TechAcademyのWebアプリケーション・フロントエンド・Webデザインセットを受講された鈴木さん。育児休暇の間にプログラミングやWebデザインを学びポートフォリオサイトをリリースしています。

プロフィール:鈴木慎太郎
1987年生まれ。東京都在住。育児休暇中に受講し、ポートフォリオサイトを作成。副業でもWeb制作を行う。

プロダクトマネジメント業に携わりながら副業でWebや動画制作などを行う

――最初に自己紹介をお願いします。

鈴木慎太郎と申します。現在31歳で2人の息子がおります。新卒で入社した会社で主にプロダクトマネジメント業を担当していて、その企業での仕事の合間に副業もやっています。もともと色々趣味があって、絵を描いたりWebを作ったり動画を作ったりとしていたところ、友達や親族からちょっとした依頼をいただくようになりまして、現在は開業して個人事業主として行なっています。

――プロダクトマネージャーのお仕事は新卒のときからされているのですか。

1年目はデザイナーとして配属されてPhotoshopやHTML・CSSを使う現場仕事をやっていたのですが、2年目からは主にプロダクトマネジメントをやっています。

――その配属の背景について教えてください。

私自身が希望したというよりは、会社の意向だったと思います。学生時代にWebなどの経験が少しだけあったのでデザインの部署に配属されたのですが、もともとはシステムエンジニアを志望していたんですよ。その頃から自社システムの一番重要な部分をデザインの部署が持っている形で、その部署ごと盛り上がっているプロジェクトに配属されました。

プログラミングやコーディングのスキルもつけたかったですが、それは個人の希望なので本業以外のところでやればいいと思い、自分で案件を受けて副業を始めたというのもあります。逆にマネジメント業というのはあまり個人では受けられないので、そういう意味では良かったと思ってますね。

――学生時代に授業などでプログラミングの勉強などはされていたんですか。

一応プログラミング言語は使っていたんですが、物理の実験の環境をコンピュータ上に仮想で作るといったもので言語も全く違うものでした。小学校の頃からWebやメールが好きで、友達に何か送ったり、学生時代に音楽をやっていたんですが、サーバーに音源をUPしたり譜面を共有してましたね。他にも趣味レベルでWebサイトを作成したり、ライブの動画をUPしたりとかをやっていました。

受講でサーバー側の理解を深める

――今回TechAcademyを受講するに至った経緯を教えてください。

背景としては会社で受けさせてくれた形になります。ちょうど育休の直前だったので、休暇に入ってから自宅で子どもの世話をしながら受講できるなと思い会社の方に申請して承認していただいたという形になります。入社してから周りの同期がエンジニア研修に行っている中、私一人プロジェクトにすぐ入った経緯もあって、そういったスキルを伸ばす目的で受講しました。

――選ぶ基準としてはプログラミングとデザイン、どちらを重視されていましたか。

どちらかといえばプログラミングですね。Webアプリを自分でまるまるひとつ作り上げることができないという課題を持っていて、デザインに関しては一人でなんとかできると感じていたので、プログラミングを重視することを考えていました。

――過去の経験が受講する上で活きたことや逆に新鮮だったことはありますか。

今まで経験があったのはHTMLやCSSが中心だったので、考え方の違いみたいなところは特にRuby on Railsをやっていて感じました。ただ、今までの経験としてWebアプリケーションのディレクションをずっとやってきたので、データが通信される仕組みなどは、ソースコードレベルでは理解していなくてもイメージとしてある程度理解していたので、その辺りは答え合わせをしているような感じでしたね。

――会社でのお仕事の方にも活かせる部分はありましたか。

ありましたね。特に作っているシステムのバックエンドにRuby on Railsを使っているので、今までその部分は外注して管理する立場だったのですが、やっていることがよりイメージしやすくなりました。

――受講中のスケジュール管理はどのようにされていましたか。

やっぱり子どもを世話しながらになるので、規則性はなかったですね。メンターの方にも子育て中の方がいらっしゃって、二人とも後ろから子どもの声が聞こえたりしていました。

5B437D0F-3A0D-4FB0-B299-00912F0E15BA.jpg

「Webだからこそできること」にこだわったポートフォリオサイト

――今回コンテストに応募された作品について、アイデアはいつ頃出されていましたか。

受講中にメンターの方に相談しながら、コンテストに応募するならこういう感じの方向でいくといいのではないかといったアドバイスをいただいて決めた形になります。ポートフォリオサイトはもともと持っていたのですが、ここで一個形になるものを作ろうということでコンテストに向けて作成を行いました。日数でいうと一ヶ月ぐらいだったのですが、一日の時間はかなり少なかったです。

