新人エンジニアが辛いと感じる本音7選|企業側の対処法も解説
新人エンジニアはコーディングの難しさや専門用語の多さなどから、さまざまな悩みを抱えており、モチベーション低下や離脱につながってしまいます。本記事では、新人エンジニアが辛いと感じる理由と対処法、企業側が実践すべき環境整備について解説します。
新人エンジニアはコーディングの難しさや専門用語の多さなどから、業界ならではのさまざまな悩みを抱えます。新人エンジニアが辛いと感じる理由を理解し、フォロー体制を整えてエンジニアの成長を促進することで、モチベーション低下や離脱率の問題は解決に向かいます。その第一歩となる研修企業選びが重要であることを知り、一線級のエンジニアを育成する環境を整えましょう。
この記事では、新人エンジニアが辛いと感じる理由と対処法、企業側が実践したい環境整備を紹介します。
目次
「辛い……」新人エンジニアのリアルな本音を公開
多くの新人エンジニアは、業界ならではのさまざまな悩みを抱えます。例えば、コーディングの難しさや専門用語の多さ、仕事を続けられるかといった不安です。まずは新人エンジニアが「辛い」と漏らすリアルな本音を見ていきましょう。
プログラミングについて理解できない
プログラマーは、使用言語の文法をマスターし、目的通りの機能を実装できるスキルが必要です。しかし、新人研修の1か月〜2か月程度で基礎から応用まで完璧に理解するのは困難です。「学習過程はこなしたが、実践力は身に付いていない」というケースも珍しくありません。
就業時間外に学習するという意識が希薄な場合もあり、いざ現場に出たときに基礎も分からず、仕事についていけないという状況もあり得ます。
分からないことをどうやって質問すればよいかも分からない
経験豊富なエンジニアは当然のこととして理解している内容でも、新人エンジニアは概念すら分かっていない場合があります。つまずいている自覚はあるものの、何が分からないのか言語化できないという状況は、新人エンジニアにありがちなケースです。
自力で問題が解決できず先輩エンジニアに質問しようと思っても、うまく説明できず悩みを抱え続けることもあります。
勇気を振り絞って質問すると叱られる
分からないことを先輩に質問するのは、新人エンジニアにとって避けては通れない道です。しかし、勇気を振り絞って質問しても「こんなことも分からないのか」「前にも教えただろう」と叱られて、質問したこと自体を否定される場合もあります。
経験豊富なエンジニアは「自身もその程度の状況は乗り越えてきた」という自負があり、自身の業務に集中する必要もあるため、何度も質問されるといら立ってしまうケースも珍しくありません。萎縮して質問できなくなった新人エンジニアは、成長やモチベーションを阻害されます。
専門用語が分からない
ITエンジニアリングの世界では「リソース」「インシデント」「UI/UX」といった専門用語が飛び交い、実装テストひとつを取っても単体テスト・結合テスト・総合テストというフェーズの違いがあります。
こういった用語が会話に登場すると「意味が分からない」「知ってはいるけれど会話の中で使われると理解が追い付かない」と悩む新人エンジニアも少なくありません。
目の前の業務に追われて成長が実感できない
新人エンジニアは学んだスキルを実務に生かした経験が乏しく、簡単な仕事にも時間がかかります。1人のエンジニアが担当するのはシステム全体の一部であることが多いため、完成形をイメージできないまま、SEや先輩エンジニアから振られた部分的なコーディングの仕事をこなすケースも珍しくありません。
目の前の仕事に精いっぱいで、自身を振り返ったとき「成長できているのだろうか」「何が目的なのだろうか」と悩むこともあります。
周囲とのコミュニケーションが上手に取れない
エンジニアは1人で黙々とプログラミングするイメージを持たれがちですが、実際の開発プロジェクトはリーダーやマネージャーの下にひとつまたは複数のチームを配置するのが一般的です。コミュニケーションスキルがなければスムーズに仕事を進められません。
元々コミュニケーションスキルが低かったり、質問をして冷たくあしらわれた経験があったりすると、周囲とのコミュニケーションがうまく取れず仕事も進まないことを辛いと感じる新人エンジニアもいます。
理想と現実のギャップに悩む
新人エンジニアは「前職のスキルや経験を生かしたい」「多くの人の役に立てる案件に携わりたい」といった志望動機を挙げ、希望を抱いて入社します。
