IT研修助成金の種類とコースについて徹底解説!申請条件や限度額も

近年多くの研修会社やスクールで助成金対象のコースが増えているため、IT研修助成金について知りたい方もいるのではないでしょうか。本記事では、IT研修助成金の種類とコース、申請条件、限度額について解説します。

「IT研修で助成金が出るって本当?」「研修の助成金が活用できる研修企業はあるの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。IT研修で活用できる助成金には「人材開発支援助成金」や「社内型・民間派遣型スキルアップ助成金」が該当します。

本記事では、IT研修助成金の種類とコースについて徹底解説します。申請条件や限度額、IT研修で助成金が活用できる研修企業も紹介しますので、ぜひご覧ください。

目次

 

IT研修助成金の種類とコース名

申請書とボールペンと8万円分の一万円札紙幣

IT研修で活用できる助成金は4種類です。それぞれ申請条件や限度額が異なるため、自社の研修や職業訓練で利用できるかどうか事前に確認するとよいでしょう。ここでは、IT研修助成金の種類とコースについて詳しく解説します。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、厚生労働省が管轄する助成金制度のひとつです。自社で働く労働者のスキルアップを目的にしたもので、社員研修や能力開発のための職業訓練を実施した際にかかった費用や期間中の賃金を一部助成します。

人材開発支援助成金のコースは以下の通りです。自社に合った助成金を申請すれば、コストを削減して人材を育成できます。

コース名 助成金の限度額 申請条件
特定訓練コース 1年当たり1,000万円
  • 雇用保険の被保険者であること
  • 訓練受講時間が実訓練時間数の8倍
一般訓練コース 1年当たり500万円
  • Off-JTにより実施される訓練であること(事業主または事業主団体など自ら企画・実施する訓練、または教育訓練機関が実施する訓練)
  • 実訓練時間が20時間以上であること
教育訓練休暇付与コース 制度導入で30万円
  • 3年間に5日以上の取得が可能な有給教育訓練休暇を適用した事業主
  • 被保険者が業務命令でなく、自発的に教育訓練、各種検定、キャリアコンサルティングのいずれかを受講する
特別育成訓練コース 1年当たり1,000万円
  • 有期契約労働者等に対し、正規雇用労働者等に転換、または処遇を改善する目的で行う訓練
  • 1年以内かつ20時間以上の一般職業訓練(事業内・事業外訓練)の実施
  • 一般職業訓練+適格な指導者のもとでOJTを組み合わせて実施する有期実習型訓練 など

社内型・民間派遣型スキルアップ助成金

社内型・民間派遣型スキルアップ助成金とは、東京都が補助する助成金で、都内にある中小企業が従業員に対して行う職業訓練に関する費用を補助する制度です。主に、業務や職務で必要な知識や技術を習得したり、資格を取得したりする訓練で申請できます。

コース名 助成金の限度額 申請条件
社内型スキルアップ助成金 年度内100万円
  • 中小企業(個人事業主も含む)
  • 都内に本社または事業所(支店・営業所等)の登記があること
  • 訓練に要する経費を受講者に負担させていないこと
  • 通常の勤務時間内に訓練を行い、賃金を支払っていること
  • 助成を受けようとする訓練について国または地方公共団体から助成を受けていないこと
  • 受講者の職務に必要となる専門的な技能・知識の習得・向上または専門的な資格取得を目的とすること
  • 集合+通常の業務と区別できるOFF-JTの訓練であること
  • 交付決定日から令和5年3月31日までの間に訓練を開始し終了すること など
民間派遣型スキルアップ助成金 年度内100万円 上に同じ

オンラインスキルアップ助成金

オンラインスキルアップ助成金とは、東京都が補助する助成金制度です。都内の中小企業が従業員に対してe-ラーニングを利用した職業訓練を行った際にかかる費用を補助します。近年、対面での研修を控える企業が増え、オンライン研修やe-ラーニングでの研修も多いことから時代に合った助成金制度と言えるでしょう。

コース名 助成金の限度額 申請条件
オンラインスキルアップ助成金
  • 小規模企業者:27万円
  • その他の中小企業等:20万円
  • 教育機関等が提供するeラーニングであること
  • 企業側が受講者の受講履歴を確認できること
  • 受講費用がWebサイトやパンフレットに明記されていること

DXリスキリング助成金

DXリスキリング助成金とは、都内の中小企業が民間の教育機関が提供するDXに関する職業訓練に自社の従業員を参加させた際にかかった費用を補助する助成金制度です。受給対象となる分野には「AI」「クラウド」「ブロックチェーン」などが挙げられます。

