OFFJTとは?研修サービスも紹介【初心者人事向け】

OFFJTについて解説するハウツー記事です。そもそもOFFJTとは何なのか、OJTとの違いといった、研修を担当する人事として知っておきたい人材育成の基礎のキソをご紹介!

「OFFJTってなに?」「OJTとの違いは?」といった疑問を解決していきます。

OJT、OFFJTそれぞれが有効なシーンのまとめや向上したい能力別の研修サービスも紹介しています。

研修方法に迷っている初心者人事の方必見です!

目次

 

OFFJTとは

OFFJTとは、「Off-the-job Training」の略です。

OFFJTはつまり、研修やセミナーなど、業務外の場での学びを指します。

OFFJTはOff-the-job Trainingの略で、仕事の場以外での学習のことをいいます。具体的には研修やセミナーなど、主に座学で行うものがこれにあたります。多人数で一度に同じ内容について学ぶのが一般的な形となり、短期間で総合的・体系的な知識の習得を目指します。

 

OFFJTのメリット・デメリット

OFFJTのメリット

集中して学ぶことができる

業務に追われず学習に専念できるので、習得の効率が上がります。

社会人としての基礎知識やスキル全般を学べる

部署や役職に関係なく、仕事全体で必要になる常識や技術を身につけることができます。

業務に直接関係しない知識・スキル・心構えでも社会人として必要であれば学ぶことができます。例えば職場内でのコミュニケーションの取り方などの社会人としての基礎知識を学ぶことや、自分が初めて役職に就く場合の心構えを「マネジメント入門」などの講座を通して学ぶことができます。

専門的な分野についても学習できる

プログラミングや財務・会計といった各種専門分野についても専用の講師から講義を受けることができます。

研修者同士の交流の機会が増える

横のつながりを構築するきっかけになります。

 

OFFJTのデメリット

しかし、社会人としての基礎力の向上に役立ちそうなOFFJTにもデメリットがあります。

それは大きく分けて以下の2点です。

一般的な内容に終始する

OFFJTでの学びは業務に即したものではなく一般的なものになりがちです。

研修は20人~50人程度の大人数が集まりますし、自分と同じ職種、職場、階層の人が集まるとも限りません。

そのため、「自分の仕事ではこれは使えないな」と思われる内容の研修となることもあるでしょう。

業務に生かせなければ意味がない

OFFJTで学んだことは業務で生かすことができなければ意味がありません。

研修を受けたその時は「自分がスキルアップした」という感じを受けるかもしれませんが、業務でそのスキルを使う機会がなければ学んだ内容はすぐに忘れてしまいます。

OFFJTで何かを学んだ後は、それを業務で使うイメージをつけ、実践してみることがとても重要です。

 

OJTとは

OJTとは「On-the-job Training」の略で「業務内で上司や先輩の指導により学ぶこと」を指します。

例えば新卒で入社した後、名刺交換の仕方を研修で学んだはずが、実際にお取引先に行った時に上司より先に名刺交換をしてしまって怒られたとか、複数人のお客様とご挨拶した際に交換した名刺の置き場に困り、先輩がやっている名刺の置き方を真似たということがあるかもしれません。

こういった、「現場での、業務に即したリアルな学び」のことをOJTと呼びます。

 

OJTのメリット

OJTのメリットは、「業務に必要な知識を、必要になった都度、先輩や上司の経験から学ぶこと」ができるということです。

先ほどの名刺交換の例ひとつとっても、会社によって細かなルールが異なっていたり、状況によって対応方法が違っていたりします。そういった細かな学びは研修では得ることができません。

WordやExcelの使い方などもそうです。WordやExcelには膨大な機能がありますが、その全てを研修で学ぶのは非効率的です。

そんな時、OJTによって業務に必要な機能を、必要になったタイミングで先輩や上司に聞きながら学ぶことが有効です。

このように、OJTを行うことで、先輩や上司の経験から効率的に学ぶことができるのです。

 

OJTのデメリット

しかし、OJTがうまく機能しない場面もあります。

そういった場面は大きく分けて3点あります。

上司や先輩の知識を超えることは学べない

OJTのメリットは、「業務に必要な知識を、必要になった都度、先輩や上司の経験から学ぶこと」と書きましたが、逆の言い方をすれば「先輩や上司が経験していること、知っていること以上のことは学べない」ということです。

