研修動画とは？作成するメリットデメリットや種類、3つの作成方法

人材育成には多くの費用や労力が必要です。研修を行う場合は講師の選定や会場の確保、教材の準備などに時間を割かれてしまいます。そのため、社内リソース最適化のためにも、研修動画を使って社内教育を効率化したいと感じたことがある方もいるのではないでしょうか。

この記事では研修動画の目的やメリットデメリット、作成方法について幅広く解説します。これから社内教育に力を入れたいと考えている方の参考となる情報をまとめました。

目次

• 研修動画とは？
• 研修動画の種類
• 研修動画を作成する方法
• 研修動画を作成する際に意識するポイント
• まとめ

 

研修動画とは？

社内で研修動画を導入することにより、教育の効率化やリソースの最適化が実現します。メリットやデメリットを押さえれば、より指導効率を高められるでしょう。受講者にとっても動画で学べることには利点があります。

ここでは、研修動画を作る目的やメリットとデメリットを解説しますので、動画による研修を導入する際の検討材料にしてください。

研修動画を作る目的

研修動画を作る目的のひとつは、研修担当社員の負担削減です。事前に研修の内容を収録した動画を用意すれば、講師が受講者に教える手間を省くことができます。

また、時間や場所の制約がなくなり、受講者はそれぞれのペースで視聴できるため、業務時間外でも社員のスキルアップに向けた研修が可能です。何度も動画を見返すことで研修内容の定着も期待できます。将来的に人材育成の効率化を狙うのであれば、動画教材の導入を検討しましょう。

研修動画のメリット

研修動画の導入には、さまざまなメリットがあります。主なメリットは以下の通りです。

• 受講者の学習効率が高まる
• 時間や場所を問わず学習が可能
• 研修費用が削減できる
• 均一な研修が実施できる
• 業種を選ばない

研修動画は受講する社員だけでなく、企業にもメリットがあります。コスト削減以外にも以下のようなポイントがあるため、それぞれ確認しておきましょう。

企業のメリット
社員のメリット

• 講師や担当者の負担が減る
• スケジュールに余裕が生まれ、調整しやすくなる
• 研修会場の準備が不要になる
• 分からないところは何度でも視聴できる
• 一度に多くの情報を受け取れる
• 自分のペースで学習を進められる

研修動画のデメリット

研修動画はメリットが大きい反面、デメリットもあります。次のようなリスクがあることも理解しておきましょう。

• 動画制作に手間がかかる
• 受講者によって研修の進捗がバラバラになるリスクを伴う
• 動画内の疑問や質問をその場で解決しづらい
• 講師や受講者間でコミュニケーションが取りづらい
• インターネット環境が不安定だと受講しづらい
• 集中力を維持するのが難しい

TechAcademy（テックアカデミー）ではマンツーマンの研修を実施しています。研修動画で発生しうる問題を解決し、スムーズに研修を進められるでしょう。研修動画のメリットを生かしつつ、新入社員研修にはマンツーマン指導を導入するのがおすすめです。

 

研修動画の種類

研修動画は大きく分けて5つの種類があります。具体的には、業務を円滑に進めるマニュアル動画や新入社員に向けた研修用動画です。状況やニーズに応じて必要な研修動画を活用しましょう。ここでは、研修動画を種類別に紹介します。

業務マニュアル動画

作業内容に大きな変化がないルーティンワークや実際に目で見た方が分かりやすいマニュアル内容は、研修動画で教育するのが効率的です。具体的には、データの入力方法や受付対応、顧客対応といった業務が挙げられます。

動画は短時間で網羅性の高い情報を提供できるといったメリットがあり、複数の作業を漏れなく伝える手段として活用できるでしょう。動画を何度も見返すことで実務がイメージできて、ルーティンワークを覚えることに最適といえます。

集合研修を撮影した動画

複数の受講者を対象とする「集合研修」を撮影した動画があれば、さまざまな事情により当日研修に参加できなかった受講者も動画を視聴することで、他の参加者と同様の研修内容を学べます。

また、集合研修に参加した受講者が、復習のために見直すといった使い方も可能です。一度内容を把握した上で動画を視聴することにより、定着度の向上が期待できるでしょう。集合研修の際は動画を撮影し、資料として保管するだけでなく、振り返り用としても役立てましょう。

新入社員研修用動画

社会人としてのビジネスマナーや仕事に取り組む上で覚えておきたい心構えは、内容がほとんど変わらないため、繰り返し活用できる動画に向いています。特に顧客との顔合わせや名刺交換のシーンなどは双方動きがあるため、動画の方が伝わりやすいです。

新入社員向けの研修用動画にまとめれば、効率的な教育が実現するでしょう。他にも、実際の業務風景を動画で解説すると、新入社員が自身の働く姿をイメージしやすく現場にも早くなじめます。

自社製品・サービス紹介動画

自社製品・サービスの説明をまとめた動画も社員研修に有用です。コンセプトやターゲット、ツールの操作方法を映像で詳しく紹介することは、口頭での説明よりも図表・テロップを使うほうが情報を伝えやすい点でメリットが大きいといえるでしょう。

また、ひとつの動画を全店舗、全社で共有可能です。複数店舗展開している企業であれば、少ない手間で多くの社員を教育できるという恩恵もあります。新製品がリリースされる前に研修用の動画を準備しておくことで、製品発売に備えられます。

