新人教育で扱うべきカリキュラムの内容とは【人事向け】

人事・研修担当者向けに新人教育で扱いたいカリキュラムの内容について詳しく解説しています。オンライン教育・オフライン教育などどういった方法でどんなスキルを学べば良いのか説明しています。これから新卒・新入社員に研修を導入しようと考えている方はぜひチェックしておきましょう。

新入社員研修や新人教育の研修を行う際に学習させたいカリキュラムについて解説しています。

どんなスキルをどんな方法で育成すれば良いのか、ぜひ参考にしてみてください。

目次

 

新卒・新人を育成する目的

大学を卒業して間もない新卒・新人は、業務遂行に必要な様々な能力が不足しがちです。

業務に必要な専門性はもちろんのこと、どの業務に携わるかに関係なく必要とされる汎用的な社会人としてのスキルもまだ身に付いていない場合が多くあります。

ここでいうスキルとは、広義のコミュニケーションスキルから、ビジネスをするにあたって必要なマインド、毎日の生活の中で仕事をし続けていくための基礎的な体力や習慣、さらに細かな単位で言えば電話応対をするときの受け答え方や、名刺交換の作法、来客時の対応の仕方や、一緒に働く仲間や先輩、上司と良い関係を築きながら仕事をしていくスキルなどといったものが含まれます。

 

このように、新卒の人材が業務に携わるにあたって活躍するには、不足している様々なスキルをまず獲得する必要があります。

もちろん、人によっては大学にいた段階での経験から、こういったビジネススキルの多くを初めから持ち合わせている優秀な人材もいますが、基本的には社会に出たての新卒で、教育が不要のまま早速ビジネスの最前線で戦うことができる人材はなかなかいないでしょう。

そのため、こういった様々なスキルを向上させることが新卒・新人を育成する第一の目的です。

新入社員研修を行う目的について詳しく解説した記事も合わせてご覧ください。

 

スキル以外に育成の必要な能力

また、スキル育成の他に会社に対する新卒・新人の帰属意識を高めるという目的もあります。

昨今の新しい働き方の広まりの中で、会社に対する帰属意識というものは低くなりがちです。

生涯に渡って1つの会社に貢献していれば一定の豊かさと安定を手に入れることができる、という考え方は若い世代を中心に崩壊しつつあります。 しかしながら、帰属意識の低下は会社にとってはいくつかのメリットを失うことになります。

帰属意識が低い状況だと、離職率が上がる、社員のモチベーションが下がる(会社全体をより良くしようという意識が低下する)などの事態が発生します。

 

一方で帰属意識の高い状況では、離職率は低下し、社員は自社の将来を踏まえた上での行動をとるようになります。 新卒・新人の育成にあたっては、単なるスキルの上昇だけではなく、育成を通しての先輩社員の交流などから自社に対する帰属意識の向上を図っていくことが大切となります。

また、これに伴い自社の理念の共有を行うこともまた大切です。

理念を共有することで、会社として何を目指したビジネスをするべきかを把握し、それを達成するための自発的な行動が生まれます。

 

育成すべきスキル

前述の通り、新卒・新人の段階では業務に必要な様々なスキルが不足している傾向にあります。

その中から自社のビジネスにとってもっとも必要なスキルを優先して育成していくのが基本的には良いとされるでしょう。

しかしながら、もっとも必要なスキルといっても、そこには即効性のある短期的な視点から見た場合の必要なスキルもあれば、長期的な視点から見た場合の必要なスキルもあります。

ここでは短期的な視点と長期的な視点に分けて、育成の必要なスキルについて解説していきます。

 

短期的な視点から見た育成すべきスキル

短期的に見てまず必要なことは、入社した新卒・新人が素早く自社の業務で利益を出すことができるよう育成することです。

そのために必要なスキルは、大きく分けて以下のふたつです。

 

業務に直結する専門的なスキル

どういった業界であれ、何らかの専門的なスキルを持ってしてビジネスを行っていることでしょう。

この専門的なスキルは大抵の場合、実際のビジネスの前線に立って初めて身につくものです。 学生時代の経験は、ビジネスで利益をだすためには不十分である場合が大半です。

そのため、入社後の利益を出すことができるようまず新卒に身につけさせるべき能力は、専門的な業務スキルです。

 

社会人としての作法やマナーなど

また、ビジネスの随所で必要となる社会人としての作法や言葉遣い、身だしなみやマナーなども、短期的に効果を見込むことができる育成すべきスキルです。

大学を卒業したばかりの新卒・新人は特に、まだこういった社会人としての振る舞いについては未経験といって良い状態です。

挨拶の仕方やお辞儀の仕方、名刺の渡し方など、基本的なところから1つひとつ教えていきましょう。

ビジネスマナー研修コンプライアンス研修の内容について詳しく解説した記事も合わせてご覧ください。

 

長期的な視点から見た育成すべきスキル

長期的に見て大切なことは、将来に渡って会社を成長させていくために必要な能力の育成です。

短期的な視点ではすぐに会社に利益を出すための専門的な業務スキルを必要としましたが、長期的な視点では個の利益より会社全体としての利益を追求できる人材が必要となります。

会社全体としての成長を促進し、自社のビジネスの永続化のために必要な能力には様々なものがありますが、そのうち新卒・新人の段階から育成できるものは以下の能力です。

 

