中途採用者への研修の必要性やメリットを徹底解説【初心者人事向け】
中途採用者への研修に関して徹底的に解説したハウツー記事です。必要性・メリット・内容・期間など初心者人事が知りたい情報をピックアップして分かりやすくお伝えします。
中途採用を行い即戦力となる優秀な人材を確保することは、会社を成長させて行く上でとても大切なことです。
ただし、いくら豊富な経験やスキルを持っている人材を採用できたとしても、その力を自社で発揮してもらう環境をしっかりと整えることができていなければジョインしたメンバーの才能が活きることはありません。
自社の戦力として活躍してもらうためには中途採用であっても1から研修を行い、まずは自社の環境に馴染んでもらうことが非常に大切です。
今回は中途採用メンバーを迎え入れる上で重要となる「中途採用研修」について詳しくご紹介していきます。
目次
中途採用者に研修が必要な3つの理由
先ほども少しご紹介しましたが、中途採用メンバーに自社で活躍してもらうためには社員研修の実施は欠かすことができません。
しかし、「なぜ、スキルも経験も豊富な中途採用メンバーに対して貴重な時間を割いてまで社員研修を行わなければいけないのか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
忘れてはいけないのは社会人経験豊富な中途採用メンバーであっても、自社で働くのは初めてだということです。
異なる環境でスムーズに業務を進めていくためには、社員研修を行い会社のスタイルに馴染んでもらう必要があるのです。
「IT人材白書2018」によると、企業文化や風土に気を配っている企業ほど「IT人材の質の不足感」の値が低いことがわかっています。
これはつまり、企業のビジョンやミッション・バリューなどをメンバーに浸透させることが優秀な人材の確保において非常に重要だということでしょう。
さらに詳しく社内研修が必要となる理由についてみていきましょう。
1.企業、経営理念の理解
自社の経営理念について中途採用メンバーにしっかりと理解してもらうことはとても大切です。
社会人として経験を積みビジネスマナーや業務に対する知識は豊富な中途採用メンバーでも、新しい会社の経営理念まで熟知している人はそういません。
選考を通じて十分に相互理解を深めていたとしても、まだ実際に業務を始めてはいないですから、自社の経営理念に対する理解という点においては新人と同じレベルと言えるでしょう。
ですから、しっかりと研修の時間を取り自社の経営理念の説明を行う必要があります。
今まで異なる経営理念の下で働いてきた人物に自社において成果を出し、継続してもらうためには、自社の方針を十分に理解してもらうことが重要となります。
2.業界、業務内容の理解
採用者に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうため、業務内容やIT業界について理解してもらうことも大切です。
企業によって仕事の進め方や求められる成果は異なるものです。
同じIT業界であっても会社が変われば、業務内容に大きな違いがあることも珍しくはありません。
自社開発企業なのか、受託開発・常駐を主にする企業なのかでも大きく環境は変わります。
何の説明もなく今までとは異なった仕事のスキルを求められては、中途採用メンバーも困惑してしまい仕事をスムーズに行えなくなってしまいます。
また、ポテンシャル採用で異業界から入社してきた人にとっては、今までと全く別の世界で働くことになるためIT業界への理解を1から行っていく必要があります。
中途採用メンバーに自社でいち早く成果を出してもらうために、まずは自分がこれから携わることになる業務や業界を理解してもらうことが大切です。
3.既存メンバーとの交流
急に働く環境が変わり仕事の進め方や求められるスキルが異なることもあるため、会社に慣れるまでの期間は早急に馴染めるよう中途採用メンバーのケアを重点的に行いましょう。
中途採用で入社する場合、時には採用されたのが自分1人ということも珍しくはなく、悩みを共有できる同期のメンバーがいるとは限りません。
慣れない環境で働くだけでもしんどいのに、頼れる存在がいないとなるとさらにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
中途採用メンバーが孤独を感じてしまうことがないように、既存メンバーと交流を深める機会を持ちましょう。
また、業務を進めていく上でもメンバー間のコミュニケーションは欠かすことができないので、良好な関係を築くことは仕事においても良い影響をもたらします。
既存メンバーと交流し仲を深めて会社に馴染んでもらうことは、中途採用メンバーだけでなく会社全体にとっても大きな利益となります。
