TechAcademyのWebデザイン+WordPressセットを受講された高野昌史さんに、今回受講した感想や現在のお仕事、フリーランスとして働くまでの経緯についてお話をお伺いしました。

プロフィール:高野昌史
茨城県在住。現在は、派遣でWebの仕事をしながら、フリーランスで主にWordPressを使ったWeb制作の仕事を請けている。

――まず最初に、自己紹介をお願いします。


高野昌史、42歳です。
今は派遣でWebの担当をしながら、フリーランスでもWebサイトの作成などを行っています。

今のクライアントは、個人でお店を立ち上げている人なのですが、その方が年齢が高くWebに関する知識があまりないため、サイト作成以外にもチラシを刷ったりロゴを作成したり、お店のシステムについても話し合いをしながら全般的に携わっています。

お店の内容はライブスペースと言いますか、ストリートのミュージシャンが歌ってチップがもらえ、歌う方も料金はかからないし来る方も飲食代だけで楽しめるカジュアルなお店ですね。

派遣の方では老舗の呉服店のWeb担当なのですが、サイト自体は東京の会社に依頼して作成されたものでその後の更新を行っています。

――フリーランスでやられている案件は具体的にどういった仕事をされているんですか?

ライブスペースの案件は、本当に何も無いところからのスタートで、とりあえず場所だけ決まっているというような状態でした。

サイトを作成するにもコンテンツがまだなにもない状態で、システムも決まってなくてキャッチコピーなどもない、そういう状態での出発だったんですね。なのでサイトの話をしながら、ライブハウス全体の設計を考えるというコンサルティング的な仕事もしています。

――そのお仕事は、どのような繋がりで受けられたのですか。

その方は元々知り合いというわけではなく、以前、別の知り合いとある企画をしていました。キャンピングカーを共同で買ってオーナー以外にも貸し出しをする仕組みを作り、出資分はあとから入ってきた会員さんの年会費で維持費をまかなう。そうやってカーシェアをして楽しもうということをやっていました。

このプロジェクトのリーダーに「ネットから予約できるようなサイトを作ってほしい」と言われたんです。その後、その中のメンバーの1人がライブハウスの依頼者の方と知り合いで、人づてに紹介された形でした。

PCに触れる機会は多く、サーバーを立ち上げた経験も

――ITに関しての仕事は、もともとされていらっしゃったんですか?

東京に住んでいたころ、大手ベンチャーで3D CADデータの窓口業務に携わった後、外資系の会社に移り3D CADシステムのヘルプデスクをやっていました。

そこから、思い切って福島の酒造会社で蔵人になりました。そこでは酒造りの傍ら、会社のWebサイトを立ち上げました。
酒造りはやりがいのある仕事でしたが、シングルファザーになったことで止む無く退職して実家に戻り今に至ります。

――それまでプログラミングの経験などはありましたか?

小学校の頃にMSX-BASICを本を見ながら打ち込んだけれど動かなかったという経験はあります。

1週間ぐらい一生懸命やったんですけど、エラーが出て動かなくなったので、それ以来触らなくなりましたね。その本にはちょっとしたゲームが載っていたので、その開発に挑戦してみたんですけど、どこにエラーがあるのか分からなくて諦めてしまいました。小学生だったので、0(ゼロ)とO(オー)の違いも分からないままやっていたと思いますね。

そのときはちょっと挫折してしまったんですが、そのあともパソコンは好きでWin95の頃からインターネットに触れていたので、自然と色々なことを吸収していきました。

Youtubeのサービスが始まるほんのちょっと前、ネットでコメディ動画を配信したいという友達がいて、メンバーに加わりました。Flash MXにストリーミング機能が実装されていたので技術的には可能でしたが、問題はサーバの容量でした。当時、私たちが借りられる料金のレンタルサーバの容量では、動画ファイルを置いたらすぐに一杯になってしまいます。そこで、自宅にWebサーバをLinuxで建てることを思いつきました。今にして思えば、ほんの少しUnixのコマンドを知ってるくらいだったのによく出来たなと思います。

Webに特化した経験が欲しかった

――今回TechAcademyを受講されたきっかけは何だったんですか?

