リスキリングの意味やメリットとは?人材育成のために導入する流れも解説!

リスキリング(Reskilling)は「新たなスキルの習得」を意味し、DX推進に必要な取り組みです。苦手意識のある社員の反発も予想されるため、対策を考えることが大切です。本記事では、リスキリングの必要性や成功のポイント、導入事例を解説します。

リスキリング(Reskilling)は「新たなスキルの習得」を意味し、DX推進に必要な取り組みです。データやデジタル技術を活用して業務改善やサービスのブラッシュアップを達成するために、リスキリングについて理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。

業務と並行して新しい技術を習得することは、苦手意識のある社員の反発が予想されるため、モチベーションを維持する環境や仕組みを整えることも大切です。この記事では、リスキリングの意味と必要性、導入成功のポイントや従業員のモチベーションを維持する環境の構築方法について解説します。

目次

 

リスキリングとはどんな意味?

机に向かって並んで座り、笑顔で講習を受ける4人の男女

リスキリングとは社会やビジネスのDX推進などに伴う職務の変化に対応するために学び直すことです。類似用語にリカレント教育やアンラーニング、生涯学習などがあり違いが明確に分からないという方も多いのではないでしょうか。まずはリスキリングの意味や類似用語との違いを解説します。

経済産業省も「役割に応じた相応のデジタル知識・能力を習得する必要がある」として、ビジネスパーソンの学び直し(=リスキリング)を提唱しています。

リスキリングとは

リスキリング(Reskilling)とは、新しい職業に就いたり現職で求められるスキルの大幅な変化に適応したりするために、学び直しや必要なスキルを取得することです。社会や企業のDX化などにより、デジタル技術を活用した新しい職務や業務フローが生まれます。事業戦略などの変革に伴う成長分野への人材のシフトや、雇用を守りつつ成長を目的とした人材戦略としての大規模な教育施策がリスキリングです。

リカレントとの違い

リカレント(Recurrent)とは繰り返すことや循環することです。社会人が仕事に必要な知識・スキルを身に付けるために教育機関に戻って学習し、また仕事に復帰することをリカレント教育といいます。リカレント教育では大学などを活用することもありますが、リスキリングでは知識・スキルの獲得のために職を離れることを前提としていません。

アンラーニングとの違い

アンラーニング(Unlearning)とは、これまでの仕事で学んできた職務遂行のためのツールや、意思決定のプロセスなどの知識や習慣を意識的に捨て去り、職場の変化に合わせて刷新するための学びを指します。「古い習慣を捨て去ることを前提とした学び直し」はリスキリングでも重要となることが多いものの、これまでの知識や経験を生かす場合もあります。

生涯学習との違い

生涯学習とは、充実や啓発、成長を目的として個人が生涯を通じて学習し続けることを指します。リスキリングの目的は仕事に関わることを学び直すことですが、生涯学習は仕事とは無関係に個人の意思で進めます。例えば地域のボランティア活動やスポーツ活動といったものが含まれ、退職後も生涯にわたって継続するものです。

 

リスキリングが必要とされている背景

ノートPCと資料を置いたテーブルを囲んで会議をする3人のビジネスパーソンと、デジタルデータのイメージ

日本企業全体のDXが進まなかった場合、2025年以降、毎年最大12兆円もの経済損失が発生すると予測されています。これは経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」と呼ばれる問題です。これは、DX人材を求める企業の需要に対して、DX人材の供給が追いついていないため起きているといわれています。そのため、個々の企業での先端IT人材(DX人材)の採用難易度は年々上がっており、DX推進のためには既存の従業員のリスキリングが求められます。

継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)

企業の継続的な発展に向け、ITシステムの刷新や競合他社との差別化、場合によってはビジネスモデルの変革を考えなければなりません。

これらの手段として挙げられる「DX」の必要性は認識しつつも、将来に対する危機感が共有されておらず関係者の理解を得られない企業や、価値創出を考えず「とりあえずAIを活用することでDX化したことにする」といった企業は珍しくありません。

先端IT人材が不足しているため

クラウド・ビッグデータ・AI・IoTなどの先端技術を活用し、新しいビジネスの担い手として価値創出や生産性向上に寄与できる人材(DX人材)の不足は今後ますます深刻化する見込みです。

DX人材の拡充については官民が連携してさまざまな施策を展開していますが、採用市場への供給量は十分とはいえません。貴重なDX人材を採用するのは難しいため、リスキリングにより社内人材を育成するのが現実的な選択肢です。

 

リスキリングが企業から注目されている理由とは?

