TechAcademyのフロントエンドコースを受講後、東京のIT企業に転職された本山公子さんに、転職に至るまでの背景、受講がどう役立ったかなどについてお話を伺いました。これから転職活動を控える方に向けたアドバイスも語ってもらっています。
プロフィール:本山公子
1981年生まれ。兵庫県尼崎市在住。現在、英会話学校の講師をしながら転職が決まった先の企業でエンジニアとしてリモートワークをしている。TechAcademyのフロントエンドコースの受講がきっかけで、エンジニアとして働かないかというオファーをもらい、晴れてエンジニアとして働くことに。これからはエンジニア一本で仕事をする予定。
TechAcademyのブログがきっかけで転職が決まった
――まず最初に、自己紹介をお願いします。
本山公子です。兵庫県尼崎市に在住で、今は英会話講師の仕事とリモートでプログラミングの仕事も少しさせていただいています。
エンジニアとしての仕事を本格的に始めたのは2017年の4月か5月からになります。1ヶ月ぐらいの間スキルをちょっと見たいということで試用期間があって、業務に入れるレベルであると判断されれば翌月からスタートするという形でした。
――TechAcademyを卒業されてからその試用期間までの間にも、転職活動はされていたんですか?
実はあまりしていなくて、ちょっとRuby on Railsを学びたいなと思っていたので、勉強と英会話スクールの仕事のみしていたんです。そしたらある時に、以前のインタビュー記事を見た方から「エンジニアを探しています」というメールをいただいたんです。
――具体的にはどういう話だったんですか?
メールを開いたら「TechAcademyのブログを見ました」という内容で、たまたま同じTechAcademyで受講されている方だったんです。
「エンジニアを探しています」と言われて、「もし興味があればぜひ面接を」という内容でした。その後、Skypeで面接をしてもらって、「じゃあちょっとやってみますか」という話になり、試用期間を1か月設けてもらったという形です。
ただ、「ベンチャーなので誰でもいいというわけではない」ということは言われたんですね。スキルは経験がないから仕方ないけれども、ちゃんと自分でできるのかやる気を見せてもらいたいということで、試用期間が始まりました。1ヶ月間課題をやってみて、それで実際に働けるかを決めるという流れでした。
――ちなみに課題はどういうものだったんですか?
TechAcademyの最終課題をご覧になった方だったので、HTMLやJavaScriptだけのものになると思っていたら、Node.jsなど全然聞いたことのない言語を扱う課題だったんです。
公式サイトのリンクを渡されて、「これを参考にデータベースを扱うWebアプリを作ってください」と言われました。例えばフォームから名前を登録して、編集、削除などの操作ができるWebアプリを作ってくださいという課題だったんです。
知らない言語なので最初は無理だと思ったんですけど、ネットって凄く情報が多いじゃないですか。「情報を調べる」というスキルは、受講していた前よりはついていたので、必死にこれかなあれかなって試行錯誤して完成させましたね。
――凄いですね。それは実際に今の業務で使われている言語なんですか。
はい、ExpressとSequelize、あとはJavaScriptのフレームワークであるNode.jsですね。
――ではオファーを貰って、そのままその話がうまくいって今に至るということですね。ちなみにTechAcademyを受講していた時はすでに、プログラミングを書く仕事に就こうという意識があったんですか?
その意識はもの凄く強かったです。英会話学校をいずれ離れてエンジニアになりたいという気持ちはずっとありました。アメリカの大学でコンピューターサイエンスを学んでいたのですが、歴史など実務にはあまり関係ないことを勉強しただけで終わってしまったんです。
それでも周りの友達は就職できていたので、焦りはあったのですが、いずれは私もできるんじゃないかなというまま時間がずっと過ぎながら今に至るという感じでした。
何回も勉強しては挫折していたんですが、TechAcademyのサイトを見て、ここだったらいけるかなと思ったんです。私は小学校3年生ぐらいまでしか日本にいなかったので、日本語も読めないものが多くついていけるか不安はあったんですけど、やってみたらとても分かりやすかったですね。
転職活動中に気付いた大事なこと
――転職活動自体は、全くしていなかったんですか?
全くではないですが、就職活動自体は本格的にはしていなかったですね。アルバイトみたいなところには応募していたのですが、あまり引っかからなかったんです。経験がないからという理由もあったんじゃないかなとは思いますね。
あまり転職活動をしていなかった理由は、履歴書を出すところで経験などを見られるから、むやみに応募せずにもうちょっとスキルを上げてからにしようと思っていたんです。Ruby on Railsの勉強も勉強しながら色々な会社を見たりして、Githubに作品をあげて、ポートフォリオを作ろうと思ってから始めようと考えていましたね。
――「何か作った作品はありますか?」というような質問もあったんですか?