先輩や上司も直面したことのないような全く新しい業務にアサインされた場合、これまでのやり方と同じ方法で成功するとは限りません。

今の業務範囲を超えることは学べない

今の業務範囲を超えることが学べないというデメリットもあります。

将来的に異なる分野で活躍したいと思っていたとしても、OJTはあくまで「今の業務から学ぶ」ことなので、うまくいきません。

特にIT業界では技術革新のスピードが速く、常に学び続けないと年次を重ねるごとに会社や業界の変化のスピードについていけなくなる可能性が高いです。

メンバーのキャリアと会社の成長を考えたときに、新たな知識やスキルを身につけるには「今の業務の中で学ぶ」だけでなく「研修」や「書籍」から学ぶということが必要になります。

学びのタイミングが偶然に依存する

OJTでは「自分が望むタイミングで望むものを学ぶ」ということができません。

また、必要な知識やスキルであってもその業務を行うことがなければ学べません。

例えば以下のような場合です。

Aさんは業務を行っている最中にたまたま大きなシステムの不具合が発見され、お客様向けの謝罪文を提出せねばならず、先輩の厳しいチェックのもと何度も修正を行いながら、謝罪文の書き方を学びました。

しかしBさんは全く同じ業務を行っていても順調に仕事を進めていたのでそういったものを書く機会がなく、自分がマネージャーになり部下がトラブルを起こしてもうまく指導をすることができず、さらに上の上司に聞きながらなんとか謝罪文を仕上げ、Aさんに遅れること十年後、やっと謝罪文の書き方を学ぶことができました。

このように、「偶然」によって学びのタイミングが左右されてしまうのです。

 

OFFJTとOJTの違い

上記を踏まえて、OFFJTとOJTが有効なシーンをまとめてみると、

OFFJTが有効なシーン:社会人やその役職に必要な知識・スキルの底上げをしたいとき、将来に向けて新たな知識・スキルを獲得したいとき

OJTが有効なシーン:「今の業務」や「今まさに困っていること」を解決したいとき、先輩や上司が既に経験していることを学ぶとき、自部署のみに必要な業務知識を学ぶとき

と言えるでしょう。

 

OJDとは

OFFJT・OJTとは別にOJDという教育法も存在します。

OJDはOn the Job Developmentの略です。上司が部下を育成するという部分でOJTと共通しているのですが、OJTが普段の業務に関わるスキルを身につけるのに対しOJDは将来的なスキルの習得を目指します。

OJDのメリット

主体性

OJDでは個人個人の自主性の発展を目標とし、将来的にリーダーや管理職になれる人材の育成を行います。

個人に合わせた指導

OJTと同じくマンツーマンでの教育になります。個々のスキルや学習状態に合わせ、かつ日々の業務で役立つ技術の習得が行なえます。

経営戦略

上記のふたつのように主体性と実践的な能力を備えた人材を育てることで、企業全体としての経営戦略が立てやすくなります。

OJDのデメリット

上司の負担

OJTと共通する点で、指導する側の負担がとても多くなります。

長期的である

OJDは長い時間をかけて人材を育成するものなので、はっきりとした結果がすぐにあらわれるわけではありません。成果が出ないからと途中で中断しないことが大切になります。

 

3つの学習方法のまとめとそれぞれの違い

OFFJTは職場から離れて座学で体系的な学習を行います。

普段の業務には直結しませんが総合的な知識やスキルを身につけることができます。OJTは現場で仕事を行いながらその業務に必要な技術を習得します。OJDはOJTと同じく普段の業務を行いながら、将来的に必要となる能力を長期的に身につけていきます。

OFFJT OJT OJD
場所 業務から離れて 業務内で 業務内で
内容 総合的・体系的 実践的・即戦力的 将来に必要なスキル
形態 主に集団で 主に個人で 主に個人で

