新入社員研修オンライン化のメリットデメリットを解説!おすすめのツールも
「新入社員研修のオンライン化のメリットやデメリットが知りたい」とお考えの担当者に向けて、新入社員研修のオンライン化に関するメリットやデメリットを解説し、おすすめの導入ツールもあわせてご紹介します。
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昨今、新入社員研修のオンライン化を検討する企業が増えています。ただ、新入社員研修をオンライン化することにはメリットがあるものの、複数のデメリットも存在しています。そのため、まずはオンライン化するメリットやデメリットをしっかりと理解し、自社の研修内容に合ったものであるかを判断することが大切です。
本記事では新入社員研修のオンライン化によるメリットデメリットや、おすすめの導入ツールを紹介します。
目次
- 新入社員研修とは
- 新入社員研修の実態
- 新入社員研修のオンライン化とは
- 新入社員研修をオンライン化するメリット
- 新入社員研修をオンライン化するデメリット
- 新入社員研修をオンライン化する際の問題と解決方法
- 新入社員研修のオンライン化におすすめのツール
- まとめ
新入社員研修とは
新入社員研修とは、新たに企業へ入社してきた社員を対象に、働くために必要な基礎知識やスキルを指導・育成する研修のことです。中には社会人経験が少ない人もいるので、社会人としてのマナーから業務に必要な知識・スキルまで新入社員研修で幅広く学びます。
新入社員研修の目的
新入社員研修の目的は、社会人への意識改革やマナー、知識やスキルの習得です。また、新入社員研修のオリエンテーションでは、自社の企業理念や同業界のトレンド・関心などについても学びます。
これから社会人として働いていく上で、自身や企業が成長するために必要な要素を取り入れることを目的として、新入社員研修は行われるのです。
新入社員研修の内容
新入社員研修の内容は、企業が新入社員に対して「どのような知識やスキルを習得して欲しいのか」によって異なります。
例えば「基本的な社会人としてのマナーを学んで欲しい」と考えるのであれば、マナー研修を行い、部署ごとに習得して欲しいスキルがあれば、そのスキルに関する研修を行います。
新入社員研修の期間
新入社員研修の期間は1〜3ヶ月が一般的です。しかし、企業や研修内容によって研修期間は異なるので、あくまで一つの目安として捉えておきましょう。研修期間は試用期間と異なり、必要となる知識やスキルを習得する期間です。
そのため、基本的には3ヶ月が経過すると新入社員研修は終了となる場合が多いようです。
新入社員研修の実態
昨今、外的要因もあり、新入社員研修を含む研修をスムーズに進められない現状があります。ここでは、実際の企業と新入社員たちの声を参考に、新入社員研修の実態調査結果を紹介します。
外的な要因でリアルでの研修が難しい
2020年に起こった新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、多くの企業では対面での研修が難しいとされていました。徐々にコロナ禍は縮小したものの、まだ予断は許されない状況です。
株式会社ジェイエックの「2022年度教育研修の実態と課題に関するアンケート」によると、2021年時点でオンラインやeラーニングでの研修を導入している企業もありました。
そして、今後の研修については「引き続きオンラインやeラーニングでの研修を行う」「新たにオンラインなどを導入して社員研修を増加させたい」と考える企業が増えているのが現状です。
新入社員からはリアルな研修を望む声が多い
オンラインやeラーニングによる研修を行う企業や、オンラインなどの導入を検討する企業が増える中、新入社員からは予想とは違う声が多く挙がっていることをご存じでしょうか。
新入社員からは、リアルな研修を望む声が多く、その理由としては「同期との親交を深めたい」「会社の雰囲気を直接肌で感じることで、業務に慣れやすくなると思う」などが挙げられています。
その他にも「面接までがすべて画面越しだったので、直接会社の人に会ってみたい」という声もあり、企業の考えとは裏腹に、新入社員たちはリアルな研修を望んでいることがわかります。
企業側としては「新たな研修の実施方式が必要だ」と回答
新入社員たちがリアルな研修を望む中、一部の企業では「そろそろコロナも落ち着くだろうし、対面での研修を再開しようか」という声もあるようです。
しかし、まだ多くの企業ではコロナ禍による外的要因でリアル研修を再開することに迷っているという声や、「今後に備えてリアル研修以外の新たな研修実施方式が必要だ」と回答する企業もあります。
今後も増加傾向のオンライン研修
ここまでの内容を振り返ると、今後新入社員研修を含む研修のオンライン化が進む可能性は高いと考えられます。