問題解決能力

問題を解決するための総合的な能力の育成は、長い視野で会社を成長させる鍵です。

問題解決能力には主に以下のような能力があります。

  • 物事の本質を見抜く力
  • 問題がどこにあるのかを見つける力
  • 考えを言語化し、共有する力
  • 個々人の能力を集結する能力

これらの能力を育み、また同時に会社の理念や会社として目指すところが何かについてを共有することで、ただ目の前の業務で利益をあげるだけではなく、長期的な会社の成長に必要な【解決すべき問題】を見つけ出し、その解決のための行動を自発的に取ることができるようになります。

 

活発に情報の発信・受信をする能力

問題解決能力の他に必要なのは、情報の発信・受信の能力です。

よく見られるパターンとして新卒・新人は自らが先導して発言・行動することが苦手である場合があります。 新卒・新人でなくともこのようなパターンは多く、会議やミーティングなどの場があまり生かされていない会社もあります。

長期的な会社の利益を考えたとき、これはあまり良くない傾向です。 会社としての発展のため、社員それぞれが主体的に行動し、これからのことを見据えたビジネスを行うためには、活発な意見交換ができる集団の育成が必要となります。

そのための訓練を新卒・新人のうちから行い、自らの考えをまとめ、主張し、また他の人の意見を聞いてさらに考えを発展させる能力を養うことは、長期的な会社の成長のために有効な手段です。

 

教育の手段

新卒・新人を育成するとはいっても、どのように育成の時間や機会を獲得するかは会社や業務の都合により様々です。

代表的な新卒・新人の教育手段は大きく分けて次のふた通りに分かれます。

  • 実際の業務にあたりながら、先輩社員からの教育を行う方法(OJT研修
  • 業務とは別に、専用の時間・期間を設けて社外で行われる研修に参加させたり、講師による教育を受けさせる方法(OFF-JT研修

前者はOJT(On The Job Training)と呼ばれており、文字通り仕事をしながら行う教育方法を示します。

一方で後者はOFF-JT(Off The Job Training)と呼ばれており、OJTとは対照的に仕事を行わず教育のみを行う方法を示します。

 

OJTのメリット

OJTは実際の業務にあたりながら教育をすることができるため、新入社員が実際に自社のビジネスで利益を出すための直接的な業務スキルの育成に向いています。

実際の業務を見ずに業務スキルを磨くことは困難であるため、それと比べるとOJTは効率よく業務スキルを育成できるというメリットがあります。

 

OJTのデメリット

一方で、OJTを上手に実施するためには、業務中に先輩社員が新人を教えるだけのリソースを割けるよう余裕を持たせる必要があるということです。

新人を教える余裕がない状況でOJTを行った場合、あまり高い教育効果を見込むことはできません。

繁忙期などで先輩社員側に余裕がないと、先輩社員側には負担が重なり、新人側には教育の質の低下から来るモチベーションの低下などが発生する可能性があります。

こういった点を考慮しなくてはならないことが、OJTのデメリットです。

 

OFF-JTのメリット

OFF-JTはOJTとは異なり業務とは異なる場・時間・期間を設けて行う教育であるため、OJTのような「繁忙期など余裕がない時期の教育の質の低下」などがあまり発生しません。

新人全員に安定して教育を行うことができ、また業務とは異なる場での教育であるため【直接すぐには業務で必要とされないが将来的に必要となる能力】や【業務に出る前に覚えてきおきたい基礎的な社会人としての振る舞い・マナー】の育成を行うことができます。

これらはOJTにはない、OFF-JT特有のメリットです。

 

OFF-JTのデメリット

しかし一方で、OJTなら業務にあたりながら直接仕事を教えられるのに対し、OFF-JTでは業務には触れないまま育成をするため、すぐに業務で役立つ専門的なスキルの育成には向かないというデメリットもあります。

長期的な視点で見た場合の利益を見込んで、時間をかけてゆっくりと教育を行うことが出来る場合は問題ありませんが、そうではなく今すぐに新入社員にも利益を出してもらえるよう育成する必要がる、という場合にはOFF-JTをやっている余裕がないという場合もあることでしょう。

 

新人教育で気をつけるべきポイント

社内研修で気をつけるべきポイントは、入ってきた新人の性格や気質によりけりです。

しかしその中でも、どの業界にも共通する代表的なポイントを紹介します。

それは「教育の目的をしっかりと定めること」と「帰属意識を上げること」です。

 

目的を定めて教育する

基本的なことですが、目的が定まらないままに教育を行っても、あまり効果的な教育を行うことはできません。

時間も資金も限られている中で、なんでもかんでも教えればいい、というわけには行きません。

自社のビジネスにおいて何が必要かを判断し、その上で何を優先して教育を行うか計画することで、新卒・新人の確かな戦力化が可能です。

自社の方針がどのようなものかによって、利益を出すための即効的な教育を重点に行うか、それとも長い目で見た利益を追求した教育を重点に行うかも変わります。

 

新人教育で帰属意識を上げる

新人教育は、新人が入社して初めて【社員に対する会社の姿勢】を感じ取る機会でもあります。

新人教育の中で先輩社員や教育担当との適切な信頼関係を築くことができれば、その新人の会社への帰属意識や好意の度合いも強まりますし、逆にここで信頼関係の構築に失敗した場合、今後のモチベーションの低下や退職にも繋がります。

ですので新人教育を実施するにあたっては、教育担当者は自分の振る舞いが会社の社員に対する姿勢を代表するつもりで関係構築に築くことが大切となります。

 

これらのことに気をつけながら、効果的な新人教育を実施しましょう。

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