オンラインブートキャンプを受講された渡部 初さんにお話を伺いました。保育士の資格を持っているという渡部さん。誰でも自由に投稿できる学童のポータルサイトを開発されました。
プロフィール:渡部初
1994年3月生まれ。東京都葛飾区在住。東京理科大学に通う大学生。Webアプリケーションコース(Ruby on Rails)を8週間受講し、「葛飾Gakudo」というWebサービスを開発。DemoDayで3位を受賞。
保育士からエンジニアへ
――まず、簡単に自己紹介をお願いできますか?
渡部初と申します。東京理科大学の学生です。2014年に保育士資格を取っていて、2015年には、保育士のアルバイトもしていました。
――いつ頃から保育士を目指されていたんですか?
高校3年生の時ですね。保育士の資格を取った当時は、純粋に保育士になることを考えていました。
――保育士でプログラミングを学ぶ方って珍しいと思うんですが、何がきっかけだったんですか?
はじめは、「起業」が大きなテーマとしてありました。
そこから、一人でプロダクトを作れるようになりたいなと思ったのが具体的なきっかけですかね。
人に何かを作ってもらおうと思っても、どうしても伝わらない部分とか、時間がかかってしまうところがあって、それなら自分で作れるようになろうと思ったんです。
――起業にはいつ頃、どういった理由で興味を持たれたんですか?
興味を持ったのは、留年した時ですね。
実は、2014年の9月、留年が決まった日に、同時に保育士の合格発表もあったんです。
周りは卒業して企業に勤める中、自分は保育士を選んでいるところにどこか劣等感のようなものを感じていました。
人一倍自己肯定感は低いけれど、人一倍夢見ている感じは常にあって、そこのギャップを埋めようと思ったのが一番の理由ですね。
――その時は、実際に起業したいというアイデアや、作ってみたいサービスなどはあったんですか。
全く無かったですね。最初は保育園を作ろうって言っていたんですけれど、聞いたら数億円かかるっていう話で無理だなと思いました。
――そこからプログラミングに興味が移った背景には何かあったんですか?
株式会社LIGが配信しているブログを見て、自分を発信したいと思ったんです。それで、HTMLとCSSを使って独学でペライチのWebサイトを作りました。
自分の経歴を紹介するもので、保育士の資格を持っている理科大生っていうところをアピールしたプロフィールサイトでしたね。
――卒業後の進路はどのようにお考えですか?
希望はエンジニアとして進みたいですね。
また、自分達で考えている事業の方も今進めようとしているので、そっちの代表兼エンジニアみたいな形になれたら嬉しいなと思っています。
自分でプロダクトを作れるようになりたかった
――なぜTechAcademyのオンラインブートキャンプを受講されたんでしょうか?
受講するタイミングで作りたいものは無かったんですが、自分でプロダクトを作れるようになりたいという思いがあったのと、お金を払ってでも早く学びたかったので受講を決めました。
――他にもプログラミングを学習できるスクールだったり、サイトって結構多いと思うんですけれど、何か決め手になったポイントとかってありますか。
Ruby on Railsを8週間で学べるというのが大きかったですね。
Twitterでも色々とやり取りをさせていただいて、それも決め手の1つとなりました。
――そもそもRailsにこだわっていた理由ってありますか。
一番最速で、簡単にプロダクトが作れるかなと思っていたんです。それが一番の理由でしたね。
メンターとのやり取りの中で生まれたアイデア
――実際に今回作っていただいたサービスについて、教えていただけますか。
葛飾Gakudoという名前の、学童のポータルサイトですね。
学童の運営者は学童の情報を投稿できて、ユーザーは「いいね」ができ、お気に入り学童が登録できます。
――もともと作りたいサービスのアイデアが無かったということですが、受講していく中でどういうきっかけでアイデアが浮かんできたんでしょうか。
子供関係のサービスで世の中に役に立つようなものをDemoDayまでに作りたいという思いはあって、アイデアが浮かぶたびにメンターに投げてコメントをもらっていました。
はじめは保育園の情報サイトを作ろうと思ったんですけど、facebookに代わるほどのものができなくて、それで「学童はどうなんだろう」って気づいたのがきっかけですね。
学童はホームページもないし、役所にも最低限の情報しか載っていないので、サービスを作ったら利用してもらえるんじゃないかと思い、今回のサービス開発にいたりました。
――これから実装したい機能はありますか?
保護者の方が書き込めるような口コミ機能ですかね、あとは口コミをするインセンティブも構想中です。
――リリースはされているんですか?
はい、しています。今はFacebookに投稿していろんな人に知ってもらおうと思ってます。
――今後、今回作られたサービスをどういう風に発展させたい、どういう風に使ってもらいたいといった目標はありますか。
学童の情報を見るのが楽しいサイトになったらいいなと思っていますね。
学童の中身をサービス上で知ってもらって、学童を選ぶ指標になるようなサイトにもなれたらいいなと思っています。
質問して答えてくれる人がいる環境が大事
――今回、TechAcademyのオンラインブートキャンプを受講してみて、以前独学で勉強していた時と比べて良かった点などはありましたか。
やはり、メンター制度ですかね。
サービスのアイデアが思い浮かんだらメンターに質問していたのですけれど、すごくいいアイデアだと思っていても、人に言われると「結構ここダメじゃん」みたいな気づきがあったんですね。
あと、この機能も欲しい、あの機能も欲しいってなっていくと、期間中には開発できないものだと発見できたのが、メンターに投げて良かったところですね。
――挫折せず、プログラミング学習を進めていくための秘訣を教えていただけますか。
質問して、答えてくれる相手がいることが一番だと思います。
「このプロダクトが作りたい」という気持ちがあって、その中で質問できる環境はやはり大事ですかね。
――これからTechAcademyのオンラインブートキャンプを受講する学生や社会人に向けて、アドバイスをいただけますか。
まずは、分からなかったらどんどん質問した方がいいですね。プログラミングをやっているとつまずくことも多々あるので、自分はすぐ聞けるという環境を大いに活用しました。
あとは、とにかく汎用できるコードをたくさんプロダクトに書いておくと役に立つと思います。
それこそログイン機能とかは色んなものに使えて、例えば「いいね」とかでもいいですし。そういうのをどんどんプロダクトに書いておくと、次は真似すればいいだけなので、受講生はやっていた方が身になるんじゃないかなというのは思いました。
(インタビュアー:村田美寿穂)