人事の新常識!リモート研修を成功させるポイントとは
リモート研修を上手に活用して社員の人材育成を効率化したいと考える人が多くなっています。この記事では、リモート研修とは何なのかといった初歩から、成功させるためのポイント、リモート研修サービスの比較を紹介します。
リモート研修が盛り上がるなか、リモート研修を上手に活用して社員の人材育成を効率化したいと考える人が多くなっています。
リモート研修をうまく活用できれば、今までの集合研修よりもはるかにコストを削減しながら、より多くの社員が実践的なスキルの習得をできます。
この記事では、リモート研修とは何なのかといった初歩から、成功させるためのポイント、リモート研修サービスの比較を紹介します。
ぜひ研修教育コストの削減と質の向上にお役立てください。
目次
リモート研修とは
リモート研修とはオンライン研修とも呼ばれており、Webを利用してオンラインで研修を行うことを言います。
従来、会場を準備して行っていた集合研修とは大きく特徴が異なるものです。
従来の集合研修と比べ、場所や時間の制約がなく、環境さえ整えば研修を実施できるといった特徴を持ちます。
リモート研修が今後必要になる背景
リモート研修が今後必要になる・導入が加速されている背景には大きく分けて次のようなものがあります。
- 社会情勢によるもの
- コスト削減を目指した動き
- 多様な働き方への対応
これらについて順に解説します。
社会情勢
新型コロナウイルスの拡大以降、従来どおりの働き方から変えていかなければいけないといった動きが活発となっています。
ある意味強制的にリモートで仕事や研修を行わなければいけない社会情勢となりましたが、これにより出社する必要性がないという考え方も多く出ています。
新型コロナウイルスの影響の収束以降も、今後リモートでの働き方は大きい焦点となるでしょう。
コスト削減
産労働総合研究所が発表した調査結果によると、2018年度の実績ベースで企業の教育研修費用は1社当たり平均7,086万円で、従業員1人当たりでは39,841円となっています。
参考:https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/kyoiku/kyoikukenshu/pr_1910.html
例えば、1年間に従業員100人を対象とした教育研修を行うのであれば、およそ400万円の費用がかかります。
このコストは小さいものとは言えないでしょう。
従来型の集合研修からリモート研修に変更することで、コストを削減できた事例も多数出ており、これを受けてリモート研修を導入する企業も増えてきています。
多様な働き方への対応
「働き方改革」といった言葉が広く普及していることからわかるように、政府主導で多様な働き方の実現が推進されています。
厚生労働省が公表している「働き方改革のあらまし(改正労働基準法編)」において、「働き方改革の目指すもの」で記載のある一文を引用します。
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。
ここにある「多様な働き方を選択できる社会」の実現のためには、今まで強制感の強かった集合研修から、個々の事情に対応しやすく能動的に学習できる環境が必要です。
このような背景から、リモート研修のニーズが高まっています。
リモート研修の課題
リモート研修は従来の集合研修よりコストが削減でき、場所や時間の制約がないなどのメリットがありますが、課題もあります。
- 受講生のモチベーション維持が難しい
- オフラインの研修のままではうまくいかない
- 交流の機会が減る
順に解説します。
受講生のモチベーション維持が難しい
オフラインで行っていた集合研修の場合は、実際に研修の環境に身を置きながら受講するためモチベーションの維持も比較的容易ですが、オンラインのリモート研修の場合は自宅などで受けることも多くモチベーションの維持がなかなか難しいです。
また、どうしてもスマホやタブレット、パソコンの画面越しでの受講となります。
そのため、オンとオフの切り替えがうまくいかない、集中力が続かないといった声もあります。
オフラインの研修そのままではうまくいかない
これまでオフラインで行っていた集合研修のカリキュラムややり方を、そのままリモート研修にするだけではリモート研修のメリットを生かせません。
また、先ほど紹介したモチベーションの課題などが浮き上がってきます。
例えば、実践的・体験型の研修の場合はそもそもリモート研修へ転用することは難しいでしょう。
さらに、オフラインの場合は問題ありませんがオンラインの場合は受講者のITリテラシーの障壁もあります。
