【わかりやすい】新入社員研修のスケジュールの作り方とポイントを紹介
新入社員研修のスケジュール作成のプロセスやポイント、注意点を踏まえたスケジュール例を理解することで、自社のニーズに適う研修を組み立てられます。内製化が難しければ研修会社を上手に活用することも検討し、新入社員研修を成功に導きましょう。
新入社員研修を実施するためには、入社式から配属先決定までのスケジュールを組むことが必要です。新入社員研修の計画に当たり、スケジュールの作り方やポイントを知りたい方もいるのではないでしょうか。
新入社員研修のスケジュール作成のプロセスやポイント、注意点を踏まえたスケジュール例を理解することで、自社のニーズに適う研修を組み立てられます。研修会社を上手に活用することも検討し、新入社員研修を成功に導きましょう。この記事では、新入社員研修のスケジュール作成の方法や研修効果を高めるためのポイントについてご紹介します。
目次
新入社員研修のスケジュールの作り方
新入社員研修を実施するに当たっては、まず研修の目的・目標を明確化することが大切です。達成目標に応じて必要な研修内容を決め、外部リソースの活用も検討します。スケジュールを確定したら、表計算ソフトなどで日程や研修内容を可視化しましょう。
1.研修の目的や目標を決める
まずは研修の目的や目標を決めることが新入社員研修成功の第一歩です。経営目標や現場の課題を分析し、「なぜ新入社員研修を行うのか」「いつまでにどのような知識・スキルを身に付けるべきか」といった目的・目標を明確化します。経営陣・マネージャー層・現場に課題や求める人物像・人員数をヒアリングし、各新入社員のスキルマップを作成しましょう。
この調査・分析から「配属後も主体的に学び続け活躍できるエンジニアを1年で育成する」といった目的と、数か月・半年・1年といったスパンで段階的な達成目標を設定します。ゴールの明確化は、振り返り・効果測定のためにも重要です。
2.カリキュラムを決める
新入社員研修の目的・目標を設定したら、実際にどのような知識を学ぶ必要があるかという具体的なカリキュラムを決めます。例えばビジネスマナーや文書作成などの社会人としての必須スキル、ITエンジニアならプログラミング言語やシステム開発についてなどです。達成目標に合わせ、基礎・応用・実践など順序立ててカリキュラムを組みましょう。
また研修予算を確定することも必要です。助成金制度が活用できるかどうかも確認し、コスト面のリスクや不安を払拭しておきましょう。
3.内製化と外部委託について決める
新入社員研修のカリキュラムを決めたら、研修の内製化と外部委託のバランスを検討します。自社リソースで完全に内製化しようとすると、教育の質にバラつきが出たり、担当者の負担が大きくなったりすることもあります。
企業の歴史・文化や経営理念、事業内容や業界の課題などについては、社内人材を講師として研修を内製化することが向いています。しかしビジネスマナーなどの一般化されたスキルや、プログラミング言語など専門性の高い分野は、研修会社を利用して教育の質を担保することがおすすめです。自社対応が難しい部分は研修会社に依頼し、自社リソースと外部リソースをうまく使い分けましょう。
4.日程を調整してスケジュールを立てる
新入社員研修の内製化と外部委託のバランスを決めたら、日程を調整し、細かなスケジュールを立てます。数日から1か月程度の短期的な研修計画でも、講師・教育担当者の予定や他の社内行事の日程など、さまざまな要素との兼ね合いを考えることが必要です。
1年単位の長期的な研修計画なら現場への影響も踏まえ、基礎・応用・実践など各段階での達成目標に合わせてスケジュールを調整します。関係各所と連携し、無理のないスケジュールを組みましょう。
5.スケジュール表を作成する
新入社員研修のスケジュールを立てたら、スケジュール表に落とし込みましょう。ExcelやGoogleスプレッドシートなら、無料のテンプレートを用いてカレンダーやガントチャートを簡単に作成できます。月次・年次のスケジュールを一望できる仕様にすることはもちろん、以下のような各研修の概要も併せて記載することがポイントです。
- 研修の開催日
- 開始時刻・休憩時間・終了時刻
- 研修のタイトルや概要
