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受講生インタビュー

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9歳の頃に趣味で始めたプログラミングがきっかけでエンジニアに!プログラミングを理解するために大事なこと

今回のメンターインタビューは、自身でもプログラミングの学習サイトを運営している桜舞春人さんにお話を伺いました。どうやってプログラミングを習得してきたのか、プログラミングを学習する人に向けたアドバイスを語ってもらっています。

プロフィール:桜舞春人
東京都在住。9歳の時にプログラミングを学び始め、現在はエンジニアとして色々な企業の開発に携わる。個人としてもプログラミングの学習に役立つWebサイトを運営中。

9歳のときにプログラミングを始め16歳でITの会社へ

――簡単に自己紹介をお願いします。

桜舞 春人と申します。
プログラミングを始めたのは9歳のときで、そのときはC言語をよく書いていました。

16歳の頃にIT開発会社にアルバイトとして入社し、それからはずっとプログラマーとして働いています。
今は独立して色々な企業さんの開発をお手伝いさせてもらっています。

――9歳のときは独学で学習していたんですか?

独学ですね。
当時、知り合いから壊れたWindows95をもらったんです。

幼少の頃からネジを回したり工作したりする事が好きだったので、いつものノリでパソコンの箱を開けてみたんですよね。そしたらCPUが焦げ付いていたんです。
なんとなくそれを取り替えれば動きそうだなと思い、秋葉原に行って事情を説明したら使い古しのCPUをただで頂きまして、そのCPUに乗せ替えたら思った通り動いたんです。

そのパソコンの仕組みや動作自体に凄く興味が湧いてしまって、何かちょっと作れるようになりたいなと思い始めたのがスタートでした。

――当時は今ほど学習手段も多くなかったと思いますが、どのように勉強されましたか。

当時はちょっと難しめの本を一生懸命読んだりしていました。
ただ、子供の頃はプログラミング自体の学習に苦戦した印象はあんまりなく、漢字やローマ字、英語が読めないことで苦しんでいたような記憶がありますね。

当時書いたソースコードを見たんですけれど、数値の1と0を足したり引いたりする形で分岐処理が構築されていました。
多分TrueやFalseの意味を理解できてなかったんだと思います。

――その後のアルバイトでは、どのような言語を触られていたんですか?

C++、Perl、HTML、JavaScript、SQL、あとJavaなどをやりました。
あとはデザイン系ですね。当時はPhotoshopやFireworksを使ってデザインを作っていました。
当時在籍していた会社の開発内容としては、受託でIT系のサービスを作るような感じで、iモード等のガラケー用のモバイルコンテンツとかを作ったりしていました。

まだスマホが存在していない時代でしたからね。

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――その仕事を始めたきっかけは何だったんですか?

料理屋でアルバイトしていたんですが、そのときのお客さんにIT系事業の社長をやっている方がいらっしゃいまして、そのお客さんにちょっと趣味でプログラミングをしているというお話をしたんです。

そしたら「作品を見せて」と言われたので作品をみせてみると「これ一人で作ったの?凄いね!」と褒めてくれて、そこからその社長さんの会社で開発の仕事をするようになりました。

当時、料理屋のアルバイトのシフトにあまり入る事ができずお金に困っていたので、すごく助かった記憶があります。

自身のサイト「Web Programming Primer」ができたきっかけ

――ご自身で作成されているサイトについて教えていただけますか?

Web Programming Primer(ウェブプログラミングプライマー)』というサイトです。2014年の春頃に始めて、ちょうど3年ぐらい運営しています。

――このサイトを作成したきっかけは何だったんですか?

当時、在籍している社員さんに向けたプログラミングの教育をしてほしいという依頼を色々な企業さんから結構いただいていたんです。
最初のうちは毎回資料を作っていたんですが、結局同じような内容の資料になってしまっていて非効率だったので、一度しっかりしたものを作ろうと思ったんですね。

そして、続けていくうちに初心者の人がつまずくポイントとかも段々分かってきたので、ならいっそのこと作った資料を公開してしまおうと思ったのがきっかけです。
あと「ここを見れば答えが分かる」といったものを作りたかったっていうのもあります。

――記事はどういう風に作っているんですか?