スクリーンショット_2019-03-01_18.37.41.png

――今回のオリジナルサイトでこだわった点や工夫した点を教えてください。

Webデザイン部門の応募ですが、実装の部分にこだわったところですね。会社で仕事しているとデザイナーがPhotoshopで一枚の画像を作って、それを受け取ったコーダーが意図を解釈しながら形にしていくというやり方が多いと思います。一般に仕事をスケールさせていくにはこの分業体制というのはやむを得ない部分だと思うんですが、見ていて面白いとか楽しいサイトにするには見た目の部分と裏の実装は切り離して考えられないものだと思っていました。なのでCSSのプロパティで面白いものを入れてみたり、ページを開いてから表示されるまでの速度が早いといった部分を考えながらデザインするということをこだわりました。

――フォルムが徐々に鈴木さんの実物に近づいてくるアニメーションなどは、何か参考にされたものがあったんですか。

なんとなくそのサイトのコンセプトを考える際に、スクロールをしていったら少しずつ分かってくるみたいな構成を考えていたんです。試しにコーディングで色々実装している中で面白いプロトタイプができたので、それを形にしたという感じですね。デザイン的に面白く見ていて楽しいもの、あと静止画では表現できない、Webサイトだからこそ表現できるものという部分にこだわってみました。

――実際に業務でサイトを作成する場合はデザイナーとコーダーの分業となるかと思われますが、今回はどのように進行されていましたか。

同時並行ですね。まずはコードから作り始めました。最初にスクロールについてくる変わった動きと裏の背景が変わるという部分のプロトタイプを実装して、そこに当てはまる写真を撮ったりイラストを描いたりという順番でやりました。会社ではデザイン先行というか見た目ができてから初めてコーディングがスタートできるので、そこに対してのもやもやが少しあったんですね。デザイナーが裏の実装まで考えて組むというのはなかなか難しい部分もあるのにと思っていました。

――今後の学習予定などはありますか。

受講中にいろいろとアイデアが浮かんだので、それらを形にしていきたいと思います。ただ、会社の仕事の方も育休中にリモート勤務という形でやっているのですが、育児・会社の仕事・副業の3つで、今は育休に入る前よりも忙しいかもしれません。無理のない範囲でやっていこうと思います。

知人の手伝いからスタートした副業

IMG_3426_(1).jpg

――副業として一番最初の案件はどのような形で受けられましたか。

自分の勉強と思い無償でいろいろとお手伝いをしていたのが始まりです。そのうちに謝礼をいただくようになり、仕事としてちゃんと受けた方が良くなってきたので、開業するに至りました。フリーランスで働こうとか副業を持とうという強い意思があったわけではなく、成り行きで開業しました。

――今は以前と比べて仕事の量が多くなっているという形でしょうか。

依頼をいただく機会は増えましたが、受ける量はあまり増やしていません。本業に活かせる内容であるとか、単価を見てお受けしています。

――ひとつのプロジェクトに時間はどれぐらいかかっていますか。

現在会社の方の仕事がリモート勤務で月40時間ぐらい、それに加えて月に30時間ぐらい個人でプロジェクトを受けてという感じですね。五月からは会社の方に戻るので副業の時間は減るとは思うのですが、これからも続けていく予定です。

Webで困っている人は思っているよりも多い

――過去に断った案件などもあったんですか。

ありますね。やっぱりプログラミング系が今まで苦手だったということもあり、やり遂げる自信がなかったのでシステム開発は断ることが多かったです。今後も仕事は引き続きWeb制作やデザインを中心に受けて、プログラミングは個人の制作としてやっていきたいなと思っています。

――副業の仕事を進める上で苦労することなどはありますか。

契約書や納税などを自分でやらないといけないところぐらいですね。個人で受ける案件は、責任も評価も全て自分自身のもので、それが性に合っているので気持ちが楽です。

――最後に、これから受講される方や副業を始めたいと思っている方に向けてアドバイスをお願いします。

メンターの方がついてくれるとはいえ基本的に自分でどこまでも頑張らなければいけないコースだったので、とてもやりがいを感じながら進めることができました。時間をかければかけるほど踏み込んだ内容をメンターの方に質問することができるので、ぜひ有効活用してほしいですね。

副業のアドバイスとしては、簡単なことから少しずつ始めることと、それを積極的に発信していくことが良いと思います。Webのことを自分でできるという人は、実はとても少ないです。自分のFacebookの友達を見ても、その中でWebができる人はたぶん1%くらいしかいなくて、残りの99%の人は何かしらWebで困っているんじゃないかと思います。実際、私も周りに「副業でWeb制作をやっています。」と発信していると「ちょっとこれ相談したいんだけど!」といった声がかかるんですよね。やってみてからわかることも多いので、まずは小さく始めると良いんじゃないかと思います。