未経験かつ子育て中でも、テックアカデミーの受講を経てスキルが身につき、新たな仕事・キャリアチェンジに繋がっているというお話について伺いました。(※)
(※)記事に記載している内容は2022年5月時点の情報です。

1分でわかる記事要約

・ライフステージ(独身、結婚、出産、育児)や環境に合わせて編集者、農家、ライターなど、自分がやりたいと思った仕事に取り組む。
・子どもが小学生に上がり時間が作れるようになったタイミングで、クラウドソーシングサービスの仕事の中でも時間単価が高いWeb制作に携わりたいという思いから未経験で「高知県長期実践型WEBデザイナーコース(※)」を受講。
・今後はWeb制作のスキルと、編集者・ライターの経験を生かした職場で働くことを視野に転職活動中。

(※)テックアカデミーが高知県と県内のIT・コンテンツ人材の育成を目的に開講した、WebデザインやWebマーケティングなどのWebに関する技術を複合的に習得できるコース。

話してくれた人

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岩神 美紀さん(いわがみ みき・41歳)さん
小学生の男の子3児(次男三男が双子)の母。大学卒業後、都内の呉服店の販促・広告代理店に就職し呉服雑誌の編集に携わる。その後転職し、出版社で記事の編集を担当。29歳で結婚をきっかけに地元の高知県へ戻る。ライターの仕事を始めるも、子育ての兼ね合いで家業である農業に従事。 40歳でWeb制作に携わりたいという思いから、高知県長期実践型WEBデザイナーコースを受講。趣味はDIY、ダンス、着物。

編集者→ライター→農家に転身。Web制作に興味を持った理由とは?

――これまでのご経歴について聞かせてください。

大学卒業後、都内の呉服店の販促・広告代理店に就職し呉服雑誌の編集を担当していました。転職し、資格情報誌の編集にも携わりました。
その後、29歳で結婚を機に地元の高知県に戻ることになり、しばらくはライターの仕事をしていたのですが、夫の実家が農家であったことや子育てをしやすいという理由から農家として働くことになりました。

――全く異なる業種ですね。農業の仕事を始めていかがでしたか?

農業はこれまでの仕事と全く違って新鮮でした。デスクワークと異なり、一日中ずっと外で仕事をするので夏や冬などの季節は体力的にハードでしたね。ビニールハウスの中で生姜を育てていたので汗だくになりながら働いていました(笑)
あともう一つ大きな違いは、自分の都合で休むことができないということ。農作物は良い状態の時に出荷しないと腐ってしまうので放っておくことはできません。そのため、基本的に毎日稼働していました。複数の農作物を作っていたので、閑散期がなく年間を通じて忙しかったですね。
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生姜の農家として働いていた岩神さん

――高知県長期実践型WEBデザイナーコースを受講するまで、農業のお仕事を続けられていたのでしょうか?

農業の仕事を行いつつ、私が35歳、長男が5歳になった時にクラウドソーシングサービスを活用し、副業としてライティング業も行っていました。

――ライティングの仕事を復活されたのですね。なぜ副業を始めようと思ったのでしょうか?

自分で0から考えて手を動かしたり、文章を作ったりするライターの仕事をまたやりたいな、と思ったことが大きな理由でした。文字数に応じて報酬が決まることが多く、かかる時間に対してあまり報酬自体は高くなかったのですが、私にとっては 収入面よりも仕事のやりがいの方が重要 でした。ただ、いきなり農業の仕事をやめるわけにはいかないので、副業として始めてみようと。副業を始めた当時はクラウドソーシングサービスでエントリーして仕事を受注するまでの倍率が低く、かなり仕事を得ることができました。農業の仕事が夕方5時くらいに終わるので、夕食や家事などを終えた後、夜の8時ごろに子どもを寝かしつけてライティングの仕事をしていました。
ライターの副業は5年くらい続けていたのですが、 クラウドソーシングサービスのライターの利用者が増え、仕事の倍率が上がっていたことや、報酬に物足りなさを感じるようになりました 。ちょうどその時クラウドソーシングサービスの仕事の中でも Web制作の時間単価が高い ことを知りました。
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人気の副業上位10種類の時間単価(2022年3月発表 マクロミルによる委託調査より。対象:現在、副業をしている20~49歳の男女1,323名、調査時期 :2022年2月18日〜2022年2月21日)