中途採用者に研修を行う3つのメリット
研修を行うことで会社に対する理解や仕事に対する理解が深まり、中途採用メンバーのパフォーマンス向上につながります。
また、会社に早く馴染むことができるため、不安を抱えることなく仕事に励んでもらうこともできます。
具体的に中途採用者研修がどのような効果をもたらすのか、詳しく見ていきましょう。
1.社員の定着を図ることができる
転職者が退職を検討する理由の1つに、教育体制が整っていないことが挙げられます。
会社が変わり仕事の進め方など前社と勝手が異なることも多くあり、入社当初は戸惑うことも少なくありません。
上司も仕事を抱えているため、いつでも丁寧に指導してもらえるとは限りません。
時には仕事を優先しなければいけないため、指導が後回しにされることもあるかもしれません。
しっかりとした研修が行われず会社の体制についても仕事の進め方についても不明瞭なことが多いままではなかなか活躍の場を見出すことができず「本当にこの会社で働き続けていいのか」と考え始めてしまい退職の道を選んでしまうこともあります。
自社での活躍を期待して採用した優秀な人材に長く活躍してもらうためには、教育体制を整え中途採用社が力を発揮できる環境を作ることが大切なのです。
2.自社で活躍できる人材が育つ
会社が変わると達成するべきミッションや仕事の方針も変わります。
会社の方針やミッションを正しく理解しないまま闇雲に仕事を進めてしまっては頑張りが成果につながらないこともあります。
特に中途採用メンバーの場合は前社での仕事の進め方や考え方が染みついているため、しっかりと研修を行わなければ自社の環境で仕事を進めて行くのが難しいと感じてしまうこともあるでしょう。
研修を行い方針やミッションを示すことで、自社で目標を達成するためにはどのように仕事を行えば良いのか考えながら業務を行うことができ成果につながりやすくなります。
研修を通じて自社の方針を示すことで、会社で求められる力を理解することができ会社の方針に基づいてパフォーマンスを上げることができます。
3.社員が会社に早く馴染むことができる
研修を通じて業務を教えるだけではなく困った時の相談窓口や会社の設備など会社の環境についてもしっかりと説明を行なうことで、あらゆる面において疑問を抱えることなく安心して毎日の仕事に励むことができます。
また、上司や同期入社のメンバーと話をする機会が持てるため、仲が深まりやすく人間関係で悩むこともなくなります。
会社の環境にも雰囲気にも早く馴染むことができ、不安なく過ごすことができます。
中途採用者の研修内容
中途採用者研修の重要性について解説しました。
続いては、中途採用者研修では何を行えば良いのか具体的な内容についてご説明いたします。
1. 座学研修での内容
まずは自社に対する理解を深めてもらうため、経営者や幹部など重役自ら会社の体制について説明を行います。
座学研修では主に下記の3点について話をしましょう。
会社の経営理念・ミッション
自社の方針に沿った働き方をしてもらうためには、経営理念やミッションの理解が欠かせません。
正しく理解してもらうために、しっかりと時間をかけて説明を行いましょう。
社内ルール
業務をスムーズに行えるように社内独自のルールについても、仕事を始める前に伝えておく必要があります。
メンバー紹介
中途採用メンバーが安心して働くことができるように、これから共に働く会社のメンバーについて紹介を行いましょう。
研修においては、話を一方的に聞くだけではなくアウトプットすることにより、さらに理解力を高めることができます。
講義形式だけでなくグループワークなどを取り入れて中途採用メンバーも発言を行う機会を持てるように研修を行うことも大切です。
2.OJT研修で行う内容
スムーズに業務を行えるように、OJT研修を実施し実践を通して自社での仕事を学んでもらいます。
OJT研修は所属する部署で行い、業務を行う上で必要となる知識やスキルが身につくように教育していきます。
教育担当者の指導の下、実際に業務を行いながら不安なく仕事を進めることができるまで何度も実践を繰り返します。
中途採用メンバーが独り立ちできるまで、時間をかけて育成していきましょう。
OFFJT研修について詳しく解説した記事も合わせてご覧ください。
3.eラーニングや集合研修で行う場合の内容
社内ルールや仕事の進め方などの説明はeラーニングシステムを使用して行うこともできます。
インターネットが使用できる環境さえ整っていれば、いつでもどこでも学習を行うことができます。
また、繰り返し学習することができるため知識を定着させるのに最適です。
