オンラインブートキャンプのWebディレクションコースを受講された久保田 泰寿さんにお話を伺いました。グラフィックデザイン事務所の代表を務めている久保田さんに、今回Webディレクションコースを受講した理由や、今後のお仕事の展望についてお聞きしました。

プロフィール:久保田 泰寿
1965年生まれ。静岡県在住。有限会社ネイティブグラフィック 代表取締役、Original DENIM Brand Fujiyama Wash 代表。日々様々な案件をこなしているが、もう一度自分のWebディレクションスタイルを見直したいと考え、Webディレクションコースを受講した。TechAcademy Contest 2016 Fallではマネジメント部門において最優秀賞を受賞。

自分のWebディレクションスタイルを見直したい

――簡単に自己紹介をお願いします。

久保田 泰寿と申します。
静岡県静岡市にあるグラフィックデザイン事務所「有限会社ネイティブグラフィック」の代表を務めています。
元々は紙媒体のデザインがメインでしたが、3年ほど前からWebサイト制作の仕事が増えてきて、今ではもう紙媒体とWebの割合が半々ぐらいになってきていますね。

――独立される前はどのようなお仕事をしていましたか?

最初は広告代理店に勤務していました。
広告代理店で勤めていた頃は、新聞広告やチラシ、雑誌などの紙媒体のデザインをしていましたね。
その後、色々なデザインの仕事ができるデザイン事務所からお声がかかり、そこに転職したんです。
そして、その事務所で4年ほど仕事した後、独立して今の会社を立ち上げました。

――どうしてWebディレクションについて勉強しようと思ったんですか?

もともとWebに興味があったので、自分で色々勉強しながら、Webデザインの受注も対応していました。
ただ最近では、そもそもWebサイトの構築から依頼されることも増えてきたので、もう一度自分のWebディレクションスタイルを見直したいと思ったんです。

――TechAcademyの受講を決めた理由を教えてください。

一番は、地方に住んでいても学習が可能であるということですね。
地方だと講習会なら少しはあったりするんですけど、スクールスタイルとなると東京まで通わないといけないんですよ。
さすがに業務があるため、その間に1週間休んで取り組むという余裕がありません。
でもTechAcademyは、通常業務が終了してからでも受講でき、Webでしっかりサポートしてくれると聞いたので、受講を決めました。

メンターから実務的な内容の話を伺えた

――実際に受講してみた感想を教えていただけますか?

最初の方の内容は、今まで自分達がやってきたことのおさらいだったので、そんなにハードではなかったです。
ただ、さすがに後半になると、自分の知りたかった世界がどんどん増えてきたので、そのことに関して自分で調べたりして、時間を要しました。
ちょっと1ヶ月はきつかったかなとも思いましたが、達成感はありましたね。
知りたかったことが受講内容に入っていたので、とても勉強になってよかったです。

――メンターに支えられた部分もありましたか?

そうですね。
自分が作っている課題の中の企画書を見てもらって、「ここをこのように直して出したらいいんじゃないですか」みたいな話をしてもらったりしました。
また、普通の課題はもちろん、課題と関係ない質問でも、しっかりフォローして頂けたので、非常にモチベーションになりました。
カリキュラム以外の部分では、SEO関係の質問をさせていただきました。
ネットで調べてもあまり出てこないような情報など、実務的なお話が伺えてよかったです。

今の仕事に活かせることが学べた

――カリキュラムの中で、一番役に立ったのはどの部分ですか?

既存のサイトからリニューアルをかける課題の中での、問題点の洗い出しの方法です。
企画書内にも混ぜていくし、シートにもしっかりと出していくというところですね。
今までクライアントには口頭でさらっと伝えていて、書面でしっかりと残すというのをやっていなかったので。
全部書いていって洗い出すということは、お客さんにはかなり説得力があるなと勉強になりました。
あとは、しっかりとスケジュール工程を出してお客さんに見てもらうなど、今の仕事に活かせることが学べたと思います。

――受講中に大変だった、難しかったところはどこでしたか?

