新人社員の研修期間はどの位?研修期間の決め方と効率よく研修を進める方法

新入社員研修期間は、企業や職種によって多少異なります。本記事では、新入社員の研修期間について、平均的な期間や研修期間の決め方、効率よく新入社員の研修を進める方法を一気にご紹介します。

新入社員の研修期間は、おおよそこのくらいではないか、という指標はあるものの、実際の勤務先や職種によって異なります。

「前回働いていた会社の研修期間は1ヶ月だったのに、今回働いている会社は2ヶ月経過しても研修が終わらない」ということもあるでしょう。

本記事では、職種による平均的な研修期間や、研修期間の決め方、効率よく研修を進めるための方法を一気にご紹介します。

目次

 

新入社員研修の期間について

新入社員研修の研修期間・日数を記したカレンダーとボールペン

研修期間は法律などによって決められているわけではないので、すべての企業が同じ期間とはいえません。そのため「これから働く場所の研修期間はどのぐらいなのかな?」と考える人もいるでしょう。

ここでは、平均的な研修期間と、職種別の研修期間をご紹介します。

平均的な研修期間は約1~3ヶ月

企業や職種によって異なるものの、新入社員研修期間はおおよそ1〜3ヶ月以内です。

大企業の場合は1ヶ月が主流ですが、研修期間が短い企業や職種だと2週間で研修が終わってしまう場合もあります。

企業や職種によって研修期間に差が出るのかは後ほど詳しくご紹介しますが、内容によっては研修期間を短く設定している場合もあります。

事務系の場合

事務系の場合、研修期間は3ヶ月以内としているところが多いです。専門的な知識や技術が不要な場合、1ヶ月前後で研修期間が終了する企業もあります。

ただし、事務職の中でも専門的な知識を必要とする銀行員や経理などの場合は、3ヶ月いっぱいを研修期間としている企業が多いです。

技術系の場合

技術系の場合、事務系と同じく3か月程度の研修期間が設定されています。しかし、技術職の場合、現場で働く際には専門的な職務に就くことになるので、当初は3ヶ月と提示されていても、実際はそれ以上の研修期間になる場合もあります。

また、技術職は新人研修の時点ですでに配属先が決まっているわけではありません。研修期間を経て、働く人それぞれの性格や得意分野を見極める必要があるので、研修期間も長めになる傾向があります。

その他

その他の職種に関しては企業によって異なります。また、元々研修期間は3ヶ月だと説明されていた場合でも、企業がもう少し様子を見たいと感じた場合は、通告の上研修期間が延長される場合もあります。

また看護師の場合、「共通科目」で315時間、「区分別科目」で15〜72時間が研修期間です。

ただし、そこから特定看護師と呼ばれる2015年10月に厚生労働省が施行した「特定行為に係わる看護師の研修制度」を受講した場合、さらに1〜2年の研修が行われます。

なぜ職種によって研修期間に差があるのか

職種によって研修期間が違う理由として「専門的な知識の取得が必要か」という点や、元々企業が定めている研修期間が異なる点が挙げられます。

専門的な知識以外にも、初めてチャレンジする職種の場合、知識や技術を取得するまでには時間がかかります。

企業としても長く働いてもらいたいので、新人社員の性格や特徴をしっかりつかみ、適した部署へ配属したいと考えることから、職種によって研修期間が異なるのです。

新人社員が仕事に慣れるまでの期間は?

研修期間とは別に、新入社員が仕事に慣れるまでの期間を大手総合情報会社がアンケートなどから調べた結果、多くの人は「6ヶ月」と答えています。

6ヶ月の次が3ヶ月となっており「先輩から指示をもらわなくても自分で動けるようになったのは半年くらい」という人や、「仕事自体は慣れていたので生活環境に慣れるまで3ヶ月かかった」という人もいました。

どのぐらいの期間で仕事に慣れるかは、状況や取得すべきスキルなどによって異なります。

 

新人社員の研修期間はどうやって決まる?

