オンラインブートキャンプのWordPressコースを受講された児玉 宗之さんにお話を伺いました。現在岐阜市で美大や芸大受験のための予備校を経営されている児玉さん。WordPressを学ぼうと思ったきっかけや、今後の美術教育の展望についてお聞きしました。

プロフィール:児玉宗之
岐阜県岐阜市在住。現在岐阜市で美大受験のための予備校を経営。WordPressコースを受講し、経営する予備校のコーポレートページのリニューアルや、新サービスの就職支援サイトを制作中。

地方でも美術を学べる場を

――簡単に自己紹介をお願いできますか?  

児玉宗之と申します。
現在岐阜市で、美大や芸大受験のための予備校を5年ほど経営しています。

――今の仕事に就いたきっかけは何でしたか?

僕自身愛知県にある美大出身というのもあるのですが、岐阜市の美術教育に問題を感じたため、予備校を立ち上げようと思いました。
現状として岐阜市の美術科高校の子は、やはり地方ということもあって、都会に行かないと受験のための勉強ができないんですよね。
そこで、岐阜にひとついい予備校があれば、今まで受験できなかった子が受験できるようになるのではと思いまして、立ち上げを決意したんです。

――立ち上げられる前はどのようなことをされていたんですか?

塾を28歳の時に立ち上げたんですが、25歳までは大学院にいました。
その後色々なアルバイトをしたり、学校の非常勤講師や、大学の教育学部の指導などでお金を貯めていました。

――教育という分野に興味を持ち始めたのはいつ頃でしたか?

講師として働き始めてからですかね。
大学院時代からぼんやりと岐阜市にも教育の場があればいいなと思ってはいたんですが、本格的にそのビジョンが決まったのは現場に入ってからかと思います。

――大学院時代、予備校を経営したいと思った理由を教えてください。

僕が昔学習塾で習っていた先生が大手で指導されたあと独立し、今は岐阜市で大きな予備校を経営しているんです。
その先生と色々と話していく中で、教え子が成長して外に出て、新しいサービスを作ったり、教育の現場で活躍したりするというお話を聞いて、自分の中で広がりが見えてきたんです。
塾自体に興味があったというのもあるのですが、塾を通してのちの世代の世界が広がっていくというワクワク感に魅せられたのが一番の理由ですかね。なので、そういった社会と繋がっていく形として、今自分にできるのは美術の予備校だろうと思い、決めました。

――美術の面白さは、どのようなところにありますか?

世界を本質的に見れるところでしょうか。表面的に美しいものとかって当然あると思うのですが、やはり本質的なところに目を向ける機会を得られるのが面白い点かと思います。
あとは、何かを生み出していく、生み出す側に立てる、そのプロセスを分かっている、というところが凄く面白いんですよね。
ほとんどの方ってやっぱりサービスを受ける側だと思うんですけれど、実は美術って供給する側としての考え方がしっかり詰まっているんです。そういった考え方自体をうまく生かしていけば、なんでも作れるのではないかなと思いますね。そこが面白いところだと思います。

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講師としてWebの知識をつけたい

――なぜWordPressを学ぼうと思われたんですか?

ひとつは、自身の経営する塾のWebサイトを作成したいと思うようになったところですかね。
勿論、外注という手もあるかと思うのですが、やはりどんどん新しいものを作っていきたいと考えると、自分で制作するのが一番だと思ったのが理由になります。やはり、コーポレートサイトやオウンドメディアを自分で作っていけるという魅力はかなり大きいですよね。

2つめは、今後大学生を対象とするサービスを運営したいと考えているのですが、現状グラフィックデザインのみではインターンなどが難しく、なかなか就職のプラスになる体験ができなかったりするんです。
そこでWebデザインなどに内容を広げていきたいと考えた時に、立ち上げの段階で講師がWebの知識を持っていることが求められると思ったんです。僕自身もそういったところを理解しておきたいと思い、今回の受講に至りました。

――TechAcademyを受講された理由を教えてください。

WordPressを勉強しようと思ったときに、最初は独学でやろうと思ったんです。本も何冊か読んでいたんですが、HTMLから入ったからか、理解できない、難しいと思うところが出てきてしまいました。
そんな中Webサイトを見ていたときにTechAcademyを知って、地方には納得できるようなスクールがなかったのと、金額的な面や時間的な面でも丁度良いと感じたので、受講してみようと思いました。

――受講前に、サイトなどを作られたことはありましたか?

塾の立ち上げの時に、HTMLを本などを読んで独学で勉強し、コーポレートサイトを制作していました。
ここ最近、その時に制作したサイトのデザインが古くなっていたので変えたいなと思うようになりまして、どうせ変えるならWordPressを使ったサイトでブログ記事を投稿したいと考えていたんですね。

――受講してみてよかった点はどのようなところでしたか?