1ヶ月でやりきるためのスケジュール管理が難しかったです。
最初は前もってやっていたんですが、もっと良い評価をもらいたいと思って練り直したりしているとずれていっちゃって、最後は一気にやることになりました。
仕事とのバランスの点では、もともと夜遅くまで作業できるタイプなので、平日の夜に仕事が終わってから3時間ぐらいやっていました。
休日は、今日進めておかないと間に合わないと思ったときぐらいでしたね。
それぐらいのペースで課題提出などは間に合っていました。

Webのみで様々なターゲットにアプローチする難しさを実感した

――カリキュラムの一番最後の課題が大変だったと思いますが、期間はどれぐらいかかりましたか?

休日も含め、約1週間でやりました。
メンターさんとも話しましたが、実際の業務でも短納期のお仕事というのはどうしても発生するので、そういう場合でも手を抜かずにしっかりとやるということの勉強になりました。
時間がないからと言い訳をするのも好きではないので、時間がない中でもできる形でやりきろうとなって、逆にいい課題でしたね。

――最終課題で作ったサイトのアイデアなどはどのように出されていましたか?

子どもに安心・安全な商品という課題だったのですが、もともと子ども関係のデザインは前にしたことがあって慣れていたので、デザイン的には難しくなかったです。
ただ目標とするターゲット層にどうやって落としていくのか、Webでしかできないことをどうやって考えていくかというところが難しかったですね。
あと、Webを使わないユーザーにどのようにリーチしていくのかなども考えながらやっていきました。

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久保田さんが作成された提案書から。ページデザイン案について説明されている。

――最終課題の中で一番大変だった部分はどこでしたか?

企画書を全部まとめるのが大変でした。
今まで私たちが作っていた企画書は、自分で持っていってお客様に説明をしながら出すという補助的なものだったのですが、課題の中で作ったのは、クライアント側に置いていっても分かるような企画書でということでした。
なので、企画書のページ数がとても多くなり、時間がかかりました。

――最終課題を作っていて面白かった点や工夫した点はどこですか?

ターゲットを3つに分けて、それに対してどのような切り口でアプローチしていくかというところが面白かったです。
ひとつではなく色々なターゲットで考えてWebサイトを構成するというのは、今までもやってはいたのですが、もう一回おさらいとして勉強になりました。

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グラフィックもWebも両方できるデザイン事務所へ

――受講された後、実際の業務で変わったことはありますか?

スケジュール管理や、リニューアルの案件での問題点の洗い直しという部分ですね。
自分だけではなくスタッフの工程を計算しながら無理のない計画にしておけば、クライアントにも説明できますしね。
今までは、そういう見せ方ではなく、納期からスケジューリングをしていただけだったのですが、現在はクライアントにも分かりやすい工程表になって、Webサイトの見直しもしやすくなっています。

――今後、他に勉強してみたい分野などはありますか?

SEO対策ですね。
一応タグなどをしっかり作っているので、他社と評価的にはそんなに差があることはないですけれども、きちんと作っていますよという裏付けができればと思っています。
そのためには、自分で知識をしっかり持っておく必要があるので、そこを受講してみたいなと思いました。
ホームページを作るだけではなく、「どうやって人を集めていくか」という次の段階ですね。

――今後の業務での展望などがございましたら教えてください。

グラフィックを中心にしながら、Webもできるデザイン事務所にしたいと思っています。
グラフィックデザイナーの方で、Webに対しての表現というところを徹底的にやりこんでいる方は、現在あまりいませんね。
なので、弊社は「Webもしっかりとできるグラフィックデザイン事務所ですよ」というところをアピールしていった方が、差別化になるかなと思います。
社員にも、紙媒体だけでなくWebもしっかり論理立ててデザインできるようになろう、と話しています。

――これからTechAcademyの受講を考えている方々に向けてメッセージをお願いします。

地方在住でも東京などで活躍されている講師の方に指導していただきながら受講ができることが、一番の魅力だと思います。
空いた時間や決めた時間内で学習できるので、地方だからというデメリットを感じないで色んなことが学べるはずです。

(インタビュアー:大橋 愛未)