若手社員研修の目的とおすすめの内容・テーマ!成功のポイントは?
若手社員研修が重要であると知っている一方、実施に向けてどのように準備を進めたらいいのか分からない場合もあるでしょう。この記事では、若手社員研修の実施に必要なテーマや注意点と研修を成功につなげるためのポイントをまとめました。
若手社員研修が重要であると知っている一方、実施に向けてどのように準備を進めたらいいのか分からない場合もあるでしょう。まずは、受講対象者である若手がどのような悩みを抱え、何を課題に感じているのか知ることが大切です。
この記事では、若手社員研修のテーマ設定や実施の注意点を解説します。研修を成功につなげるポイントもまとめましたので、若手社員研修の準備の参考にしてください。
目次
若手社員研修の対象者
若手社員研修の主なターゲットは、入社2年目~5年目程度の社員です。ビジネスマナーや基礎的なスキルといった社会人としての基盤が身についている人材を想定します。
入社2年目~5年目の社員は、入社時に組織の文化やビジョンを学んではいるものの、完全に理解できていない場合があります。若手社員研修で、自社の理念・目的を再確認する時間を設けましょう。社員が組織に貢献するために必要な考え方や価値観を身につけられます。
若手社員が抱える悩みと課題
若手社員研修を実施する際には、事前準備が重要です。特に社員一人ひとりの意識や考え方に寄り添う姿勢で取り組みます。まずは若手社員がどのような悩み・課題を抱えているのかを知りましょう。ここでは若手社員が抱える悩みと課題を解説します。
業務に対する意識を高められない
業務に対する意識を高めにくいという問題があげられます。若手社員は仕事をこなせるようになると、新人時代に持っていた緊張感を徐々に失っていく傾向にあるためです。業務に慣れてくると、新入社員の頃にはしなかったミスやトラブルを起こしてしまうことがあります。
適度に緊張感を持って業務に取り組む意識が欠かせません。そのためにはITリテラシー研修などでリスクについて再度伝える時間をつくりましょう。
将来育成する立場になれるか不安がある
将来部下を育成する立場になれるか不安を持つ社員が現れる場合があります。入社から3年~5年ほどが経過すると、後輩社員も増えて自身が指導する立場になるためです。
新入社員の頃は自分の業務が第一である一方、後輩が増えてくると後進の指導も大切な業務になります。自分が将来指導できる立場になれるかという不安を払しょくするためにも、知識やスキルを身につける研修が必要です。若手社員研修は、社員のメンタルサポートにも役立ちます。
主体性を発揮して行動できない
主体性を発揮して行動できていない若手もいます。新入社員の頃は、与えられた業務を淡々とこなしていたでしょう。しかし、入社して数年経ってからも受身な姿勢のままでは成長できません。新入社員気分から脱却し、自発的な行動が必要です。
主体性の欠如はチームワークにも影響します。先輩や上司からの指示を待ってしまい、自分から行動できなくなってしまうためです。自ら動く人材へと成長を促していきましょう。
若手社員研修の目的・実施理由
若手社員は職場の活性化にとって重要な役割を担っています。そのためには会社の戦力となる人材になってもらうことが必要です。若手社員研修を実施する目的や理由を明確化することで、研修の効果を最大化できるため、ここで具体的な指標を確認しましょう。
社内リソースを充実させるため
企業の人的戦力の育成のため、社内リソースを充実させる目的があります。人手不足の昨今、社内人材の早期育成は、多くの企業にとって大きな課題のひとつです。企業が成果を出し続けるためには、難易度が高く複雑な業務もスピード感を持ってこなせる人材が欠かせません。質の高い人的リソースを確保するためにも、若手社員研修の実施は重要といえます。
若手社員の離職を防ぐため
若手社員の離職を防ぐ目的があります。若手社員は仕事観があいまいで、早期離職につながりやすい層です。日頃1on1ミーティングや、メンター制度などを活用しつつ社員を観察しフォローすることはもちろん重要ですが、研修で改めてコミュニケーションに関するプログラムを実施することは有用です。
若手社員自身が働き方を見直すきっかけになることや、業務円滑への足がかりになるなど、結果として離職防止へと近づけるでしょう。
若手社員の業務意欲を刺激するため
若手社員の業務意欲を刺激する目的があります。若手社員は仕事に慣れてくるとモチベーションが低下しやすいためです。業務の取り組み方を振り返り、良い部分は継続し改善の余地がある部分は改めるために、研修を自身と向き合う時間にします。
研修は企業のビジョンや方針を再確認する機会でもあるので、自分の仕事が社会的に意義のあるものだと実感できれば研修後も熱心に業務に取り組めるでしょう。自社の成長や発展を実現する上で、若手社員の活躍は欠かせません。
コミュニケーションの場を設けるため
若手社員研修はコミュニケーションを促進する場になり得ます。入社数年目の時期は部署内のつながりは強くなるものの、部署をまたいだ社員とのつながりが少ない傾向にあるためです。
グループワークやディスカッションなどのプログラムを通じて、社員同士のコミュニケーション活性化を図るなど、コミュニケーションを促すための場として研修を活用する方法もあります。
若手社員研修におすすめの内容・テーマ
若手社員研修を実施する際、どのような内容で研修プログラムを組むか考える必要があります。自社の研修で必要な内容・テーマを選んで研修を構成しましょう。ここでは若手社員研修におすすめの内容・テーマを紹介します。
ITリテラシー研修
ITリテラシー研修の実施がおすすめの理由は大きく2つあります。ひとつはリスク回避のためです。ITリテラシーが低い場合、セキュリティ面やコンプライアンス面でもリスクがあります。セキュリティ担保やコンプライアンス遵守などの規範意識を高めるために、ITリテラシーを学ぶことは重要です。