ITリテラシーが低く、日頃からパソコンを使用しない人にとっては、オンライン研修に対する心理的なハードルも高いことでしょう。
受講者のモチベーションを維持する環境を構築するなど、工夫が必要です。
交流の機会が減る
オフラインからオンラインでの研修に切り替えることで、リアルな交流の機会が減ってしまいます。
例えば社内で行う研修の休憩時間には、近くにいる受講者同士でコミュニケーションを行い、親睦を深めることもできました。
しかし、リモート研修では他の受講者との交流はディスカッションを行う時のみになる可能性もあります。
この点に関しても工夫を施す必要があります。
リモート研修成功のポイント
これまでにリモート研修の課題を紹介しましたが、その課題に対策しながらリモート研修を成功するためのポイントを紹介していきます。
参考として、オンライン・オフラインに関わらず研修を成功させるためのポイントを紹介しておきます。
- 行動を変えることやアウトプットを意識した研修内容とする
- 事前に資料を配布し事前学習を行う
- 目的を明確にする
- 導入する対象(従業員)を設定する
- 効果検証を行う
以降では、リモート研修に特化した成功のポイントを解説します。
リモートに最適化された研修を行う
オンラインとオフラインでは異なることが多数あるため、オンラインのリモート研修ではその性質に応じて最適化された研修を行う必要があります。
例えば、以下のような最適化・工夫が考えられます。
- こまかな休憩を設定する
- 手を上げてもらったり、ストレッチを組み入れたりなどの工夫をする
- 時間配分を明確にして時間管理を行う
- アンケートやチャット機能を利用する
- ブレイクアウトセッション(グループ化)機能を用いる
- 推奨される服装を提示する
モチベーション維持に関してはこまかな休憩やストレッチ、時間配分を明確にする、アンケートやチャット機能を利用するなど、受講者が集中力を維持してアクティブに受講できる工夫を行いましょう。
トラブルが発生してもカバーできるよう事前準備を入念に行う
従来オフラインでの研修にはなかった、オンラインで行うリモート研修にしか起こり得ないトラブルもあります。
以下を参考にして事前準備を入念に行いましょう。
- 通信回線や電源などのバックアップ体制を整えておく
- 音声、動画・画像に問題がないかシミュレーションしてみる
- セキュリティ対策の検討をする
オンラインで研修を行うため、停電や回線の不具合などといったトラブルも考えられます。
このような場合でも対応ができるよう、通信回線や電源のバックアップ体制を整えておきましょう。
また、使用するカメラやマイク、Web会議ソフト・ツールによっては音声や動画、画像がうまく伝わらないことも考えられます。この点も事前にチェックしておきましょう。
さらに、オンラインで参加者の顔や声、機密資料などの情報をやりとりすることになります。
そのため、ネットワーク外部からの侵入やアカウント・パスワードの管理については注意が必要です。
十分に検討しましょう。
研修の準備や受け方に関する質問の体制を整える
先ほどもリモート研修の準備体制について紹介しましたが、さらに受講者に配慮した体制を整える必要もあります。
具体的には以下のような工夫を行いましょう。
- 質問を受けるサポーターや進行ファシリテータの設置
- 事前に研修説明会を行う
リモートに向いている研修
どのような研修がリモートに向いているかについて紹介します。
アウトプットの多いもの
リモート研修はアウトプットを実践しながらスキルの定着を目指せるため、アウトプットの多い研修に適しています。
さらに、リモート研修であれば学習履歴などがしっかりと残るため、人事的評価もしやすくなります。
わからないことをすぐに質問できるもの
リモート研修は、集合研修に比べて質問ができない場合もありますが、工夫により集合研修よりも気軽ですぐに質問できる環境にできます。
例えば、Web会議ソフトのチャット機能を利用すれば、わからないことが出てきたときにすぐにチャットで質問ができます。
その質問はチャットに履歴として残るため、講師側としても受講者の質問が出るポイントを押さえられます。
さらに、人前で質問することが苦手な人でも、このような機能を利用することで気軽に質問が可能です。
もちろん、受講者がマイクを接続して声に出して質問することもできます。
ロールプレイング
リモート研修ではロールプレイングを伴う研修も効果的にできます。
たとえば、営業スキルを磨くためのロールプレイングを想定します。
事前に商品知識に関する知識を習得し、受講者が自宅で練習、その後リモート研修として受講者に営業を実践してもらうことができます。