ーーそこでWeb制作の仕事に興味を持たれたのですね。

はい。興味を持った最初のきっかけは報酬でした。
また高知県の第三都市に住んでいることもあり、 農業を辞めて子育てを優先しながら新たに仕事に就こうと思うと選択肢がかなり限られてしまいます。 そこでオンラインでも仕事ができるWeb制作の仕事に腰を据えて挑戦したいと思うようになりました。
ただ実は、当時Web制作の仕事のことについて、恥ずかしながらしっかりと理解しておらず・・・。もちろんWeb制作の経験は全くなく、プログラミングの知識は不要でノーコードだけでできると思っていましたし、テンプレートを使って簡単にできるのかな?というイメージでした。

ーーだからこそ新しいことに物怖じせず挑戦できたのかもしれないですね。

そうですね(笑)
実は高知県長期実践型WEBデザイナーコースを受講する数か月前に、農業を辞めてスキル習得に時間を割こうと思い、子育て中のママさん向けのオンライン講座にも参加していました。そこで初めてWebデザインについて学習を始めることになります。
受講を始める前までは「1ヶ月でWebデザイナーとして副業ができるようになれるんだ!」と思っていたのですが、世の中にあるデザインと自分のデザインを比較した時に自分の技術力に自信が持てなくなってしまい、受講期間の後半になればなるほど「このクオリティの技術力で世の中に出られるのだろうか」と不安になりました。
受講が終わって、スクールの受講後のサポートとしてWebデザインに関連する役立つ情報を配信してもらっていたのですが、その情報の中から「職業訓練などを通じて長期的に学ぶ」という選択肢があることを知りました。そこからは定期的に自治体やハローワークなどが開催しているWebデザイン関連の講座をチェックするようになり、テックアカデミーが高知県と県内のIT・コンテンツ人材の育成を目的に開講していた高知県長期実践型WEBデザイナーコースを知りました。
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40歳から子ども達の通学中にWebデザインやWebマーケティングを学習

ーーそこで高知県長期実践型WEBデザイナーコースにご応募くださったのですね。前に受講された1ヶ月のオンライン講座と比較すると、10ヶ月という長期のコースになりますが、いかがでしたでしょうか。

特に不安はなかったです。むしろ長期間学ぶことができる環境なのでありがたいという気持ちが大きかったです。WebデザインやWebマーケティングなどのWebに関する技術を複合的に学び、WebデザイナーやWebマーケターになることができるコースなので、これならしっかりスキルが身につくだろうという確信がありました。ちょうど次男と三男が小学校に通うようになったので、学習自体は子ども達が学校に行っている日中に自宅で行っていたのですが、1日数時間、長い時は7時間くらいパソコンに向かって勉強していました。正直、カリキュラムは難しいと感じることも多く、特にフロントエンドの学習に苦戦しました。チャットを活用してメンターに何度も質問しましたね。
現役のエンジニアやデザイナー、マーケターなどこれまで普段直接関わることのなかった職種のメンターと直接話す機会はなかなかないので新鮮でした。 エンジニアやデザイナーなどの職種の人が自分の周囲にいないと、「自分もこうなりたい」といったイメージが沸きにくいですし、仕事内容や必要なスキル、そして学習したことが実務でどのように活かされるのか分からない と思います。そのような点でも、現役のプロの方の存在は大きかったです。

ーーメンターとのやりとりで印象に残っていることはありますか?

Webマーケティングコースのメンターがよくお話されていた 「ユーザーにとってメリットがあるかを常に意識する必要がある」 という言葉が今でも印象に残っていて、忘れないようにしています。これは広告の配信手段だけでなく、HP制作にも繋がると思っていて、自分が良かれと思ったデザインや機能も、ユーザー層にとっては見えづらい、使いにくいものになってしまうケースがあると思います。なので、 誰が見たり利用したりするのかを意識して全体の構成やデザインなどを考える癖がつきました

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岩神さんのポートフォリオより抜粋

ーー学習のモチベーションなどはどのように保たれましたか?