ただ、そのためには研修のオンライン化に備えてメリットやデメリットをしっかりと理解し、効率よく利用できるように事前準備が必要です。
オンライン化はリモートワークでも研修を進められる便利さはありますが、それに伴い生じる問題があることも事実です。これらの問題を事前に把握し対処することも企業の役割といえるでしょう。
新入社員研修のオンライン化とは
新入社員研修のオンライン化とは、PCやタブレットを使用して研修を行うことです。リアル研修だと、参加者・関係者との日程調整が困難であったり、外的要因によって会社への出社を控えなければならなかったりと、さまざまな問題が生じます。
しかし、オンラインならば画面上で研修を進めていくので手軽に研修を行えます。
リアルタイムで動画が配信される
オンライン新入社員研修では、リアルタイムで動画が配信される仕組みです。そのため、チャットやマイクで気軽に講師へ質問することもできます。
また、外出先や家など自身の好きな場所でリラックスして研修を受けられるので、新入社員研修ならではの緊張感を軽減した状態で研修を進められるでしょう。
eラーニングとの違いは
eラーニングとは、あらかじめ製作・録画された動画を好きな時間帯に視聴するものです。
毎日忙しい人にとっては、好きな時間帯に学習・研修を受けられる点はメリットになります。しかし、質問や不明点があっても、その場では解決できないというデメリットがあります。
一方、オンラインは反復学習がしたい場合は録画機能を使えば録画もできますし、リアルタイムで双方が交流しながら学習を進められるので、eラーニングよりも研修向きです。
新入社員研修をオンライン化するメリット
次は、オンライン化のメリットについて解説していきます。新入社員研修をオンライン化させるメリットは、大きく分けて3つです。3つのメリットの中でも、オンライン化のメリットは新入社員側に多く存在しています。企業側にもメリットはあるので、どのようなメリットがあるか確認してみてください。
リモートワークで研修を進められる
新入社員研修をオンライン化する1つめのメリットは「リモートワーク」です。昨今、多くの企業がリモートワークを導入しており、時代のニーズに合った研修方法といえます。
また、ツールによっては進捗管理機能や確認テストなどもできるので、リアル研修で必要となる人材を削減した状態でも、スムーズに新入社員研修を進められます。
研修費用の削減
新入社員研修をオンライン化する2つめのメリットは「研修費用の削減」です。オンラインでの新入社員研修では、PCやタブレットとインターネット環境が揃っていればどこでも研修を進められます。
加えて、研修に必要となる会場使用料や資料印刷費、一人あたりにかかる金額など、研修費用を大幅に削減できます。
反復学習ができる
新入社員研修をオンライン化する3つめのメリットは「反復学習」です。動画を録画しておくことで、好きな時間に何度でも反復学習ができます。
加えて、オンラインならば、受講者の進捗状況や得意・不得意にあわせたサポートを行うことができるので、受講者それぞれのペースで反復学習を行い知識やスキルを習得できるでしょう。
新入社員研修をオンライン化するデメリット
次は、新入社員研修をオンライン化するデメリットについて解説していきます。新入社員研修をオンライン化するデメリットはメリットと同様3つです。このデメリットは、実際に新入社員研修を行う前に企業が入念な下準備を行わなかった場合、大きな負担となる可能性があります。
新入社員側のデメリットについてご紹介します。
通信環境を整える必要がある
新入社員研修をオンライン化する1つめのデメリットは「通信環境」です。オンラインで研修をスムーズに進めるためには、まず通信環境が整っていることが前提となります。特に、研修は数分で終わるものではないので安定した通信環境でなければいけません。
研修参加者の理解度が不明瞭
新入社員研修をオンライン化する2つめのデメリットは「研修参加者の理解度」です。実際に対面で研修を行うわけではないので、どうしても進捗管理は甘くなる可能性があります。
特に、ツールに備わっている進捗管理をうまく利用できなければ、新入社員研修による研修参加者の理解度や研修効果測定が不明瞭になります。
研修参加者同士の交流が減る
新入社員研修をオンライン化する3つめのデメリットは「研修参加者同士の交流」です。チャットやマイクで研修講師と交流できるものの、研修参加者同士が交流する機会は、リアル研修と比べて少なくなります。
これにより、研修参加者のモチベーション低下、競争力・協調性を育むことが難しくなるでしょう。
新入社員研修をオンライン化する際の問題と解決方法
ここで解説するオンライン化する際の問題は、上で解説したデメリットに共通・関連する点が多いです。しかし、この問題を改善できなければ、せっかくオンライン化を進めても思うような研修効果は得られません。