記事の数は100本程度あるんですが、ほぼ全て自分の知識と経験だけで書いています。
参考にしている資料はオライリー(O’Reilly Japan)さんの本と各言語の公式サイトぐらいになりますね。

初めてプログラミングを学ぶ人にとって何から学ぶかといった順番ってとても大事だと思うので、分かりやすい順番・カリキュラムを自分なりに作っていくようなイメージを常に持つよう心掛けてます。

これは記事を作る上でもメンターとして指導する上でも同じですね。

独立して活動するまでの経緯

――どういう経緯で独立したのか教えてください。

最初に勤めていた会社が倒産してしまったので就職活動を始めたんです。

でもITバブルの崩壊やリーマンショックで中々正社員としての仕事が見つからなくて、仕方なく派遣社員をやることになったんですよね。

その時にあまり給料が良くなくて苦しいっていう話を知り合いにしたら独立を勧められて、それならと自分でちょっと営業をしてみたんです。
そしたら思った以上に仕事が取れたので「じゃあ独立しちゃおうか」って思い立ったのがきっかけです。

その後は開発を手伝ったり、社員さんの教育をしたりする業務をこなしている感じですね。
教育や指導に関しては、簡単なWebサービスを作ってみることが学習内容として一番最適かなと考えているので、PHPやJavaScriptを使って指導することが多いです。

――非エンジニアの方を指導する上で、難しかったことはありますか?

概念を説明するのが難しかったですね。プログラミングもITもよく分からないという人に噛み砕いて説明するのがとても難しかったです。

――独立してから、今は仕事はどのような形で仕事を受けているんですか?

仲介会社さんが何社かいまして、その方たちから依頼を受けています。

――これからフリーランスを目指す方がどうやって仕事を得れば良いか秘訣などはありますか?

仕事をいっぱい持っててマージンをあまり取らない仲介会社さんを探して仲良くなる事ですね。

最初は持ってる情報が少なかったりして仲介会社さんを上手く取捨選択する事ができないかもしれませんが、いろんな業務をこなしつつ情報を集めたり信頼を作っていったりして、その中で自分に合ったところを選ぶという流れがいいと思います。

――組織の中でプログラマーとして勤められていたときと、今フリーでお仕事されているときとの違いなどはありますか。

正社員で働く事とフリーで働く事の違いはあまり感じませんね。
なので手に技術がある状態で独立することはメリットばかりだと思います。

ただ、知識や技術力、社会常識等がちゃんと身に付いていないとお客さんの依頼に応えられないと思うので、その辺は会社で学ぶなり学校に通うなり、しっかり習得してから独立するという手順を踏むと良いかもしれません。

自分も初めて就職した会社がIT系の開発会社だったので、社会常識と技術、両方学ぶ事が出来たというのがやっぱり大きいです。
その時に学んだことは現在のフリーとしての働きに活きていますね。

高い技術を持っている人のそばに身を置く

――これからプログラミングを始める人に対して、何から始めたらいいとかはありますか。

最近だとRubyやPHP、もしくはHTML/CSS、JavaScriptなど学習ハードルの低い言語から始めるのが良いと思います。多くの人が使っている言語だともし自分がつまずいても誰かしら同じポイントでつまずいていて、その解決策がネット上に載っているので、理解も早いはずです。

作りたいものやアイデアがある人は、事前に分かる人に聞いた方がいいですね。

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――メンターとしていろんな人を見てきた中で「こういう人はプログラミングの理解が早い」という人っていますか?