マイクを片手に大型スクリーンを指さすビジネスパーソン

リスキリングはDX時代に欠かせない人材育成方法と考えられ、その背景には世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)や日本経済団体連合会(経団連)の提言、政府発表や新型コロナウイルス感染症の影響もあります。ここでは、リスキリングが多くの企業から注目される理由を見ていきましょう。

DX化の推進が浸透してきたため

DXとは、AI・クラウド・IoT・ロボットなどデジタル技術の発達により、社会やビジネスの仕組みが根本的に変容することです。成長分野へのシフトや業界内での生き残りをかけ、多くの企業がDXに取り組んでいます。人材採用の難化もあり、DXを推進するためにはリスキリングが効率的といえます。

リスキリングの宣言があったため

ダボス会議や経団連の提言も、リスキリングへの関心を高めました。ダボス会議は2018年から3年連続で「リスキル革命」と銘打ち、「2030年までに全世界で10億人をリスキリングする」と宣言しました。経団連は2020年11月発表の「新成長戦略」において、デジタル分野に特化したリスキリングの必要性を訴えています。

国の支援が手厚くなったため

政府は2022年10月、官民連携の「人への投資」のリスキリング支援パッケージを5年間で1兆円へ拡充すると発表しました。厚生労働省は人材開発支援助成金(人への投資促進コース)の助成率を引き上げ、「事業展開等リスキリング支援コース」を創設するなど、支援が活発になっています。

新型コロナウイルスによる影響のため

新型コロナウイルス感染症の流行によりテレワークを導入する企業が急増し、既存の働き方や業務プロセスが大きく変わりました。新しい働き方に対応するために社会全体としてリスキリングへの取り組みが重視されています。

 

企業がリスキリングを導入するメリット

ノートPCを前に会議するビジネスパーソンのチームと、クラウドコンピューティングのイメージ

企業がリスキリングに取り組む主なメリットは、デジタル技術の活用による業務効率化や人材不足の解決、DX化に向けた企業の成長がかなうことです。また社内人材を新たな職務にシフトすることで、これまでの企業文化・社風を守りつつ、継続的に企業の成長を目指せます。

業務効率化を図れる

リスキリングによりITへの理解を深められれば、オンライン化や自動化といった業務効率化には欠かせないITの活用が容易になります。業務効率化がかなえば削減できた時間を別業務に割り振ることもでき、生産性の向上につながります。

テレワークをはじめとした新たな働き方も取り入れやすくなり、通勤費の削減やワークライフバランスの向上といったメリットも享受できるでしょう。

人材不足の問題解決につながる

自動化できる業務はAIやロボットによる代替が進むことで事務職などの人材は余剰が増える一方、先端領域の知識・スキルを持つ専門職や技術職の人材は供給不足が加速するでしょう。外部から調達できる優秀な人材の獲得競争が過熱し、高額な報酬を提示する一部の大企業などに集中しやすいと考えられます。内部人材のリスキリングを図ることで、人材不足問題を解決できます。

新しいアイデアが生まれやすくなる

新しいスキルを習得したことで仕事に対する考え方・捉え方が変わり、アイデアが生まれやすくなります。既存の業務にデジタル技術を取り入れただけでは単なるデジタル化に過ぎません。DXにはデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルを生むイノベーションが求められるため、自発的に考える人材へと成長を促すことにもつながるリスキリング実施は、企業には大きなメリットです。

企業文化や社風を守れる

DXに必要な人材を外部調達する方法もあります。しかしいくら優秀でも自社が培った文化に習熟していない人材を重用すると、企業理念や社風を軽視した変革になりかねません。既存人材にリスキリングを促すことで社員と企業がともに成長を目指しながら、これまで築いてきた土台となる企業文化や社風を守りながらのDXがかなうでしょう。

 

企業がリスキリングを導入するにあたって考えておくべきリスク

3人の部下に背を向けて悩むシニア男性ビジネスパーソン

リスキリングの導入は企業にとってさまざまなメリットがある一方、注意点もあります。例えば時間や手間、コストがかかることや、成長した従業員が流出する恐れや、ミドル層・シニア層の学習意欲の低さや社員の理解を得にくい場合もあります。リスキリングの実施前に、想定されるリスク対策も検討しましょう。