それでは問題を改めて確認し、問題に対する解決方法を見ていきましょう。
PCやタブレットの配布が必要となる場合がある
オンラインで研修を受けるためには、PCやタブレットが必要です。最近ではタブレットを使用する若者は多いですが、誰もがPCを所持しているわけではありません。特に現代では、PCがなくてもスマートフォンでカバーできるので、新入社員研修をオンライン化する際には、PCやタブレットの配布が必要となる場合があります。
そのため、企業は事前にPCやタブレットの配布に関してアンケートを取り、どの程度の人数が配布を希望しているのかをチェックしましょう。
研修参加者のモチベーションを維持する対策が必要
新入社員研修をオンライン化するデメリットでも解説した通り、画面上のやりとりだけでは研究参加者のモチベーションの維持が難しくなります。
モチベーションの低下は、学習意欲を減少させるだけではなく、新入社員研修の効果自体を減少させてしまいます。そのため、研修後のグループディスカッションなど、研修参加者同士を交流させてモチベーションを維持させる対策が必要です。
研修参加者の理解度が把握しにくい
新入社員研修をオンラインで進めていくと、研修参加者の理解度が把握しにくくなります。理由として、リアル研修のように直接研修参加者と触れ合えるわけではないからです。理解度が低いまま、次の研修へ進むことは学習意欲やモチベーション低下にも繋がります。
そのため、進捗管理システムが導入されたツールを導入したり、研修講師が定期的に理解度テストを行ったりして、研修参加者の理解度を把握せねばなりません。
PCやタブレットに対して不慣れな人もいる
新入社員といっても、中にはPCやタブレットに不慣れな方もいることでしょう。この場合、新入社員研修のオンライン化が実装される前に個別でフォローする必要があります。
PCやタブレットの基本的な使い方はもちろん、使用するツールの使い方、録画方法など、事前に個別フォローを行うことが大切です。
自社の目的に合ったツール選びが困難
新入社員研修を含む研修ツールは、数多く存在しています。その中から自社の目的に合ったツールを選べるかによって、研修効果は大きく異なるでしょう。
研修ツールには「①多様なコンテンツを受講できる汎用性が高いタイプ」「②自社の研修教材のオンライン化に適した教材育成・管理機能が優れているタイプ」「③必須研修の受講に適したタイプ」の3タイプがあります。
この中で、自社の研修目的に合ったツールのタイプを選ぶことで、効果的な新入社員研修を行えるでしょう。
新入社員研修のオンライン化におすすめのツール
研修ツールには3つのタイプがあるので、自社の研修目的に合ったタイプを選ぶことが大切です。しかし、研修ツールは豊富にあるので、それぞれの特徴を掴んだ選定が必要になります。
そこで、ここでは新入社員研修のオンライン化におすすめのツールを3つご紹介します。
ツール名やそれぞれの特徴もあわせてご紹介します。
Zoom
Zoomは、元々会議用ツールとして利用されていたものの、近年では面接やオンラインでの研修を取り入れている企業でよく利用されているツールです。
Zoomは、他のWeb会議ツールよりもデータ通信量が少なく、オンライン研修の主催者がアカウントを取得していれば、他の参加者はアカウントなしでも参加できます。
加えて、画面共有機能や、自由に書き込めるホワイトボード機能など、便利な機能が豊富で、この他にも文章でのチャットやボイスチャット、録音・録画機能もあります。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、無料アカウントでも最大100人、最大60分までオンラインミーティングができるツールです。Teamsは、WordやExcelをオンライン上で参加者が編集したり、特定のファイルを参加者全員が確認できたりする便利さが魅力です。
加えて、有料プランへ契約すれば最大250人までの同時接続や、研修内容の録音・記録もできます。
Schoo
新入社員研修や人材育成のためのコンテンツを提供しているSchooは、約6,000本以上を超える提供動画数や社員の受講状況がグラフで確認できる便利さが魅力です。
その他にも、学習の傾向をそれぞれの社員ごとに分析したり、オリジナル研修を作成できます。
また、新入社員研修以外にも、階層別で研修パッケージがあるのでさまざまな階層の社員や管理職もSchooがあればスムーズにオンライン研修を行えるので、大企業にもおすすめです。
まとめ
今回は、新入社員研修オンライン化のメリットデメリットを解説し、これからオンライン化を進める企業におすすめのツールもあわせて紹介しました。オンライン化にはメリットとデメリットがそれぞれあるので、まずは自社の研修内容に合っているか、利用できるかを事前にチェックすることが大切です。本記事を参考に、満足度の高いオンライン新入社員研修が行えるように事前準備を行いましょう。