メールとかスケジュールの立て方が上手い人、論理的思考のできる人は覚えるのが早い気がします。あとは熱意にもよるところも大きいですね。自分の場合は、子どもの時ものすごく熱中して一日中やっていたので、そういうモチベーションがある人は自然と身につくと思います。

プログラミングは、実際に何か作りながら理解していくことが多いので、ちょっと分からない文法や知識が出てきても細かい部分に気を取られないで、とりあえず先に進んでみる人の方が結果的に早く身についてる気がします。

――最後にこれから学習を始める人に、エンジニアとして勉強方法などのアドバイスがあればお願いします。

凄い技術を持っている人のそばにいることですね。これはプログラミングに限らず重要なことかなと思います。独学であったとしても、自分の作品を誰かに見てもらう環境に常に身を置くことが大切かなと思いますね。

(インタビュアー:小嶋大貴)

オンライン対応だからダブルワークも可能!サラリーマンエンジニアがメンター業務を選んだワケ

今回は、会社員としてシステム開発をする傍ら、塾講師の経験を活かしてメンターをしている早崎徹さんのインタビュー。プログラミングで世界を変えられることを受講生に伝えたい、とおっしゃる早崎さん。メンター業務のやりがい、プログラミングを学ぶメリットについて伺いました。

プロフィール:早崎 徹
1983年生まれ。東京都在住。医療関連に特化した広告代理店でWebシステム開発を担当。本業の傍ら、学生時代にアルバイトをしていた塾講師の「教える」経験を活かして、オンラインブートキャンプのメンターをつとめる。きめ細やかな対応とレベルに合わせた丁寧な指導で、受講生から定評のあるメンター。

塾講師からプログラミングを仕事に

――今はどんなお仕事をされているのでしょうか?

医療関連に特化した広告代理店のような会社でWebシステムの開発を担当しています。オンラインブートキャンプのメンターは個人の仕事として受けています。

――プログラミングはどのように学ばれたのでしょうか?

もともと高校の時にHTML/CSS、JavaScriptを書いてWebサイトを作るというくらいのものは趣味の範囲でやっていたのがは最初です。その後、大学が情報関連の学科だったので、プログラミングやシステム管理を勉強していました。ただ、アルバイトで塾講師をやっていて、そっちの方が面白くてあんまり学校に行かなくなって大学も中退してしまったんです。

――プログラミングを仕事をしたのは就職してからでしょうか。

そうですね。ソフトウェアの開発会社に就職して、C#を使っていました。研修がしっかりしていて、平日仕事が終わったあとに皆で集まって、新入社員向けに研修してくれていましたね。その会社では、ある程度仕様が決まったものに対してシステムを作っていくことを仕事にしていました。

――フリーランスの前は他の仕事もされたのでしょうか?

最初の会社を辞めて、旅行関連のWebサービスを運営している会社に転職しました。そこでは予約のためのシステム開発などをしていました。あとは社内の人がシステムを円滑に使えるようにするために、パソコンをセットアップしたり、ファイルサーバの設定をしたりという仕事もしていましたね。少人数だったので何でもやらないといけなかったのですが、僕には面白かったです。

――Webの仕事はその会社が初めてだったのでしょうか?

Webアプリケーションをしっかりと扱ったのは初めてでした。それからはずっとWeb関係の仕事をしています。

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受講後も自分で形にできるような力をつけてもらいたい

――メンター業務はなぜやってみようと思ったのでしょうか?

もともと塾講師をやっていたというのもあって、「教える」ということにずっと興味を持っていたんです。それで内容を伺って面白そうだと思ってやることにしました。

――メンターはリモートでの業務になるのですが抵抗などはなかったですか?

一切ないですね。もともと個人で受けていた案件もSkypeでコミュニケーションしていたんです。なので、ビデオチャットで受講生と話をしたり、チャットツールで質問を受けたりすることに抵抗はありませんでした。

――実際にやってみて大変なことはありますか?

カリキュラムの内容であれば、知らないことをいきなり聞かれて困るということはないですね。ただ、オリジナルサービスは受講生のみなさんが自分で調べて作っているので、それに対する質問は即答できないこともありますが、逆に僕も勉強になったりしながら進めています。

――チャットのやり取りも多いと思うのですが、工夫されていることはありますか?