時間やコストがかかる

リスキリングは長期的な取り組みとなり、人事担当者は多くの時間を割かれます。新規事業に関する知識・スキルのノウハウが社内にない場合は、外部研修の利用を検討することになるでしょう。従業員の理解を得るためには、研修プログラムを業務時間内に組み込むことも重要です。リスキリングには時間や手間、コストがかかるため、入念な事前計画のもと、リソースや費用を捻出することが必要です。

人材が流出する可能性がある

リスキリング研修を受けた従業員は、現在の職場より活躍や成長が見込め、より価値を認めてくれる企業への転職を考えることもあるでしょう。内部人材のリスキリングは効果的ですが、優秀な人材の流出を防止するにはより高待遇な職種、ポジションへの異動を制度化するなど、事前に待遇改善の仕組みを構築・共有することが大切です。

ミドル層やシニア層の学習意欲が低い

人材育成に関する予算の多くは新入社員向けに割かれますが、リスキリングは年次や世代を問わず導入する意義があります。DX推進のためのリスキリングはビジネス変革に関わるため、むしろ職位が高く社内外への影響力も大きいミドル層やシニア層にこそ必要です。

しかし、加齢により新しいことをインプットしにくくなっているミドル・シニア社員は多く、たとえばプログラミングに苦手意識のあるベテラン社員が「今さら学ぶ意味がない」と考えて、積極的な参加を期待しにくい場合があります。

従業員から理解を得にくい

リスキリングは日常業務と並行して行うため、すでに業務過多な現場では「コア業務が圧迫される」「学習にかける時間が取れない」といった不満が生じることがあります。

社員がリスキリングの取り組みに価値を見出せなければ、優先順位を低く見積もり積極的に参加しないため、効果が出にくいでしょう。新入社員研修のような研修機会が多い若年層なら比較的受け入れやすいかもしれませんが、ミドル層やシニア層の反発も予想されます。

リーダーシップを発揮できる人材を確保する必要がある

リスキリングは単なるスキルアップではなく、新しいビジネスの担い手として先端技術を学びます。「手探りのDX推進」を変えるには、リスキリングは目標達成のための手段・プロセスであるという意識を共有することが必要です。経営層やマネージャーが明確なビジョンを持ち、一般社員に向けてなぜ必要なのかを明快に説明し、リーダーシップを発揮して舵取りすることが求められます。

リスキリングの先にあるビジネス変革を想定し、目標設定やカリキュラム・スケジュール調整といったマネジメントができるリーダーの存在が不可欠です。こういった人材の確保も課題といえます。

 

リスキリングで習得する分野例

ノートPCを操作する女性の手元のアップと、データ活用のイメージ

リスキリングはDX推進のために必要とされることが多く、新たに習得するスキルはIT・デジタル技術関連が中心です。例えば、データ分析や情報セキュリティ、先端技術を含むITリテラシーが挙げられます。プログラミングやプロンプトエンジニアリングのスキル、マネジメントスキルも重要です。

データ分析

データ分析とは、データから価値ある洞察を引き出し、ビジネスの意思決定や戦略策定に役立てるためのスキルです。クラウドサービスやIoT機器の普及により、企業全体で蓄積するデータは増え続けています。一方、意思決定はいまだに経験や勘に基づいている企業も珍しくありません。

データドリブンな経営やマーケティングを行う企業が増える中、経験や勘に頼る古い体質のビジネスを続ける企業は競争力が低下するでしょう。オフライン・オンラインを問わずさまざまなチャネルから収集したデータを活用し、客観的かつ正確な予測や意思決定を行うには、データ分析のスキルが必須です。

情報セキュリティ

企業はフィッシング・不正アクセス・マルウェア感染など、さまざまなセキュリティリスクにさらされています。データやデジタル技術を活用してビジネスを変革するには、情報セキュリティ上のリスクを最小限に抑え、インシデント発生時に素早く対応することが必要です。

ランサムウェア感染により数十万から数百万件の顧客情報が流出し、顧客対応や賠償問題に追われる企業も珍しくありません。デジタル技術の活用が進めば進むほど、セキュリティ技術者の必要性が高まります。

また、一般社員のヒューマンエラーによる情報漏えいも懸念されるリスクです。適切な教育により社員一人ひとりのセキュリティ意識の欠如を是正し、脆弱性を極力排除した組織に変容することが求められます。

ITリテラシー

ITリテラシーとは、ITを正しい理解に基づき、必要に応じて利活用できる能力です。基礎的なITリテラシーとして学ぶ分野は、コンピュータ・ネットワーク・情報セキュリティ・SNSが挙げられます。