オフラインの場合はなかなかデータとして残すことも手間がかかりますが、リモート研修の場合は音声や録画が容易です。
さらに現在では、AI(人工知能)を活用したロールプレイの実践解析なども可能となっているものもあります。
受講者の学習進捗を管理できフォローアップしやすいもの
オンラインで研修を行うリモート研修では、受講者の学習進捗の管理とフォローアップが容易です。
例えば、学習ステップを10段階に設定している場合、受講者Aが10段階まで完了、受講者Bは3段階まで完了といったことを管理画面で把握できるものもあります。
少人数のグループワーク
リモート研修においても、Web会議ソフトの機能などを用いてグループワークが可能です。
集合研修と比較しても、自分が作成した資料をすぐにグループ内に共有できることが特徴です。
さらに、1つの資料に対して複数人が共同して編集することもオンライン上で容易にできるため、集合研修以上にグループワークが活発になることさえあるでしょう。
リモートに向かない研修
リモート研修のメリットを十分に生かしきれない場合を紹介します。
大人数で会話するもの
大人数に対して一方的に講義を行う研修では問題になりませんが、会話を伴う場合はリモート研修がおすすめできません。
理由としては単純に「ごちゃごちゃしてしまう」からです。例えば、研修の冒頭に企業理念の唱和などを行う場合もありますが、リモート研修では避けたほうが良いでしょう。
とは言え、会話する必要がない場合はマイクをミュートにしておけば良いため、多くの場合は困らないかと思います。
受動的なコンテンツ(座学・動画)
受動的なコンテンツの場合、向いていないというよりも「もったいない」と表現したほうが良いかもしれません。
リモート研修では、講師と受講者あるいは受講者同士が効率的にコミュニケーションできる環境が整っています。
そこで、一方的に講師が話し続ける研修や動画を流すだけの研修の場合、リモート研修のメリットを十分に生かしきれていないと言えるでしょう。
さらに、オンライン・オフラインに限らず受動的だと集中力やモチベーションの維持が難しくなります。
積極的に受講者を動かす研修を設計・検討しましょう。
リモート研修サービス比較5選
それではリモート研修サービス5つの特徴などを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
TechAcademy
TechAcademyでは、日本e-learning大賞「プログラミング教育特別部門賞」受賞実績のある個人向けのスクール型学習(ブートキャンプ)だけでなく、法人向けにIT研修や採用支援サービスを提供しています。
特徴
- プログラミング教育においてeラーニング大賞の受賞実績あり
- 導入企業600社以上、受講者数30,000名以上の実績あり
- アウトプットを多く設けた能動的に学べるアクティブeラーニングシステムを採用
- 一人ひとりに第一線で活躍するプロのメンターがつき、徹底サポート
- 学習進捗・受講者の定着率がわかるマネジメントシステム
研修ジャンル・コース数
<ジャンル>
- プログラミング
- AI
- IT教養
- IT基礎
- デザイン
- マネジメント
- オフィス
- 試験対策
<コース数>
約50コース
価格・費用
<プログラミング・デザイン系研修>
期間 | 1人あたり料金 |
4週間 | 189,000円 |
8週間 | 239,000円 |
12週間 | 289,000円 |
16週間 | 339,000円 |
詳しくはお問い合わせください。
- 5名以上で団体割引あり
- 1時間あたり1人最大800円、経費最大50%OFFの人材開発支援助成金を活用可能
公式サイト
https://techacademy.jp/biz/training/
大塚商会
IT関係のソリューションを多数提供する大塚商会は、V-CUBE(ブイキューブ)やZoomを用いた社内研修、eラーニングソリューションなどを提供・サポートしています。
特徴
- それぞれに合わせた環境や予算などから最適で柔軟な提案を実施
- 導入から保守、サポートまでワンストップ対応
- スキマ時間を活用した技術の浸透
- サービス業、製造業、卸売業を中心にIT支援の実績が豊富
研修ジャンル・コース数
<サービス>
- ビジネスeラーニング(無料会員)
- ASPコース(既製のコースをインターネット経由で学習)
- LMS構築(自社で教材作成、成績管理)
- LMSホスティング利用(既製システムを自社向けにカスタマイズ)
<ジャンル>
- コンプライアンス
- 情報セキュリティ
- 資格試験対策