短い文章だけで質問された方の場合は、何回かやり取りして「本当は何を聞きたいのか」について汲み取ってからお答えするようにしています。

――マンツーマンのメンタリングはいかがでしょうか?

IT企業で働いている方や、大学に入ったばかりの方などいろんなバックグラウンドを持っている受講生がいるので面白いですね。まったくの初心者の方もいらっしゃいますし。

――メンタリングで意識されていることはありますか?

モチベーションが継続することが大事だと思うので、とりあえず自分で作れるようになって、そのイメージができるようになってもらうことを意識しています。なので、「これができるようになると、こういうことができますよ」みたいなことを伝えていますね。

――他に受講生に伝えていることはありますか?

わからなくてもちょっとは自分で考えてみてくださいと伝えています。受講中はいつでもメンターに相談できるという環境があるのですが、今後はそれがなくなっても1人で形にできるような力を付けてもらうのが大事だと思っています。

――DemoDayではメンタリングを担当された受講生ともお会いされてましたが、いかがでしたか?

発表もされていたのですが、素直にすごいなと思いました。僕自身、「こんなシステムを作りたい」と思って作っても、結局、流行らなかったということもあります。それなのに、8週間で企画から考えて自分で作り上げて発表までできるはすごいですね。

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メンタリングの様子

プログラミングには世界を変えられるだけの力がある

――メンター業務をしていて、やりがいはどんなところでしょうか。

先ほどお話しした、受講生がDemoDayで発表しているのを見て良かったなと思ったことですね。普段はIT関連の企業に務めているそうです。

――その方はもともとプログラミングをされていたのでしょうか?

少しはやったことがあるそうですが、普段の仕事ではプログラミングをしていないそうです。 実際に自分も書けたらいいなということで受講されていました。

――早崎さん自身はプログラミングができることのメリットは何だと思っていますか?

最初は思っていなかったのですが、今はプログラミングができると本当に自分の力で世界が変えられると思っています。例えば、自分が何かシステムを作って、それによって誰かの生活を便利できたらその人の人生を変えているわけじゃないですか。なので、受講生にもそんなことを思って作ってもらいたいですね。

――今後メンター業務をするにあたって意気込みなどありますか。

意気込みというわけではないですが、今仕事に困っている方もいるじゃないですか。そういう方は、とりあえずプログラミングやったらいいんじゃないかと僕は思っています。

――それはどうしてですか?

プログラマーってずっと足りないって言われているじゃないですか。それで職がない人もいっぱいいて、その人たちがプログラミングをできれば解決できるんじゃないかと。単純な考えで、そんなにうまくいくかわからないんですけれど、プログラミングを勉強する裾野をどんどん広げていければいいなと思っています。なので、メンター業務を通じて受講生が少しでも幸せになれるような環境を作っていきたいですね。

(インタビュアー:横内優子)

目指すのは受講生がプログラミングで自立すること!コーチングスキルを活かしたメンターの学習サポートとは

今回のメンターインタビューは、もともと人に教えることが好きでコーチングを学ばれていたという伊藤浩一さんにお話を伺いました。相手にただ技術を教えるのではなく、学んだことを自分のものとして活かし続ける人を育てるために伊藤さんが工夫している指導方法を語っていただきました。

プロフィール:伊藤 浩一
1977年生まれ。東京都在住。システム開発会社に10年勤務後、昨年退職してフリーランスエンジニアに。受託開発を続けながら、現在はTechAcademyでメンターとして活躍中。

「やっていて楽しい!」から自然とエンジニアの道へ

――現在のお仕事について教えてください。

新卒としてIT系の会社に就職して10年ほどシステム開発をしていました。昨年退職してフリーランスになってから1年が経ちます。会社に残っていても楽しく開発ができていたのですが、自分のスキルを広げるために独立の道を選びました。今はいくつかの会社からの受注案件で開発を行っています。

――もともとプログラミングのスキルはどうやって習得したのでしょうか?