OFFJT・OJT・OJDはかかる期間や習得する内容がそれぞれ異なります。

企業の繁忙期・閑散期といった状況や育てる人材のキャリア・役職などに応じて適切な育成を行うことが効果的です。またOFFJTで得た専門的な知識を今度はOJTの場で応用し、現場の技術の習得に活かすといった連携も有効です。

 

OFFJTに適した研修内容

OFFJTで学ぶのに適した研修の内容について、ここでは社会人全般に通じるスキルに関する研修、各種専門分野についての知識を習得する研修の2種類に分けて挙げていきます。

姿勢や心構えに関する研修

仕事全般にわたっての基礎知識、考え方についての研修です。

コミュニケーションスキル研修

ビジネスにおいての聞く力、伝える力やビジネスマナーの基礎について学びます。社会人としての基礎力を身につけることができます。

マネジメント向上研修

管理職において必要となる能力やスキルについて学びます。上司、リーダーとしてのマネジメント能力、指導力を向上することができます。

キャリア研修

将来どのような働き方をしていくかについて考えます。自己の理解と目標の設定につながります。

 

専門的な知識に関する研修

各分野での専門技術についての研修です。

プログラミング研修

ITの基礎知識やネットワークの仕組み、プログラミングのスキルについて学びます。エンジニア以外の業務担当者が理解を深めるための入門コースなどもあります。

デザイン研修

デザインの原則や情報の扱い、配色やレイアウトをどのように行うかについて学びます。非デザイナーがデザインの基本を学習するコースもあります。

財務・会計研修

会計に関する基礎知識や用語を学習し、企業の経営状況や経営戦略への理解を深めます。

営業研修

営業で必要となる心がけや商談の具体的な手順について学び、日々の営業活動で自分がどう行動すればいいかを明確にします。

 

OFFJTの研修サービス7選

具体的には「OFFJT」で有効な研修にどんなものがあるのでしょうか。

以下では、7つのスキルに分けてOFFJT研修を紹介しているので、ぜひ利用してみてください。

  • コミュニケーション研修
  • マネジメント研修
  • キャリア研修
  • 営業研修
  • プログラミング研修
  • デザイン研修
  • 財務・会計研修

 

コミュニケーション研修

コミュニケーションはどんな仕事に就く社会人にとっても重要なものです。

また、様々な場面で様々な角度の「コミュニケーション」を学ぶ必要があります。

例えば、「上司が部下へのコミュニケーションを学ぶ研修」にはリクルートマネジメントスクールの開催する「アサーティブコミュニケーション研修」があります。

【特徴】

自分の言いたいことを相手が受け入れやすい形で伝える「アサーション」という技術について学ぶ

実践演習で「依頼する」「注意する」などの場面を想定してロールプレイを行う

【料金】

1名あたり15,000円(税抜) ※3時間研修

人事部研修担当の皆さんは、自社のどんな社員がどんなコミュニケーションスキルを必要としているのかを見極め、適切なサービスを提供することが必要となります。

 

マネジメント研修

初めてマネジメントを学ぶ方に欠かせないのが「マネジメント力向上研修」です。中でも「経営学の父」と言われ今でも名だたる経営者がその著書を一度は読んでいる「ドラッカー」をタイトルに冠した研修は少なくありません。

中でもダイヤモンド社が主催する研修は「経営者向け」「経営幹部向け」「マネージャー向け」とコースが別れており、さらに集合研修に参加できない方のためにeラーニングのコースも設けられています。

【特徴】

経営学の父、ドラッカーの理論を学べる講座。

階層に合わせて必要なレベルの知識を学べる。

【料金】

トップマネジメントコース:1人1,800,000円+税(教材費・昼食代)

エグゼクティブコース:1人540,000円+税(教材費+昼食費込)

マネジメント基本コース:1人180,000円+税(教材費・昼食代)

eで学ぶドラッカー・シリーズ:54,000円~ ※コースにより異なる。

 

キャリア研修

OFFJTの特徴を最もよく表している研修が「キャリア研修」です。

メンバーは、業務を進める中で「もっとこんな仕事がしたいのに…」「転職する友達や同僚も増えてきたけど自分はこのままでいいのかな…」とモヤモヤとした気持ちを抱えることもあるでしょう。