トップメッセージ動画

経営層から社員に向けたメッセージ動画では、年度の決算報告や企業が目指す目標の再確認、新規プロジェクトへの意気込みといった内容を伝えられます。企業が現在どのような方針か確認することで、社員のモチベーションアップが期待できるでしょう。

新入社員に向けたメッセージとして、社員のインタビューを動画に収める方法もあります。企業の雰囲気や部署ごとの活動状況を詳細に伝えられれば、新入社員に安心感を与えられるでしょう。

 

研修動画を作成する方法

企業の研修動画を作成する方法は、大きく分けて3つあります。研修動画は目的によって最適な作り方が異なるため、それぞれの特徴や違いを押さえておきましょう。ここでは、研修動画の3つの作成方法について詳しく解説しますので、どのように研修用の動画を作ろうか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

自身で作成する場合

企業の人材のみで動画を作成する場合、必要な機材や資料を準備して撮影すればよいため、コストを抑えながら自由度の高い動画が作成できます。

ただし、動画撮影のノウハウやスキルがないと、分かりにくい動画になる恐れがあるでしょう。まずはチュートリアル付きでサービスを提供しているAdobe Premiere Proをはじめとする動画編集ソフトを活用するのがおすすめです。初見の視聴者でも理解しやすい編集スキルの習得に努めましょう。

動画制作会社に依頼する場合

動画制作会社に依頼する方法もあります。依頼した内容に沿って、品質の高い動画を制作してもらえるのが魅力です。自社で動画制作した場合、クオリティが十分でないと判断される際はプロに依頼することを検討してみましょう。

ただし、ひとつの研修動画に対して、最低でも数万円以上のコストがかかります。予算の都合を加味しつつ、自社に必要な研修動画に絞って依頼しましょう。テーマ別や職種別で動画制作を依頼するのであれば、株式会社Schooがおすすめです。

研修動画パッケージを利用する場合

研修会社の研修動画パッケージを利用するのもひとつの方法です。ビジネスマナー講座やオフィスソフトの使い方など、一般的な内容や研修で多用されるテーマを手軽に利用できます。

ただし、あらゆる企業に共通するテーマを多く扱っているため、企業ごとにカスタマイズできないのが難点です。多くの制作実績があり、幅広いニーズに応えてくれる企業を探している場合、株式会社ライトワークスのパッケージプランをおすすめします。

 

研修動画を作成する際に意識するポイント

研修動画を低コストで自由に作りたいのであれば、自社での内製がおすすめです。動画制作に必要な知識やスキルを身に付けて、自社に最適な研修動画を作りましょう。ここでは、研修動画を社内で作成する際に意識したいポイントを4つ紹介します。

作成前に業務内容とポイントを整理する

動画制作前に業務内容と伝えたいポイントを整理しましょう。事前に動画の流れや構成を明確にすることで、完成した動画をイメージしながら動画制作を始めることができます。完成形をイメージすることで作り直す手間を省くことにもつながり、結果として制作にかかる労力を抑えられます。

メッセージが抽象的で明確に伝わらない場合、再度編集する必要があります。貴重な社内リソースを削られるため、あらかじめ動画の構成を丁寧に組んでおくのがおすすめです。

できるだけひとつの動画は短めに

ひとつの動画は数十秒から数分程度にまとめ、要点が理解できるようにしましょう。伝えたいことが多く内容を詰め込みすぎて長い動画になりがちですが、短い動画を複数作って、研修動画の一覧を構成するのがおすすめです。

ポイントは、ひとつの動画で伝えるメッセージを絞り込むことと次の動画の予告を入れることです。いま学んだ内容が次の動画につながると分かれば、受講者のモチベーション維持につながります。

動画には視聴意欲を高める工夫を

研修動画は受講者の視聴意欲を刺激する内容に仕上げましょう。一般的に、長時間動画を視聴し続けるのは苦痛という方が多く、可能な限り集中力が保つための工夫が必要です。

具体的には、研修内容の確認クイズといったエンタメ要素を取り入れたり、動画視聴後にアンケートやレポートを提出させるなどのアウトプットを導入するとよいでしょう。話を聞くだけで終わらせるのではなく、手を使ったり考えたりする中で「研修に参加している」という自覚を生む効果が期待できます。

テロップを入れて視聴者が見やすくする

研修動画にはテロップを入れて、視聴者が見やすくなるように意識しましょう。動画や受講者の視聴環境によっては音声だけでは聞き取りづらく、内容についていけない場合も考えられるためです。

テロップはオレンジや赤など、見やすく目立つ色がよいでしょう。ただし、背景と同じ色はNGです。テロップが読みにくく、内容が伝わらなくなります。テロップを入れすぎてもポイントがわからないなどの逆効果もあるので、全体のバランスを見ながら調整しましょう。

 

まとめ

研修動画は、社内教育の効率化やリソースの最適化を実現する手段のひとつです。時間や場所を問わずスキルを磨くことができ、研修費用の削減につながりします。一方、動画の作成に手間がかかることやスケジュール通りに研修が進まないリスクがある点には注意しましょう。

動画の作成方法には、社内制作や制作会社への依頼、パッケージ動画の利用が挙げられます。自社に最適な方法を用いて研修動画を作成しましょう。