しかし、実務能力が不足していて雑用を任せられるケースや、逆に新人には荷が重過ぎる案件を振られることもあります。入社前に描いていた理想と現実とのギャップに「選択を間違えた」「このまま仕事を続けてよいのか」と悩む新人エンジニアも珍しくありません。
新人エンジニアが辛いと思ったときにかけるアドバイス
新人エンジニアの悩みの多くは、第一線で活躍する現役エンジニアも新人時代に経験しており、困難な状況を生き抜くための「生存戦略」があります。辛いと感じたときはすぐに仕事を辞めるのではなく、いくつかの対処法を試すように案内しましょう。ここでは、新人エンジニアが悩みに打ち勝つために人事から送るアドバイス例を紹介します。
エンジニアとしての目標を明確にする
新人エンジニアは辛くなると「嫌だ」「だめだ」とネガティブになり、初心を忘れがちです。しかし、誰しも「この企業でエンジニアとして活躍したい」「将来的にプロジェクトを任せてもらえる存在になりたい」といった目標を抱いて入社しているでしょう。
重要なのはブレないことです。長期的なスパンで具体的なキャリアパスやゴールを明確にし、目標に向けて努力するという気持ちを新たにしましょう。
「辛い……」の理由を明確にする
入社した企業や配属チームの環境、自身のスキルレベルや性格によって、新人エンジニアが抱える悩みはさまざまです。辛い理由によって対処法は異なります。漠然と落ち込むのではなく、何が辛いと感じるのかを分析して明確にし、論理的かつ前向きに対処法を考えましょう。
いま、できることを徹底的にやる
現在、第一線で活躍しているエンジニアも新人時代にさまざまな悩みを経験しています。経験は財産です。どのような環境での経験も糧になると考え、いまできることを徹底的にやってみましょう。
例えば、雑用や簡単なコーディングからでも、心構えやミスのない実装方法が学べます。プロフェッショナルであれば誰でもできることを基礎レベルから確実に習得することは重要です。いま任されている仕事を当面の目標とし、将来的なゴールに向けて着実にステップアップするイメージを持ちましょう。
努力はしっかりアピールする
エンジニアの仕事は結果が見えやすい反面、個人的な努力や結果に至るプロセスが見えにくい場合があります。努力は誰かが評価してくれるとは限りません。成長が見えないと、いつまでもスキルが伸び悩む新人として扱われる恐れがあります。努力の成果はしっかりとアピールしましょう。
認められるとよりハイレベルな仕事を任せられる可能性も高まります。
恐れずに分からないことは質問しよう
新人エンジニアは「分からないことをうまく言語化できない」「周りのエンジニアに質問しにくい」といった理由で成長や活躍が阻害されるケースがあります。しかし、新しい環境で分からないことがあるのは当然です。疑問を少しずつ解決し、着実にスキルアップすることで、一線級のエンジニアに近付きます。
分からないことを尋ねる際は、話しやすい先輩にあらかじめ質問する時間を相談しましょう。社内で質問しにくければ、プログラミング質問サイトを利用するのもひとつの方法です。
企業が新人エンジニアに対して行うべき対処法
新人エンジニアが抱える悩みは、本人の努力で解決できることもあります。一方、企業が個人的な努力に期待し過ぎると、最悪の場合は貴重な人材を失うことになりかねません。ここでは、新人エンジニアの悩みに対して、企業が実践すべき対処法を解説します。
スキルアップできる研修体制を整える
先輩エンジニアによるOJTは、担当者もプロジェクトやタスクを抱えているため、短期間で基礎から応用まで詰め込もうとする無理なカリキュラムになるケースも珍しくありません。社内リソースでは限界がある場合、社外のプロ講師を起用して新人研修の体制を整えることが重要です。
自律的な問題解決能力を育むという意味では、テクニカル系だけでなくヒューマン系のスキルも学べるカリキュラムが良いでしょう。学習成果を分析することで、現場に立たせる前に個々のエンジニア適性や性格を把握でき、適材適所に配属しやすくなります。
新たなスキル習得を後押しする
1か月〜2か月の新人研修で学べることは限られます。まずは現場に立てる最低限の知識やスキルを習得させますが、実務の中でポテンシャルを発揮できる一線級のエンジニアになるには、常に学び続けなければなりません。