ITに関する知見を深めることが2つめの理由です。技術発展が目覚ましい昨今では、若手社員のキャリア形成に発展的なITリテラシーの醸成が欠かせません。
ロジカルシンキング研修
論理的思考力はビジネスにおいて不可欠な能力のため、ロジカルシンキング研修を実施しましょう。若手から中堅社員へのなるにあたって、仕事の裁量が大きくなり難しい判断を求められる状況も増えてきます。適切な状況判断に加えて、臆せず業務に向き合える人材を育てるためにも導入したい研修のひとつといえます。課題解決につながる力を養う機会を積極的に設けましょう。
コミュニケーション研修
対人能力を磨くプログラムとして、コミュニケーション研修があります。適切なコミュニケーションは、職種を問わず全ての社員に求められるスキルです。高いコミュニケーション能力は、社内での連携が円滑になるのはもちろん、取引先からの信頼獲得にもつながります。継続契約や別途契約を引き寄せる要素にもなるため、研修に積極的に組み込みたいプログラムのひとつです。
タイムマネジメント研修
タイムマネジメントも仕事をする上で意識したいことです。若手社員から中堅社員になるにつれてさらに自立が求められるようになり、タイムマネジメントの重要度はますます高まります。
例えば複数のクライアントと取引する場合、ミスを発生させないためにも厳密なスケジュール管理が求められます。若手社員のときから時間への意識を高めタイムマネジメントの感覚を持つことで、立場が変わった際もスムーズに業務を進められるでしょう。
若手社員研修における注意点
若手社員研修を実施する際には、具体的な指示をしたり、公平な評価方法を考えたりといった配慮が求められます。受講する社員が快適に研修を受けられる環境を整備するために、ここでは若手社員研修における注意点を紹介します。
指示に具体性を持たせる
受講する社員へ指示を出す際には、具体性を持たせることを意識します。あいまいな指示では業務の進め方が伝わらず、トラブルが発生したりスムーズな進行が難しくなったりするケースもあります。
研修では作業内容やワークの流れについて詳細を伝えること重要です。受講者から大量に質問が出たり、何をするべきか迷っていたりするようでは、正しく指示ができているといえません。誰が聞いても理解しやすい言葉でわかりやすく伝える意識を持ちましょう。
フィードバックの伝え方に配慮する
フィードバックは現状の確認と改善案の提示をセットにして伝えます。受講社員の取り組み方を適切に評価して、次回以降の行動改善につなげることが目的のためです。
例え正しい指摘であったとしてもフィードバックの仕方にも配慮が欠かせません。言葉選びや伝え方によっては、受講社員のモチベーションが低下してしまうためです。若手社員の心に寄り添いながらフィードバックを送るよう努めましょう。
受講社員は公平に評価する
受講社員同士を比較するのは避け、公平性を保つためにも評価には順当な理由を持たせることが重要です。特定の社員を優遇することや偏った評価をすることは、社員から会社に対する信頼や心理的安全性に大きな影響を与えます。
研修に対する姿勢や成果物には基準を設けて、客観的に評価できるようにしましょう。さらにフィードバックや改善点を受講者全員で共有することで、今後の成長につなげるようにします。
若手社員研修を成功に導くポイント
若手社員研修の効果を最大化するためには、知っておきたいポイントがあります。受講社員の価値観に寄り添い、明確な育成方針に沿って研修を進めることが重要なためです。研修後のフォローまで配慮しつつ、社員が安心してスキルを伸ばせる環境を作りましょう。ここでは若手社員研修を成功に導くポイントを解説します。
若手社員の価値観を理解する
育成に携わる先輩や上司、管理職と若手社員の価値観の差を少なくすることが重要です。若手社員にとってメリットのあるアドバイスであっても、伝え方を間違えると正しく伝わらない可能性もあります。
価値観を完全に理解することは難しくても、寄り添う姿勢で接すれば想いは伝わるはずです。若手社員がストレスなくフィードバックを受け取れるように、届きやすい表現を模索し丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
育成方針を固める
若手社員研修の実施前に、育成方針を固めましょう。方針があいまいな状態で若手社員の育成を進めれば、失敗する可能性が高まるためです。会社のビジョンを実現するためにはどのような人材が必要で、理想とする人材へと成長を促すためにはどのような研修が必要なのかといった核となる部分を決めます。自社の将来を担う人材を育てる意識を持ち、明確な育成方針に沿って研修を進めましょう。
研修後のフォローを手厚くする
若手社員の不安やストレスを軽減するために、研修後のフォローを手厚くしましょう。研修で学んだことや、その学びを実務に生かせているのか・役立っているのかなどを受講社員にヒアリングすることがおすすめです。定期的な面談を実施し、若手社員の考え方や課題となっていることについて継続的に理解を深める姿勢で接します。
研修に対してのポジティブな意見だけではなく、ネガティブな意見も集めて次回の研修に生かしましょう。
まとめ
若手社員研修は社内リソースの充実や、早期離職防止、業務への意識改革、コミュニケーションの場を設けるなどが目的です。研修で含めたいテーマは、以下があります。
- ITリテラシー研修
- ロジカルシンキング研修
- コミュニケーション研修
- タイムマネジメント研修
研修を成功に導くには、若手社員の価値観への理解や研修後のフォローが大切です。適切な環境整備が研修効果の最大化につながると理解しましょう。