DX推進のためのリスキリングであれば、クラウド・AI・ビッグデータ・IoTといった先端技術の基礎的な理解が必須です。全社員が新しいビジネス環境になじめるように、適切な教育でITリテラシーの水準を高めることが大切です。

プログラミング

ビジネスに必要なシステムをスピーディに開発するために、先端技術に対応したプログラミングスキルの習得も求められます。日本企業はシステム開発をアウトソーシングに頼りがちですが、ビジネスの変化に即応しにくいため、DXを推進するなら社内に開発体制を持つことが重要です。

AIやデータ分析と相性のよい言語として、PythonやR言語が挙げられます。少なくともシステムを理解できるだけの知識は必須です。

また、ChatGPTのような生成AIを一般社員が日常的に活用することも想定されます。生成AIを活用して望ましい出力を得るためのプロンプトエンジニアリングは、エンジニア以外の職種にも無関係ではありません。プログラミングの苦手意識をなくす意味でも、プログラミング研修は重要です。

マネジメントスキル

DX推進のためのリスキリングで学びたいマネジメントスキルは、目標設定・進捗管理・リスク分析・コーチングと多岐にわたります。DXを推進する他社との競争を生き残るために、新事業に参入することもあるでしょう。漫然と仕事するだけでは業務効率を改善できず、価値創出や生産性向上にもつながりません。

マネジメントスキルは経営層やマネージャーだけでなく、一般社員にも求められます。社員一人ひとりがビジネスの変化に対応し、全社一丸となってスムーズに業務改善や価値創出を目指す基盤として、個々のマネジメントスキルをブラッシュアップすることが大切です。

 

社内にリスキリングをスムーズに導入するための準備

ノートPCを前に会議するビジネスパーソンのチームと、クラウドコンピューティングのイメージ

リスキリングは、ビジネス変革を想定した人材育成のために行います。スムーズかつ間違いなく導入するには、「なぜ必要か」という根本的な部分からしっかり検討することが肝要です。また、導入しやすい環境やモチベーションを維持する仕組みを整えることも求められます。

会社の現状を分析する

自社の現状を分析し、抱えている課題や成長するために必要な対策を把握しましょう。DX推進のためのリスキリングは、業務改善や価値創出を目的に実施します。ブラックボックス化したレガシーシステムをクラウド移行する、売り上げが落ちたサービスを先端技術の活用でブラッシュアップするなど、DXの方向性に合ったリスキリングの計画を立てることが重要です。

どの階層のどの人材にどのようなリスキリングが必要かは企業によって異なります。明確なビジョンに基づき、不足している人材・スキルを明らかにしましょう。

リスキリングを導入しやすい環境を整える

リスキリングを目的とした研修・教育は日常業務と並行して実施するため、社員の反発が予想されます。新しい知識・スキルを習得することの重要性を周知して社員の理解を得るなど、リスキリングを導入しやすい環境を整えることも重要です。

DX推進の目標や経営層のビジョンを明示し、必要な知識・スキルや組織として変容したい点を分かりやすく周知しましょう。

モチベーションを維持する環境や仕組みを整える

リスキリングを導入しても、社員が研修・教育に参加するだけで成長につながらなければ意味がありません。資格取得や新たなビジネスの成果にインセンティブを設けるなど、社員がモチベーションを維持してリスキリングに取り組みやすい環境を整えることも大切です。

個々の職責の中で業務遂行や成長を考えるだけでは、DX推進にはつながりません。「社員の成長が企業の成長につながり、企業の成長が社員の報酬に還元される」という原則を認識させることも大切です。社員一人ひとりが個人や企業の成長を積極的に考え、リスキリングに自発的に取り組む雰囲気を醸成しましょう。

 

社内にリスキリングを導入する5つの流れ

各々の資料を手に会議を進めるビジネスパーソンのチーム

リスキリングを導入するには、まず習得すべき知識やスキルを可視化し、教育プログラムの内容や構成を検討します。その後、使用するコンテンツを内製するか社外リソースを活用するかを決め、従業員の意見を取り入れつつ教育プログラムを開始し、学習内容を新たな職務で実践するのが一連の流れです。

1.業務内容や目標に応じて習得すべき事柄を決める

業種や事業内容によって人材戦略の方向性や内容も変わります。まずは新たな職務に必要なスキルセットを分析し、現状とのギャップを可視化することから始めましょう。社内外の求人情報・研修情報などのデータとAIを活用すれば、習得すべき知識・スキルの把握に役立ちます。リスキリングは企業の価値創造の全プロセスを変化させ得る取り組みであるため、全社員向けのプログラムを想定することが重要です。

