アセスメント研修とは?目的やメリット、具体的な手法を解説

社員の業務遂行能力や資質を客観的に評価するべく、アセスメント研修の導入を考えたことがある方もいるのではないでしょうか。アセスメント研修は、能力を適切に判定する人材の育成にも不可欠です。この記事では、アセスメント研修の実施について解説します。

社員の業務遂行能力や資質を客観的に評価するべく、アセスメント研修の導入を考えたことがある人事担当者もいるのではないでしょうか。アセスメント研修は、社内で人材評価の仕組みが確立すれば、企業の生産活動の最適化につながり、社員の能力を適切に判定するためや人材の育成のためには不可欠です。

この記事では、アセスメント研修について解説します。研修を導入する際のポイントや具体的な手法が知りたい方にも、参考となるはずです。

目次

 

アセスメントとは?

部下の前に立ちチーム内での業務の振り返りや今後の方針について語る上司

アセスメントとは、「評価」や「査定」を意味します。客観的な数値やデータを参考に課題に対する解決策を検討するために活用され、人材アセスメントや環境アセスメントなど、さまざまな分野で採用されているのが特徴です。ここではアセスメントの種類を紹介します。

人材アセスメント

人材アセスメントは、社内の人材配置の最適化を図る手法のひとつです。客観的なデータや評価に基づいて、人材の適性を判断します。

従来の人事評価制度とは異なり、社外の人材や外部機関による第三者の視点で評価するのが特徴で、公平性の高さを求める場合に最適な方法といえるでしょう。この方法を取り入れることで人材の適性に沿った人事が実現するほか、潜在的な適性を見つける際にも役立ちます。

環境アセスメント

環境に対する影響度を調査するのが、環境アセスメント(環境影響評価)です。広大な敷地の開発を必要とする場合に、公害・自然破壊などのリスクを抑えるために定めた評価制度です。

環境アセスメントには、大きく分けて2種類の評価制度が存在します。国の法律を基準とした「法令アセスメント」と、地方自治体の条例に準ずる「条例アセスメント」です。環境アセスメントは道路や発電所といった、大規模なインフラに関わる開発時に適用されます。

リスクアセスメント

リスクアセスメントとは、業務中に発生する可能性がある事故や疾病、負傷などのリスク評価です。危険を伴う作業や業務がある場合、事故などを未然に防ぐ目的で安全確保に向けた対策を実施します。

具体的な手順としては、事前に作業や業務における危険性や有害性を調査し、リスクの優先順位を検討し、リスク回避・リスク低減に向けた対策を講じることを体系的に進めます。

テクノロジーアセスメント

テクノロジーアセスメントとは、科学技術がもたらす影響力を評価することです。最新の技術が生まれるメリットとリスクを公平に判断し、技術を行使する方針を模索します。

アメリカでは1970年代に公的機関が設置されて議論が活発になりました。欧州ではテクノロジーアセスメントの活動が盛んで、1980年代から市民と専門家の間で動物を対象にした遺伝子組み換えや気候問題など、幅広いテーマに関して意見交換を実施されています。

 

人材アセスメント研修が必要な理由

部下からの相談にアドバイスをする男性社員

人材評価は適切な形で実施することが必要です。うまくいけば社員の能力を最大限に引き出すことができ、業務効率を高められるなどのメリットがあります。

人材不足によりマネジメントを担う人材への業務負担が多くなることで、適切な評価に必要な丁寧な観察や見極めが困難になりつつある状況です。人材アセスメント研修の有用性を理解するために、ここでは人材アセスメント研修が必要な理由を紹介します。

社員のスキルを最大限生かすため

近年では、社員の個性を仕事に生かすことが重視される傾向にあります。人材アセスメントでは第三者の観点で能力を評価するため、あらゆる角度から社員の適性判断が可能です。社員自身が自覚していなかった適性や強みの発掘にも役立ちます。

例えば営業職に従事している社員が、アセスメントを通じてマーケティングの適性を発見したケースです。主観だけでは気付けない適性が見つかり、その特性を最大限生かしてもらうべくタスクの割り振りなども見直すきっかけとなるでしょう。

現場の業務効率を高めるため

人材アセスメントがうまく機能すれば、社員を適性に合った部署へと配属できます。人事担当者の作業効率を高められる上、社員本人の業務上の成果向上・クオリティアップも期待できるのが特徴です。

能力を過不足なく発揮できる部署に配属されれば社員の生産性が最大化されるため、配属のミスマッチ防止にもつながります。社員が働きやすい環境に身を置ける点でもメリットがあるといえます。

組織の再編成に役立てるため

人材アセスメント研修は、組織の再編成にも役立ちます。チームのメンバー入れ替えはもちろん、部署の再構築やタスクの見直しを図る上でも欠かせません。

例えば企画部署で開発に精通した人材の確保が課題になっている場合、異動によって人員の補填(ほてん)が実現します。人材アセスメント研修が社内で浸透していれば、必要に応じた柔軟な対応が可能となるでしょう。

 

人材アセスメント研修を実施するメリット

採用面接に臨む応募者と男女2名の面接官

人材アセスメント研修は、企業側にも社員側にもメリットがあります。組織の生産性を高める上では、企業と社員の双方にとって役立つ研修の実施が欠かせません。ここでは人材アセスメント研修を実施するメリットを企業と社員の視点から紹介します。