コース名 助成金の限度額 申請条件
DXリスキリング助成金 64万円
  • 中小企業もしくは個人事業主
  • 都内に本社または事業所(支店・営業所等)の登記があること
  • 訓練に要する経費を従業員に負担させていないこと
  • 助成を受けようとする訓練について国または地方公共団体から助成を受けていないこと
  • 中小企業が民間の教育機関が提供するDXに関する訓練に従業員を派遣又はeラーニングなどにより実施すること
  • DXに関する専門的な知識・技能の習得と向上を目的とする訓練または資格取得をするための訓練であること
  • 訓練時間が20時間以上であること(複数講座の組み合わせも可)
  • 教育機関等の受講案内と受講に係る経費(受講料等)が、ホームページやパンフレットなどで一般に公開されており、1講座及び受講者1人当たりの講座期間(時間)、受講料があらかじめ定められていること
  • 助成対象事業者が受講者の受講履歴等を確認できる訓練であること
  • 助成対象期間の初日以降に開始し、助成対象期間内に終了した訓練であること など

 

IT研修助成金を活用できる研修企業5選

ファイルを持って社内に立っている女性

社員のスキルアップのために研修や職業訓練を実施したいと考えている方もいるでしょう。ここでは、IT研修助成金が活用できる研修企業を5社紹介します。それぞれの特徴や魅力を理解し、自社に合った研修企業を選んでみてください。

TechAcademy(テックアカデミー)

TechAcademy(テックアカデミー)は、日本e-Learning大賞プログラミング教育特別部門賞を受賞した経歴を持つプログラミングスクールです。マンツーマンサポートで、初心者から上級者まで幅広い層に対応できます。IT研修助成金の対象となるコースは「AIコース」や「データサイエンコース」を含む15種類です。

企業名 TechAcademy(テックアカデミー)
スタイル オンライン
利用できる助成金制度 人材開発支援助成金・オンラインスキルアップ助成金・DXリスキリング助成金
助成金対象コース
  • 法人研修で提供しているコース
特徴
  • 日本e-Learning大賞プログラミング教育特別部賞 受賞
  • 講師は全員、通過率10%の選考に合格した現役エンジニア
  • 受講生一人一人に講師がつくマンツーマンサポート
  • 研修進捗を可視化するマネジメントシステム
  • 定量・定性面を評価した受講レポートをご用意
コースの修了条件
  • カリキュラムのLessonを完了させる
  • カリキュラムの課題をすべて提出し合格している
  • 受講開始時に設定されたメンタリング回数を全て実施している
公式サイト https://techacademy.jp/biz/training

SAMURAI ENGINEER Biz

SAMURAI ENGINEER Bizは経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定されている法人向けのオンライン研修サービスです。既存のカリキュラムではなく、研修前にヒアリングを行い、受講者のスキルに合ったカリキュラムとメンターを割り当てます。指導法はマンツーマンで不明点がすぐに解決できるため、効率良く研修が進む点も魅力と言えるでしょう。

利用できる助成金制度は人材開発支援助成金で、主な対象コースは「DX推進」「ITリテラシー研修」「Webサイト制作研修」です。

企業名 SAMURAI ENGINEER Biz
スタイル オンライン
利用できる助成金制度 人材開発支援助成金
助成金対象コース
  • DX推進
  • ITリテラシー研修
  • Webサイト制作研修
  • プログラミング研修

※料金は公式サイトから問い合わせ

特徴
  • 累計受講実績3万5,000件~
  • 完全オーダーメイド研修
  • 事前のヒアリングでメンター割り当て
  • チャットサポート対応
公式サイト https://www.sejuku.net/biz/

トレノケート

トレノケートは世界的なトレーニングアワードを65回以上受賞した経験を持つ人材育成専門の企業です。「1社カスタマイズ」「複数の会社合同」「定期開催」の3つから自社に合った研修スタイルが選べます。世界14の国で活躍しているため、グローバル人材の育成を見据えている企業におすすめです。

利用できる助成金制度は人材開発支援助成金で、対象コースとして「データ分析」「クラウド」「仮想化」が挙げられます。

企業名 トレノケート
スタイル
  • 通学
  • オンライン
  • e-ラーニング
利用できる助成金制度 人材開発支援助成金
助成金対象コース
  • データ分析
  • クラウド
  • 仮想化
  • ITインフラ
  • データセンター
  • セキュリティ
  • ネットワーク
特徴
  • 世界的なトレーニングアワードを65回以上受賞
  • 3つの研修形式から企業に合った形式が選べる
  • 会場は駅から徒歩5分圏内で立地が良い
公式サイト https://www.trainocate.co.jp/

KENスクール

KENスクールは30年を超える実績と新人社員研修リピート率約95%が魅力のスクールです。「通学」「公開型」「講師派遣型」「e-ラーニング」の4種類から自社に合った研修スタイルが選べます。ビジネススキルとITスキルの両方を学べる研修が用意されており、新人社員研修に最適です。

利用できる助成金制度は人材開発支援助成金で、対象コースには「Java研修」「サーバ研修」「データベース研修」があります。特にJavaは需要が高いプログラミング言語であるにもかかわらず習得難易度が高いため、社員にスキルを習得させたい企業におすすめです。

企業名 KENスクール
スタイル
  • e-ラーニング
  • 通学
  • 公開型
  • 講師派遣型
利用できる助成金制度 人材開発支援助成金
助成金対象コース
  • Java研修
  • サーバ研修
  • データベース研修