2.プログラムの内容や構成を考える

習得すべき知識・スキルを可視化したら、パッケージ化された教育プログラムの内容を検討します。長期的な教育計画の中で学習の定着率を高め、実際に新規事業を担えるチームワークを育むためには、社内の協力体制を整えることも重要です。基礎から応用、実践まで何からどのような順番で学ぶかに加え、これまでの習慣を捨て去るアンラーニングが必要かも考慮しましょう。

3.使用するコンテンツを決める

すでに一定数のDX人材が活躍中の企業なら、コンテンツを内製し、社内人材を活用したOJTを実施することも可能でしょう。しかし外部研修を活用したほうが費用や時間の節約になる場合があります。外部リソースを活用する際は、集合研修・オンライン研修・eラーニングなどから複数の教育チャネルを準備し、各従業員が最も利用しやすい方法を検討することも効果的です。

4.従業員の意見を聞きつつ取り組ませる

日々の業務とリスキリングの実地を並行して進めることは、従業員にとって負担になります。上司と部下での1on1ミーティングやアンケート調査などを実施し、リスキリングの実施方法や実施後のキャリアパスについての意識や意見をヒアリングしましょう。業務時間内に学習時間を組み込むなど、積極的に取り組みやすい環境作りをすることが大切です。

5.習得した知識やスキルを活用する

リスキリングは獲得した知識・スキルを実際の業務に応用できて、はじめて効果を発揮します。リスキリング実施後には、実施前との変化や研修内容について従業員からアンケートを集めることも大切です。受講者からのフィードバックを受け止め、継続してスキルアップができる学習方法を用意するなど、循環的な運用を心がけましょう。

 

リスキリングの実施で効果を発揮するためのポイント

テーブルを囲んで会議をするビジネスパーソンのチームと、ヒューマンネットワークのイメージ

リスキリングは実施することが目的ではありません。学習効果を高めて目的や目標を達成するには、従業員の意思やモチベーションにも目を向ける必要があります。ここでは、リスキリングの実施を成功に導く5つのポイントを見ていきましょう。

社内の課題解決につながるコンテンツを選ぶ

良質な内容であっても、目的と方向性が合っていなければ想定した成果につながらないため、社内の課題を解決に導けるコンテンツやコースを選ぶことが重要です。オリジナルのコンテンツ制作や研修コースのカスタマイズに対応している研修企業もあるため、検討しましょう。

社内の協力体制を整えておく

新規事業や新たな業務プロセスに適応するためのリスキリングは、全社的な取り組みとなります。しかし従業員が急激な変化や追加の学習などに反発し、リスキリングの実施そのものに抵抗することもあり得ます。そこで効果や意義について経営陣の理解を得ることはもちろん、従業員にも説明して納得してもらい、事前に賛同者を増やす対策は重要です。

従業員の意思を尊重する

リスキリングの先には働き方の変容があります。しかし従業員自身がキャリアパスを受け入れなければ、自発的にスキルを習得する意欲は得られにくいでしょう。リスキリング実施に当たっては従業員にヒアリングをした上で意思を尊重しつつ、実現可能なキャリアパスの中で各従業員の意向に沿うコースを提供することが大切です。

従業員のモチベーションを高く保つ仕組み作りをする

リスキリングの学習にはキャリアアップなど目的や目標の達成に向け、モチベーションを維持することが求められます。同じ学びや経験を共有する仲間がいることや、専門家に直接質問できること、上司などから積極的に意見をもらいやすい環境があることはモチベーション維持に役立つでしょう。成果に対するインセンティブを用意しておくこともポイントです。

スキルを可視化する

リスキリングで獲得すべきスキルセットは社内外の人材要件定義や求人情報、研修情報などから予想できますが、対象の従業員が保有する知識・スキルはさまざまです。リスキリング実施前の能力と新たな職務に求められる知識などを比較することで、誰にどのようなスキルが不足しているかを把握でき、従業員ごとに最適な教育プログラムを検討できます。

外部サービスも有効活用する

リスキリングはクラウドやAIといった先端技術を学ぶケースも多く、社内リソースによる教育プログラムの作成や運用が難しいこともあるでしょう。専門領域の教育を成功させるなら、IT研修に強みのある外部の研修会社や、リスキリングをサポートするコンサルティングサービスを活用するのがおすすめです。

テックアカデミーは、プログラミング領域を中心に研修コースのオーダーメイドができ、現役エンジニアによるマンツーマンサポートも受けられます。自社にとって最適な教育プログラムを作成・運用できるパートナーを選びましょう。