集合研修では研修を通じて業務で必要となる知識やスキルの基礎を学ぶだけではなく、中途採用社員同士のコミュニケーションを深めることができるようにワークショップやグループワーク形式で課題に取り組む研修が実施されていることもあります。
中途採用者の研修期間
中途採用者の研修期間は1週間程度かけて行われることが一般的となっています。
中途採用社員は社会人として働いた経験が既にあるため、ビジネスシーンにおいて必要となるマナーについては1から教える必要はありません。
自社で働く上で必要となる知識やスキルが身につくように必要に応じて期間を設定します。
1.短期間で行う場合
短い場合は2、3日で研修を行うこともあります。
1日目に座学研修で会社の体制やルールについて説明を行い、2日目以降はOJT研修で実務に入りすぐに独り立ちさせて業務を行わせることもあります。
2.長期間で行う場合
会社や業務への理解を十分に行なった上で仕事を始めさせるために1~3ヶ月ほど丁寧に時間をかけて研修を行うこともあります。
3.タイミングについて(入社前、入社後)
中途採用者の研修は入社直後から行います。
始めに座学研修で会社の経営理念やミッションを説明し、中途採用メンバーが自社でどのような働き方が求められているのか理解できるようしっかりと説明を行います。
会社の方針について理解ができた段階でOJTを通して、実践的な研修を行っていきます。
また、中途採用メンバーが不安を抱えたまま仕事を行うことがないように定期的にフォローアップ研修を行うことも大事です。
仕事を進めていく中で仕事に対する悩みや人間関係における悩みが出てくることもあるため、定期的にメンバーの話を聞く機会を設けるようにしましょう。
また、研修で教えたことがしっかりと身についているのか再確認することも大切です。
中途採用者が会社に慣れるための環境を作る2つの方法
中途採用者に早く会社に馴染んでもらえるように環境を整えて行くことは非常に大切です。
会社に馴染むことでさらにメンバー自身が持っている実力を発揮しやすくなりますし、コミュニケーションを円滑に行うことでスムーズに仕事を進めて行くことができます。
では、このように中途採用メンバーが快適に仕事を行える環境はどのようにして整えていけば良いのでしょうか。
1.挑戦できる環境
中途採用メンバーに会社に早く慣れてもらうために、会社の一員であるということを自他共に認められる環境を作ることが大切です。
中途採用メンバーの中には、さらに活躍の場を広げようと高い志を持って入社してくる人も少なくはありません。
とはいえ、次の会社でも同じように活躍できるのか不安な気持ちを持っているのも事実です。
意欲のある人材に対しては積極的にチャンスを与え、成果を出す機会を持たせましょう。
会社への貢献を通じて、自分も会社の一員として力になれるということを実感でき帰属意識も高まります。
また、信頼して仕事をどんどん任せてもらえることで、上司にも会社の一員と認めてもらえているのだと感じることができるでしょう。
2.社内コミュニケーションが取りやすい環境を作る
中途採用メンバーが他のメンバーと円滑にコミュニケーションがとれるように、メンバー同士の交流の場を設けていくことも大切です。
同期の中途採用メンバー同士の仲を深めるために、社員研修ではグループワーク研修を設けるなどメンバー同士が協力して行える課題を出すことも有効的です。
また、仕事や人間関係の悩みを気軽に相談することができるように、メンター制度を導入し、教育係とは別に中途採用メンバーのサポートを行う担当者を設けている会社も数多くあります。
中途採用メンバーと同年代のメンバーをサポート役につけることで、気兼ねなく話しやすい環境を作ることができます。
定期的に食事会を開いたり、お花見やバーベキューなどのイベントを開催したりすることもメンバー全員と交流を深めることにつながります。
まとめ
中途採用メンバーに自社で活躍してもためには、まずは1から研修を行い環境に馴染んでもらうことが大切です。
いくら経験が豊富な人であっても、自社にとっては新人メンバーであるということを忘れてはいけません。
研修を通して会社の方針や業務についてしっかり教育を行うことにより、採用者が会社に見合った働き方をすることができます。
また、上司や同期メンバーと交流を持つことで仲が深まり、円滑にコミュニケーションをとりながらスムーズに仕事を行うことができますし、なんでも話せる相手がいることで安心して働くことができます。
社員研修を行うことで、中途採用メンバーが安心して働く環境を整えることで、自社で高いパフォーマンスを発揮することができるでしょう。
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