社員が新入社員研修期間を相談している図

平均的な研修期間は1か月〜3か月ということがわかりました。しかし、気になるのは「一体どうやって研修期間は決まっているのか」ということではないでしょうか。

職種ごとにおおよその目安はありますが、それでも企業によっては異なります。ここでは、研修期間は一体どのように決められているのかを解説していきます。

研修の目的と目標・内容を設定

企業が研修期間を決める際、まず「研修の目的」を決めていきます。例えば、「今回の研修ではこのようなスキルを身に着けてほしい」「新入社員が自社に慣れるための研修を行いたい」など、大まかな研修の目的を決めるのです。

そこから、目的を達成させるためにはどのような研修内容を組めばよいかを考え、目的と内容を設定します。ある程度目的と内容を決めたら、次は研修の種類を決めます。

研修の種類①OJT研修

1つめの研修タイプは「OJT研修」です。OJT研修は「On The Job Traning」の略称で、企業や組織の中で実務をこなしつつ、人材の育成を図る研修方法になります。

職場の上司や先輩が新入社員に知識や技術を伝えることで、実務でしか得られない知識やスキルの取得が期待できます。

研修の種類②Off-JT研修

2つめの研修タイプは「Off-JT研修」です。先ほどご紹介したOJT研修と比較されることの多い研修ですが、実務の場を離れて行う人材育成方法をOff-JT研修といいます。

Off-JT研修は、セミナーへの参加、外部スクールや通信教育の受講などのパターンが多いです。

研修の種類③フォローアップ研修

3つ目の研修は「フォローアップ研修」です。フォローアップ研修とは、研修後に一定の期間が経過したタイミングで、研修の振り返りをし、研修で得た学びやスキルは活かされているかを確認します。

その後、問題点や改善点があった場合は解決・改善し必要なスキルや知識を身につけたり、目標設定をするための研修のことです。

目的と内容から研修期間を設定

目的と研修内容、行う研修スタイルを設定したら、次は研修期間の設定です。このとき、研修期間にはグループワークや理解度テスト、研修中の移動時間などを含めた期間を設定していきます。

また、以前行われた研修の期間を考慮した上で、どの程度の期間が適切かを社内で話し合い、研修期間を決定していきます。

研修にかけられる費用も念頭に置く

研修目的や内容、スタイルを決める以外にも「どの程度研修に費用がかけられるか」「相場はどのくらいなのか」もあらかじめ念頭に置いて考える必要があるでしょう。

研修でかかる費用としては「新入社員の給与」「研修で使用する部屋代」など、研修を行う人数が多い場合や、研修期間が長くなればそれだけ費用が負担になります。

 

新人社員の研修期間を決める際に気を付けること

研修期間を決める際に気を付けるべきことを教えている男性

新入社員研修の研修期間は、企業がしっかりと熟考を重ねた結果、決めるものです。ただし、企業側が研修期間を設定する際、注意しなければならない点が4つあります。ここでご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

適切な研修期間を設定する

研修期間を設定する際、適切な期間を設定する必要があります。例えば、研修期間が短すぎる場合、研修目的や目標を達成するためのハードルが高くなってしまいます。

一方、長すぎても中だるみが起こってモチベーション低下に繋がる可能性が高くなるので、注意が必要です。

研修の目的や目標、ゴールを新入社員と共有する

研修を行う際、新入社員のモチベーションを維持するためにも、研修目的や目標、ゴールを共有することが大切です。

共有せずに淡々と研修を進めていくと、新入社員は自身の成長を感じにくくなり、モチベーションが低下してしまいます。また、お互いに目的や目標、ゴールを共有しないままで研修を進めてしまうと、双方の認識に違いが生じる可能性もあります。

研修後のアフタフォローもしっかり整えておく

新入社員にとって、研修ですべての知識を理解することは難しいでしょう。研修が終了しても一定の期間はフォローできる体制を整えておくことで、知識を定着させ、研修効果を高められます。