中学生の頃にたまたまパソコンの好きな先生がいて、プログラミングの授業がありました。授業でコードを書いて動かした経験が、いま考えるとプログラミングとの出会いです。その後、大学に入った頃にプログラミングを始めました。大学では物理を専攻していたので、データ解析などのコードを書いたこともあります。ちょうどWindows95が出始めたころで、コンビニや塾講師のアルバイトをして貯めたお金でパソコンを買いました。

――どうして新卒でシステム開発の仕事をしようと思ったのでしょうか?

プログラミングは趣味の延長だったので、「やっていて楽しい」を続けていたら仕事になっていました。仕事では、社内プロジェクトでプログラミングを部下に教えていたこともあり、今のメンター業務と通じるものがありますね。大学生の時に塾講師のアルバイトをしていたのも、ものを教えるのが好きだったからです。

――その後独立されるわけですが、何かきっかけはあったのでしょうか?

きっかけの1つにゆくゆくは事業を立ち上げたいということがあります。あとは、自分でやりたいことがあるけれど、よくわからなくて、もやもやしている人のサポートを何らかの形でしていきたいと思っていました。ですので、コーチングを徹底的に学んでいたこともあります。

――コーチングとはどんなものなのでしょうか?

「教える」行為はティーチングですが、コーチングの場合は相手が自分の中にすでに持っているやりたいことを引き出してあげる作業になります。私は相手のモチベーションを掘り起こしてあげて、自発的に学んでもらうようにサポートするのが大事だと思っています。目標設定を一緒に考えて、相手が望むレベルに引き上げたり、相手のやる気をアップさせたりするような指導が大事です。

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チャット対応の様子

理想はコーチングをして自発的に学んでもらうこと

――メンター業務はどうやって見つけたのでしょうか?

募集をたまたまネット上で見つけました。以前からオンラインの英会話を学んでいたので、リモート業務に抵抗はありませんでした。システム開発もそうですが、パソコン1台でどこからでも作業ができるのはすごく便利ですね。プログラミング、コーチング、そして事業としてやっていきたいことが全てメンターの業務にリンクしていい経験だと思いました。

――メンター業務は他の仕事とどうやって調整しているのでしょうか?

今は重要な開発案件があり、それをメインにやらせていただいています。メンター業務は週に何日かだけ夕方以降に担当しています。

――メンター業務はどのようにしていますか?

他のメンターと同じですが、チャットサポート、コードレビュー、メンタリングの主に3つの業務があります。チャットはその場で返せる瞬発力が必要ですが、私はどちらかというとじっくり教える方が向いているので、相手と向き合えるコードレビューやメンタリングが向いていると思います。チャットサポートではメンター同士でダイレクトメールを送りあって連携を取りながら対応しています。チャットが得意な人はチャットを担当してもらって、私はコードレビューが得意なので主にコードレビューを見たりと柔軟に対応しています。

――マンツーマンのメンタリングについてはいかがでしょうか?

メンタリングはティーチングではなくコーチングの面が強いと思います。理想はコーチングをして自発的に学んでいただくことですが、まったくの初心者の受講生は何もわからない状態から自分でモチベーションを上げるのは難しいと思うので、ある程度まではティーチングを行っています。

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――オリジナルサービスの開発にあたってどのように指導していますか?

オリジナルサービスについてはレベルに関わらず、その人が作りたいと思うものを作っていただきます。8週間の期間内で完璧を求めようとすると難しくなってしまうので、受講後も自分で学べるモチベーションが保てるように工夫しています。目指すのはプログラミングで自立する、また作りたいものを作れるようになるというところですね。

――伊藤さんが担当されている受講生は進みが早いようですが、コーチングのおかげでしょうか。

私にコーチングのスキルがあるから違うのかはわかりませんが、自分から学ぼうとする姿勢の受講生が多いので、そのおかげかもしれませんね。

――受講生のモチベーションを上げていくためにどういった点に気をつけていますか?