- 情報技術(プログラミング、ネットワーク、マークアップ言語など)
- ビジネススキル
- その他
<コース数>
- ASPコース:200コース以上
価格・費用
- ビジネスeラーニングについては大塚ID取得(無料会員)により無料で利用可能
- ASPコース、LMS構築、LMSホスティングについては問い合わせによる個別見積もり
詳しくはお問い合わせください。
公式サイト
https://www.otsuka-shokai.co.jp/solution/purpose/training/
https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/education/elearning/
ラーニングエージェンシー
人材育成支援事業を手掛けるラーニングエージェンシーが提供するリモート研修を紹介します。
特徴
- 自社オリジナルの研修テキストを利用可能
- ワークショップ、ロールプレイング、質疑応答など双方向コミュニケーションが可能
- 受講計画から効果測定までフォローアップ
- 視聴履歴を確認・集計可能
研修ジャンル・コース数
<サービス>
- Biz CAMPUS Online(オンライン動画研修)
- Mobile Knowledge(モバイル活用 反転学習アプリ)
<ジャンル>
- ビジネス基礎知識
- コミュニケーションスキル
- 思考力
- 意識・心構え
- 仕事の進め方
- Planning & Control(経営者・管理職向け)
- Self-Management
- その他
<コース数>
- 約100コース
価格・費用
正社員数(利用者数) 初期費用(※1) 利用料金(月額) 1~99名 ¥300,000 ¥45,000 100~199名 ¥350,000 ¥90,000 200~300名 ¥400,000 ¥135,000
出典:https://www.learningagency.co.jp/service/bco/price.html
詳しくはお問い合わせください。
公式サイト
https://www.learningagency.co.jp/
shouin
松下村塾の祖である吉田松陰がサービス名の由来となったshouin(しょういん)のリモート研修を紹介します。
特徴
- マニュアル確認から習熟度チェックまで一貫して行える人材育成クラウドサービス
- チェックリストで従業員の評価基準策定が可能
- 分析機能により各拠点のトレーニング状況を可視化
- 操作が簡単
研修ジャンル・コース数
<ジャンル>
企業に応じて、自社オリジナルのコンテンツをクラウドプラットフォームで配信できます。
<コース数>
なし
価格・費用
- 無料トライアルプラン:無料(上限30名、1ヶ月間)
- 基本プラン:問い合わせ後決定
詳しくはお問い合わせください。
公式サイト
soeasy buddy
2016年12月に設立された、この記事で紹介するサービスの中では比較的新しい株式会社soeasyのリモート研修サービスを紹介します。
特徴
- 現場が必要とする動画を簡単に投稿・更新可能
- 現場の成功・失敗事例や引き継ぎ情報などの情報収集・発信がSNS機能で可能
- 学習の定着度が一目でわかる管理機能
研修ジャンル・コース数
<サービス>
スマホで動画を共有できるプラットフォームです。
<ジャンル>
なし
<コース数>
なし
価格・費用
- 月額2万円から
詳しくはお問い合わせください。
公式サイト
リモート研修を成功させるポイントまとめ
リモート研修を成功させるポイントなどを解説してきました。
リモート研修を成功させるポイントを以下で簡単にまとめます。
- こまかな休憩を設定する、チャット機能、グループ化機能を活用するなど、リモートに最適化された研修を行う
- 通信回線や電源などのバックアップ体制を整える、配信音声・動画に問題がないかシミュレーションしておくなどの事前準備を入念に行う
- 質問を受けるサポーターを設置する、事前に研修説明会を実施するなどの体制を整える
これらを実施することで、リモート研修の課題・注意点に対して工夫を施しながら最大限の効果を見込めます。
ぜひこれらのポイントを押さえてリモート研修を成功させてください。
TechAcademyでは、従来の講義型研修とは違い、実務を想定したカリキュラムで実践的スキルを短期間で確実に身につけられる法人向けオンラインIT・プログラミング研修を展開しています。
1名〜数百名規模・業界を問わず、900社以上の企業様の研修を実施しています。
受講生一人ひとりに現役エンジニアのメンターが付き、皆様のニーズにあったサポートを行います。学習時の「わからない」を確実に解消いたします。