受講を開始した当初から、「全てのコースの最終課題を絶対に出す」という目標があったので、学習に対するモチベーションは下がりませんでした。 目標を立てていたからこそ、早い段階でカリキュラムを進め、複数のメンタリングを活用してじっくり最終課題を進めるようにしていました

ーーメンタリングの配分のことまで受講前から意識されていたのですね!すばらしいです。

あとは Twitterのアカウントも学習開始と同時に開設し、#テックアカデミー で同時期に受講した人のツイートを見るようにしていました 。#今日の積み上げ で毎日できたことについて日記のように呟いていると、それが習慣になって途中で学習を辞められなくなりました(笑)
Twitterで受講の記録を始めてから、過去にテックアカデミーを受講した後フリーランスになった卒業生の方からDMをいただいた時はとても嬉しかったです!自分の学習に対して励ましのメッセージをくださり、「自分も諦めずに頑張ろう!」という前向きな気持ちになりました。Twitter上でも Webデザインなどを学んだ人たちがどのような働き方や生き方をしているのかを知ることができ、より具体的なイメージを持つことができました
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岩神さんのTwitter(※ご本人の許可をいただき掲載しております)

友人からコーディングの仕事を頼まれるように

ーー学習を終えていかがでしたか?

元々就職ではなく、「10ヶ月しっかり勉強してカリキュラムを全てやり切る」ということを自分の中でゴールとして設定していたので「やり切った!」という達成感でいっぱいです。受講前から「絶対にスキルを身につけるんだ!」という強い意志があったからこそ続いたのだと思います。
転職については受講を終えてから考え始めたのですが、受講期間が終わる数ヶ月前に、Webデザインの勉強をしていることを周囲に伝えたところ、友人からなんと直々に依頼があり、初のコーディング案件の仕事を受けることができました!
コーディングの話をされた時に、今の自分ならできそうだという自信があり仕事を受けることにしました。また 今の自分のスキルならこの範囲の作業までできるなというイメージや、どのように仕事を進めれば良いかというイメージまでできるようになっていた ので我ながら成長を感じました。

ーー今後についてはどのようにお考えですか?

受講が終わったばかりなので現在は転職活動を始めたところです。今回の受講で身につけたWeb制作のスキルと、編集やライターの経験を活かした職場で正社員として働きたいと思っています。具体的にはSNS運用やマーケティングができる仕事などを検討しています。
転職後は、副業としてWeb制作の仕事もできればと思っています。既に事業を行っている友人に声がけをしているのですが、意外にもクラウドソーシングサービスを活用せずWebサイトの運営や集客に悩んでいる友人が多いことを知りました。そのためまずは身近な人の手助けから始めたいと思っています。

子ども達は自分の頑張る姿を見ている

ーー現在に至るまで、ライフステージに合わせて色々なお仕事をされていらっしゃいますが、ご自身のキャリアに対してどのようにお考えでしょうか?

人によってはキャリアアップに失敗したと捉えられることもあるのですが、 私が「やりたい」と思って選択した仕事なので、自身のキャリアに後悔は全くない です。
また 仕事をする上で子ども達の存在はかなり大きかった です。長男がサッカーをやっているのですが、ある日「強いチームへ移籍をしたい!」という想いを聞いた時に、「私はどうなんだろう」とハッとした時がありました。そこからは、私も好きなことややりたいことを全力でしようと思うようになりました。 子どもが生まれると自分のことを後回しにしてしまう人が多い と思うのですが、 お母さんが好きなことや、やりたいことに対して一生懸命取り組んでいる姿は、子ども達にとって良い影響を与える と思っています。子ども達はしっかり私のことを見てくれていて、ノートを取りながらテックアカデミーの勉強をしている姿を見て、誕生日にノートをプレゼントしてくれました。逆に勉強をだらけていると、「サボってたらだめだよ」と喝を入れられることもありました(笑)。

ーー素敵なお考えですね!一方で育児などでご自身の勉強の時間を取りづらい時も多かったと思います。そのような時はどのようにされていたのでしょうか?

次男と三男はまだ小さいので、子どもを見るか、勉強をするかという葛藤はありました。
そのような時は子どもを見るようにしていました。自分の勉強はいつでもできますが、子どもたちの成長はその時しかないので、そこは子ども優先にしても良いかなと思っています。
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双子の次男、三男

ーー最後に、出産・育児などでキャリアに悩まれている方や、スキル習得など新しいことに挑戦することに自信が持てないという方にメッセージをお願いします!

まだ転職活動中の身なので偉そうなことは言えないですが、 ご自身の意志や想いを大事にしていただきたい です。私も編集の仕事をしていた時にWebデザインの仕事に興味があったのですが、その時は特に何もせず時間だけが過ぎてしまいました。「早くやっておけば良かった」と思うことはありますが、 年齢を重ねても、本人がやりたいと思えばいつでもできる と思います。なので、やりたいと思ったらぜひすぐに行動することをおすすめします。

ーーありがとうございました。