- 会場の名前や場所
- 担当者名
- 持ち物
- 備考
新入社員研修のスケジュール作成時のポイント5つ
新入社員研修の効果を高めるには、まず事業理解を深めてから実務に必要な知識・スキルを学ぶ流れがスムーズでしょう。研修会社を活用する場合、まず先に社外研修のスケジュールを組むことも大切です。休憩・フィードバック・振り返りの時間を設けることや、アウトプットを交えたスケジュールにすることも意識してください。
自社や業界の理解を深めてもらう
新入社員研修の効果を高めるために、最初は事業理解を深めることを目的とした研修を行うのがポイントです。管理者側は新入社員研修が人材戦略の目標達成につながることを想定していますが、受講者側は「何のためにその知識・スキルを学ぶ必要があるのか」を理解していないこともあります。
まず自社や業界についての研修を実施し、その知識を踏まえて実務に必要なスキルを学ぶことで、仕事に応用することをイメージしながら納得感のある学習を進めやすくなります。
社外研修のスケジュールは先に組む
研修会社を活用する場合、社内研修より先に社外研修のスケジュールを組みましょう。社外研修はあらかじめ開催日時が決まっているケースが多く、自社の都合でスケジュール調整が難しい場合が多いためです。
スケジュールの再設計となると研修計画に支障をきたす場合もあるため、社外研修の日程確定後に社内研修の予定を立てましょう。
適切に休憩時間を設ける
新入社員研修の学習効果を高めるために、適切な休憩時間を設けることも大切です。集中力を持続して研修を受けられる時間には限りがあります。休憩なしで長時間の研修を実施すると、後半の重要な部分を聞き流す受講者も出るでしょう。
1時間~1時間半ごとに20分前後の休憩を取るなど、集中力を切らさずに受講できるタイムスケジュールを組みます。特にオンライン研修の場合、ヘッドホンを装着してディスプレイを注視し続けるなど疲れが溜まりやすい状況のため、より短い間隔で休憩時間を挟むとよいでしょう。
フィードバックや振り返りの時間を設ける
新入社員研修の成果や課題を可視化するために、フィードバックや振り返りの時間を設けることも意識します。一方通行の研修を実施するだけでは、目標達成に向かっているかわかりません。
習熟度を判定するために受講者を対象にテストを実施し、結果を受けてフィードバックすることで、つまずきの早期発見やモチベーション維持に役立ちます。毎回の研修後や研修期間中の毎週末など、定期的にレポートやミーティングによる振り返りの時間を設けることも大切です。
座学だけにしない
座学の研修だけでなく、実践的なカリキュラムをスケジュールに組み込むこともポイントです。インプットした内容をアウトプットすることで、学習定着率を高められます。例えばビジネスマナー研修なら、実際のビジネスの場を想定したロールプレイングも交えることが効果的です。特にエンジニア向けの研修は実践が重要になるため、特定のプログラミング言語を使ったコーディング演習などを組み込みましょう。
学んだ知識をどのように生かすかを体験することで、ビジネスの現場をイメージしやすくなり、実践的なスキルが身に付きます。
新入社員研修スケジュールを組む際の注意点
新入社員研修は計画やスケジュール調整に時間がかかるため、早めに準備を始めることが大切です。研修内容を詰め込み過ぎないことや、スムーズに理解できる流れにカリキュラムを構成することも意識しましょう。ここでは、新入社員研修のスケジュールを組む際の3つの注意点を解説します。
研修の準備・調整は早めに行う
新入社員研修を企画する際、経営戦略と現場の課題をすり合わせた上でカリキュラムを作成し、コンテンツの内製化と外部委託のバランスも検討します。研修会社を利用する場合、事前予約後に社外研修の日程調整をすることが必要です。全体のスケジュールが確定するまで、1か月~3か月程度はかかるでしょう。
準備が遅れると見切り発車になり、研修計画が失敗する恐れもあります。実施前には新入社員だけではなく関係する部署・関係者への告知も必要となるため、研修の準備・調整は早めに行うことが大切です。
研修内容を詰め込み過ぎない