目標をはっきりさせることです。最終課題はオリジナルサービスの開発ですが、何が作りたいか漠然としている人には好きなこととか自分の趣味、今後やってみたいことをお聞きします。そうするとみなさん目をキラキラさせて話し始めるんですね。そのことについて話を広げていくと「こういったものを作りたいんです」という意見が自然と湧いてきます。「そのサービスができたらどんな気持ちがしますか?」と聞くとみなさんワクワクして語り始めるんですね。

――最後に今後の意気込みについて教えてください。

メンター業務は、プログラミングを通してもやもやしていたアイディアが形になったことが楽しくて、開発されている皆さんの姿を見るのが楽しいです。DemoDayがゴールではないと思っているので、受講後のその先についてを常に考えています。メンター業務は私がやりたいことと一致しているので、受講後も自分で力をつけていただけるように今後もサポートしていきます。

(インタビュアー:横内優子)

元塾講師!異色の経歴を持つ現役フリーランスエンジニアがリモートメンターの仕事を選んだ理由

オンラインブートキャンプでは、現役エンジニアのメンターがリモートで受講生のプログラミング学習をサポートしています。今回は第一弾として、元塾講師という異色の経歴を持つフリーランスエンジニア、田丸愛継さんにメンターのお仕事の楽しさとやりがいについてお話を伺いました。

プロフィール:田丸 愛継
1968年生まれ。フリーランスエンジニア。9才の頃からプログラミングを始めてはや40年弱。途中、塾講師などをしながらもプログラマーとして様々な形でシステムを作り続けて今に至る。現在はフリーランスとして様々な開発プロジェクトに参加中。TechAcademyオンラインブートキャンプにてメンターとして活躍中。

小さいころからまわりにあったプログラミングの環境

――現在はフリーランスのエンジニアとして働いているとのことですが、どういった経緯でエンジニアになったのでしょうか?

田丸愛継氏: もともと両親がエンジニアだったので、プログラミングに触れる環境が幼い頃からありました。当時は家庭用コンピューターが大変高価だったので日曜日になると一人で秋葉原にあったパソコンメーカーのショールームに行き、子供ながらにパソコンをいじってそこでコードを書いていました。言語はBASICと、今のアセンブラではなくマシン語から入りました。とにかく楽しかったですね。学校の授業中、ノートに手書きでコードを書いて、次は一発で動かしてやると思いながら毎週秋葉原に通っていました。そこから大学入学前に父の会社の知り合いの関係で開発のアルバイトをし始めました。

――最初はWebプログラミングではなかったと思いますが、いつからWebプログラミングを扱うようになったのでしょうか?

田丸愛継氏: Web言語は2004年頃から触れ始めました。それまではPerlやCOBOL、Cなども一通り使っていましたが、知り合いから頼まれてWebの仕事に関わっていくうちにPHPをはじめとして、Ruby、Pythonなども自然と使う機会が増えてきましたね。子供の頃からプログラミングに親しんでいたので、新しい言語を覚えるのにはそんなに苦労しませんでした。

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受講生が求めるものに応じて対応を変えている

――オンラインブートキャンプのメンターとしてどんな業務をされていますか?

田丸愛継氏: 4名の受講生を受け持っているのでメンタリングの時間として週に4時間程度の業務をしています。もともと塾で講師として働いていた経験があるので、チャット上でのやりとりよりもFace to Faceでのメンタリング業務の方が性に合ってますね。

――元塾講師のエンジニアというのは珍しい経歴ですね。その経験も踏まえて受講生にどのような対応を心がけていますか?

