作ったとか関係ないなと思っています。
「民謡」や「ハッピーバースデーの歌」だって誰が作ったか分からないけど、誰かを励ましたり生きる希望になっていたりするので、そういう歌がこの場で生まれて欲しいと思います。

もっと言うと、ヒットするとか上手とか下手とかどうでもよくて、大事なのはどれだけ感動できるかだと思ってます。
音程がずれていたり、リズムがぐちゃぐちゃでも良いから曲を作って、それを聞いた事で誰かが心を動かされたり、元気になる瞬間があればこのサービスを開始した意味があると思っています。

あと、「自分の作ったメロディにミスチル桜井さんが歌詞を作ってくれた」や「僕が作った曲を玉置浩二さんが歌ってくれた」みたいにプロの人がCo-Writingに参加してくれたら最高だなと思いますね。

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——作られたサービスは友人に話したり使ってもらったりしているんですか?
すごい一部の人に使ってもらって宣伝とかもしてもらっています。
少しだけユーザーも付いて、顔も知らない人が詩をアップしてくれているので嬉しいですね。それについて誰かメロディをつけてくれないかなと思ってます。

プログラミング学習には道筋を作ってくれる人が必要

——今回は独学ではなく誰かに教わりながら学習されたわけですが、学習の速度に差はありましたか?
全然違いますね。
独学でRailsチュートリアルをやっていた頃は、1つのGemファイルをインストールするだけで引っかかったりしました。
解決する為にGoogleで検索して、「これは違う」「あれは違う」と何回も繰り返して1つのエラーを解決するのに1週間もかかって全然進まなかったんです。
Railsチュートリアルを1章進めるだけで1ヶ月かかったりしましたし。
そんな事をしている間に新しいバージョンが出て、また訳が分からなくなったりとか。

それに比べて、今回のオンラインブートキャンプはすぐメンターに聞けて、すぐに答えが返ってきました。
いろいろ問題にぶつかっても「これはどう?」「あれはどう?」とアドバイスを出してくれたのでスラスラ進みましたね。

また、自分のWebサービスを開発する期間が2週間あった中で「こういう案があるんですが」と質問したら「では、こういうのを使ってみたらどうですか?」など具体的なアドバイスももらえましたし非常に良かったです。

——本での学習との違いなどは感じますか?
自分がやりたい事とマッチしている本が必ずあるとは限らないので、そういった時はプロに聞くのが一番だと思いますね。

エンジニアではないからこそ武器になる

——最後にこれから受講を検討されている方にアドバイスをお願いします。
受講されている方々はWeb業界に携わっている方が多かったと思います。
直接アプリを作られていなくても会社のIT部門に所属されていたり、データベースの管理をされていたりと。

ただ、私は全く仕事と関係なかったんですけど、そこに副産物がありました。
普段の会社の業務で使うExcelの作業やOutlookメールの機能とかをカスタマイズできる様になったので、今の仕事にもすごい良い影響がありました。

あまりITと関係のない業界にいる人ほど勉強した方が良いと思いますね。
周りに得意な人がいない環境なら自分が勉強することによって、その人の特性やキャラがついて仕事を任される事になりますし、もちろん自分の仕事のクオリティも上がると思うので。
自分は、プログラミングを勉強して良い事尽くめだったと思います。

(インタビュアー:小嶋大貴)