 

リスキリングの手段としてテックアカデミーの研修を導入した事例

多数のビジネスパーソンに向けてマイクを片手に研修を進める講師

自社リソースでリスキリングへの取り組みが難しい場合は、IT研修・DX研修に強みのある研修会社を利用しましょう。ここでは、企業規模を問わずリスキリングに重宝されるテックアカデミーの研修の導入事例を紹介します。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称CTC)は、より高度で先進性のあるソリューションを生み出そうと模索する中で、生成AIを活用した業務効率化やサービスのモダナイズを進めています。

生成AIの有効活用に必須のプロンプトエンジニアリングの教育に当たり、受賞・導入実績が豊富なテックアカデミーを選びました。オンライン研修と対面式のワークショップを併用した教育プログラムにより、受講者全員がプロンプトエンジニアリングのスキルを習得し、自発的に業務の改善を考える人材が増えています。

参考: 『求めるのは「新しいスキルを習得して業務を変革できる人材」。テックアカデミーの研修サービスを活用してCTCが得られた効果とは?』

求めるのは「新しいスキルを習得して業務を変革できる人材」。テックアカデミーの研修サービスを活用してCTCが得られた効果とは?

株式会社三菱UFJ銀行

株式会社三菱UFJ銀行は、全行員のITリテラシー底上げやDX人材の育成に取り組んでいます。ITリテラシーの高い行員についてはプログラミングまで踏み込み、専門分野での活用を促進させることも重要と捉え、採用したのがテックアカデミーのプログラミングコースです。

「課題のレビューやサポートの説明が丁寧で進めやすい」など受講者からの評判もよく、初めてプログラミングに取り組む行員も苦手意識を克服できました。

参考: 『テックアカデミー IT研修導入事例 – 株式会社三菱UFJ銀行様』

テックアカデミー IT研修導入事例 – 株式会社三菱UFJ銀行様

コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタ株式会社は、事業内容がものづくりからサービスビジネスへ変化し続ける中、企業全体の業務効率化のためにリスキリングの浸透を重視しています。

そこで、元々あった社員の自己啓発メニューに、テックアカデミーのデータ分析研修を追加しました。社内展開を検討する上で、人事部が率先して受講して効果を実感し、事業部をサポートする人事・事務・経理がITビジネスのトレンドについていけることを目指しています。

参考: 『テックアカデミーIT研修導入事例 – コニカミノルタ株式会社様』

テックアカデミーIT研修導入事例 – コニカミノルタ株式会社様

テクノ建設サービス株式会社

マンションの大規模修繕工事を手掛けるテクノ建設サービス株式会社は、企業規模の拡大に伴い作業効率に問題が発生するようになりました。

コンサル会社の提案で業務改善に取り組み始めましたが、IT環境の急激な変化に誰もついていけず、ITリテラシーを基礎から身に付けるためにテックアカデミーの研修を採用します。それまでIT全般に対して感じていた苦手意識を克服し、ITを積極的に業務に取り入れようとする雰囲気が生まれました。今後も継続的なスキルアップを目指しています。

参考: 『テックアカデミーDX研修導入事例 – テクノ建設サービス株式会社様』

テックアカデミーDX研修導入事例 – テクノ建設サービス株式会社様

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社は、グループ全体でDX推進に取り組んでいます。その一環として、DX推進を牽引する若手メンバーがテックアカデミーの「iPhoneアプリ Swift研修」を受講しました。

きめ細やかなメンタリングによりプロのエンジニアの考え方を学ぶことで、アプリ開発にかかる期間・工数を予測しやすくなった他、外部ベンダーに委託する際も対等に議論ができるようになりました。

参考: 『テックアカデミーDX研修導入事例 – キリンホールディングス株式会社様』

テックアカデミーDX研修導入事例 – キリンホールディングス株式会社様

 

まとめ

ノートPCを笑顔で操作する男性ビジネスパーソンと、ディスプレイを見て笑顔を浮かべる男女

リスキリングはDX推進のために必要な取り組みです。先端技術を活用した業務改善やサービスのブラッシュアップを求めるなら、データ分析やプログラミングといったIT・デジタル技術を中心に、各階層の社員が新たなスキルを身に付ける必要があります。

教育プログラムによっては苦手意識のある社員の反発も予想されるため、IT研修・DX研修に定評のある研修会社と連携し、データやデジタル技術を積極的に活用する企業文化を形成しましょう。

 

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