※料金は公式サイトから問い合わせ

特徴
  • 研修半年後にフォローアップ研修有り
  • 研修開始前よりe-ラーニングをオプション提供
  • 助成金申請サポート有り
  • 返金保証有り
公式サイト https://education.kenschool.jp/

神田ITスクール

神田ITスクールは、アプリを5個以上開発しながらプログラミングについて理解を深める研修が企業から高評価を得ているIT専門教育機関です。実際にアプリを開発する過程で不明点や疑問点を解決するため、実践的なスキルが身につきます。

主な助成金対象コースは「Javaプログラミング研修」「PHPプログラミング研修」です。内定者、新入社員、中堅社員それぞれに対応したフォロー制度があり、研修で学んだ知識やスキルがしっかりと定着します。

企業名 神田ITスクール
スタイル
  • 対面
  • オンライン
  • e-ラーニング
利用できる助成金制度
  • 人材開発支援助成金
  • 特定訓練コース 若年人材育成訓練
  • 特別育成訓練コース(有期契約)
助成金対象コース
  • Javaプログラミング研修
  • PHPプログラミング研修
  • Linux研修
特徴
  • フォロー研修有り
  • 座学+実践形式で定着率を高める
  • 質問は24時間OK(営業時間内の場合4時間~5時間で返答)
公式サイト https://kanda-it-school-kensyu.com/

 

IT研修助成金に関するFAQ

万年筆とFAQの文字

助成金を活用するには「どうやって申請するのか」「いつまでに申請が必要か」といった知識が必要です。ここでは、IT研修助成金に関するよくあるFAQを紹介します。これからIT研修で助成金の活用を考えている企業の方はぜひ参考にしてみてください。

申請方法

助成金を申請する際には必要書類を準備し、労働局またはハローワークに提出します。各制度共通の必要書類は以下の通りです。

1.人材開発支援助成金制度導入・適用計画届
2.中小企業事業主の場合は、中小企業事業主であることを確認できるもの
3.主たる事業所と従たる事業所を確認できる公的な書類
4.事業所確認表
5.就業規則又は労働協約(制度規定前の写しと規定後の案)

他にも、制度によって必要な書類があり、それぞれ内容が異なる点に注意しましょう。例えば、教育訓練制度の申請には「職業能力体系図」「教育訓練実施計画書」「訓練カリキュラム」「評価項目を記載したジョブカード」が必要です。

申請期限

人材開発支援助成金の申請期限は、教育訓練開始日の1か月前です。教育訓練終了後は2か月以内に支給申請書を提出する必要があるため、忘れないように注意しましょう。社内型・民間派遣型スキルアップ助成金は毎年申請時期が異なる場合もあり、あらかじめ確認することをおすすめします。

申請が通らなかったときに考えられること

申請が通らない理由として考えられるのは、申請期間の間違いや書類の不備です。例えば、申請期限に「研修終了から2か月以内」と記載されている場合、全ての研修が完了してからなのか、最初の参加者が参加してからなのかによって期限が異なります。

また、制度によって必要な書類が異なるのも不備の原因のひとつです。分からないことは早めに労働局やハローワークで確認するとよいでしょう。

 

IT研修で助成金を活用する際の注意点

レッドカードを手に持ったスーツ姿の男性

IT研修で助成金を活用する際には、さまざまな条件を満たさなければなりません。ここでは、特に気を付けた方がよい3つの注意点を紹介します。「せっかく申請したのに通らなかった」という事態を招かないように、しっかりと確認しましょう。

出欠に関する条件がある

助成金を受け取る条件として、年間職業能力開発計画番号ごとに8割以上の出席が必要です。「特定分野認定学習併用職業訓練」「有期実習型訓練」では、OFF-JTとOJTそれぞれで8割以上の出席が必要なため、注意しましょう。

研修後の業務体形が派遣社員の場合、受給できない

助成金の支給対象は「派遣労働者として雇用されていない者」とされています。研修後に派遣社員として働いていると助成金の支給が認められない場合があるため、注意が必要です。申請を予定している場合、正社員・契約社員を対象とした研修を実施するとよいでしょう。

雇用に関する条件がある

助成金の支給申請が通らない理由として雇用に関する条件を満たしていない場合も考えられます。計画届の提出日の6か月前の日から支給申請書の提出日までに、事業主の都合で対象者を解雇した場合、研修に参加していても助成金は支給されません。

 

まとめ

人差し指を立てたスーツ姿の女性

IT研修助成金は企業の負担を軽減し、人材の成長や今後のより良い研修作りに役立ちます。自社の社員にIT研修を受けさせたいと感じたら、助成金に関する正しい知識が必要です。

どの研修企業にしようか悩んでいる方は、助成金が活用できる企業の中から自社に合った企業を選ぶとリスクを回避できます。IT研修助成金を活用してIT業界の人材不足が解消すれば、自社だけでなく業界全体の盛り上がりにもつながるでしょう。

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