新入社員の早期戦力化を求め、できる限りスケジュールを圧縮し、詰め込み型教育を実施する企業もあるでしょう。しかし集中力やモチベーションが低下し、学習定着率も悪くなります。また学習内容が身に付いているか、受講者自身にも管理者側にも判断できません。
詰め込み型教育は脱落者を出しかねないため、研修中には質疑応答の時間を設け、適宜疑問点を整理することが大切です。さらにワークや習熟度テストなどのアウトプットをセットで実施し、各受講者の学習定着率を高めつつ、学習達成度を計測できるスケジュールを組みましょう。
学びやすいカリキュラム構成を意識する
研修の内容だけでなく、どのような流れなら定着しやすいのかといったカリキュラム構成を考えることも重要です。例えば未経験者がプログラミング言語をいきなり学び始めても、一体何をしているのか、何のための技術なのか理解できません。
この場合、プログラムが実際にどのような場面で求められるのかを、事業内容と絡めて伝えることが先決です。自身に求められる職務を理解した上で、実務に必要となる技術を学ぶことで、スムーズに知識・スキルを吸収できます。
新入社員研修のスケジュール例
新入社員研修の適切なスケジュールは、企業の目的・目標によってさまざまです。ここでは、ITエンジニア向けの新入社員研修を想定し、カリキュラム全体と1日のスケジュールの例を解説します。まず事業理解から入ることや、休憩時間を取って無理なく研修を進めることなどを意識しましょう。
カリキュラム全体のスケジュール例
プログラミング言語Javaを用いて、配属後に自走できるITエンジニアを育成するためのスケジュール例を紹介します。
エンジニアは開発ビジョンやチームワークを理解することが必要となるため、プログラミング言語を座学で学ぶだけでは不十分です。学んだ知識はチーム開発演習を通じてアウトプットし、適性に応じて配属チームを決定しましょう。
入社1週目 | 入社式・就業規則の説明・自己紹介・セキュリティ・コンプライアンスなど |
入社2週目 | 業界知識やビジネスマナーなど |
入社3週目 | 文書作成・プレゼンテーション・チームビルディングなど |
入社4週目 | IT基礎・Linux入門・プログラミング入門 |
入社5週目 | データベースやJavaの基礎 |
入社6週目 | Javaの応用とバージョン管理 |
入社7週目 | チーム開発演習 |
入社8週目 | チーム開発演習と配属先決定 |
1日のスケジュール例
IT基礎研修の1日のスケジュール例を紹介します。エンジニア向けのIT基礎研修では、PC・インターネットの仕組みはもちろん、ネットワーク技術の必須知識であるプロトコル階層モデルについて解説しましょう。疑問を放置しないように質疑応答も受け付け、研修の締めくくりには振り返りも実施します。
9:00~9:40 | ITの全体像理解 |
9:40~10:00 | 質疑応答・休憩 |
10:00~10:50 | PCの仕組み |
10:50~11:10 | 質疑応答・休憩 |
11:10~12:00 | インターネットの仕組み |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~13:30 | IPアドレス |
13:30~13:40 | 休憩 |
13:40~14:10 | IPアドレスの計算 |
14:10~14:20 | 休憩 |
14:20~15:20 | プロトコルの階層モデル前半 |
15:20~15:40 | 質疑応答・休憩 |
15:40~16:40 | プロトコルの階層モデル後半 |
16:40~17:00 | 質疑応答・休憩 |
17:00~17:30 | 1日の振り返り |
まとめ
新入社員研修は目的・目標を明確化した上で、外部リソースも活用して効率的なスケジュールを組むことが大切です。自社リソースでは対応が難しい専門分野や、ビジネスマナーなど業界共通の知識・スキルに関しては、研修会社を活用して教育の質を高めましょう。
研修期間中は受講者のモチベーション維持や、学習達成度の判定とフォローがネックです。学習効果を高められるスケジュールの調整が難しい場合もあるでしょう。自社オリジナルの研修コースをカスタマイズでき、マンツーマンサポートにも対応する研修会社なら、効果測定やアフターフォローまで一貫サポートして新入社員研修を成功に導けます。