ChatGPTのビジネス活用方法5選と企業事例6選を一挙紹介
ChatGPTをビジネス課題の解決に活用する企業は豊富です。自社向けにカスタマイズしたChatGPTの利用環境を、全社的に活用している大企業の事例もあります。この記事では、ChatGPTのビジネス活用の方法や具体的な企業事例を解説します。
ChatGPTは、非常に汎用性の高い生成AIです。さまざまな業種・職種の業務効率化などを支援でき、多くの企業がビジネス課題の解決に活用しています。自社向けにカスタマイズしたChatGPTの利用環境を、全社的に活用している大企業の事例もあります。
ChatGPTのビジネス活用を促進するには、ChatGPTに何ができるのかをより明確にイメージし、自社にとって最適な活用方法のアイデアを具体化していくことが大切です。そこでこの記事では、ChatGPTのビジネス活用のバリエーションや企業事例を解説します。
目次
- ChatGPTをビジネスシーンで活用する方法5選
- ChatGPTをビジネス活用する企業の事例6選
- 【ChatGPTの注意点】ビジネス活用にはプロンプトエンジニアリングが重要
- AI研修でこんなお悩みはありませんか?
- まとめ
ChatGPTをビジネスシーンで活用する方法5選
ChatGPTに与えるプロンプト(命令・指示)次第で、ビジネスシーンにおける多彩な活用方法が考えられます。例えばコーディングや各種文書作成の補助、マーケティング・営業の支援などです。添付したファイルに基づくテキスト生成などもできます。
コーディング・デバッグ・リファクタリング
ChatGPTは簡単なプロンプトを与えるだけでPython・JavaScript・Javaなどさまざまな言語でコードを生成でき、コーディングの効率化に役立ちます。関数やクラスの作成、複雑なシステムのプロトタイピングの他、簡単な業務用アプリの作成などが可能です。
新しい言語や技術を学ぶためのサンプルコードや理論の解説もできるため、非エンジニアのプログラミング学習などにも活用できます。
バグが発生したコードを入力すると修正方法の提案も受けられ、エラー特定や修正にかかる時間を大幅に短縮できます。他にも、冗長なコードの簡素化や可読性の向上といったリファクタリングの他、複雑なコードの解説なども可能です。
文章の作成や要約
ChatGPTを活用すると、提案書・報告書・ビジネスメールなどをフォーマルな文体で迅速に作成でき、ブログ記事やマーケティング資料、スピーチ原稿などの下書きも簡単に用意できます。例えば、顧客の課題と解決策を整理した提案書のテンプレートを作成したり、営業プレゼンの骨子やスライド用のテキストを作成したりすることが可能です。
長大なページ数・文字数の資料の要約なども得意で、シンクタンクによるレポートや学術論文といった専門的な文書を、一般の読者向けに簡潔にまとめることもできます。また、メールスレッド・チャットの履歴や議事録などから、会話の流れや重要なポイントをまとめることも可能です。
顧客向けや従業員向けのFAQ対応
ChatGPTをサポートチャットやWebサイト、CRMシステムなどに組み込み、チャットボットとして運用することもできます。既存のFAQリストやサポート履歴、製品マニュアルなどを学習させることで、顧客のよくある質問に自動応答させることが可能です。24時間365日、無人で稼働させられます。コンタクトセンターで同じ内容の問い合わせに何度も対応する必要がなくなり、スタッフの負担軽減や、有人対応が必要な業務の改善にも役立ちます。
また、ChatGPTに社内規定やITシステムの手順書を学習させ、SlackやMicrosoft Teamsなど社内ツールと統合し、従業員のよくある質問に即答させる運用も可能です。
ユーザーアカウント情報や注文履歴に基づいた具体的な対応、役職や部署に応じた情報提供など、ターゲットにパーソナライズされた回答を提供することもできます。さらに、FAQの利用データの分析や改善すべきポイントの特定などにも活用可能です。
マーケティングや営業の支援
ChatGPTを活用すると、さまざまな面でマーケティングや営業を支援できます。オウンドメディアに掲載するコラム記事の下書きの他、広告コピーの作成やハッシュタグの提案など、SNS運用の効率化も支援できます。顧客の行動や購入履歴に基づくメールの作成、個々の顧客ニーズに対応する特典や商品を提案するなど、顧客一人ひとりに合わせたアプローチにも役立ちます。
ターゲット層に響くキャンペーンやプロモーションのアイデアを提案したり、マーケティングデータ・営業データを簡潔にまとめて報告書を作成したりすることも可能です。他にも、ペルソナの設定や国際市場向けのコンテンツ作成など、さまざまな活用方法が考えられます。
戦略策定や商品企画の支援
ChatGPTは戦略策定や商品企画など、より高度な使い方にも対応できます。例えば特定の業界や市場での最新トレンドの要約、ターゲットとなる顧客層の行動や嗜好の整理などにより、業界の動向や消費者ニーズの把握を支援できます。目標とする市場に適した商品やサービスの特徴・機能・価格帯・提供プランなどの提案より、具体的な仕様設計のプロセスを支援することも可能です。