田丸愛継氏: 受講生さんによって求められているものが異なるので、その受講生に合った対応を心がけています。プログラミングが初めての方もいれば、既にある程度理解している方もいらっしゃいますので、どんなオリジナルサービスを作りたいかを先に聞いておくことで、事前に学ぶべき点をアドバイスしています。特にオリジナルサービスは一からつくりますので、サービスに必要なパーツを掘り出す作業から始まります。最初にどんなものを作りたいかを考えてもらって、どんなパーツを掘り出すのかを話します。そして作りたいサービスをイメージしてもらって、そのサービスを作るにはどういう技術が必要で、だからここを重点的に学びましょうと全体をみながらアドバイスをしています。

――受講生に合わせた対応を重視しているということですね。

田丸愛継氏: どこのレベルまで行きたいかというのも大事です。将来エンジニアとして働きたいのか、副業としてサービスを立ち上げたいのか、単純にプログラミングを理解したいのか、といった違いがあるので伝えることも異なります。技術についても同じで、趣味で作れるレベルから、仕事で誰かから指示があったものを作れるレベル、そして自分でつくったサービスを自分でローンチして運用するレベルまであります。プログラミングを仕事で使いたいという方には、仕事でやるならここまで出来なくてはいけないですねと具体的にアドバイスをしています。

――具体的なアドバイスの例などありますか?

田丸愛継氏: 例えば受講生の方には制作側ではなくマネジメントの人間だけれども、エンジニアがどういう仕事をしているのか知りたくてオンラインブートキャンプに参加される方もいらっしゃいます。そのような方には、サービスが出来上がるまでにどんな過程があるかということを知ってもらい、管理する上でどこに気をつければいいのかをお伝えしています。現場での経験が長い分、マネジメントに関してもアドバイスをさせていただいています。せっかくオンラインでマンツーマンの授業をしているので、受講者の方が求めているものに応える工夫をしています。それがないと本や無料の動画と変わらないですからね。

――オンラインブートキャンプはRuby on Railsを使っていますが、技術的なサポートで気をつけていることはありますか?

田丸愛継氏: Ruby on RailsというフレームワークはRubyを便利に使うための道具なので、データベースやWebの仕組みがどうなっているのかを知った上で使うとわかりやすいです。そのことが理解してもらえるように心がけています。例えばデータベースなのか、サーバーやネットワークの部分なのか、どこでつまづいているのか把握するようにしていますね。私はそういったバックボーンを持っていたので割と教えやすいです。

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田丸氏はTechAcademyの初心者向けプログラミング講座の講師もつとめる

リモート勤務は今の時代に合った働き方

――メンター業務でのやりがいや面白いと思うところはどんなところですか?

田丸愛継氏: 1対1でプログラミングについて人と話すのが楽しいですね。あとは受講生の本音を探って、相手が本当に望んでいることをこちらから引き出してあげることが楽しいです。「こんなものが欲しい」という相手の言葉をもっと深掘りしていくと、本当に求めているものは別のものだったということがよくあります。自分が本当に求めているものは自分でわからないので、そこを掘り起こしてあげなくてはならないのです。そこを掘り起こすことで、質問したいことがどんどん的確になっていきます。そして自分で調べることができるようになるので、自分1人でも解決できるようになっていく方が多かったですね。

――メンター業務はリモートでの勤務ですが、なぜやってみようと思ったのでしょうか?

田丸愛継氏: 私事ですが、家に2才の娘ともうすぐ1才になる息子がいます。この子達が幼稚園に入園するまでは近くで成長を見守っていたいなと思っていて、自宅で作業できるリモート勤務を探していました。

――実際にリモートで仕事をしてみていかがですか?

田丸愛継氏: 場所の移動がないので時間の無駄がありませんし、家族と一緒に過ごせる時間が増えるというのはいいですね。今はネット環境さえあればリモート勤務ができるのでいろんな働き方があっていい時代ではないかと思います。

――今後のメンター業務への意気込みがあれば教えてください。

田丸愛継氏: 受講生には通り一遍のエンジニアやプログラマーにはなってほしくないです。「エンジニア人口は多いけど人材は足りてない」とよく言われますが、新しくプログラミングを学ぶ人口は増えてきているけれど、人材レベルにまで育て上げるメソッドってそんなに多くないんじゃないかと思います。ですので、私がオンラインブートキャンプを通してその一部になりたいなと思っています。「オンラインブートキャンプから出た人を雇ったらここまでやってくれる人だった」と喜んでもらえれば嬉しいです。

(インタビュアー:上田晴香)