しかし、目の前の業務に追われると学びがおろそかになり、成長が阻害されることも考えられるでしょう。企業は、新人研修後も定期的に研修を取り入れたり自発的なセミナー参加を支援したりして、実務と並行してスキルアップできる環境を整えることが求められます。
積極的な声掛けを行う
経験豊富なエンジニアと新人ではレベルの差が大きく、承認されていないと感じると自信をなくし「ここにいてはいけないのでは」という孤立感を覚えることがあります。特に、チーム内であいさつや会話もないと、新人エンジニアのメンタルやパフォーマンスに悪影響を及ぼすでしょう。
基本的なあいさつはもちろん、チーム単位の朝礼や終礼の中で当面の目標や課題をヒアリングし、コミュニケーションを活性化させることも大切です。
本人への期待感を示す
プロジェクトには大小さまざまな業務がありますが、本人の意欲や成長に反して簡単過ぎるタスクを与えると、新人エンジニアは「期待されていないのでは」と悩むことがあります。
そこで重要となるのが、本人の目標をヒアリングし、将来に対する期待感を分かりやすく伝えることです。個々のキャリアプランや目指すエンジニア像、学ぼうとしているスキルや資格取得の予定など、成長につながる意欲や努力を把握しましょう。
目標に沿ったふさわしい案件に取り組ませ、1段上のステップに挑戦させることで、スキルと共に向上心も伸ばせます。
メンター制度などで話しやすい環境作りを行う
新人エンジニアの目標や課題、達成度や悩みを把握するには、日常的なコミュニケーションだけでは不十分なケースもあり、上司や上長との1on1ミーティングや先輩エンジニアをメンター(指導役)とするといった取り組みが求められます。
特に、リモートワーク環境では会話を切り出すタイミングをつかみにくく、コミュニケーション不足による悩みを抱えがちです。新人が本音を話しやすい環境を整えるという意味でも、一対一で話し合える仕組みを作ることは重要といえます。
新人エンジニアにおすすめの研修企業3選
新人エンジニアの悩みを払拭するには、入社時点で適切な研修を受けさせることが重要です。研修企業選びでは、個々の課題に合った柔軟なカリキュラムを作成できることや、充実したマンツーマンサポートができることを重視しましょう。ここでは、新人エンジニア向けのおすすめ研修企業3選を紹介します。
TechAcademy(テックアカデミー)
TechAcademy(テックアカデミー)の新入社員研修は、提供実績900社以上、研修満足度98.7%を誇ります。プログラミング領域を中心に50以上の研修コースがあり、個々のスキル・理解度や企業のニーズに合わせたオーダーメイド研修も可能です。現役エンジニアをメンターとしたマンツーマンサポートにより、新人エンジニアのモチベーションを維持しつつ学習定着率を高めます。
詳細なメンタリング報告や習熟度を可視化する独自のアセスメントシステムを提供し、研修設計から効果測定まで一貫したサポートが魅力です。
SAMURAI ENGINEER Biz(侍エンジニアビズ)
SAMURAI ENGINEER Biz(侍エンジニアビズ)のIT研修は、累計指導実績3万5,000名以上で、実践的なスキルが身に付くプログラミングスクールNo.1に選ばれたこともあります。
課題に合わせたオーダーメイドの研修に特化し、研修前のヒアリングから受講者のスキルに合ったメンターを割り当ててくれるのが魅力です。現役エンジニアによる併走型オーダーメイド研修により、受講生の途中離脱率が低い点も特徴といえるでしょう。
CodeCamp(コードキャンプ)
CodeCamp(コードキャンプ)は、導入企業300社以上、累計受講者数5万名以上を誇るプログラミングスクールです。
Web開発やインフラ系、アジャイル開発演習などのオーダーメイド研修に対応し、個々の適性や目標に合わせて学習内容をカスタマイズできます。講師からのフィードバックや学習進捗をオンラインで一元管理し、新人エンジニアの適性や意欲を把握できるのは企業にとって大きな魅力です。
まとめ
多くの新人エンジニアは、業界ならではのさまざまな悩みを抱えます。例えば、コーディングの難しさや専門用語の多さ、仕事を続けられるかという不安です。個々の努力による解決を期待すると、最悪の場合は貴重な人材を失う恐れがあります。
新人エンジニアを一線級の人材に育成するには、企業が外部研修やメンター制度を取り入れて、向上心の維持やスキルアップをサポートすることが必要です。まずは実践的スキルの確実な習得だけでなく、適性や将来性も把握できる研修企業を選びましょう。