SWOT分析やゴールとKPIの提案、それらに基づく長期的な成長戦略などロードマップの作成にも活用できます。さらに、業界の進化や技術革新に基づいた未来のトレンドの予測、事業に影響を与える可能性のあるリスクとその緩和策の提案、異なる条件下での複数シナリオの事業戦略提案なども可能です。
ChatGPTをビジネス活用する企業の事例6選
ChatGPTはWebブラウザや専用アプリから直接利用することもできますが、他社クラウドサービスからAPI経由でアクセスすることもできます。ここでは、自社用のChatGPT活用環境としてAzure OpenAI Serviceを利用するなど、ChatGPTを使いこなしている企業の事例6選を紹介します。
三井住友海上火災保険株式会社
三井住友海上火災保険株式会社のIT推進部は、2024年度にテックアカデミーの「生成AI活用ワークショップ」を活用した研修を実施しました。
本研修には16名が参加し、1日目に生成AIの基礎知識を学び、2日目には実践的なハンズオンを行いました。特に、1日目と2日目の間にグループごとのオンライン壁打ち会を設けることで、理解を深める工夫がなされた点が好評でした。研修後は、生成AI未経験者も日常的に活用するようになり、業務改善やチーム間のコミュニケーション活性化につながりました。
LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社は「生成AIを日本で一番活用している会社へ」という目標を掲げています。社内での生成AI活用として、従業員約2万人に独自AIアシスタント「ChatAI」を提供しています。生成AIのリスクを理解した上で活用することを重視し、全従業員受講必須の生成AI利用研修を定期的に実施して、合格者のみにAIアシスタントを提供する仕組みです。ChatAIはアイデアのブレインストーミングのパートナーとして活用されるなど、業務生産性の向上や新サービス創出に貢献しています。
またLINEヤフーは、生成AIを全てのサービスに取り入れることを目指しています。例えば「Yahoo!知恵袋」で生成AIが回答を提示し、「Yahoo!検索」で観光スポットのクチコミを生成AIが要約するなど、各種サービスでの生成AI活用が推進されています。
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントは、ChatGPTをはじめとする生成AIをデジタル広告制作に積極的に活用しています。
2023年には広告オペレーションの作業時間短縮を推進する「ChatGPTオペレーション変革室」を設置し、月間で約23万時間にのぼる広告オペレーションにかかる人的な総作業時間のうち、30%にあたる約7万時間の削減に向けた取り組みを行いました。他にも「アニメーションAI Lab」や「ゲームAI Lab」、「AIオペレーション室」の設置など、多彩な取り組みを行っています。
2024年には生成AIを活用した「シーエーアシスタント」を自社開発しました。広告事業に従事する社員一人ひとりに専属AIアシスタントを提供することで、品質向上とともに広告オペレーション総時間2.4万時間の削減を図り、顧客の広告効果最大化のための時間を創出することを目指しています。
パナソニック コネクト株式会社
パナソニック コネクト株式会社は、生成AI技術を活用して業務効率化と生産性向上を推進しています。2023年にはChatGPTをベースにした社内向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」を、国内の全社員約1万2,400人に提供開始しました。ConnectAIの基本機能はChatGPTと同様ですが、有効な使い方を全社に根付かせるために、プロンプトエンジニアリングの観点に基づきUIをカスタマイズしている点が特徴です。
ConnectAIは検索エンジン代わりの単純な質問から、戦略策定や商品企画など高度な業務への活用まで多様な利用が報告されており、社員のAIスキル向上に役立っています。1年間でアクセス回数は約140万回に達し、全社員で合計約18.6万時間の労働時間削減を達成しました。サービス提供開始から16か月間の間に情報漏えいや著作権侵害などの問題は発生せず、シャドーAI利用リスクの軽減にも寄与しています。
サントリーグループ
サントリーグループでは2023年5月より生成AIの業務活用に向けた取り組みを開始し、独自のChatGPT「ガウディ」を開発・展開しています。「ガウディ」は国内従業員約1万9,000名を対象に導入され、プロンプト作成研修などで活用をサポートしながら、業務効率化やDX推進につなげることを目指しています。
またサントリーウエルネスでは、コンタクトセンターにおける対話内容の要約作業をChatGPTで自動化する取り組みを進めています。従来、対話要約には時間がかかり、要約の質も担当者によってばらつきがありました。ChatGPTを活用することで、通話内容を迅速かつ正確に要約し、業務効率化とサービス品質の向上を目指しています。