色々勉強してはいたんですが、専門的にWebを勉強したことがなかったんです。WordPressは一応使えましたが、浅く広くという感じだったので、一度ちゃんと勉強してみたいなと思ったのがきっかけです。

CSSなどもあまり分かっておらず、思い通りにならないことが多かったので、体系立てて勉強したいと思いました。以前、本で勉強して挫折した経験があったので、メンターに質問しながら進められるTechAcademyがいいなと思って受講を決めました。

――コースはどのように選ばれましたか?

前提としてHTMLとCSSをちゃんと理解しておこうと思っていました。なので、Webデザインコースは受けなきゃいけないなと思っていたのですが、WordPressとセットになっているのを見て、WordPressも人気があるし外せないなと思って、WordPressとWebデザインのセットでの受講を決めました。

――受講する前と比較して、理解度はどう変わりましたか?


元々、WordPressで簡単なWebサイトは作れたんですが、こういう構造になっててfunctions.phpに書くとこう機能するという基本が理解できて、恐怖心がなくなりましたね。
受講したからこそ既存のテーマをカスタマイズできるという自信がついたと思います。


あと、TechAcademyで素晴らしいなと思ったのがビデオチャットのシステムですね。共有サービスのCacooやCloud9など、便利なツールをうまく使えば自分のやりたい仕事の形に合わせることができると思っています。お客さんとビデオチャットをしながら調整したりと業務を行う上での財産にもなっています。

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フリーランスとして一番最初に仕事を得るために

――フリーランスとして働かれている中で、企業に勤めるのと比べて違うところはありますか?

自分がシングルファーザーで子どもがまだ小さいため少し企業で働きづらいというのもあります。フリーの場合は自分の時間で動き回れるのが大きいですね。

――一番最初の仕事を掴む秘訣はありますか?

地方だと「Webサイトを作りたいけど作り方が分からない、あるけど運用の仕方が分からない」という方が結構いるので、そこにどうやって繋げていけるかというのが大事だと思います。
私は運良く人との繋がりで仕事が入ってきている状況なので、もし友達などに作って欲しいと言われたら、まずは採算考えずにやってみるのがいいと思いますね。作っていくフローで手順も明らかになると思います。

ちょっと前にWordPressが出た時にWebデザイナーという仕事はなくなるとか、誰もがパソコンが使える時代になるかなと思っていたのですがそうでもなくて、Webサイトを作るという仕事は今でも必要とされていると感じます。最初は「作ってあげるよ」という感じではなくて、「作らせてください」という姿勢で臨むことで次の仕事に繋がると思います。

――そういった人たちにはどういうところで出会ったんですか?

学生の頃にお芝居をやっていたのですが、一緒にやっていた仲間から仕事を依頼されたり、。Webサイトは多くの人が必要としてるので、自分の親戚やお店をやっている人など、そういうスタートでいいかなと思います。

――今後の目標や作りたいものについてお願いします。

自分のやったことで成果が出るような仕事がしたいと考えています。
ページを作るだけでなく、それを運用できないと意味がないので、作ったWebサイトによってお客さんがそのビジネスを成功できるようなものにしたいと思っています。

進行中のライブスペースの仕事では、3ヶ月サポートという形で、WordPressの更新の仕方、画像の加工の仕方やブログの記事の書き方などもきっちり指導しようと思っています。サイトが廃墟にならないように、ちゃんと運用できる形で渡すというのを目標にしていますね。

――これから受講を考えている人や、フリーランスを目指してスキルアップをしようと思っている人にアドバイスをお願いします。

面白いメンターさんが何人もいて、時折雑談を交えながらの勉強は、とにかく楽しかったです。

フリーランスを目指す方は、様々な理由があると思います。私のようにシングルで会社に勤めづらいという方にも、実践的に学習できるので、おすすめだと思います。
メンターさんに直接質問することができますが、メンターさんは答えを全部教えてくれず、自分に調べさせるという方針はフリーランスを目指す人には合っていると思います。フリーランスに不可欠な自己解決能力を身に着ける訓練にもなります。

私はずっと独学だったので自分の作法しか知らず、知識に自信がありませんでした。それが、今回学んだことによって知識の厚みが出来て、言葉にも自信が持てるようになりました。一流のエンジニアやデザイナーさんの言葉は、大きな財産ですね。

(インタビュアー:小嶋大貴)