やはりメンター制度がよかったですね。担当のメンターがつくということと、常駐のメンターがいるので、いつでもオンラインで質問ができるというのがありがたかったです。
勿論、テキストだけでも理解できるところはあるのですが、やっぱり人に聞いた方が早いんですよね。いつでも聞きたい時に聞けて、すぐ返答が返ってくるので、時間が無駄にならないんです。

例えばスクールでは、直接聞ける日は週に何回と決まっているかと思うのですが、TechAcademyでは期間中、ずっと聞くことができるので、本当の短期間で学べるというのが自分にとても合っていました。

――どういった方に特に相性がいいと感じましたか?

やはり、地方の方ですね。勿論、東京の方では忙しい方はスクールに通えないのでオンラインでできるメリットというのは絶対あると思うんですけれど、地方の方って、第一線で働いている方と触れ合う機会がほとんどないんですよね。なので地方でお仕事されている、もしくは学生で短期間で結果を出したいという方には絶対的にいいと感じました。

Webサイト立ち上げのシミュレーションができた

――受講中に作られたサイトについて、教えて下さい。

以前作った予備校のサイトをリニューアルしたものです。
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――サイトのデザインは、どのように考えていったんですか?

一番最初に作ったサイトがその当時一番一般的だった、画像をどんどん貼っていって、それにリンクを貼っていくものだったんです。今回WordPressで作成するということで、簡単に投稿したものがリンクとして見られるという部分をデザインの中に組み込もうと思って制作していました。
ユーザー側からのフローをどうデザインに落とし込んでいくか、というところを新しい観点として学ぶことができたので、それを生かしたデザインを意識しました。

――オリジナルのサイトを作っていく中で難しかった点などはありましたか?

オリジナルサイトを作る上で、自分でサーバーを用意して立ち上げるところから学ぶことができるので、そこが難しかった点でもあり、よかった点でもありました。
実際に自分で立ち上げた時にトラブルが起こったので、その時にどう対処したら良いのか学べたのが大きかったですね。
今後やっていくサービスを考えると、Webサイトをいずれ作ると思います。そのときに起き得ることのシミュレーションが同時にできたのが非常によかったです。

とにかく一歩踏み出すことが大切

――受講後に作られているサイトについて、教えて下さい。

学生支援のための「ブリッジ」というサービスのWebサイトになります。
大学生にインターンとしてプロのデザイナーや作家さんの元で働いてもらうことで、自身のポートフォリオを増やせるような就職支援サイトですね。

昨今美大生の将来を不安に思われている方が多いと思うんですが、実は美大生の就職先ってたくさんあるんです。サービスや販売されている「物」自体に美術が絡んでいないことなんてありえなくて、だからこそ職はすべての会社にあると言っても過言ではないと思っています。
なので、美術を学んできた人だからこその良さを企業の人にわかっていただけるようなサイトにするため、現在構想中ですね。

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――今後やってみたいと思っていることはありますか?

アプリ制作をやってみたいですね。
今後僕自身がやっていきたいこととしては、自身でプログラミングを勉強して制作していくこともあるのですが、最終的には発注したり、塾校生に制作を任せることだと考えています。
その時に、例えばここの工程にはどれぐらい時間がかかって、ものを作るには工数がどれぐらいかかるのか理解できていることが一番重要だと思うんです。

今回の受講を経てサイト制作に必要な時間や工数を知ることができたので、今後はアプリに関しても理解していきたいと考えていますね。

――独学で学ばれていた時と受講後で、何かご自身の中で変化はありましたか?

独学で学ぶということは、「自分の知っている範囲でやる」っていうことだと思うんですよね。
もちろんいっぱい勉強しますし、今色んなWebサイトが色々と紹介をしてくださっているので、凄く時間をかけてやれば多くの情報を得られると思うんですけど、どうしても自分の世界にこもりがちになってしまうのではないかなと思うんです。

今回受講してみて、自分が知らない世界を教えてもらったことで、当然新しい見方がたくさん出てきたんです。
Webサイトは出来上がりの見栄えさえよければいいって思っている方もいるかと思うんですが、実は「人に伝える」という本質的なところが一番キモだというところを再認識させてもらえたので、そこが一番自分の中で感じた変化ですね。

――これからTechAcademyの受講を考えている方々に向けてメッセージをお願いします。 

僕自身、プログラミングを独学で学ぶという手もあると考えています。でも、独学でやっていたら、やっぱりどこかで心が折れてしまうタイミングが多いんですよね。
そんな時の選択肢として、オンラインサービスをうまく活用すると、実は自分が思っているよりも立ち上げまでに起きる障壁って凄く少なくて済むのかなと感じました。

なので、やってみたいけど、大変そうだからやっぱりやめようって思ってしまっている人は、何か一歩踏み出してみたらいいと思います。
自分のやりたかったことを形にする壁は、今は凄く低くなっているんだよっていうことを、もっと色んな人、特に地方に住んでいる方に伝えたいです。

(インタビュアー:村田美寿穂)