キラメックス株式会社
キラメックス株式会社では、同社が運営するテックアカデミーの受講に関するWeb経由の問い合わせに対し、カスタマーサポートのスタッフが全て人手で確認・返信対応を行っていました。そこでスタッフ自らがテックアカデミーのAI研修を受講し、研修で学んだ内容を生かしてChatGPT APIを活用したSlackbotを作成しました。
Slackbotが問い合わせへの自動返信文の作成・添削を行うことで、カスタマーサポートのチーム全体で約69時間/月の工数削減につながり、浮いた時間を受講生のサポートなど満足度向上のための業務に充てることができるようになりました。他にも営業担当者による提案メール文の作成、マーケターによるキャッチコピーの作成など、さまざまな活用方法を実践しています。
【ChatGPTの注意点】ビジネス活用にはプロンプトエンジニアリングが重要
ChatGPTを実務に活用するにはプロンプトエンジニアリングの知識・スキルが重要です。プロンプトを与えると高速に結果を出力しますが、言語モデルの特徴などを理解しないまま利用すると、目的達成に生かせない情報の羅列となることもよくあります。望ましい結果を効率よく得るためには、プロンプトを最適化することが必要です。
ChatGPTを導入するのは容易ですが、予備知識がなければ試行錯誤にかなりの時間を要します。ChatGPTの仕組みや得意・不得意といった必須知識、実務に活用しやすいプロンプトの型などのノウハウは、現役エンジニアなどプロが講師を務める研修で学ぶのがおすすめです。
AI研修でこんなお悩みはありませんか?
人材育成のご担当者様にお聞きすると、
- そもそもAI研修を導入すべきか迷っている
- AI研修をやりたいが何をしたらいいのか分からない
- AI研修を行っても社内に浸透するかイメージが湧かない・効果が見えない
上記のようなお悩みを抱えている企業様が多くいらっしゃいます。これらの人材育成に関するお悩みを、テックアカデミー・LINEヤフーテックアカデミーは解決いたします。
AI研修を現状の研修に合わせてカスタマイズし導入いたします
企業によって生成AIを活用すべき箇所は異なります。無闇に導入しても浸透せず、効果が出ないということを防ぐために、どういった目的で、どんなKPIを目標にしているのかなどしっかりお聞きした上で、皆様ですでに導入されている研修に追加できないかなどカスタマイズのご提案をいたします。
1,500名のAI活用人材を生み出したLINEヤフーのノウハウ、テックアカデミーの研修実績による確かなカリキュラム
LINEヤフーでは文系人材を含めて約1,500名のAI活用人材を生み出しています。
さらに、業務ですぐに活用できる独自AIアシスタント「ChatAI」を導入。8か月で、累計で約38万時間(※)を削減することに成功しました。
※LINEヤフー社調べ
テックアカデミーとLINEヤフーが共同運営するLINEヤフーテックアカデミーでは、ChatGPTの業務活用に特化したeラーニング形式の研修も用意しています。現役エンジニアによるメンターサポートや無制限の課題レビューを受けながら、15時間(2週間)程度をかけて業務活用スキルを習得できるコースです。
さらに、非エンジニアを対象とした、生成AIの業務活用方法が学べる「AI活用アカデミア」も展開。全7回のワークショップ形式で、生成AIに関する基礎知識はもちろん、実際の業務を想定した企画立案を通じて、実践的なスキルを磨くことができるカリキュラムです。
受講前後の成果や、生成AIの社内システムへの導入支援まで行います
それぞれの受講生がどのような状況かをマネージャーが管理できるシステムを準備しており、学習効果の見える化が整っています。
また、生成AIを社内に導入するにあたり必要なシステム開発、社内体制の構築までご要望に応じてサポートします。学習して終わり、で済ませません。
まとめ
ChatGPTはさまざまな業種・職種の業務効率化などを支援でき、多くの企業がビジネス課題の解決に活用しています。ビジネス活用のアイデアを具体化するには、ChatGPTに何ができるのかをより明確にイメージし、プロンプトエンジニアリングに習熟することが大切です。ChatGPT活用の社内実績もある研修会社なら、蓄積したノウハウを生かしたきめ細やかなサポートを期待できます。
テックアカデミー・LINEヤフーテックアカデミーは、生成AIを社内で浸透させるためのロードマップ、チェックポイントなどがまとまっている資料を無料でお配りしております。
サービスのご説明はもちろん、お悩みの相談会も行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。AI研修を検討しているといった方でも、状況を詳しくお聞かせいただきアドバイスさせていただきます。
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