企業側のメリット

企業は、人材アセスメント研修を通じて社員一人ひとりに着目した経営方針の策定を実現できます。

・採用や人事異動のミスマッチを防げる
・離職率の低下が期待できる
・採用活動の効率化が実現する
・人材育成がスムーズに進む

社員を適切な部署に配置できれば、長期間仕事に従事してくれることで離職率の低下が期待できると考えられます。採用や人事異動でメリットが大きいのはもちろん、人材の育成面にも利点があります。人材アセスメントが適切に機能していれば、上司と部下の関係も良好になり、人材教育もスムーズに進むためです。

社員側のメリット

社員には、人材アセスメント研修によって自己認識が高まることや将来目指したいビジョンが見えやすくなるなど、キャリアにとってよい影響がもたらされます。

・自分の適性が明確に分かる
・業務の成果につながりモチベーションが高まる
・キャリア形成の方針が固めやすくなる

人材アセスメント研修は、これまで自覚できていなかった自分の適性や能力を知るきっかけになります。適性のある業務を任せられることで成果を出すことができ、評価を得られるとモチベーションの向上につながります。社員自身が将来どのようなキャリアを築きたいのかを考える良いタイミングとなるでしょう。

 

アセスメント研修を導入する際のポイント

目標に向かって階段を登っていくスーツ姿の男性

アセスメント研修を導入するのであれば、目的や評価基準を明確にしましょう。最終的な目標を描いておくことで研修の密度が高まり、受講者の満足度向上が期待できます。ここではアセスメント研修を導入する際の3つのポイントを解説します。

研修の目的を明確にすること

まずは研修の目的を明確にしましょう。人材アセスメント研修において、導入するだけでは特定の効果を実感するのは難しいためです。導入そのものが目的とならないように、リーダーの選出や若手社員の育成といった具体的な目的を掲げて研修をスタートさせましょう。

研修で何を実現させたいのかという目的が明確になっていれば、必要となる研修内容や期間なども定まります。研修内容やカリキュラム選定に時間を費やすリスクも避けられることはメリットのひとつです。

客観的な評価基準を採用すること

評価したい項目が明確になったら、数値を用いて具体的に行動を評価します。客観的な評価基準を採用することで、公平で正確な判断ができるためです。

例えば「報告・連絡・相談ができているか」「スケジュール管理が適切か」「資料作成に情報の過不足がないか」といった項目を5段階で評価する方法です。数値で評価する制度を採用すれば、社員のスキルを正確に測定できます。

研修後の結果を分析すること

研修が終了したら、丁寧に結果を分析しましょう。研修結果は、人事評価の最適化や採用活動の効率化に不可欠な資料です。自社の業務改善にどのような点で役立つのか詳しく分析します。

分析した情報は、経営判断の材料としても利用可能です。社員の適性や必要な人材が明確化され、業績を向上させる上で重要なポイントが把握できます。現状どのような施策が必要になるのか考える際にも役立つため、研修結果は貴重な社内資料として分析しておきましょう。

 

アセスメント研修の具体的な手法

ノートPCと資料を持ち寄って話し合いをしているスーツ姿の男女6名

アセスメント研修には、複数の実施方法があります。社員の適性を判断するペーパーテストや、上司との面談を通じて評価を下す手法などです。自社の雰囲気や目指す方針に沿って、適切な手法を選ぶことが大切です。ここではアセスメント研修の具体的な手法を解説します。

適性検査・能力検査

社員の適性やスキルを判定したい場合は、適性検査・能力検査がおすすめです。ペーパーテスト方式で実施するケースが多く、以下のメリットがあります。

・同時に多くの社員を評価しやすい
・定量的な基準に沿って実施するため評価に誤差が少ない
・社員の業務適性や性格を高い精度で判定できる

多くの社員を抱えている企業の場合、一度の検査で精度の高いデータが取れるメリットは大きいといえます。社内体制や状況に応じてペーパーテスト形式での検査を適切に活用しましょう。

コンピテンシー面談

コンピテンシー面談は、高いパフォーマンスを発揮する上で必要な行動や思考を共有する場です。上司と対象社員の間で行動に対する振り返りを実施します。

研修においては、初期段階でロールモデルとしてハイパフォーマーを紹介するケースがあります。研修を通じて身に付けてほしい考え方や行動基準を全体で共有し、生産性の向上を図るのが目的です。

360度評価

360度評価(多面評価)とは、上司や同僚、他部署のメンバーなど複数の人材から評価をもらう手法です。多方面から評価をもらうことに時間を要する一方、精度の高い結果を得られます。

社員の育成に注力する場合、周囲からの評価は重要な参考意見と考えられます。社員自身が自己評価と他者評価を比較して、長所や改善点などを見つけるヒントになるためです。適切なフィードバックにより、社員の成長を促したい際に役立つ手法ともいえます。

 

まとめ

オフィス内で業務報告をする社員2名と報告を聞いている上司

アセスメントにはいくつか種類があります。ビジネスシーンでは人材アセスメントがあり、企業側は業務効率の向上や離職率の低下、社員側はキャリア形成のヒントが得られるなどのメリットを享受できるのが特徴です。

人材アセスメント研修を導入する際は、目的の明確化と実施後の分析に注力しましょう。社員が研修を受けてどのような未来を得たいのか、理解するのが重要です。

 

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