リフレクションとは?意味や育成の方法を解説【IT業界人事対象】

リフレクションについて解説するハウツー記事です。個人においてもチームにおいても有効ですが、方法を間違えると逆効果になりかねません。本記事では、知っておきたい適切な実施方法をご紹介しています。

企業を支える人材育成のノウハウはたくさんありますが、受け身で学ぶだけでなく、主体的に学ぶことで大きな成長が期待できるでしょう。

変化の激しいIT企業において活躍できる人材を育成するために、メンバーが自発的に成長するための手法が近年注目されつつあります。

その1つが、「リフレクション」と呼ばれる人材育成テクニックです。

今回はリフレクションについて、ビジネスシーンにおける概要や、その重要性、具体的な実施ノウハウまでご紹介していきます。

目次

 

リフレクションとは

リフレクション(reflection)とは、直訳すると「反射」という意味で、ビジネスにおける人材マネジメントの分野では、日頃の業務の取り組み方やプロセス、得られた成果や改善すべき点などを振り返るという意味で使用されます。

リフレクションを行う目的は、ミスをしてしまったメンバーやなかなか成果が出ないメンバーを責めるのが目的ではありません。

あくまでメンバーが日頃の業務を俯瞰して、今後の業務改善や自己成長に繋げる目的で行います。

 

リフレクション教育の重要性

リフレクションの実施を検討する企業が増えているのは、メンバー1人ひとりや所属するチームが日頃の業務を見つめなおすことにより、企業全体の業務改善や業績の向上が期待できるからに他なりません。

リフレクションを企業文化として習慣化すれば、メンバー1人ひとりに自分を客観視して改善や向上につなげようという気持ちが芽生え、業務遂行の能力やモチベーションの向上が得られるといったメリットもあります。

企業で実務を行うのは「人」ですので、自己成長の意識を持った人材が増えることやその人材がさらに成長の期待を持つことができる仕組みを整えるのは、人事部の重要なミッションです。

リフレクションをメンバーにレクチャーして企業文化として定着させることは、自己成長の環境を整えるための有効な手段の1つです。

 

リフレクションによる人材育成の方法

リフレクションを導入するには、ただメンバー間に周知するだけでは大きな成果は期待できないでしょう。

この章では、基礎的なリフレクションの方法、及び一般的によく用いられているリフレクションの方法についてご紹介します。

効果的なリフレクションの実施のためにも、ぜひ参考にしてみて下さい。

 

ベーシックなリフレクションの実施方法

これからリフレクションの導入をご検討している人事部の方は、まずはシンプルで基礎的な方法からメンバーへレクチャーしていくことが重要です。

以下にそのプロセスをご紹介します。

1.まずは単純に事実だけを振り返る

最初のプロセスは、テクニカルなことは考えずに淡々と事実を振り返ることからトレーニングを始めます。

まずは過去を振り返ることに慣れていきましょう。

2.過去に起こった事実についての環境や人物などの状況をセットにして振り返る

1.のプロセスで得た過去の事実に、関連している周囲の環境や人間関係等の要素を肉付けしていきます。

徐々にリアリティのある振り返りができるようになってきます。

3.自分自身の行動や考え方や意識の持ち方についても振り返る

2.までは事実の羅列ですが、そこに自分自身の行動やマインドを付け加えて、どうすべきだったのか、改善すべき点は無いか等を検討していきます。

ここまで実行できて初めてリフレクションを実施した意味があります。

最初からは難しいので、徐々に深く考察できるようにトレーニングしていきましょう。

 

現代で良く用いられている「経験学習モデル」とは

経験学習モデルとは、組織行動学者であるデービッド・ゴルフという人物が考案した、現代の人材育成において主流となっている手法です。

「経験⇒省察⇒概念化⇒実践」という4つのプロセスを繰り返して、自己成長に役立てる学習サイクルとなっており、これができるようになった人材は大きく成長し続けることが期待できます。

専門的な知識が必要で難易度は高いですが、基礎的なリフレクションができるようになったら、実施を検討してみると良いでしょう。

 

間違ったリフレクションの例

リフレクションは効果が期待できるように実施しないと、思うような結果が期待できないどころかマイナスの結果を強める事にもなりかねません。

たとえば、過去の業務を振り返った際に失敗があったとして、ミスが起こらないようにしたり具体的にどのように改善したりするのかを考えるのではなく、誰のせいでミスが起こったのか、ミスをして怒られないようにするにはどうすればいいのかなど、自己成長ではなく自己弁護のためのリフレクションをしてしまう場合があります。

これでは業務改善や社員の自己成長も期待できません。

正しい問いかけを自分に行ったり、プラス思考で物事を考えてリフレクションを実施できたりするよう、人事部が効果的なリフレクションの方法についてもメンバーにレクチャーする必要があります。

 

まとめ

今回はリフレクションの基礎知識からその重要性・メリット、具体的な実施方法までご紹介しました。

メンバーが自己成長できる習慣は、1人ひとりの人間的成長にも、企業の成長にも有益なことです。

ぜひリフレクションを実施して、自分から率先して学べる人材の育成に尽力してみてください。

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