実はそれが一番多かったですね。「これを勉強しました」ではなくて、「何を作れるか」というのが凄く重視されているなと思いました。「何か作ったもので見せれるものはないですか」って必ず聞かれるんですよね。
最終的に仕上がったなと思う作品が、TechAcademyで作った最後の課題だったんです。他のものは、機能レベルの細々した感じだったんですよね。「作品」というものを作っていなかったので、今考えれば作れば良かったと思いますね。
―これから転職を考えている人であれば、自分の成果物を用意することの方が優先度として高いということですか?
それは絶対にありますね。何もないのに応募したら、その会社に2回目応募することに躊躇すると思うんですよね。だから、自分をアピールするものだけは持っておかないと、いろんなところに応募しても何も印象が残らずに不採用にされてしまうと思います。
女版ビルゲイツを目指したい
――今携わっている業務内容などを教えてください。
今は、Webアプリを作っているんですが、そのアプリのコーディングやプログラミングをしています。
内容的には管理画面だけ触っているという感じで、ExpressとかSequelizeなどのデータベースを扱っていく内容が多いですね。
――実際にプログラミングをする仕事に就いてみて、感じることはありますか?
知らないことが95%ぐらいなんですよ。課題の時と違って、現場になると「こういう機能が欲しい」であったり「こことここを修正してください」というように新しいことが毎回出てくるので、毎回新しいことをインプットしながらアウトプットしていくという感じですね。
試用期間の時はまだ、分かっているのもあったという感じでしたが、業務になるとほぼ分からない内容でした。エラーもたくさんありますし、そのエラー内容を読んでも分からない、検索しても分からないという状態でした。解決方法を見つけるのに時間がかかるんですが、逆に失敗して学ぶこともたくさんあるので、むしろ失敗した方が勉強になっているかなと思います。
あと、業務の場合は、開発規模が大きいので、学ぶことがたくさんありますね。
――精神的に辛くなったりとかはありませんか?
全くないですね。心の持ちようだと思うんですけど、プログラミングって絶対に解決方法があるじゃないですか。人間関係ってとても複雑で解決方法がない時もあると思うんですけど、プログラミングって絶対に解決する方法を誰かが知っているし、検索すればどこかに答えがあるし、聞ける人にも恵まれているので、なんとかなると思って仕事してますね。
――素晴らしいですね。ちなみに今後の目標などはあったりしますか?
ちょっとこれを言ったら笑われるかもしれないですが、良いハッカーになりたいんですよ。悪いことをするハッカーじゃなくて、良い意味のハッカーになりたいですね。今はまだエンジニアとしては頼りにならないですが、将来的になんでも任せてもらえるエンジニアになりたいなと思います。
――イメージしている人とかはいるんですか。
夢は大きく持ちたいので、ビル・ゲイツとかですね。
ポートフォリオを作って、自分から行動する
――今回、エンジニアとして働くまでに至ったと思うんですが、「エンジニアになりたい」という目的で受講される方や勉強を始める方に向けて、ご自身の経験を踏まえてアドバイスをいただけますか?
まず、自分でやっても分からないことは人に聞いた方が早いんですよね。私は、就職できないのを勉強が分からないということのせいにしてずっと長引いていたんですが、お金を惜しむ方が良くないなと思います。お金を借りてでも自分に投資して知識を増やすことが重要だと思いますね。
お金は結果についてくると思うので、あとで回収すればいいと思うんですよね。なので行動は早めにするべきだと思います。
――これから転職する人に向けてのアドバイスもあれば、ぜひお願いします。
先ほども言いましたが、ポートフォリオは絶対に作った方がいいと思います。私は運が良かったですけど、自分をアピールしていくポイントがないと企業の人って雇いたくないと思うので、ポートフォリオは必要ですね。
あと、むやみに色々なところに応募するよりは、まず何社か応募してみて、そこで全部に引っかからなかったら他のところでもそうなる可能性は高いと思うんですよ。そこで見直して、何が足りないのかを考えて、ポートフォリオを充実させたり、他の技術を習得してみたりなど、穴を埋めていってから応募していくという流れが良いと思います。
(インタビュアー:小嶋大貴)