定期的に自らのキャリアを棚卸しし、どんなキャリアを今後歩んでいきたいのかを考えることでモチベーションが高まることもあります。そんなとき、「キャリア研修」が有効です。

プログラムの一例として、リクルートキャリアデザインプログラムがあります。

【特徴】

2日間の研修でじっくりとキャリアについて考えます。

自分自身のこれまで歩んできたキャリアの棚卸を行うだけでなく、外部環境の将来的な変化を考えたうえで自分自身の将来像を描きます。

【料金】

都度見積。サイトよりお問い合わせください。

 

営業研修

営業活動において具体的に何から始めたらいいのか分からない、商談で顧客とどのように会話をすればいいか分からないといった状況に陥ることもあります。

マイナビ研修サービスの営業研修では営業の基本手順や商談の流れ、必要な心構えについて学ぶことができます。

【特徴】

商談の基本プロセスを学び、普段の業務でも自分が今何を行うべきか判断できるようになる
営業活動におけるビジネスマナーや会話方法を習得し、自信を持ってスムーズに行動できるようになる
帰社したあとの情報共有について学び、社内での連携に役立てることができる

【料金】

都度見積。サイトよりお問い合わせください。

 

プログラミング研修

現在、ITに関する基礎知識を身につけることはエンジニアだけでなく他の業務を行う人や経営者にとっても有用になっています。

Webサービスやアプリケーション、内部システムの管理などあらゆる場面でエンジニアの重要性が高まる中、それらの業務に携わる人に接する機会も増えていくからです。

TechAcademyのIT研修では、実務を想定したカリキュラムで実践的な技術を学習することができます。

【特徴】

オンラインで受けることができる
パーソナルメンターによる個人への対応
実践を含めた受講内容

【料金】

4週間:189,000円 / 1人
8週間:239,000円 / 1人
12週間:289,000円 / 1人
16週間:339,000円 / 1人

 

デザイン研修

必要な情報をまとめて、効果的に伝える能力がデザインです。WebサイトのデザインカンプやPowerPointによる資料など、デザイナー以外にもデザインに関する技術が必要となる場合があります。

インソースのデザイン力向上研修では、ノンデザイナー向けにデザインの役割、基礎知識の講義を行うことで各種専門用語の内容やデザイン業務への理解を深めていきます。

【特徴】

非デザイナー向けにデザインの原則、基礎的な知識の解説
PowerPointを使った実践的な資料作成を学ぶことができる
顧客の視点に立った効果的なデザインが何かを習得する

【料金】

都度見積。サイトよりお問い合わせください。

 

財務・会計研修

企業において金銭や物品の出入りを管理する会計は欠かせないものになります。
専門用語や複雑な計算の多い印象のある会計ですが、それらの基礎を学ぶことで経営への理解につながることになります。

リクルートマネジメントスクールの会計研修では基本の知識や専門用語の意味について解説し、決算書の見かたや作り方といった実践的な内容まで習得を目指します。

【特徴】

難しいイメージである会計が、面白く役立つものであるという理解を目的とする
会計に関する用語について、意味や重要性を把握し普段の会話内で使えるようにする
決算に関係する新聞記事なども抵抗なく読めるようになり、世の中の数字の動きについて関心、理解が深まる

【料金】

15,000円/名(受講時間:3時間)

 

まとめ

OJTとOFFJTにはそれぞれのメリット、デメリットがあります。

社会人に必要な基礎的な知識や将来に向けて新たな知識・スキルを獲得したいときはOFFJT研修を。

「今の業務に必要な知識」や「今まさに困っていること」を解決したいときや、先輩や上司が既に経験していることを学ぶときはOJT研修で行うなど、場面によって研修方法を使い分けながら即戦力人材を育成しましょう。

また、TechAcademyでは、従来の講義型研修とは違い、実務を想定したカリキュラムで実践的スキルを短期間で確実に身につけられる法人向けオンラインIT研修を展開しています。

1名〜数百名規模・業界を問わず、900社以上の企業様の研修を実施しています。 受講生一人ひとりに現役エンジニアのメンターが付き、皆様のニーズにあったサポートを行います。学習時の「わからない」を確実に解消いたします。

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