また、研修後のフォロー体制として、先ほどご紹介したフォローアップ研修の導入で、さらなる人材の成長が期待できるでしょう。

同業種が採用している研修期間も参考にして考える

研修期間を決めるのが難しいという場合は、同業種の研修期間を参考にしてみることをおすすめします。

例えば、近年急上昇を遂げている企業や、人材の成長に力を入れている企業など、同業種の中で研修期間をどうやって設定しているのかを参考にすることで、効率よく研修を進められるでしょう。

 

効率よく新人社員の研修期間を進める方法

効率よく研修期間を進める講師と研修参加者の様子

研修期間を設定した後は、どのように効率よく研修を進められるかがポイントです。効率よく研修を進めるためには、研修内容以外にも新入社員のメンタル面のフォローや、社外から講師を呼ぶなどさまざまな方法があります。

ここでは、メンタル面のフォローや外部講師などを含めた効率よく研修を進めるための方法を6つご紹介します。

座学+OJT研修でメリハリをつける

新入社員のモチベーションを低下を防ぎたい場合は、座学+OJT研修の組み合わせがおすすめです。座学研修で研修講師から研修を受けながら、グループワーク形式で実務を体験することにより、研修にメリハリをつけられます。

またOJT研修で実務に触れることで、現場でしか得られない知識やスキルを取得できます。

オンライン研修の導入

近年、リモートワークの広がりや新型コロナウイルス感染症の流行により大勢の人が1つの場所に集合することを避けなければならない事態も相まって、なかなか研修がスムーズに進められないこともあります。

その他にも、日々それぞれが忙しく業務をこなしていく中で、全員が同じ時間帯に集合する機会を何度も設けることは難しいでしょう。

そこで、オンライン上での研修を導入することにより、研修の効率化を図れます。

同期との交流会などを開き親睦を深める

オンライン研修を導入した企業では「研修参加者同士の触れ合いが減ったことで、モチベーション低下に繋がるのでは?」と危惧する声も聞かれます。

そこで、グループワークはもちろん、研修参加者同士の交流会を開くことによって、モチベーション維持はもちろん、競争心や協調性を育めます。

競争心や協調性は、人材や企業を成長させるためにとても大切な要素です。効率よく研修を進めるためにも、定期的な交流会の実施をおすすめします。

外部から講師を呼ぶ

自社への理解を深める研修や、自社業務に対する研修の場合は社内講師が適していますが、自社にはないノウハウやトレンドを新たに新入社員研修の内容に組み込みたい場合は、社外講師への依頼を検討してみましょう。

社外講師は、自社に新たな風を取り入れてくれるだけでなく、緊張感を持った研修で研修参加者の集中を高める効果も期待できます。

社内講師と比較すると費用が高くなるため、目的や費用対効果も含めて検討しましょう。

ロールプレイングやレクリエーションの導入

研修を効率よく進める方法としてよく利用されているのは「ロールプレイング」や「レクリエーション」です。

ロールプレイングとは、実際の業務で登場する役割に新入社員がなりきることで、自身にかかわるさまざまな立場の人の考えを理解するものです。

一方、レクリエーションは新入社員研修の開始前や合間にペアを作ってお互いを紹介する他己紹介や、チーム対抗戦などで新入社員達の緊張をほどき効率よく研修を進める方法です。

どちらも定期的に取り入れていくことで、新人社員の成長や学び、気づきに繋がります。

メンター制度の導入

メンター制度は、年齢の近い先輩社員や社歴が近い先輩社員が新入社員をサポートする制度のことです。

メンター制度の導入で、上司には相談できない仕事の悩みを相談できるようになり、研修からの離脱率や、離職率を低下させる効果が期待できます。

また、メンターになった先輩社員は、新入社員に見られているという意識から仕事に取り組む姿勢が増したり、責任感が出るなどのメリットを得られるのです。

 

まとめ

社員で新人社員研修の期間を相談している様子

今回は、新入社員の平均的な研修期間や、研修期間の決め方、効率よく研修を進める方法を一気にご紹介しました。平均的な研修期間は1~3ヶ月と企業によって異なりますが、それぞれの企業はこれから行われる研修内容に沿って決めていることがわかりました。今、新人社員研修期間の決め方に迷っている企業や、効率よく研修を進める方法を悩んでいる企業は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

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